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[
……誰かの声が、聞こえた気がして。
それを幻聴なのかも知れないな、と思ったのだけど。
…もしかしたらと目を上げれば、そこにはヤニク君がいて。]
…ヤニク、君。
[「あの場所」で遠くから見た彼は、真っ黒で。
そして、敵だった。
だけど、今此処にいる彼は、そうではないだろうことは、容易に分かり。]
…あなたが、悪いとは思っていないよ。
[だけど、と小さな声で呟いて。]
私も、ごめんね。…止められ、なかったから。
[あそこで止められなかったことは、何よりも私の罪であろう。]
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![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[妖艶な笑みを浮かべる彼女に、こちらが返すのは優しげな、不穏な笑み。 (108) 2013/06/29(Sat) 23時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[トランプ兵たちは、人を傷付けることはない。 (109) 2013/06/29(Sat) 23時頃 |
[ケイトの言葉には小さく頷いてから、首を横に振った。]
俺は生きてるし。ケイトのせいじゃねぇだろ。
……モニカには、悪ぃことした、けど……
[最後に意識をなくす時。背中から聞こえた彼女の心の叫び。
それに応えられなかった事が。
彼女にそんな思いをさせてしまったことが何より後悔。
それから――]
こっちが、"現実"らしい。
……あの時間は、何だったんだろう、な。
[思わず漏らしたのは、その三年間で何か積み上げたものがあった気がしたから。
なのに現実に戻ってしまうと、それがニセモノだと知らされて、価値などなかったのだとわかってしまった。]
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[鈴の音のせいか、言霊のせいか。 (111) 2013/06/29(Sat) 23時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ ……オルゴール人形は好き? (113) 2013/06/29(Sat) 23時頃 |
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――実験室→診察室――
[胸が痛い。
気分が悪い。
見ていられなくなって仕事場へ戻ってくる。
このあいだまで入れ替わり立ち替わり子供たちがいたそこは
今はしんと静まり返っている。
ふ、と視線を向けるとそこには書き散らされた紙があった。
何だろうと手にとって――くしゃりと端を握ってしまう。
慌てて紙を伸ばして、皺の上を何度かなぞり。]
――約束、したのにな。
[目覚めた彼は、覚えていてくれるだろうか。
また、頼んでくれるだろうか。]
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![]() | 【人】 友愛組合 チアキ ご名答。彼はチェシャキャットだよ。 (122) 2013/06/30(Sun) 00時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ―チェシャキャット― (124) 2013/06/30(Sun) 00時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[それでも、言霊を舞姫は口にする。 (125) 2013/06/30(Sun) 00時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ ふっ、 (126) 2013/06/30(Sun) 00時頃 |
[彼の内面に、前よりも優しさを感じるようになった。
それだけは「本物」なのかもしれないな、なんて思いながら。]
...私たちはどうであったとしても、そのようにはなるべきじゃなかった。
それじゃあ、また「あれ」らの手の平の上で踊っただけじゃない。
...何だったのかしら。
色々なものを諦めて、色々なものを捨て去って。
今目の前にあったとしても、それを前と同じようには受け取れるとは思えないから。
[と、溜息ながら。]
[態度も言葉も、意識して三年間積み上げたもの。
全部幻だったと言われても、すぐにすべてなくなるわけではないが、目的がなくなった今は何のためにあったものなのか。]
踊らされてンのは、今更だろ。
……やっぱ、ケイトも大変だったんだ、な。
[彼女の溜息と共に呟かれた言葉
それは全部偽物だったとしても、それを感じて何かを思ってあそこに立っていたのは事実なのだから。
労わるように片手を伸べかけて、それがただの"模倣"であることに改めて気がついて、手は彼女に触れる少し前で、止まる。]
[ふとモニターに視線を向けると、ライジとナユタとリッキィが向き合っていて、音声は聞き取れなかったけれど、リッキィの横顔に彼女が何を思っているかは分かってしまう。
彼女にはライジのことは一言も伝えていなかった。
機会はあったのに、ソフィアには伝えたのに、リッキィには言っていなかった。]
……いえる、かよ。
[無意識の奥。隠していた恐れ。
だって彼女が、それを聞いて。
兄のライジがニュリクティ国にいると聞いて。
彼のところに行ってしまうかも、と思ったら言えなかった。
どうしても言えなかった。絶対に言えなかった。]
どうせ、能力の実用性だったり、効果的な使い方だったり。
...このような装置で。それこそここのような所を作れば。
何が出てくるのかしら?
