219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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…… まあ、このくらいならいいでしょ。
[ 鼬に斬られた左腕の傷は無い。
死神に殴られた頭も治っている。
ただ、服にこびり付いた血の跡は、ある。
襟元に指を這わせれば、薄く赤が付く。
が、黒のシャツだから目立ちはしない。
だからリョウみたいに、服を変える必要はない。
彼女の惨状を思い出して、溜息を吐く ]
…… 同じ死神でもこうも違うものかしら。
[
そんな気分じゃないなんて言って、笑って、
三ヶ峯は立ち去った。
もし殺す気があるなら、状況が分かっていない今が、
絶好の機会だったはずなのに ]
お人好しなのか、とんでもない食わせ者なのか。
…… どっちかしら。
[ 前者っぽいけど、と思いながら壁に凭れる。
リョウを傷つけた鮫を遣った主が彼とは知らずに ]**
[目の前の死神が動かなくなったころ、自分の背後で同じように崩れ落ちている死神と、赤い雄々しい花と、凛としてきちんと立っている丈司の姿
パートナーの姿に、微笑んで。街の様子が気になると言われれば]
そうだね、とりあえず……展望台に移動しようか。
[観覧車も悪くはないが、狭いというのと、自分たちは常に狙われている…――目の前で沈んだ死神のように、いつでも攻めてこられるのかもしれないのだとしたら、広い場所、見晴らしのいい場所を常にキープした方がよさそうだと]
[手を差し出したのはどちらが先か
展望台のある、コキュートスJへ]
― →十王マルチシアター西付近―
[博物館から離れ、往来に出ると、丈司の言うように確かに妙な熱気というか、街の様子がどこかおかしい。
………まぁ、一番おかしい存在の自分たちが言うのも何なんだが。
これはまだ、2度死んでいない彼らの仕事だろう。おそらくは、メールのミッション]
………そういえば、あたしたちみたいな人、他にもいるのかな?
[一番最初の日、蝙蝠を共に倒した、リツやナナオ、シーシャや……彼?彼女?のパートナーと思しきポニーテールの女性。
きっと他にもいたのかもしれない、他の人。
誰かがいるからまだこうしてミッションは続いているのであろうし。
今回の"特例"は、自分たちだけなのだろうか?
彼らはまだミッションに参加できているんだろうか?
心配というか、ふと、気になった]
[生き残ることを考えるだけならそう急ぐことはない、が]
展望台、早く行こっか。
[コキュートスJは、最初のミッションをこなした場所だし、もしかしたら彼らの情報とかあるかもしれないな、なんて思い。
丈司の手を心なしか強く引いて、コキュートスJへ向かう。
………道中、自分たちに出会う不運な下っ端がいたら、当然お帰り頂きながら]**
─ 少し、前 ─
……どうしてだと思う?
[ 問いかける死神を見上げて、私は笑んだ。
これ以上無い程に。
だって選択肢として、あるなら それは、 ]
[ ── 手を離す。
思えば不思議な偶然で、
この死神とは何度も出会った、けれど。
カメラも渡したし、今度こそ死ぬかもしれないし。
何より私は、半ば決めていた、から
── それももう、分からない、ね。 ]
……"私"のこと、忘れないでね。
[ 最後。
落とした呟きが、聞こえているかは 知らない** ]
ぼくたちみたいな…か…
もしかしたらいるかもしれないね
[二度目の死をむかえたのが3日目だった事を思うとそれ以前に自分達のような特例がいたという可能性もありえはする。
もっとも、もしそのような人達がいたとして今も無事でいるかはまた別の話となりそうだが。
そう考えれば、自分達が死神から命を狙われているのが説明されなかったのも実はすでに何組かいたので面倒だから説明を省きましたなんてオチだった可能性もありえそうだ。
…だとしたらそれはそれで酷い話だけど]
(もしくは…)
[自分たちが今回初の事例であったとしても
これからさらに増えるのかもしれない。
今、こうしている間にも、増えているのかもしれない。
どちらにしても、その中に見知った顔がなければいいと思うのに変わりはなかった。]
うん。そうだね
[リツさんやナナオさん…大丈夫かな。
彼女に手を引かれる中思い出したのは、かつて協力した少年たちの顔。*]
― サイガワラ駅 ―
[ カメラが鮫の腹の中とは知らぬまま。 ]
[ 駅のトイレの一室で、
少しばかり庶民的なお色直し。
オンナノコらしいというより、
主に汗とか血を拭うためのタオルは常備していたから、
残っていた赤色はそれで拭うことにした。
みるみるうちに染まっていくそれに、
── あの野郎、と思ったのは、
全くもって否定できない。 ]
[ 手櫛で髪を梳く。
髪の毛、を。
結ってくれるとは言ったけど。
きっと緩く首を横に振る 私の姿があっただろう。
制服 こと、戦闘服に着替えた私は、
毎日自分でポニーテイルに結わくのが
お決まりみたいなものだったから、
…なんというか そういう、日課として。 ]
[ …日課になったのは、
髪が今ほどに伸びた一年と半年ほど前。
トイレの鏡に映る私の、
目つきの悪さが今以上だった頃。
"二年前"はね、ちょっと 短かったから。
── 長いと、掴まれちゃうんだよねえ。 ]
[ ── まあ 慣れたもので、
結い上げるのに時間はかからない。
血まみれドレスは学生鞄にしまって
駅のトイレから出てくれば
待っていたシーシャを見上げた。
制服姿、黒髪のポニーテイル。
腕にはきっちり、鎖を纏わせて。 ]
……あいつ、どこにいるんだろ。
行きそうな場所、あるのかな。
[ お礼参りの目的はあれど、
目印も足跡も無く
動く相手を探索なんてしたことがなかった* ]
[ 「 関係ない 」
そう言われてしまえば、何も言えなかった。
“生き返りたい”と、
彼女は思っているのだと、
その時まで思っていたから。
生への未練が見受けられない言葉に、言葉を失う ]
[ 彼女を失いたくないと思っていた。
それは今も変わらない、けれど。
―――― それは一体、誰が為の願い?
