88 めざせリア充村3
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(ガリ,ガリリ,ガリリリリリ)
[死体置き場から程近い場所より突入。
敵兵の前で、見せつけるように手を伸ばし、死体のネジを巻く。 研究所でも何度もした行為だ。複数のネジをいっぺんに巻くのは、さほど苦にならない。
撃たれても、どこから撃たれたというイメージが明確ならばそれはすべて白鼠へと姿を変えた。 それでも視野外や接近した兵からの攻撃は取りこぼして そちらは、リッキィたちに任せる]
(キリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ)
[……それは、まるでおとぎ話のような光景。 死体たちは起き上がり、薄っぺらな体で、幼子の出したような威勢のいい声を上げた。
トランプの兵隊たち]
(339) 2013/06/28(Fri) 08時半頃
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囲め。
[敵を指差す。
トランプの兵隊は手に槍を持っていたが ―そしてたまにペンキの刷毛も― それを使うことはなく。 まるで壁のようにくるくると広がり、混乱した敵兵たちを囲み、追い詰め、一所に集めて]
リッキィ、後は頼んだ。
[ひどく狙いやすく固まったそれを遠距離から一掃するのは、赤子の手を捻るより簡単だろう。
そうして倒れた敵兵は、ゆっくり起き上がり、トランプの兵と化す。 まだ生きている、遠くの敵に見せつけるように、ひどくゆっくりと。
子どもの残酷な夢。無邪気な悪意。 そんなものが滲み出た能力だった]
(340) 2013/06/28(Fri) 08時半頃
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チアキは、淡々と、攻略を進める**
2013/06/28(Fri) 08時半頃
……ひでぇ、な。
[複数設置されたモニターは、各地の様子を映し出す。
残忍に戦う姿も、互いを殺そうとする姿も。
彼らは――今なにを考えているのだろう。
それは画面ではわからない。
一つの画面でケイトが死んだか。
ビーッという音と共に、
画面に表示さらた彼女の名前が赤から黒へと変わる。]
……死んだら、起きる、だったな。
[カプセルの中眠るケイトはまだ目を覚ます様子はない。
いっそ目覚めないで欲しかった。
なんと言葉をかければいいのか、
まだ、見つけることができていない。]
[もう一つ死体ができる。
死んだヤニクはなにを思って殺され、
殺したモニカはなにを思って殺したのか。]
――こんなことを、して……
[何をしたいのか、と問うのは愚問なのだろう。
彼らが見たいものはここまででもたくさん見れた。
計測の結果の能力の伸び代予測。
それを使う各自のセンスと戦闘力。
極限状態に置かれた彼らが取る行動。
他にももっと――壊れた時の反応すら、
ただただ冷静に彼らは観察したがっているのだ。
そして実験は続く。
次は誰が死ぬのだろうか。]
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―拠点にいたときのお話―
[>>355抵抗らしい抵抗をしないリッキィに目を細め、鋏をゆっくり閉じる。 地面に金色が散らばった]
さっきのさ。心を痛める人がいるって話。
[言いながら、半分ほど切ったとこで鋏を退かす。
心を、と言ったそのとき、ちらりと浮かぶ期待のような、喜色のような色は、しかしすぐに仮面に覆われた。
淡々とした声と、優しげな笑顔で首を傾ぐ]
上官としての俺に、必要?
[兵器にそんな情、いらないだろう?]
(387) 2013/06/28(Fri) 23時頃
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―今、戦場での話―
[首のないトランプ兵は、あたふたとデフォルメされた手で地面を探ったりごちんと壁にぶつかってみたり。 見つけた頭は、絵本にあるようなにっこりマークのものに変わっていた。 こんな状況でなければコミカルな姿だが、戦場では面白いと思う暇もないだろう。
冷静に戦況を見ながら、そんなことを思った。風と悪夢で蹂躙される、赤の兵士たちに同情さえ覚える]
…………?
[しゃらん。 聞こえた澄んだ音に、ふと頭を上げた。
動きが鈍り、倒れるトランプ兵。 突然動きのよくなった赤の兵]
……し、
[>>378見えた、“舞姫”と、“水龍”の姿。 息を飲む音が、妙に響いた]
(388) 2013/06/28(Fri) 23時頃
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……ナユタ……志乃……
[がり、頭皮をかきむしる。 一瞬浮かんだ、迷子のような、怯えたような色は押し殺し]
ああ、久しぶり。元気だった?ちゃんと美味しいもの食べてる?
[にこり、優しげに笑った。
そうしながらも、トランプ兵はコミカルな動きで赤の兵と交戦していた]
(390) 2013/06/28(Fri) 23時頃
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[近付く志乃から逃げるように、一歩後退する。 それでも、聞こえたリッキィの声に理性で足を止めて 震える深呼吸]
……俺が戦ってるわけじゃない。
[志乃の言霊には、自分には無関係だと言霊への否定を返して それでも、近い場所にいた味方の一般兵が幾人か止まってしまった様子に舌打ち]
俺?俺は……そうだな。
[動揺を、誘おうと。 コートに手を入れながら、言葉を口にしようとして ……身を削られるような心地がした。
だから何?いま、それは必要?]
(411) 2013/06/28(Fri) 23時半頃
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僕はね。しーちゃんとナユタに会えなくて寂しかったよ。
長いこと会えなくてほんとに僕寂しかったんだよー?でも元気そうでよかったあ
[あの時のように。 あの時と同じ声で。 無邪気な笑顔で。 くるくると子供っぽく。
そうして、コートから小銃を取り出して 酷く冷静に、妹に向けて、撃った]
(413) 2013/06/28(Fri) 23時半頃
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だから、下がれ。 また、長いお別れをしたいわけじゃない。
[撃った玉は、到達はしただろうか]
(416) 2013/06/28(Fri) 23時半頃
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