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ああ。
[サイラスから、生きる大切な者から目を背けて。
搾り出すように湿った声で紡がれる、愛しい娘の名前
こたえた男の声は、罅割れてはいなかったか。
後悔やら悲しみやら罪悪感やら、それでも断ち切れぬ未練やら。
そうしたものを綯い交ぜに、ほつりと短く声が落ちる]
… ああ。
[あの子も、置いていかないでとあんなにこの腕に縋っていたのに]
そうだね、
[この娘は気付いているだろうか。
自分を励ますだろうその言葉、
それがこの愚かな男をも励ましてくれていることに。
犯した罪悪、それを口にするのはやめた。
少なくとも今この時彼女に告げるべきことではない。
言えば自分は楽になろうか、彼女をきっと苦しませて。
そんなことはもう、充分以上にやって来た。
己の為に友を苦しませ、娘を甥を嘆かせた。
この上更に、重ねることに意味があるのか。
…───それともこれも、弱い愚かな男の逃げか]
傍にいて欲しいと、きっと思っているよ。
[君にはつらいことだろうけど。
そう音にせず思うのは、互いに知ることだろうから。
だからと、彼女が与える希望だけを口にして]
君は強いな。強い、いい子だ──…
ああ。行っておいで、マーゴット。
気をつけて行くんだよ。
[自分勝手な感傷を裡に押し込め、目を細め、
かつて、宿から娘と出掛ける彼女に向けたと同じ声を掛ける。
そして淡い花の微笑
─ 墓場 ─
[聞き覚えのある声
男はは、その声
マーゴットのような強さを持ってのものではなく。
ただ”呼ばれた”のだ。
見えるのは、娘一人の”おそう式”
震える肩はやはりあどけなく、ひどく小さく見えた]
メアリー……
[嗚咽。嘆き。
この娘をもっと見守っていたかった。
ずっと傍にいて守ってやりたかった。
…ああ、これが未練かとぼんやりと思う。
未練が未だに、この身を縛り付けているのかと]
…………、
[いつものように、大丈夫だよと言える声も腕もなく。
風に紛れて寄り添い、娘の肩を抱くようにする。
透明な腕は草も娘もすり抜けていて、気付かれることもないけれど]
[娘が泣き止むまでそうしていて、
やがて真っ赤なアネモネが供えられるに手を添えた。
娘の目が、花と同じように真っ赤に泣き濡れている。
涙を拭ってやれる指はなく、
男は微かに歯をかみ締めて俯いた。
喉に手を当てる。ああ、やはり涙の代わりに血が流れている]
……、すまない。
[死んだというのに、妻の気配は近くにはない。
こんな罪に塗れた男に、もはや彼女に会う資格もないのか]
────…、すまない …。
[もう一度繰り返して、立ち上がる娘を見守った。
決意を口にする健気さ
願い篭めるようにして、その小さな背を見送った。
暫くの間、ずっと、ずっとそうして*いた*]
─ ??? ─
[おとなになる。ということが、
どれだけ変わったことかと───今は、思う。
死後に、こんなことを考えていても仕方ないのかも知れないが。
まったく、大人になってどれだけ成長したかと思う。
未だ若い者たちからは、男は大人に見えただろうか。
───とんでもない。
まったく、残念なほどに成長していない。
それどころか、身動き硬くなった分だけより悪い。
友と呼んだ男を八年苦しめ続けたことなど、その最たるものだ]
[妻を喪い、その死を嘆き。
救えなかった──救ってくれなかった彼を恨んだのは本当だ。
悲しみに沈みながら恨んだ…怒った。
そうしていないと、悲しみに押し潰されそうだった。
そうしていることで、自分を支えた時期が確かにあった。
ひどい話だろう。
医師はなにも、神じゃない。
救えない患者がいたって当然だ。
分かっている──…分かっていた、けれど。
彼なら、スティーヴならと思ってしまったのだ。
妻を助けて欲しいと、無茶な願いで縋ってしまった。
彼女が助かるならば、自分は何だってしただろう。
禁忌を犯すことすら出来たろう。
けれどその前に彼女は死に、その機会は永遠に失われた。
─── 見殺しにされたと、あの時思った]
メアリー…
[愛しい娘の嘆き声が微かに聞こえる。
ああ、彼女は今どうしているだろう。
生前最後に聞いたのは、悲しい絶叫
可哀相なことをしてしまった。
