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[二枚用意しておくと言われたトーストだけど、正直私には二枚でも多かった。
だけど、残すのはもったいない。無理やり食べた。
コーヒーにはミルクをたっぷり、砂糖は入れない]
赤いドレス、ってなんだか凄そうだね……?
[私に似合うとはとても思えないんだけど。しかもスカートでこんなに勇気がいったのに、ドレスって。改めて考えるとものすごくハードルが高い。
でも私を拉致した主要目的がそれなら、仕方ない。一週間で返してもらえるという約束を守ってもらうためにも、あまり否定的なことは言えない]
おとなしいデザインの方がいいかな……。
[控えめにそう要望を伝えるに留めた]
フェルト手芸、って針でちくちくやるやつだよね。
[もちろん、カバンの中の黒猫さんのことを思い出す。贈り主はわからないままだけど、あの子の友達を作るのもいいかもしれない。
黒のフェルトは見えたけど、特に気にしなかった。定番の色だし、羊毛フェルトはそんな珍しいものでもない。
なにより、ちょっと残念な羊が目に入れば、新井さんはフェルトは苦手みたいだな、なんて結論に至る。
暇なのは確かだった。どんな子にしようか、本をペラペラめくって考え始めた**]
メモを貼った。
[ハトが豆鉄砲を食らったような表情、というのだろうか。
指先で困惑したように揺れる赤に、浮かぶのは最初の記憶。
初めて傷つけたのも、赤い目をした白いウサギだった。
重なる色に、何だかひどく泣きたい気持ちになって、
困惑した様子の少女
未だ怯えた様子の彼女に、目線を合わせるようにして、
その顔を覗き込んだ。
あぁ、なんとまぁ、綺麗な赤色なんだろう!
渇きを訴える喉を誤魔化すように、ごくり、唾を飲み込んだ。]
驚かせて悪かったね。
まずはさ、朝ごはんにしようか。
卯月ちゃんは、コーヒーと紅茶、どっちが好き?
[開口一番の問いかけは、この場に似つかわしいもの。
けれど、勿論、これだけで終わるはずもない。
少女が抵抗するようなら、笑顔を張り付けたまま、
言葉を付け加えようか。]
“また”、食べてくれないなら、
今度は、無理矢理にでも食べさせるけど。
あんまり、乱暴な真似、させないでほしいな。
[一時の感情とはいえ、彼女を連れてきた以上、
自分だって、それなりの覚悟はしている。
それでもやはり、出来ることなら、穏便に済ませたい。
ねぇ、これってやっぱり、矛盾しているんだろうか。]
[彼女がそれでも動こうとしないのであれば、
少し冷めてしまったサンドイッチとスープを、
床に転がっている彼女の元へと運んでやる。
他者の警戒心を解く方法なんて、
人と距離を置き続けてきた化け物には、少々難しすぎるらしい。**]
え、赤いドレスって上品じゃないですか。
ほら、レッドカーペットとか歩いてそうな。
[おとなしめなデザインというか、逆に派手なのを作るには、技量が足りないと思うんだよな……。
まぁ、折原さんがそう言うならそうしよう。]
あ、食器は下げときますんで。くつろいでてくださいね。
っしゃ。やるぞ。
[貴方を着せ替え人形にしたいの集大成、赤いドレス。
ぼんやりとしたイメージを、筆先に落としていく。
やっぱり、作っていれば高校生の頃にドールの服を作ったのを思い出す。
従姉ちゃん、俺に色々教えてくれてありがとう。さあ、頑張ろう。**]
[ 碧眼と視線が合う。
覗き込まれる、みたいな
そんな動きだったものだから、
僅かに身を引いた。
遠くで鎖の音がする。
動く喉元に赤色が動いたのは、
一瞬のこと。 ]
[ 黙り込む卯月と反対に、
この状況を作り出したらしい彼は喋る。
その内容は いくら馬鹿な卯月でも
理解することが出来た。
―― この人だ。
家の前、ぶら下がる紙袋の差出人。
知らぬ誰かの、料理。
空いた両の腕は
卯月自身の、細い体躯を抱く。 ]
[ 彼がどうして
卯月にそんなことをしたのか。
…そこまでは 分からなかったし、
卯月だってこれ以上乱暴されるのは
勘弁願いたかった。
ただ、それでも
"食べさせられる"ことが
こんなことをした彼の望むことだとしたら。
大人しく従うなんて発想に、
とてもじゃないけど、なれやしない。 ]
[ だから卯月は静かに首を横に振って、
そのまま床に、座り込むだけ。
きっと料理を差し出されたとしても、
それがどれだけ美味しくて
卯月の大好きな母の味に近かったとしても、
頑なに口を閉じたままだ。
彼に聞こえない程度、
小さく鳴った腹の音は、知らない振りをして。 ]
メモを貼った。
[……うし、こんなもんか。後はこの通りに作れば出来るだろう。
何日かかるか。頑張らねば。
ふと折原さんを見ると、フェルトにちくちくと針を刺しているのが見えた。
折原さんは手先が器用なのかな。]
フェルト、どうスか?
