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或いは、精神的に不安定な人なら、
養以外にも当てはまるんだろうけど。
[ 其処は流石に、見えない処だ。
他に生死の狭間にいる者がいるって、
そんな連絡がない今は
あれは養の世界だって、
それを前提に話を進めるのがわかりやすい。 ]
[ 灰谷が、受付に話を通す間
宇井野は一方後ろに立っていた。
話し上手だ、って、いつも思う。
視線をちらと、外の方にやったら、
地面はうすぼんやりと明るくて。
積もったまんまの雪が、
朝の記憶と矛盾してくれないから、
どこから境界を越えたのかもわからない。 ]
[ マネキン
そうだ、マネキン。って。
あの校舎を思い浮かべて、ぞわりとした。
マフラー越しに、喉に触れる。
この首を、絞めて。
確かに死んでいく感覚。 ]
マネキンを運ばせてるんだろうな。
相原のは、えらい姿になってたが。
[ 声色は別段、変わりなく。
いつも通りなのだけども。 ]
[ あの、汚れた包帯を、
ちぎれそうなほどに引っ張って。
ほんとは、誰かを助けるための道具が、
喉に深く食い込んでいったんだ。
一瞬、呼吸を忘れてしまったように、
息が、止まった。
すぐに吸って、吐いて。異常なし。 ]
死んだん、だな。あっちの世界で。
……死んだら、戻ってくるんなら。
養も、そう、なのか。
[ 灰谷は存外、平気そうだ。
宇井野の顔も、いつもどおりの形で、
少し眉が下がっているだけなのだが。 *]
メモを貼った。
メモを貼った。
![]() | 【人】 R団 タカモト
(224) 2019/06/15(Sat) 19時半頃 |
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[見えない可能性。
いちいち追っていてもキリがない。
誰かと誰かの世界がまじりあうこともあるんだろうか、って、
そこはちょっとだけ興味深かったけれど。
「クラスメイトが病院に運ばれたって聞いて」――とイロハは受付のお姉さんに話した。
緊急事態だったけれどしどろもどろにならないですんだ。
「たぶんあたし達を入れて全部で10人くらい来ると思います」とも言ったけれど、
いつになるかはイロハにもわからない。
――他のみんなにも、来たりしているのだろうか。
帰る順番が]
[いろいろ、気になることはあるけれど。
目下の話題はマネキンについて、だ。
運ぶのたいへんそうだよね、宇井野くんのマネキン。
[応じるイロハの声もいつも通り、だ。
いつも通りに見上げていても、しかし、
宇井野に一瞬生じた異常には気付けていなかった。
きっと、イロハもイロハで別のことを考えていたせい]
[思いを馳せる。
回る視界だとか、内側から変な音がして足がつかいものにならなくなったとわかってしまったこととか、
そもそもどうして階段のてっぺんから飛ぼうと思ったか、という、
幾度思い返しても変わらないだろうひとつのアンサー]
………、それは、そうなのかも、としか、言いようがない、けど。
[あちらで死んだら戻ってくるのか。
呟く宇井野の顔はおおむねいつも通りだけれど、
精神世界のこと、あんまりひとごとじみて話してなかったことを思うと、
どこかしら憂いているのかもしれない]
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![]() | 【人】 R団 タカモト
(236) 2019/06/15(Sat) 20時半頃 |
![]() | 【人】 R団 タカモト
(237) 2019/06/15(Sat) 20時半頃 |
![]() | 【人】 R団 タカモト
(238) 2019/06/15(Sat) 20時半頃 |
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![]() | 【人】 R団 タカモト
(242) 2019/06/15(Sat) 20時半頃 |
あのね。
あたしも死んだんだと思うよ。
……死んでもいいや、って気持ちで落ちたんだ。階段から。
それで帰ったんだから、養くんが、……ちゃんと、
帰るつもりであっちで死ぬことを選んだのなら、
それは……ちゃんと、喜んであげた方がいいと、思うよ。
[もちろん、穏便に帰る方法があればそれに越したことはないのだけれど]
………宇井野くんは死ぬの怖かった?
あたしは、……ちょっとね。
[どうなんだろう。
あちらで死ぬことに何の意味があったんだろう。
思いつつ問いかけるイロハの表情は、静かに落ち着きを保っていた*]
メモを貼った。
[ あの教室にいた全員が、
この病院に揃う時は来るのだろうか。
失踪事件、大抵は皆戻ってくるらしいけども。
校舎のあった世界の生まれた意味、とか。
待合までのほんのわずかな時間の間に、
考えてしまったりもするのだ。
気になることが混ざり合う中で、
なんとなく、自分のマネキンをイメージする。 ]
……だろうなぁ。
わりとインドア揃いだったし。
[ 一人で運ぶのはまず無理だろうな、とか。
冗談めかそうとして、声が上手く弾んでくれない。 ]
[ 長椅子に腰は下ろさずに、
近くの壁に背を預ける。
エナメルは、どさりと床の上。
確定事項は限りなく0で、
あの場所についてわかることなんて
殆どないのが現実だ。
ああかもしれない、こうかもしれない。
そればかりが飛び交うことになるのだろう。
座る灰谷を見下ろした。
つけっぱなしのマフラーに顎が埋まる。 ]
気づいたら死んでた、みたいな。
なんか、そんな感覚だ。
だから、怖さもあんまり。
[ 嵌らない苦しさをだましたかった。
たったのそれだけの話だ。 ]
死んだら、どうなる、とか。
考えなかったか。
[ 宇井野は、考えなかった。
口許のマフラーに指をかけて、
ぐい、と。少しだけ、下ろして。
真っ白くて、どこか薄暗い天井を仰いだ。 ]
死ぬ、って。
本当は二度と、ないことだ。
死をどう解釈するかってのは人次第で、
そこをとやかく言うべくもないが。
そりゃあ、あっちで死んで、
こっちで元気に出来るなら良いんだが。
死ぬって感覚だけは、
なんとなく残っていくんだろうから。
[ マフラーから出した口許は、
曖昧な笑みの形を取る。
どんな顔をすれば良いかわからない。そんな形。 ]
素直に喜ぶことは、難しいな。俺は。
[ 喜んであげたら、って、言った。
そんな灰谷は? って
問うように、視線を流す。
感情の名前から目をそらし続けて来たから、
こういう時だって 自分の心すらわからない。 *]
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