105 CLUB【_Ground】
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―寮・フェネックの部屋―
[抱きしめた動物は最初こそ戸惑いを見せていたが いつしか男の白衣を掴み、そしてシワを強く刻んだ(>>88) 投げられる端末は音を立てて、落ちる。 衝撃に故障してしまうことはないだろうが、この動物が望むのは 誰の声も届けなかった、通信機の。]
―――――。
[言葉が浮かばない。 自らを頭脳明晰だと、客の一人に言ってのけた男の頭は こういった時なにを語るのが“正解”なのか考え続ける。 過去に、似たような経験がないわけじゃない。 それでも毎回、いや、いつだって。 “正解”などありもしないものを、追い求めて。]
(@60) 2013/12/19(Thu) 20時頃
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[“いつか” なんて曖昧な言葉を、どうして選んでしまったのか。 それは不安を煽るだけの言葉でしかないと、わかっているのに。 見えぬ未来を語る、保障も何もない、男の勝手なエゴイズム。 先週、蛇が口にした言葉が雨だれのように落ちる(>>61)]
(――――なんなんだろうな。)
[愛も、幸せも、何もかも。 ただその言葉を落とさなかったのは、これ以上不安にさせるわけにはいかなかったからだ。 子供の駄々のような言葉を、行動を、男は黙って。 抱きしめた手をゆっくりと伸ばし、背を、頭を一度ずつ とん とん と、撫でた。 それは叩いて叱るつもりでもあり、撫でて慰めるつもりでもあり。]
(@61) 2013/12/19(Thu) 20時頃
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――――、いい。
[落ちる、言葉。]
ずるいと思って構わん。 お前がそう思うなら、お前にとってはそういうことだ。 他を嫌うならそれでもいい。 何も間違ってない。
[それはモニターにも映し出され、声は雨だれのように届く。]
俺も一緒だ。
[最後の一言の意味は、この動物にはきっとわからなかっただろうけれど。]
(@62) 2013/12/19(Thu) 20時頃
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幸せにしてもらわんと困る。
[涙は落ち着いてくれただろうか。 男の言葉は“正しかった”だろうか。 男自身にもわからない、わからずとも、それでも揺らぎないのは。]
勿論、お前もだ。
[愛玩動物を幸せにするという、強い意志。 通信機が未読のメッセージを光らせている。 ああ、と再生を押しながら離れた。]
今日は湿度が高い、不調があったらすぐに誰か呼べよ。
[フェネックの部屋を出る際に落としたのは、そんな言葉だった。]
(@63) 2013/12/19(Thu) 20時頃
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この食いしん坊め。
[怒っているわけではないのは、声が笑っていることから伝わるだろう。 毛を逆立てたホレーショーの耳をなだめるように撫でてから、テーブルに配膳を始める]
……よう。
[広間に増えた気配>>104。その姿をモニターで確認すると、配膳口からひらりと手をあげた]
(@64) 2013/12/19(Thu) 20時頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2013/12/19(Thu) 20時半頃
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[フェネックの部屋を出て、未読のメッセージを読んでいく。 一つは買われて行く動物の、そして部下からの幾つか。 返事を返しながら向かうのは、また別の動物の部屋。
それが終われば、狼を運ぶ事になるのだろう。 男は短く、息を吐いた。]
(@65) 2013/12/19(Thu) 20時半頃
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[シーシャを待つ間に、配膳の時間が来ていた。
サムから与えられる最後の時間を、 邪魔しないように、 イアンとテッドが食べ終えるまで待つ。
シーシャも、二人と話せる最後の時間になるから、 連絡を入れなおして、先に仕事を済ませることにする。
食事が終わる頃、 レイとイアンの通信機に、ティーからの通信。]
(@66) 2013/12/19(Thu) 20時半頃
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[通信を終えると、 研究エリアからイアンの着替えを持って、イアンの部屋へ。
一世一代の晴れ舞台に着るに相応しい 上等な服を着せ、 もう一度しっかり目隠しをつけ直させると、 受け渡し用の部屋へと、慎重にイアンを連れて行った。]
(@67) 2013/12/19(Thu) 20時半頃
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[同時に、店員にレイをそこへ案内するよう告げ、 先にレイを中で待たせて、 イアンとティーは少し遅れて中に入る。
新婦は遅れて来るものだ。]
(@68) 2013/12/19(Thu) 20時半頃
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[手の中でなめらかに整っていく毛並みが掌に心地よく、落ちついてからも少し撫でていた]
お前、肉好きだもんなぁ。
[毎日食事の準備をしていれば、それぞれの好みも覚える。この中で一番長く居るホレーショーなら尚更だ。 皿を渡して、少し気を抜いていたところに]
んぐっ、
[また噎せた。 あれからずっと約束を守ってくれているホレーショー。 配膳口に寄せられた顔に手を伸ばして、何事か囁いた]
(@69) 2013/12/19(Thu) 20時半頃
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[首を傾げた後、こちらへ寄ってくるテッドの姿。 もうこのやり取りも最後かと、思っていたら同じことを言われた]
