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[問われかけた質問に返す答えはない。
実験がいつ終了するのかすら、
自身は教えられていないから。
ポプラは把握しているかもしれないが、
今の彼女はこちらにアクセスする余裕はない。
それにいっそ目覚めないほうが。
そちらのほうが幸福かもしれない。
これはただの実験でも夢ではなくて
近い将来起こり得る現実。
彼らをよく分析した上での予言悪夢。]
……実験が終わるまでは、起きない。
[落とした声はひび割れて。]
[長く抱きしめていた腕を解いて、
志乃の頭をそっと撫でる。
自分の役割を果たせないことを悔いながら。
彼女が変わらないことを喜んで。
身勝手な罪悪感と満足を抱く。**]
[
それに瞳を伏せる。]
そう……ですか、
[現実に帰る事が幸せだとは思っていない。
だけど、悪夢を先に見ていたことで、変えられる未来も
あるのではと思っていた。
兄の、チアキの苦しみを夢の中で知れたように。
やり直しができないかと……それでも、遅いのだろうけど。]
[撫でられると昔に戻った気がする。
現実では、どれほど時間が経ったか分からないけれど。
昔は、もっと甘えていた。
弱音を吐いて、この手を温もりに縋っていた。
だけど今は、そうしようとは思わない。
そうすることを、自分が許せないから。
ちらりとモニターの方を振り返る。
画面に映し出された"家族"たちを見て、
涙が出そうなのを耐えるように、瞳を閉じた。
夢の中で進んだもの。
心だけが成長したのは、そのままのようで。
感情は簡単には漏れ出さなかった。
今は、それに安堵する。]
……部屋は、前のままなのかしら?
[落ち着いた声で呟いて、返事を聞けば
自室を見に行こうと、実験室を後にした。]
メモを貼った。
メモを貼った。
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ(ほら、またじゃないか。 (29) 2013/07/01(Mon) 21時頃 |
![]() |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[お偉方に“英雄殺し”を捜索しろと言われたので、うちの部隊からは捜索に人員は割けませんと言ったら殴られた。 (31) 2013/07/01(Mon) 21時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ ……なんで他部隊にまで俺が人員割かなきゃいけないんだよ。 (32) 2013/07/01(Mon) 21時頃 |
[志乃は何も言わない。
モニターをみても泣くこともなく。
「悲しい」という気持ちを振動に変えることもない。
甘えてくれればいいのに、と思いながら
彼女が体験した三年の重さを知る。]
部屋は変わっていない。
着替えが置いてあるぐらいだろう。
[腕を解いて出ていく彼女を見送った。
ヤニクやナユタやケイトがそこにいれば
彼らを無言で見つめながらその場に止まる。]
― 実験室→自室 ―
それじゃ……着替え、てきます
[部屋に着替えがあると聞けば、
3年前のままの、この姿を変えておきたいと思い
実験室を後にした。
廊下を足音を立てて進む。
音の響きで、記憶と寸分違わないのだと感じながら自室へ
中に入れば、懐かしい部屋。
ベッドのうさぎのぬいぐるみも、色々な楽器も
昔と変わらない。しばし眺めた後、
用意されていた着物に袖を通す為に、帯を解いた。]
生きてるなら、よかっただろ。
[ナユタの問いには
あの三年間がニセモノだと知らされて、思うところがないわけでないが、死んでいる方がよかったなどとは思わない。]
……生きてるから、よかっただろ。
[モニカもそう思ってくれると良い。
生きているのだから気にしないでくれると良い。]
メモを貼った。
[ナユタともう少し言葉を交わしたかもしれない。
紺の瞳はそのうちミナカタへと向けられる。]
……ミナカタ、お前は――
[何も思わないのか、と問いかける。
彼の冷たい笑み
先ほど志乃と話していたのも、彼女を抱きしめていたのも見ていたから、どちらが彼の本当かわからなくて。]
[鏡の前で、着物を脱いだ。
白い肌には何もない。右肩に傷もない。
もちろん、左足に指は揃っている。
身体に散っていた花の痕すら、全てない。
ようやく、すべてが夢の中の出来事だと実感が湧いてきて
それでも、心に刻まれたもの。
残してきた人の事を思うと、胸が痛くて、苦しくて
血の様に紅い着物を抱いて、声を押し殺して、
いつかのように啜り泣いた。]
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[リッキィの声がして、天幕に足音高く入ってくる彼女に視線を向けて (38) 2013/07/01(Mon) 22時半頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ それよりさ。リッキィ、黒い服持ってる? (39) 2013/07/01(Mon) 22時半頃 |