[なんて直接には関係ない事を呟いて。さながらもう小説とかのよう。事実は小説より奇なりとはよく言ったものだけど。]
...他の人も。
きっと、今辛いと思うから。
[そういうと、出された手を握り。]
...暖かい。
[ケイトに握られた手
ほんとだな、あったかい。
それに、小さい。
[温もりからは確かにここに"いる"という感覚がある。
それはあの戦場ではあっただろうか、わからない。
握ったケイトの手を指でなぞりながら、紺の目を伏せた。]
……ほっせぇ指。
[こんな手で、ケイトはずっと障壁を張っていたのだろうか。
そう思うと何だか痛ましくなった。]
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ 俺はいつだって本気だよ。 (144) 2013/06/30(Sun) 01時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ ぐっ…… (145) 2013/06/30(Sun) 01時頃 |
[ここに合った温もりは、あの場所には無かったように思う。
だからそれの温もりは、愛おしく思われる。
少しの間そのままでいたら、指をなぞられて。
細いと言われれば。]
…この手は血に、塗れているのだと思っていたけれど。
[彼の手は…にはかなり無骨なように思われて。]
どうなんで、しょうね?
[何度かなぞってから、手は離す。
ケイトが望めばもう少しそのままだろうが。]
返答欲しいのかソレ。
[ケイトの問いかけ
俺は俺の手は綺麗なんて思ってねぇけど。
……慰めとか俺様に期待すんなよ、できねぇから。
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[口に出すべきことでない事に気がつくのは遅かった。
ヤニク君はすでに真顔になっていて。]
…みんなそうだと、思うから。
私はあの自分を否定したい。
だけど、あの期間に何も影響を受けないという事は、無いと思う。
あの姿が、私。
敵は押し潰して、首を飛ばして。
前にも言ったと思うけど。そんな私はこれからものうのうと、みんなと一緒にいていいのかしら。
…なんて思ってしまうから。
皆は暖かい。きっと迎え入れてはくれる。だから、こそ。
[ケイトの言葉
彼女にしては珍しいと感じる、強く断言された言葉には意思を感じる。
だが続いた言葉には紺の眼にゆらと黒を混ぜながら、振りあげそうになった拳をかろうじて握った。]
……なあ、ソレ本気で言ってんだったら、障壁だしとけ。
マジで。頼むから。殴るから。
てめぇなんなの、何様なんだよ、その言葉、はっ……!
[声が震える。怒りに身体が熱くなる。
ケイトはきっと本心で言っているだけなのだろうけど、ヤニクには許し難い言葉だった。]
あいつらみんな貶めて何がしたいんだよ!!
殺さなかった奴がいないと思ってんのか!?
慈悲深い殺し方しかしなかった奴がいるとでも思ってんのかよ!?
てめぇが後悔するのは勝手だが、ンなこと言うなよ!
[叫んで、どうしても我慢できなくて、拳は床へと打ちつけられる。
それがケイトに向かわなかったのは、モニカの言葉のおかげかもしれないし、他の理由があったのかもしれないけど。
床を抉った拳は傷ついて、それでもすぐに治って行くけれど、胸が痛いのは止まらない。]
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![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[バランスを崩しかけた舞姫にもう一閃。 (161) 2013/06/30(Sun) 01時半頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[再び襲ってくる舞姫の攻撃に、鋏を構える。 (162) 2013/06/30(Sun) 01時半頃 |
―― →実験室 ――
起きたかケイト。
あとヤニクはどうした。
[床に座り込んでいる二人に呼びかける。
ヤニクの大声は聞こえていたから、
ケイトの様子によっては二人の間に割り込む。
どんな色の視線を向けられただろうか。
何を言われても、ただその感情を受け止めるだけだ。]
説明が欲しいならしてやるが……
愉快な話ではないからな。
[淡々と。あえて温度を低く。]
[それから事実をぽつぽつと告げる。
この実験はこれまでのデーターの分析結果や
彼らの性格をみたうえでシュミレートしたものということ。
それぞれの偽りの記憶も、選択してきたことも
それそれが推定され、演算されているということ。
この実験上で彼らが見られているものの中に
「配属先への忠誠心」がある、ということ。]
……だからなんだ、ってわけじゃないが。
あんまめったなことはしようと思うな。
[それはぎりぎりの忠告。
かつての顛末を知っている己だからこそ
彼らに伝えたい警告。**]
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ―チェシャキャット― (173) 2013/06/30(Sun) 02時頃 |
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[地に倒れた舞姫の右肩に、迷わず鋏を突き立て、地面に縫い付ける] (175) 2013/06/30(Sun) 02時頃 |
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![]() | 【人】 友愛組合 チアキ[怯えた色を見れば、少しの間、鋏は足の指を弄ぶ。 (183) 2013/06/30(Sun) 03時頃 |
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