[びっくりさせないように後ろからそっと手元を覗き込んだ。
ついでにお腹の辺りに手を回してみた。ニットが暖かい。
こう、ちょっと温もりが欲しかったんだと自分に言い訳しておいて。]
なんか良い抱き心地ッスね。ニットのおかげかな。
マジ、あったけーッス。
![]() | 【人】 受付 アイリス
(8) 2017/01/21(Sat) 21時半頃 |
メモを貼った。
困ったな。
もう、作っちゃったんだけど。
[座り込んだウサギの姿に、嘆息。
無理矢理にでも食べさせるとは言ったけれど、そんな脅しのようなことをするのは気が乗らない。今はね。]
俺がいると落ち着かないっていうなら、
ここに置いておくから。
帰るまでには食べておいてね。
[一応、ちょっとだけ、レストランの方にも、
顔を出さないといけない。
しばらく、修行の旅に出ますとか、なんとか。
適当な言い訳は、ウェイターには通じないだろうけれど、
問い詰めるようなこともしないだろう。]
[立ち上がったところで、
少し離れたところから、ガシャリと金属の音がする。
その主は、部屋の隅で飼っている、
小さな白いウサギ。
卯月に似た色合いではあるけれど、
彼女より遥かに小さい生き物に、
赤い眼差しが向くなら、
籠を彼女の近くに運んだ後、部屋を出ようか。
どうせ、どちらのウサギも、逃げられるわけが無い。**]
メモを貼った。
![]() | 【人】 受付 アイリス[兄に頼まれていたとの言葉に>>16、 (20) 2017/01/22(Sun) 01時頃 |
[ 要らないです、って
やっぱり首を横に振る。
"帰るまで"。
つまりは出て行くという言葉に
分り易く安堵の息を吐きつつも、
足元の鎖と異なる金属音に、
ふと、赤色を上げた。 ]
[ ウサギ。
卯月じゃ無くて、本当の。
色合いは全くもってそっくりで、
自分を小さくした生き物のように思わせられる。
動物を飼う趣味があったところで
どうとも思わない、けれど。
同じ"ウサギ"であるところに、
どうにも掴めない何かがある気がした。 ]
[ 隣に籠が置かれる。
足元こそ鎖に繋がれていないけれど、
外に出られないという意味では
結局卯月と同じ、ウサギ。
じいと、赤色をそれに向けながら、
彼が出て行く音を遠くに聞いていた** ]
メモを貼った。
[赤いドレスは上品で、レッドカーペットが似合うのかもしれない。
だけど、そもそも私にはレッドカーペットが似合わない。
どんなドレスになるんだろう。ドレスなんて、私に着こなせるとは思えないけど。だけど似合わなくて幻滅されれば、それはそれでいいのかもしれない。
羊毛フェルトの本をぱらぱらと眺めながら、そんなことを考えていた。
さて、黒猫さんのお仲間。最初は白いうさぎにしようかと思った。けれど、黒猫さんと一緒に付けたら色が移って薄汚れるかもしれないと気がついた。断念する。
結局、グレーのネズミさんを作ることにした。これならもしも色が移ってもあまり目立たないだろう。
本の説明を読みながら、針でちくちく刺していく。
元々、こつこつ地道な作業をやるのは割と好きな方だ。黙々と針刺しに没頭する。打ち込めるものがある方が、今はありがたい。
自分で言うのもなんだけど、新井さんの羊さんよりは可愛くできていると思う。
そうして、どれくらい時間がたったんだろう。後ろから話しかけられて、私は顔を上げた]
ちょっと根を詰めて刺しすぎたかな。
フェルトが固くなっちゃっ、て……?
[刺しすぎると密度が高くなってフェルトが固くなる。気をつけたつもりだったけど、ちょっとやりすぎたらしい。
そんなことを言いかけた私のお腹に、新井さんの腕が回った。びくっと肩が震えたのは、きっと新井さんに伝わった]
……あの。
[どういうつもりなんだろう。
お人形を愛でてるつもり?
それとも、女性に触れたくて?
どっちにしても駄目だ。私はお人形でも恋人でもない]
駄目だよ。
[私、針持ってるのに。刺されるかもしれないとは思わないんだろうか。
……そんなことはしないけど。怒らせたくはないし。
だけど、ちゃんと伝えるべきことは伝えなくちゃ]
約束したから、ドレスは着るよ。
だけど、私はお人形じゃない。
だから……こんなことをするのは、駄目だよ。
[これは、酔った勢いじゃない。
私のスカート姿にテンションが上がった衝動的な行動でもない。
新井さんが何を考えていて、今どんな顔をしているのか私にはわからない。
手の中のネズミさんだけが、楽しそうに笑っていた**]
メモを貼った。
[返ってきたのは拒絶の言葉。静かに離れた。
俺も自分で何したいか分かんない。
おかしい。ただ着せ替え人形みたく、服を着せたら満足するかと思ってた。
この人の可愛さを引き出せるのは俺だけだと思ってた。
今は?]