……そうだな。
[できるだけ、声は穏やかに聞こえるように。 思いだすのは、客から入った通信の内容]
これからは、飼い主と一緒に美味しいものが食べられる。 ……なんなら一緒に作ってやれ。
いいもんだぞ。自分の作ったものを、「おいしい」って言ってもらえるのも。
[最後の皿を、テッドに手渡す]
毎日きちんと食べてくれて、ありがとうな。
(@70) 2013/12/19(Thu) 21時頃
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[そこは、三坪ほどの空間に 客を待たせるための椅子がひとつあるきりの 狭い部屋だった。
祝福の鐘も、賛美歌もないその部屋で、 愛玩動物は飼い主と出会い、 はじめてにして、唯一の愛を知る。]
(@71) 2013/12/19(Thu) 21時頃
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[その部屋の中は、 トラブル回避のために監視カメラが回っているけれど、 VIPルームのモニターには映らず、 研究ルームで確認出来るのも、緊急時か事後に限られる。
新しいカップルの誕生の瞬間を知るのは、 本人たちと、立ち会う研究所員のみ──。]
(@72) 2013/12/19(Thu) 21時頃
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[立ち上がったレイの前にイアンを立たせ、 ティーはその真後ろに立つ。
規定の位置。 規定の手順。
硝子の球面レンズの奥のアイスブルーは、 イアンの背を飾る羽だけを見ていた。]
はずすよ。
[宣言のあと、 細い指が、かたく結った目隠しの結び目を解く。]
(@73) 2013/12/19(Thu) 21時頃
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ティソは、イアンの目に、レイが映る瞬間をじっと待つ**
2013/12/19(Thu) 21時頃
測量士 ティソは、メモを貼った。
2013/12/19(Thu) 21時半頃
測量士 ティソは、メモを貼った。
2013/12/19(Thu) 21時半頃
測量士 ティソは、メモを貼った。
2013/12/19(Thu) 21時半頃
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―寮・シマリスの部屋―
[白衣、手には塗れたジャケット。 幾つかの通信を返して、男はシマリスの部屋へと向かう。]
おい、いるかシマリス。
[ナーバスになっていると受けた報告。 寂しさゆえに、ならば男こそ適任ではない気がするも 買われて行く動物が現れた以上、こうして残されていく動物に不安が募るのは必然。 先のフェネックもしかり、口には出さないが蛇や虎もそうなのだろう。]
部屋には入らん、目隠しはせんでいい。 そのかわり聞いておけ。
[男の声はリスへ届ける為に、少しだけ張ったものとなる。]
(@74) 2013/12/19(Thu) 21時半頃
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今、お前が辛い分。 お前を幸せにしてくれるやつが“絶対に”現れる。
[触れるのは扉。]
見つけてやる、それが俺たちの仕事だ。
[見つけてやる、それに為ることは出来なくとも。]
だから辛い時は泣けばいい、隠す必要はない。 寂しければ、寂しいといえばいい。 我慢しなくていい、がんばらなくてもいい。
[フェネックの青白くなった指先にも、きっと同じ事を落とした。]
(@75) 2013/12/19(Thu) 21時半頃
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[動物たちは一途すぎる、純粋で眩しく、例えひねくれていても臆病でも。 だから癒され、だから愛らしい。 愛玩動物が“人間”にしか縋れないように、ここへ来る人間もまた そういった動物たちに心を奪われ、共に生きる事を決めて、買い取る。 幸せにならなくてはいけない、動物も、人間も。]
無理して「いい子」でいる必要は、ないんだ。
[男に出来る事は飼い主を見定め、愛玩動物が愛されるように動く事だけ。 動物を買ってやることでも、愛玩動物になることでも、ない。]
すこし、休め。
[そう残して、男はシマリスの部屋を後にする。 一方的な、研究所員の男のエゴを押し付けて。]
(@76) 2013/12/19(Thu) 21時半頃
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―研究ルーム―
[男の足音は普段とは違う音で、しかしいつもと変わらぬ歩調で 地下四階の研究ルームにたどり着いた。 椅子を引き、座る。]
――――――。
[煙草を咥え、灰皿の中の無残な死体たちが片付けられていることに気がついた。 優秀な部下からの返事はない。 つまり今、あの小さな部屋の中で“それ”は行われているのだろう。 火をつける為にライターを指で擦る。 オイルはまだまだ溜まっているのに、フリントが火をともしたのは何度音を立ててからか。 深く煙を吸い込み、フィルターを無意識に強く噛んだ。]
(@77) 2013/12/19(Thu) 22時頃
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[カメラの仕込まれていない研究ルームで、男は銀のロケットを手にとった。 指先は酷く優しく、そっと大切なページを壊れぬように開く。 黒縁のガラスに映るものに細まる目は、誰にも向けたことのない色をして。 緩やかに微笑んだ表情は、モニターに映る事はない。 抱き締めるように、指先が銀色を包み込む。 そこで初めて、自分自身の指先が金属より冷えていたのだと知った。 この雨に濡れて冷えたのか、それとも。]
――――――。
[デスクの上に置かれた一通の手紙。 添えられた名前に、眉根を寄せて。 見せたくない、聞かせたくないと言うように。 開いていたロケットを、ゆっくりと閉じた。]
(@78) 2013/12/19(Thu) 22時頃