彼女の為に生きなくてはと、確かに思っていたはずなのに]
[妻の居なくなった世界は、色を失ったようだった。
あの時、多分、男のどこか大切な部分も一緒に死んだのだろう。
それでも時の流れは残酷で、痛みも次第に麻痺をする。
気付いたのはいつ頃からだったろう。
妻の墓に、折に触れてはそっと供えられる花のあることに。
甥ではない、娘でもない。
レオナルドに、それとなく聞いてみたこともある]
『いや。ルパート、多分それは──…』
[それは多分、”彼”の供えた花であろうと]
[…かつてキャサリンが笑って教えてくれたことがある。
スティーブンに教えて貰った、おまじない。
願いをするには蒲公英の綿毛を吹いて、一息で飛べば叶うだろう。
他愛もない、可愛らしいまじない
そんな無邪気なことを口にするところもある男だった。
あの時の彼女の願いは、叶ったか。
そういえば結局、聞きそびれてしまった。
優しい思い出の向こうに、冷たい雨音と嗚咽が重なる。
遠く記憶の向こうに蓋をしてきた声
────「すまない」と。繰り返し、響く]
[花の贈り主が分かっても、彼との関係が変わることはなかった。
変えられなかった…というのが、少し正しい。
もう、無邪気に声を掛けられる間柄ではとうになかった。
顔を合わせても、気まずい沈黙の続くばかり。
やがてすぐ耐え切れずに、どちらかが居なくなるという感じだ。
臆病だったのじゃないかと思う。
どちらも、相手に声を掛けることが出来ずにいた。
いや、声を掛けるなら自分からだったろう。
でも出来なかった。
もう何を言っていいのかすら、分からなくなっていた]
[それでも、表向きは互いにどうにかやっているようだった。
村医者は偏屈ながらも村人に頼られる医者としてやっていたし、
宿の主も細々ながらも一見穏やかに、店を続けていた。
年を取ればそれなりに出会いもあるもので、
どのみち幼い娘と多感な年頃の甥がいて家は賑やかだったし、
時折やって来る奇妙な傭兵の世話も焼いたし、
宿に長逗留した、気の毒な娘の世話も家族で焼いた。
彼らから、男は大人に見えただろうか。
穏やかに人当たりの良い、父や年長者に見えただろうか。
天秤は危うい均衡を保ち続ける。
平穏はそうして続いていくはずだった]
[ ───けれど ]
[”裏切り者”が捕まれば、それで良いのだろう?]
(”彼ら”は逃れられるかも知れない。)
[同胞を殺すなど───、愚かなことを。]
(”裏切り者”と何が変わるというのだ。)
[死は、八年前のあの日からずっと身近にあり。
届かない憧れのように、男の傍らに座り続けていた。
天秤が揺らいだ時、その壁も、また揺らいだ。
身近にやって来た死の誘惑に手を伸ばす。
…ああ!なんて強い誘惑だったことだろう。
彼らのため、子どもたちのため。
そんな言い訳を幾ら尤もらしくつけてみても、知っている。
これは単に、男が自分の為に望んだことだ。
何ひとつ”大人らしい”思慮分別もなしにして。
ひどく傲慢でわがままな子どものように]
グレッグ、
[遠い日の少年も、逞しい青年になった。
彼が居てくれるからと、少し安堵があったのを否定はしない。
…しないけど。最後に見た彼のまなざしを思う。
”また”彼に、親を亡くす痛みを負わせてしまった]
メアリー…
[愛しい娘の嘆き声が、聞こえ続けている。
お前にそんな思いをさせるつもりじゃなかった。
…いや、分かっていたのだ。分かっていたはずなのに。
怯えたように服の裾を掴んで、
どこにもいかないでと願う娘の瞳に確かに知っていた筈なのに。
それなのに、その切なる願いを破ってしまった]
(……お前たち、)
[お前たちが生き延びる道ならば、と。
男は共存のまどろみから醒めた者らに語りかけた。
ほんとうに、それは願いだったのだ。
だから聞こえる嘆きにも、悲しみにも]
(忘れておくれ)
[復讐など考えてくれるなと。
彼に重荷背負わせたのは自分なのだと───…]
( …ああ、)
[声を届けることが出来たら良かったのだけど]
………、スティーヴ。
[八年間。あれ以上苦しめたくはなかったなと思う。
遠い昔、彼は心優しい少年だった。
大人になってもそれは同じこと。
ならば八年、苦しんだんだろうなと思う。
苦しめたのは自分。
その上、更に背負わせたのもやはり自分だ。そしてその上、]
