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メモを貼った。
そっか、他人か…――――
お父さんとお母さんは、他人のままだったのかな
寄り添い続ければ、家族になれるのなら
私も、誰かの家族になる事が出来るのかな
[私は、男の人に恋した事はないけれど
いつかそんな日が、来るのだろうか
そんな日が来るなら、私は、出来る事ならば
私の両親のようには、なりたくないとも思う]
で、せんせー
かすがいって、なぁに?
[意味がわからなかったらしい]
…――――?
[先生が、何かを呟いたと思ったら
急に走り出して、止められて、倒れてしまった
貧血だろうけれど、無理がたたったのではなかろうか]
せんせー、無理しちゃいけないよ
[ぺーたが帰る、と言う言葉を聞いて
通信相手が言っていた言葉を思い出す]
そっか、ぺーた、そうだったんだ
[うんうん、と納得したように頷いた]
大丈夫だよ、せんせー
ぺーたはきっと、帰らないよ
だってぺーた、せんせーの事大好きだもの
せんせーも、ぺーた、大好きでしょう?
[よいしょっと、先生を引きずっていって
お布団に寝かせて、枕の上に先生の足を乗せた
割らないように、眼鏡を取ってお布団の横に置いて
唸る先生を、膝枕してみた]
大好きな人と離れるなんて、きっと、凄く辛い事
私には、耐えられないほどに辛い事
だから、信じて待ってみよう
帰るにしても、帰らぬにしても
ぺーたはきっと、せんせーに会いに来るよ
[一つ、二つ、頭を撫でてみて
さっきまで、教えてもらう立場だったのにな
私の知らない事を話す時は、頼りになる大人なのにな
こんな時は、なんだか私よりも子供みたい
そんな所も、先生の良い所なんだろうけれど]
だから、ちゃんと体調を整えておくんだよ
いざという時に体が動かないと、悲しいんだからね
後で、血になるご飯、つくったげるから
鍋とか、どう?
[漁師さんにお願いして、何か取ってきてもらおう]
ちょっ…どうしました?
[
言葉は聞き取れなかったものの、弾かれた彼に寄る。]
いきなりどうしたと言うのです。
どちら様がどうとか…。
[素早い動きは、一瞬
[磔、火炙り、生贄、子供。しきたり。幾つものパーツが一つの答えを出すには時間がかからなかった。]
まさか―お主等…。
[源蔵の傍で彼を留めた男達を睨み付ける。
言葉の量は小さいながら、舌の根ははっきりと動く。]
年端も行かぬ女子に磔をして火刑に処すとは、流石に古くからのしきたりと言えどその所業は許せんな。
[ゆらぁりと立ち上がる。]
お前達の誰かが、大凡、海岸を見張ると私が口にしたのを聞いていたのであろうよ。その所業を余所者の私に見せないために…。
[今までこの村に流れ着いて、まともに怒ったことが無かったかもしれない。が―。]
ゆ、ゆるさんぞ、きさまらー!
[わなわなと震え、村長に談判しようと塞ぐ男達を退けようとして。
源蔵と同じようにはじかれた。]
―寄合場の窓際―
………騒がしいですね…。
[誰かの怒鳴り声が聞こえた気がして振り向く。
そこに見えたのは出て行こうとする先生の姿。
止められているを黙って見た後、首を傾げた。]
………??
[先生を引き摺っていく、双子のどちらか。
それから、先生と同じように向かっていく博史も。
ぼんやりと眺めながら黙っていた。
けれど、双子のどちらかの言葉を聞いて顔をゆがめる。]
大好きだから…帰らないなんて嘘…。
………いや、一平太殿が帰る場所なんて他にないだろうし、何の話をしているのかさっぱり分からないですけど。
[呟いた言葉は無意識。
その後、呟いた言葉を取り消すように言葉を重ねるのだった。]
![]() | 【人】 双子 夕顔[団十郎が席を立ったのに続くように。] (157) 2011/08/19(Fri) 23時半頃 |
![]() | 【人】 双子 夕顔――鳩渓堂・書斎―― (170) 2011/08/20(Sat) 00時頃 |
![]() | 【人】 双子 夕顔[そこにいたのは勝丸で。 (178) 2011/08/20(Sat) 00時頃 |
![]() | 【人】 双子 夕顔えっ? (183) 2011/08/20(Sat) 00時半頃 |
…――――
[しばらく、先生を横にならせた後
血になるご飯を作る、というミッションを遂行すべく
私は、膝枕を解除した]
まっててね、せんせー
[ぱたぱたと、役員の人の所に歩いて行って
そっと、袖を引く]
私、血になるご飯の材料が欲しいの
猪、取って来て
[いきなりそんな事言っても、難しいと言うのはわかるけど
子供だもん、少しくらい無理な我儘、言ってもいいよね]
あぁ、なれるさ。きっとなれる。
[夕顔の呟き
子はかすがい。かすがいというのは、二つの材木をがっちりと繋ぎ合わせるための金具のことだ。今度団十郎に見せてもらうといい。子どもの存在は、離れそうになった夫婦のきずなを繋ぎとめる力がある。大雑把に言うとそんなところだ。
[そこで一度言葉を切り]
……世の中綺麗ごとばかりじゃないということは、わかっているよ。でも僕は信じたいな。僕も、あさも、きっと愛され望まれて生れてきたと。
[たぶんきっと、自分の母も。きっと愛されていた。
手記に綴られた、祖母の、この時代に対するたくさんの想い。それは嘘ではないと信じたい]
猪鍋がいいの、だめ…――――?