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[男は狼に、通信を送る。 それは事務的で淡々とした雨垂れ。 「準備が出来たら呼べ」と。]
悪いな、行ってくる。
[目隠しと耳を塞いだ銀色のロケットに触れる唇は、甘い。 いつでもすぐに“運べるように”と、男は研究ルームから寮の方へ歩き出した。 雨に濡れたジャケットを着て、その上にフェネックの手でシワが少し刻まれた白衣を着。 ポケットに、一通の手紙をいれて。]
(@79) 2013/12/19(Thu) 22時半頃
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[イアンとレイが出会い、 その後どうしたかはまた後で語るとして、 ひとまず、仕事を終えたティーは、 再びシーシャの部屋の前にいた。
テッドをミナーへと受け渡すフーとは、 入れ違いになるだろうか。]
(@80) 2013/12/19(Thu) 22時半頃
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―寮・狼の部屋―
[男は扉の前で待つ。 愛玩動物とはいえ、同じ仲間に挨拶もあるだろう。 この数週間の生活を群れと認識しているなら、きっと尚更。 急かす事はなく、タイミングは愛玩動物に任せた。 部屋の中に気配が感じ取れるまで、男の背中は扉越し。 冷え切った指先で、襟足を掻き毟った。]
(@81) 2013/12/19(Thu) 22時半頃
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[シーシャの反応を待つ間、 端末に残っていたメッセージを聞いて、返事を送る。]
(@82) 2013/12/19(Thu) 22時半頃
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[>>117 配膳口から伸ばされる、テッドの指先。 不器用な握手のようなその手を、わずかな迷いの後に、握り返す]
……、
[別れはこれから何度でも訪れる。そう自分に言い聞かせながら、少しだけ、名残を惜しんで]
(@83) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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[二つの通信、それは男などなくとも惹かれあったのであろう二人から。 絶妙なタイミングに、人知れず笑った。]
入るぞ。
[目隠しをしているであろう、確認をとってから部屋の中へ。 そして狼の手をとると、賛美歌のない狭い協会へ“運び”だす。 途中で擦れ違うティーから聞こえた言葉に、滞りなく鶯が購入された事を知る。 小声で擦れ違い様に返し、足を進めた。]
(@84) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2013/12/19(Thu) 23時頃
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[通信機から聞こえる、小さな音。 続いて聞こえた声に、扉を開けた。]
─→シーシャの部屋─
(@85) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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……終わったよ。
[イアンの購入手続きのことだと たったこれだけの言葉でわかるかどうか。
言いつけ通り膝を畳んだ正座の姿勢で 待っていたのは、意外だった。
シーシャは他の子より、少しひねくれている。]
──? 何を?
[怒っているかと聞かれれば、 きょとんとした不思議そうな声で聞き返した。]
(@86) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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−広間−
[>>119 皿を受け取ったイアンの、ありがとうの言葉。 最初はあんなに人見知りで、自信もなくて、不安そうにしていたのに]
頑張ったな。
[その羽根や声に、誰かを重ね見たこともあったけれど、当然ながら同じではない。イアンはしっかりと、新しい生活に向けて飛び立っていく]
掴めて、よかったな。 おめでとう。
[祝福の言葉を送る]
(@87) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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[緊張した手を引きつれ、氷のように冷たい指先が“商品を運ぶ”。 落ちる声に耳を傾け、しかし男はなんの言葉も返さない。 未練を残させてはいけない。 そして、今口を開いては――――ならない。]
――――――。
[直接届けられたその声に、返す反応はなく。 沈黙のまま、狭い教会へとたどり着く。]
(@88) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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―狭い教会―
[愛玩動物に何か特別な衣装を用意する事はない。 それも、ここへ運ぶ研究所員其々に違うのだろう。 男にとっては結婚式ではないのだ、動物と言う商品を売りに出すだけ。 飾り気のない教会、そこに居たのはどんな表情であったろうか。 数日前にこの狼を迎えたいと言って、赤面して逃げ帰った表情を思い出す。 代わりに男が浮かべるのは無表情だ。]
待たせたな。 説明したとおり、目隠しを外して目を合わせろ。
[狼を一人立たせ、男は半歩下がる。 目隠しには指一本触れることなく、行く末を見つめる。]
(@89) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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