… ごめん …。
[赤々と教会を焼く炎が闇の向こうに見えている。
あれは今か過去か未来か、時の流れは今や曖昧で。
ただ、男はその中に誰がいるかを”知っている”
十字架に貫かれた人が誰かを、分かっている]
[己の罪の末路だ。
真に焼かれるべきは、この愚かな男じゃなかったか。
自分に───彼に手を下させてしまった。
彼にも、あの子らにも。
ではこの罪をどうしたらいいのだろう…
こたえを求めて、ゆらり頭を巡らせる。
向かうべきところは一つだろう。
マーゴットに、死なせてしまった娘に貰った
なけなしの勇気を手に、目を上げる。
生前避け続けてきた”彼”のところへ。
幽霊はゆらり、彷徨い*はじめた*]
メモを貼った。
メモを貼った。
― まどろみの中 ―
[ うつら、たゆたう意識。 ]
[ 誰かが咽び泣く声が聞こえた。]
( マーゴット。
そうやってすぐに泣くんじゃない。 )
( ……マーゴット。 )
[暗闇の中、白い手首をぎゅうと握って、
抑えようとして、
その幻影は男の手をすりぬける。]
[――そうして、響き渡る泣き声に耳を塞いだ。]
[
それはラディスラヴァの嗚咽に聞こえた。
それはメアリーの「やめて」という声に聞こえた。
それはグレッグの「叔父さん」という声に聞こえた。
それはサイラスの萎れた声に聞こえた。
それは「ヨハネス」の血を吐くような叫びに聞こえた]
(泡を吹かせるのは此方のほうだったが)
(置いて逝く方も悔しい事を、君は知らない。)
[ そしてまた、それはあの日背を向けた友
声無き泣き声のように、聞こえた。]
( ……キャサリン。)
(僕は、どうすればよかったんだろうか)
[彼の涙を拭うものは。
ただ。妻のたおやかな白い指先であるべきだった。
――奪ったのは自分だ。医者の顔をして
何一つ守れはしないこの自分だ。]
(……泣いているのは、誰ですか。)
( 心の痛みに効く薬はありませんか。)
[噫、患者が沢山いるのに、
男はそれを救う術を 一つも持っていなかった。]
( 必要なのはきっと誰かの温もりで
そしてそれを与えるのは、
自分の役目では ない。 )
[知っている。よく知っていた。
ならば、どうすればいいかわからなかった。
だからこそ、あの時。
そして彼に「誘われ」た時。
男は、優しさと反対の道を行った。
あの家族から更に父を奪う事になると知りながら
大義名分をたて、信じた道を進む事にした。
話し合うこともあるいは出来ただろうに。
うらまれることなど重々承知だった。]
[――……「村医者」を罰すならば、
一番最後につるし上げればよかったのだ。
すべての罪を押し着せて、
「疑いあいを唆した、こいつこそが大罪人だ」と
そう云って処罰してしまえばよかったのだ。
それを予感し、受ける覚悟すらあった。]
( ……残念だったね……。)
[それとも、「裏切りもの」たちは
(それが男の予想する彼らだったならば)
あの火刑で少しは、溜飲が下がったのだろうか。
そうならばいいなと思う。
きっと、生きる限りそうではないんだろうなとも思う。
罪は人の心にすまうもの。
けして、逃れられはしないものだから。]
[
夢の中に彼の背を見た。
無邪気に声をかけていた時は最早遠く
降り注ぐ雨の中立つ彼の姿は
一層、孤独なように思えた。 ]
( ……ルパート。 )
( ………………、僕は)
[ 聞き覚えのある足音が聞こえた。 ]
― 現実へ ―
[目を開ける。
顔も体も、依然として真っ黒な影のまま。
( ……足音。)
視界の端に、蒲公英が揺れていた。
白い綿毛が風にそよいでは、
( ……噫、聞きなれた、足音だ。)
一つ、また一つと飛んでいく。]
タンポポの綿毛を一息に吹き飛ばす。
――種が残らなければ、恋が叶うんだと。
昔、よく遊んだ人間の子が言ってたよ。
[彼女はとうの昔に亡くなったが。]
[影は前を向いたままそういうと、
ずるりと立ち上がり、
彷徨う幽霊の目の前に立った。
自分が抉った首の惨状がそのままなのを見ては、
虚勢の様な笑顔を浮かべる。
全て黒く塗り潰された顔では伝わりはしないが]
…………やあ、ルパート。
[そう、静かに元友人の名を呼んだ。*]
メモを貼った。
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