[ヤニクの視線からは目をそらす。
追及は避けられないらしい。
つぶやかれた質問には、首を横に振る。]
思って何かになるのか。
それとも泣いて謝ればお前は満足するのか。
この実験のことを忘れるのか。
……違うだろう。だから聞くな、そんなこと。
[もしもナユタやケイトが何かを問えば。
そちらへと視線を向けて話を聞く。]
メモを貼った。
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[ソフィアの天幕の前まで行くと、人払いをしてしまう。 (45) 2013/07/01(Mon) 23時頃 |
俺がどうとかじゃねぇよ……
[ミナカタの返答
ヤニクの質問が悪かったのかもしれないが、それ以上問う言葉は持たなかった。
ミナカタが遠まわしに、何も思わないことはないと答えているのには気がついたけれど、そこも問い詰めることはできなくて。]
言うつもりになったら言え。
俺は何も納得してねぇからな。
[ライジが目を覚ましたらどう思うだろうか。
殺したはずのミナカタは生きているから、喜ぶだろうか。それとも別の感情を抱くだろうか。
そんなことを考えながら、モニターに彼の姿を探す。]
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[オスカーの天幕にと聞けば、頷いて。 (53) 2013/07/01(Mon) 23時半頃 |
だな・・・。うん。
[生きていて、良かった。
ヤニクから迷いなく返ってきた返事
モニター前へ移動し、先程までいた世界を凝視する。
頭で理解は出来ているのだけれど、
まだ現実味にかけているような、境界線の曖昧さ。
現実に生きているのだ、ということをまだ実感できないでいるのは起きたばかりだからか、それとも、この画面の中の世界で、まだ生きている皆がいるからか…。
そっと画面を指先でなぞり、未だ戦いの最中にいる彼らを凝視する。]
[画面の中から、ライジに名前を呼ばれ
ビクリと肩が震える。
返事をしても当然届くはずもなく、拳を握る。
どうすれば、いいのだろう。
死ななきゃ現実に戻れないからといって、
画面の中にいる彼らに、
早く死んで欲しいとも思えなくて――――
自室に戻る志乃の後ろ姿をチラリと見る。
ようやく、冷静に頭が働き出す。
守りたい、なんて言っておいて、
先に殺され、彼女も死んで―――でも、
死んだから目が覚めて・・・。]
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[もっと話がしたい。 (58) 2013/07/02(Tue) 00時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ リッキィ。 (60) 2013/07/02(Tue) 00時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ ソフィア、リッキィ。 (61) 2013/07/02(Tue) 00時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[すっと、背筋を伸ばす。 (62) 2013/07/02(Tue) 00時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[ふと、人の気配がしてそちらに目を向ける] (64) 2013/07/02(Tue) 00時頃 |
[さすがに肌寒くなって、長襦袢まで着替えて。
しかし、きちんと着付ける気力が湧かなくて、
そのまま、ベッドに俯せになって、小さな声、唄を口遊む。
死ぬ前に歌っていた唄。
みんなが、幸せになればいいのに。
みんなが、笑っていたらいいのに。
そんな想いを込めて、精一杯の音を響かせていた。
夢の向こうまで、届けばいいのに。
どうしても啜り泣く声が混ざってしまったけれど。
一人になると、なぜか頑張れない。]
[――視線が止まったのは黒いコートを着て歩く三人。
ソフィアがオスカーの天幕から取り出した箱の中身がよく見えず、何だろうと興味と、不安を胸に様子をうかがう。
どこかの森で、ソフィアが開けた蓋の中身
立っているチアキに殴られた痕
箱に納められていたヤニクの首に指を伸ばしたリッキィの目から、涙がこぼれる
泣くなよ、クソッ。
[ここにヤニクは生きている、リッキィが泣くことなど何もない。
これは一時期の悪夢。いつだかわからないが、目が覚めれば終わるはず。]
――もう、勝手に死なねぇから、なくな、よ……
[泣いているリッキィに触れたくて、隣に行ってやりたくて仕方がなくて。
それなのに近づくことも声をかけてやることすらできなくて、もどかしくて悲しくて、その場に蹲った。]
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