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メモを貼った。
![]() | 【人】 歌い手 コリーン ――ああ、酷い目にあったわ…… (83) 2010/07/23(Fri) 20時半頃 |
![]() | 【人】 歌い手 コリーン―城内どこか― (84) 2010/07/23(Fri) 20時半頃 |
![]() | 【人】 歌い手 コリーン
(85) 2010/07/23(Fri) 20時半頃 |
[楽しげに笑う声がして、花の異形から視線を動かす。
目に入るのは、歌いながら歩いてゆく銀の後姿]
……あのひとも。
なの、かな?
[小さく呟いて。
それから、ふわ、ふわと。
地に足をつけぬまま、歩き出す。
行くあては、なかった]
![]() | 【人】 歌い手 コリーン―城内どこか― (87) 2010/07/23(Fri) 21時頃 |
メモを貼った。
― 回想・廊下 ―
[遠ざかる 届かなくなった背中は一度立ち止まり、
こちらへと引き返してくる。
泣き濡れた瞳がその影を見上げる、セシルの姿。]
……置いていかないで…
[足はもう動かない。
足だけではない、身体が…巣食われた胸元が、
全てが止まっていく…動きを忘れていく。]
[ベネットと同じくセシルにも、生きて欲しいと望むのに
彼が死を選び取ろうとすることを止めようともせずに
連れて行って欲しいと願う矛盾。
彼からの死への誘いの言葉にはまた紺の瞳から涙が零れ]
…連れて行って…
…私も…一緒に…
[力を失いかけた手を、懸命に伸ばす。
知っている―――"彼"は、この手を振り払わない。]
[マーゴに近づいていく人は、形を人から変えていく。
裡から異形に食らわれて、その形を崩していく。
差し伸べられたセシルの手、最期の力で伸ばしたマーゴの手。
あと少しで届く、マーゴの目の前でセシルの手はなくなった。
最期は互いに触れることなく――…伸ばしていた手も力尽きた。]
[紺の瞳にはもうセシルの姿は映らない。
セシルも、セシルを食らった異形も全てなくなった。
潤んでいた瞳も乾き、光を失くしていく…止まっていく。]
………
[また独りになって、けれども最期に浮かべるのは
久しく忘れていた、幸せそうな顔]
……嬉しい、
…嬉しい…セシル…
[差し伸べられた手が、幻のものだったとしても。
彼は置いていかなかったから。迎えに来てくれたから。]
[動きが、全て止まる。
人の形を忘れてしまえば、それは異形と呼ぶことになるのか。
人の心を忘れてしまえば、それは機械と呼ぶことになるのか。
死したマーゴの躯は、最期は何と呼ばれるものだったのだろう。
壊れてしまったこの世界で、
けれども最期に紡いだのは人としての言葉だったから。
この先マーゴが見る夢は、
差し伸べられた手の――…幸せの。続き。]
[ふわり]
[チャールズのところへ向かうホリーの横を白い靄が通り過ぎる。]
[ホリーはその靄に気付いただろうか、
彼女が幻影などに敏感な性質ならば
通り過ぎた靄は、黒髪の女の姿にも見えたかもしれない。]
[靄は中庭へと向かう。]
[ゆらゆらと回廊を彷徨う内、ふと目に入ったのは開いたままの窓]
そう言えば、閉めないで行ってたんだっけ。
[ここから飛び出した時の事を思い出しつつ見やった中庭には、幾人かの姿。
……傍の大樹に、以前は感じなかった何かを感じるのは、気のせいだろうか]
……いって、みよっと。
[小さく呟く口調は、一時、『妹』のもの。
そうして、いつかと同じく、窓から中庭へと飛び出した]
![]() | 【人】 歌い手 コリーン―中庭・泉― (94) 2010/07/23(Fri) 22時半頃 |
[ふわ、ふわり。
地に足はつかず、だからと言って、翼が羽ばたくでなく。
文字通り、漂うように、泉の傍へと近づいてゆく。
その場にあるものたちは、姿に気づくか、否か。
気づかれなくとも、気にする事はなく。
大樹の下までやって来ると、軽く首を傾げてじい、とその梢を見上げた]
メモを貼った。
[中庭に近づくにつれ、靄は形を成していく。
艶やかにウェーブを描く黒髪は綺麗に纏められ、
黒のドレスも埃に汚れてはいない。
泉へと歩み寄る足を引き摺ることももうなかった。]
……
[大樹の下にいる人に、緩く首を傾ぐ。]
…こんにちは、
……お水を飲みに来たの…?
[掛ける声は控えめな声量ではあったが掠れていなかった。
もう一度、羽のある人に首を傾いで泉の傍へと寄る。
靄は、小さな上呂を抱えていた。]
[呼びかける声に、ゆっくりとそちらを振り返る。
上呂を抱えた姿に、ゆるり、と首を傾げて]
……ううん、違うよ。
何となく、この樹が気になって、見に来たの。
[問いに答えながら、視線が向くのは、抱えられた上呂]
[はらり、はらり、
ゆっくりとせかいは、こわれていく。
季節外れの、桜の花が散るように。]
[返ってきた声に瞬いて、樹を見上げる。
異形の樹は静かにその姿を水面にも映して]
…気になって?
[反芻して、紺が瞬き見つめる。]
不思議ね、
人は異形を相容れないものとして見做すのに…
人を…世界を、命を今護っているのは、この子なの
[上呂は泉に差し入れられる。
水面が揺れることはない、上呂に水が汲まれることも。
こちらを見ている様子にそちらを見ると淡く微笑んだ。]
―――…お水を汲みに来たの、
―泉・異形の大樹―
[ 水が人を引き寄せる。
水面に映るその姿は、高らかな笑い声に笑んで、
歌う女の言葉に、眼差しを落とす。
そして2つの命ないものの気配――
翼を背にした娘が見上げていた。
果たされなかった約束を一つ、思い出して
水面に揺れる姿は小さく呟く]
……ああ、友達に、似ている。
[そして―――寄り掛かる“彼”の姿に、
梢は小さくざわめいた、アリーシャの言葉に同意するように
さわり さわり と ]
……全部のひとが、異形を嫌うわけじゃないよ。
[自分の周り。
異形が食べてしまった、優しいひとたちを思い出して、呟く]
この樹も、それがわかるんじゃないかな?
[言いながら、上呂が差し入れられる様子を見る。
懐かしい、と思うのは、どちらの記憶だろう]
……お水、汲んで。
……何かに、あげるの?
……あ、れ?
[何気なく、見やった水面。
そこに揺れる影に気づいて、瞬く]
やっぱり、何か……誰か、いる?
[微かに聞こえた呟きに、首を傾げつつ、零すのは小さな呟き]
[上呂を差し入れた水面に、
見たことのない青年の姿が映った気がして。
不思議そうに大樹を見上げる。
さわり、と梢が揺れる音がした。]
[ 枝葉のざわめきはやまない。
風があろうとなかろうと ]
( ――なら、いいけれど
時間が )
[ 水面に映る枝葉は ゆれて ゆれて ]
( あと、ひとつ お願いがあるんだ )
[ 聞こえない耳に、届くだろう 声 ]
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