[役員の人達が、何か相談し始めて
仕方ないから、と、狩りに行ってくれる事になった
ついでに、団十郎さんがくれたと言う、お菓子を貰った]
わ、ありがとう
夕ちゃんと…―――― あ、夕ちゃんいないんだ
どうしよっかな
[お菓子の袋を抱えて、ぽてぽて、歩いてみた
材料が来るまで、鍋はつくれないものね]
…――――?
![]() | 【人】 双子 夕顔あたしも、難しい漢字は読めないし。 (193) 2011/08/20(Sat) 00時半頃 |
[貧血で倒れた後、ずるずると朝顔に布団まで引きずられて、されるがまま。童女に膝枕されても狭くない、小柄な体がなんとも情けない]
……ん、すまん。
[起き上がれる気力も体力もなく、そのまま膝を借りる]
醜態を見せたな。……僕は、うん、わかっているんだ。
帰ることを、邪魔しちゃいけないってことくらいは。
[片腕で顔を覆いながら、ぽつぽつと呟く]
それでも僕は怖い。思い出すら残してくれないなんて、あんまりじゃないか。
……でも、ぺーたを困らせたくない。この気持ちも本当なんだ。
[あまりにも素直に言葉が零れ過ぎて、まるで子どもに還ったようで。鍋とか、という言葉に、こっくりと頷いた]
[志乃先生が、なんだか寂しそうに、悲しそうに
一人で、何かをしているから]
しのせんせ、何してるの?
[そう、声をかけてみた]
私ね、しのせんせと、お話したかったんだ
お菓子、たべる?
猪鍋の相談を遠く聞きながら、布団の上で*くったり*
―― ちょっと回想 せんせーに膝枕 ――
うん、そうね…―――
帰りたい人の、邪魔をしちゃいけない
でも、帰りたくない人は、引きとめて欲しいかもしれないね
[顔を隠して、ぽつりと語る先生
私はそれを聞き、自分なりの感情を発露していく]
想い出すら残せない、私達も悲しいのよ
心が繋がってしまった、愛してしまった人に
自分の欠片が、何一つ残っていないと想像をしたら
私は、耐える事が出来ない気がする
だから、今、素直に言ってしまえばいいんだよ
帰らないでほしいって、さ
帰ってしまったら、その恥は記憶から消えてしまうし
帰らないでくれたなら、恥なんてなんともないでしょう
えぇー…と……。
どっちのほうですか?夕?
[朝はもう少しぼんやりとしているという風に記憶している。
もっとも、2人いたところで見分けはつかない。
正確にはどちらがどちら、ときちんと把握していないのが真実だった。]
……お菓子は…そんな贅沢できないからいいです。
じじ様…長老からもらったならあなたが食べるといい思いますよ。
わたしとお話、ってなんですか?
[何をしているの?という問いには何も答えない。
何もしてないから答えられなかったのだ。]
![]() |
私は、朝だよ
[隣に座ろうと、歩み寄ったけれど]
これは、団十郎さんからの差し入れなの
夕ちゃんとわけようと想ったんだけれど
夕ちゃん、いないし…―――
だから、一緒に食べてくれないかな?
一人は寂しいの、何をするにも
[はい、と袋を差し出した]
何を話したかった、と言うんじゃないんだけれど
凄く、寂しそうだったから
どうしてそんな顔をしてるのか、聞きたかった、かな
…そう、朝ですか。
[そのまま視線を窓の外へと向けた。]
……夕のために残しておくといいですよ。
ずっと会えないわけじゃないんだから、お祭りが終わった後に一緒に食べればいいじゃないですか。
お祭りまでもう少しありますけどね…。
[何をするのも一人は寂しい。
その言葉に再び視線を少女へと向ける。
差し出された袋は笑顔で受け取るが、少女へともう一度返す。]
……ふふ、寂しい、わけないじゃないですか。
わたしは寂しいって思う人がいないですから。
おとーちゃんとおかーちゃんに会えないのは寂しいけですけどね。
[仮にこの気持ちを寂しいとして。
原因がまったく分からないのだから答えようがない。]
寂しい、って思うはずないんですよねー…。
やっぱり、こう、理由がほしいですよね。
仮にこれが寂しいとか悲しいとかだと。
[苦笑いの後、また視線は空へと。]
[拒否はされなかったようなので、隣に腰をおろして
志乃の視線の先を、追ってみる
そこには、窓の外の景色しかなかった]
お祭りが終わった後、私がここにいられるかわからないもの
[それでも、笑顔で返された袋を受け取って
夕ちゃんに、残してあげようと思った]
…――――
志乃せんせ、強いんだね
夕ちゃんと、おんなじだ
でも、私は、寂しそうだと思ったよ
[私の想像が、正しいとして
その気持ちの解消の方法を、私は知らないから
どうしてあげる事も、出来はしないのだけれど]
んと、それはきっと
忘れてるんじゃ、ないかな
夕ちゃんと、おんなじで
[空を見上げる、視線を追ってみた
私は、記憶操作をする立場である
だからこそ、何かを忘れているのでは、と思うのだが]
この世界から、完全に、痕跡を消す事は出来ないんだよ
何かを忘れてしまっても、心や体、景色の中に
小さな、傷が残るの
寂しさは、心の傷なのかもしれないね
なんですか…それ…。
村を出て行くにしても夕も一緒でしょう、それなら…。
[ここにいられるか分からない。
仲良しだった双子が離れ離れになる。
そんな風に聞こえてしまった。]
強いんだったら、こんなところでそら見てないですよ…。
いろんなことの、なんで、を知りたい。
そう思うのは弱いからです。
[趣味と銘打ってはじめた会議。
でも、それは自分の気を紛らわすためのもの。]
……は?忘れてる?
いったい、わたしが何を忘れてるっていうんですか…?
[酷く、いらついた。]
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