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[…まさか、あのオオカミだけじゃ…ない?
不自然に散りばめられた斑模様たちが何のノイズかまで判別はできなかったが、その光景が異様である事だけは感じ取れた。
今目視で確認できるだけでざっと45(0..100)x1…いや、46(0..100)x1匹か?
未確認のものもいると考えれば、遭遇したそばから吸い尽くしていくにも限界はあるだろう。
それこそ囲まれてしまえば一巻のおわり…というのも充分にありえる話で]
(……今度こそ、死ぬ訳にはいかないんだ)
[頭をよぎったのは、二度目の死を迎える間際の記憶。*]
メモを貼った。
![]() | 【人】 呉服問屋 藤之助
(36) 2017/06/21(Wed) 22時頃 |
あーらホント。
イイ男だわ〜イケメンだわ〜。
地獄に仏、じゃなくて地獄にイケメンね。
うんうん、奢って貰いなさい。
でも一口くらい分けてあげましょう。
泣いて喜ぶかもしれないわ。
[
[
普段の鉄仮面とのギャップもあって、
とても女の子らしくて可愛かった。
―――― 眩しすぎて、灼け爛れそうなくらい。
そんな笑顔を引っ提げて、
デートのお誘いをしたようだけど。
残念。愛しの彼には避けられちゃったみたい ]
[
空を舞う黒い翼を睨め付ける。
飴を口に放る動作の後、何をするのかと思えば、
向けられた問いに眉根を寄せた ]
…… それ、三ヶ峯くんにも聞かれたわ。
[
そんなにパートナーを庇う事は珍しいのかと、
過った思考は、けれど、違う事を知る。
そう言えば、死神も元は参加者、だっけ ]
[ 今一度、考える。
どうしてリョウを庇ったのか。
そこに別の影を見てなかったかって。
―――― だけど。
考えてもやっぱり、答えは変わらなかった ]
リョウが傷つくところなんて、
見たくなかったから。
[ 空飛ぶ死神を、真っ直ぐに見据える。
最初は確かに真衣に似てると思ったけど、
本当に最初だけだった。
リョウは無口で無愛想で無鉄砲で
見ていて冷や冷やしてしょうがない。
けど、度胸があって、勝負強くて、
それでいて可愛らしい女の子。
アタシが護りたかったのは、間違いなくその子だ ]
…… アナタにもねえ、
何かあったのかもしれないけど。
―――――― でもね、
[ にーっこり。
浮かべる笑みは、満面。
だが、その目は、笑ってはいない。
( スッと、片足を地から離す ) ]
女の子に暴力を働く男は、
世界で一番許せないのよねえッ!
[ ―――――― ダンッ!
足を地に力強く振り下ろした、瞬間。
死神の“ 真下 ”から水柱が吹き出す。
それはさながら、間欠泉のように。
そして、その水は空へと昇りながら
鮫の形へと成り、死神を呑み込まんと、空を泳ぐ ]*
メモを貼った。
そっちの方が口説き文句って言う。
[ 目の前にいる死神の顔は、良い方なのだろう。
そんな、俗にいうイケメンに
可愛いと言われた人は
…ときめかざるを得なかったりして。
なお 全部想像。
私にとっては
完全に鉄パイプのオニーサンだったので、
ふーんで終わったわけだ。
── 愛とか恋とか無縁です。
生まれ落ちるその前から。 ]
[ ローファーが地面を擦り、
真っ赤な蛇の頭が死神の喉元へ牙を剥く、
── はず だったけれど
ぎり と、
何か似たような力か、見えない壁か。
赤色を阻んだ。
あからさまに顔を顰める、が。
攻撃を喰らっていないだけマシなのかもしれない。
強引にぶち抜こうと勢いをつけ、
保たせたのはきっかり数秒だった
[ きっかり数秒でも、離れる余裕はあるわけで。
壁を取り去った向こう、空へ上がった死神を睨んだ。
翼を広げる死神へ両手を翳せば、
鎖の音が じゃら、と 響く。
── 暢気に質問している間に
その腹立たしい翼をもいでやると思うも。
それが直ぐできなかったのは、きっと、
目の前の死神の表情が、問いかける様子が、
"まるで何かが抜け落ちた"みたいに、
見えたから だ。 ]
[ …その、間。
答えるシーシャの、声は拾っていた。
── 当社比、驚いていた そりゃあ。
多分 見ている私の瞳はまぁるくなっていた。
ああ、でも、── ]
[ ── だからこそ、
きっとこの先、幸か不幸か生きのびたとして。
私の、きっと人生で初めて選ぶことのできる結末は、
止めないで欲しい。
"傷つくところを見たくない"、なら
"だからこそ" だ。
こういう時、なにも盗られていなければ、
心が痛むのでしょうか、わかりません。 ]
[ よぅく 知っているのは
私を一番傷つけるのはあの世界だってこと。 ]
── ……!