( 妹の影を彼女に見ていたのではないか? )]
[ 答えは出ない ]
[ 今一度、考え直さねばならない。
もしも、この七日間を生き残ることが出来たならば。
『 生きる権利 』を得ることが出来なのならば。
その時、自分が彼女に出来る事は ―――― …… ]
[ 近づく足音に、ハッとして思考を止める。
顔を上げて振り返れば、
制服姿にポニーテールのリョウの姿があった。
その鞄の膨らみに気付いて、苦笑 ]
どこか、捨てられる場所探さないとね …… 。
[ もうあれでは使い物になるまい。
短い間だったけど、それでも、
買って後悔するような気分にはならなかった ]
行きそうな場所ねえ。
『 くさかげ 』に一度いたのは見たけど。
[ 最もその時は、
陽菜とマブスラ勝負をしていたようだが。
行ってみる?と南を指し示しめす]*
|
— 九想屋周辺・ビルの屋上 —
なかなかいいポイント稼ぎですね、Mr.華月斎。 お疲れ様です。
[少し離れたビルの屋上から、一連の流れを見ていた。>>@131 私の存在に誰かが気付けたか、口にした言葉が気付けたか。 それはどっちでもいいけれど。
また1人、参加者が狩られる様子が見える。 それに引き摺られて相方も消えていくだろう。
禁断ノイズを解き放ってから、参加者の数はごっそりと減った。 このままのペースでいけば、全滅まで王手をかけられるだろう。]
(229) 2017/06/20(Tue) 23時頃
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さて、わざわざ私が手を出すまでもないかもしれませんが……。
[九想屋前の様子をじっと見守る。 参加者がここからどう足掻くか。 もしその場で隙を見せた者がいれば、すかさず討ち取ろうとする構え。
シルクハットの中から出した<レイヴン>を数羽、私の周囲に纏わせる。*]
(230) 2017/06/20(Tue) 23時頃
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―コキュートスJへの道中―
え、なに…あれ…?
[見えたのは参加者であろう男性がオオカミに追われる姿
オオカミのノイズは3日目にも見たことはあったが、視線の先にいるそれはあの時と何かが決定的に違う。
手負いではあったものの、それでも尚相手を威圧する殺意や邪悪さが漂っているように思えた。]
― コキュートスJへの道中 ―
[丈司の声に、視線をそちらへ向けてみれば、確かに参加者らしき……ノイズに追われているのだから、まぁ。
それよりも目を丸くしたのは、参加者を追うノイズを阻止したのが先に会った死神だということ]
[ノイズを生むのは死神だから、彼らは仲間だと思っていたが、どうやらあの光景はそれを否定するものらしく]
………不思議なことも、あるものね。
[加勢の必要もないだろうし、とりあえずは丈司の手を引き、先へ行くよう促す]*
賞金首とは、よく言ったものだわ …… !
[ 南エリアへと向かう道中。
空から飛翔してくる黒き翼を持つ死神。
まるで、獲物を見つけた鷹のように、
次々に上空から襲い掛かってくる。
―――― が、その中に探している姿は無い ]
邪魔しないで貰おうかしら!
[ バレーボール程の大きさの水球を宙に四つ。
それを死神の翼目掛けるように、
腕を横凪に振って、放つ。
放たれた水球は空目掛け飛び立ち、
死神の翼に当たり、体勢を崩させる ]
[ ―――― だけでなく。
水の質量を増し、増して、
その翼の動きを封じれば、
死神は地に向け落下した。
その結末を見届けることなく、
今度は水を蒸発させ、濃い霧を張って
その場から消え去った ]*
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