すみませんでした。嫌でしたよね。
つか、ここに居るのも嫌っすよね……。
分かんないんですよ。俺がどうしたいのか。
さらった時は俺だけが折原さんを綺麗に可愛くできるんだって勝手に思い上がってて。
今は、微塵も思えないです。ドレス作ったら、なんか分かるんかな……。
[俺の気が狂ってしまえば、悩まなくて済むんだ。]
[私、嫌って言わなかった。やめてとも、言わなかった。
新井さんの言葉にそう気づいたけど、そんなこと口には出さない。
ただ私はネズミさんと針をコタツに置いて、静かに新井さんの方に振り返った]
それじゃあ、もうやめる?
[微塵も思えないって新井さんは言った。私もそう思う。
私を綺麗に可愛くできるなんて、そんなこと到底思えない。
だけどそれは、新井さんの作るドレスがどうこうということじゃなくて]
人選ミスだよ。
[私が綺麗に可愛くなんて、なれるわけない。
そういうことだった]
メモを貼った。
や、人選ミスとかじゃねえんスよ! 折原さんは美人だし!
そう言う事じゃなくて。完全に俺は思い上がってたって事ッス。
俺だけが出来るんだ、って思ってたけどそうじゃなくて……。
ああもう何言いたいか分かんねえ……。
[取り乱してすいません。と立ち上がって、俺は洗面所に行く。
顔を洗って落ち着こう。ていうか、落ち着け。
パシャパシャと、冷たい水で思いっきり顔を洗えば、幾分か気持ちは落ち着いたような気がする。
ついでに夏場しか使わないメントール配合の洗顔料も使ってやる。
そんでもう一回水で顔を洗えば。]
ああああああ冷てえええ!
[ただ冷たすぎて痛いだけだった。思わず声上げちまった。]
[ばしゃばしゃと、洗面所の方から賑やかな音が聞こえる。
その水音に紛れるように、小さな声で私は呟いた]
……美人じゃないよ。
[あんな風にさらっと言われたら、本気で言ってるんじゃないかって思いそうになる。そんなわけないのに。
思い上がっていたというのがよくわからないけど、スランプみたいなものなのかな。
そんなことを考えていたら洗面所方面から悲鳴が聞こえた。思わず立ち上がってしまう。
母の悲鳴は恐怖だった。新井さんの悲鳴にはそんな緊迫感はなかったけれど、なにごとかと洗面所をそっと覗き込んだ]
あの、大丈夫?
へ、ヘーキッス……。
[冷たい冷たいとやってたら折原さんが見に来ちゃった。
大丈夫なんだけど、実際顔が冷たい。]
頭冷やそうって顔洗って、ついでにメントールの奴でもっかいやったらマジで冷たくて……。
おかげでめちゃくちゃ頭も冷えましたけどね。
なんか見に来てもらっちゃってすいません。
なにそれ。
[冷たいという声は聞こえたけど、まさかそんなことしてたなんて。思わず小さく噴き出してしまった。
冷たい水で顔を洗うくらいなら私もするけど、メントールは明らかにやりすぎだ。
変にツボに入ってしまって、私はしばらく肩を震わせて笑い続けてしまう]
やりすぎだよ。
[ちょっぴり涙まで出てきちゃって。指先で拭った。
それから。私は多分、ちょっとどうかしてたんだと思う。
深く考えたわけじゃなかった。本当に何気なく、新井さんの頬に手を伸ばしてた]
本当だ。すごく冷たい。
[コタツで温まってた私には、氷を触ったくらい冷たく感じる]
風邪ひいちゃうよ。
[じわじわと遅れて恥ずかしさがやってきて。できるだけなんでもないような顔を取り繕いながらそっと手を引っ込めた]
ちょっと折原さん!? 笑いすぎッスよ!
もーー、なんスかぁ! ちょっとー!
[クスクスと笑う折原さん、恥ずかしくて声を上げる俺。
わざとらしく、こんなに笑われたらお婿に行けないわ! とおどけてみせた。
なんだろう、今この瞬間だけ、まるで同棲カップルのような空気があった。]
いやー、名案だと思ったんスけどねぇ……。
[本当に、目も覚めるし頭も冷えるし一石二鳥だと思ったんだよ。
こんな冷たいなんてなぁ……。
メントールと冷水で冷えに冷えた俺の頬に、何か暖かい物が触れる。
いや、目の前に居るから折原さんの手だと言うのは分かってるんだけど。]
え! あ……そ、そッスよね。冷たいッスよね。
温タオルで温まります。すいません、心配してもらって。
[妙な罪悪感にとらわれて、台所で温タオル、ついでに煎茶とミカンを用意してきた。
俺もコタツに避難しよう。テレビを見ながら茶を啜るスタイル。コタツムリの準備も万端。明日は箱でミカンが届くからもっとヤバイ。]
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