[ …多分 ぼんやりしていた所為だ。
一瞬のうち、気がつけば目の前には水の柱が、
── 違う、鮫が、いて。
伸ばしていた手は咄嗟に引っ込められた。
…あれに巻き込まれたくはない、から。 ]
……… オニーサン どうするの、
[ 様子を窺う。
だらり、蛇を垂らして、
あの死神に 何時でも噛付けるように* ]
─ ─
[人はみんな寂しがりだ。
だから、みんな他の誰かと寄り添おうとする。
寄り添っているうちに、変に期待したり、
怒ったり泣いたり、傷つけたり。
期待に応えようとして頑張りすぎて
心が折れてしまったりする。
人は、一人ぼっちでは生きていけない。
時にはそんな事を忘れて一人で歩いている気になって
気付いたら取り残されて慌てることもあるだろう。
でも、それでも。
心に信頼できる誰かがいれば。
その人は一人ではなくて、その心の誰かと
いつまでも共に生きて行けるのだと思う。
たとえ距離が二人を隔てても、
生と死が二人を分かつた後も]
「……………っ?!桐生!!」
[ああ、俺は馬鹿だったなあ。
助けを呼ばなくたって、あんな必死な声出して
自分を呼んでくれる人がいたのに。
こんな空っぽな自分でも、一緒にバカやって
協力しあって笑いあえる奴がいたのに。
心配してくれる奴がいたのに]
『ニキ、』
[あの時
迎えに来てくれたことが、泣きそうなくらいに。
きっとあのまま死ななかったら、
大粒の涙をこぼして嬉し泣きしていただろう]
『ニキ、ありがとう、きてくれて』
[その言葉は風にかき消えてしまったけれど]*
メモを貼った。
―回想―
「だったら、強くなるの」
[辺りを赤く染める落日。
河川敷通りに揺れる影法師。
おぶられた状態だったのでその言葉を告げる彼女の顔を見る事はできなかったが、その声は厳しく、だけどどこか優しいものだった。
…ぼくが男だから?と聞けば彼女は「ちがうよ」と答え]
「男の子とか女の子とか、関係ないの。人間にはいつか…いつか、大切な人を守らないといけない時がくるから」
[そう続けたのだ。]
![]() | 【人】 呉服問屋 藤之助 ─ 東エリア / 呉商堂書店付近 ─ (53) 2017/06/21(Wed) 22時半頃 |
メモを貼った。
![]() | 【人】 呉服問屋 藤之助
(62) 2017/06/21(Wed) 23時頃 |
メモを貼った。
……挑発が下手。
[ 睨んで
鮫が食らいつこうと登るのを見て、だけど。
── こいつ なんなの、って 思うほど、
怯む様子が見られない
私はぎょっとする様子を隠しもせず、
鉄パイプ、── が振われた先、
見えない何かが鮫を阻む
把握した瞬間、 ]
[ そのがら空きの翼を必ず捉えると決めた。 ]
[ ── 片方の蛇の頭を、地面に叩き付けた。
鎖はたわませず、棒のように真っ直ぐ伸ばす。
あの背中に向け、真っ直ぐ に。
叩き付けた勢いと、
無限の鎖 伸縮自在故の荒技だ。
私に翼はないけれど、
みっともなく跳ねることはきっと出来る から、 ]
[ 水しぶきの中、
蛇の頭を軸に、私自身を射出して。 ]
[ ── きっと、
あっという間に男の背にたどり着いた。
……上手くいっても行かずとも、
私自身も重力に逆らえなくなるその一瞬で、
死神は 振り向いただろうか。
…目は 合っただろうか。
合ったなら きっと。
お嬢様のように 少女の様に、
たおやかに笑む私が、いたよ。 ]
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