16 漂流旅行
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 22時半頃
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─海岸─
[あてもなく歩いて出た場所は、自分が流れ着いた海岸だった。]
ここは……最初の場所だ。 よかった……これなら洞穴の場所まで戻れる…。
[まわりに危険な動物は見当たらない。]
森の中よりは死角が少ないから、安心かも。
(25) 2010/08/11(Wed) 22時半頃
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─海岸沿い─
[海岸沿いをあるいていくと、オスカーと出会ったときに遭遇した怪物が、皮だけになっているのを見つけた。]
こんな怪物でも食べちゃう生き物がいるのかな…… それとも死んだらこうなっちゃう生き物なのかな。
とりあえずこれがいるってことは、方角は間違ってないね。 ここをまーっすぐいったら風穴のとこにいけるはず。
(29) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 23時半頃
…ヘ、クター君?
[はたはたと揺れる手に、声に感情が戻る。]
――なんで、こちらにいるんです、か?
………生きて、いてくれれ、ば。
あたしは…、それでよかったのに…。
[感情が戻ると共に、どこか鈍く理解していたことを受け止める。
目をそらしているものも、中にはあるが。]
あなたは、正しい選択を、したから。
ちゃんと、生きようと、してくれたから。
――いいんです。
[優しく優しくヘクターの髪を撫でた。]
きっと、ヘクターから事を聞けば、赤い狂気を思い出し体を強張らせる。
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─風穴付近─
[風穴を覗いてみたが、誰も居ない。]
……いない。
[少し寂しくなってきた。]
洞穴なら、居るかな。 それとも、みんな移動しちゃったかな。別のところに。
[呟きながら森の中へ足を踏み入れる。]
(32) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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…………。
ごめんな。
いや、……ありがとう。
[何故ここに、とセシエルに問われるが、自らの見たイアンの狂気を語る気にはなれず。]
……俺も、殺されちまったみてえだ。先生と違って、相手は人間だったけど。
[誰に、とは濁し事態を告げると。教師の手が髪を撫でるがままに任せた。]
……ありがとう。
[見捨てて逃げた自分の命を祈ってくれた事に、礼を述べ。自らの話がセシエルを怯えさせていまいか、と、その目に向き合った。]
――……?
[こてん、と首を傾げた後、ふる、と頭を左右に振った。]
お礼を、言われることは、してない、です。
[普通のまま、ありのままでありたいと、思っていたから。]
………そう、ですか。
その方は…何があっても、いきたい、んでしょう、か。
手が、血に塗れても。
[赤い狂気を、知っている。
でも、目をつむり見ないふり知らないふりをする。
自分を護るために。]
………?
どう、いたしまし、て?
[なんとなく、そういった方がいい気がして。
自分より背の高いヘクターを揺らぐことなく見上げる。]
……ん、なんだろ。
逃げちまったからってのもあるけど、結構呆気なく死んじまったからかな。
生きろって思ってくれてたって聞いたら、何か言いたくなった。
[自分を見上げる教師に、苦笑を返し。]
……わかんね。
ただ、何だろ。……絶望、しちまったのかな、その人。生きてるって事に。
[何があっても生きたいと言うより、生きる方法が無いから皆を殺そうとする狂気。理解しえないその感情を形にするにも、そんな言葉しか思いつかず。小さく頭を振った。]
風に揺れる薄赤いハート型の葉に、手を伸ばしてみた。
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─森の中─
あれ……?
[少し距離はあるが、あの人影2つは見覚えのある姿な様な。]
おーい、メアリー先輩とオスカー君ー?
[ちょっと叫び声をあげる。]
(36) 2010/08/12(Thu) 00時半頃
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自分の手が葉を突き抜け空を切るのを見て、項垂れた。
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[どうやら間違っていなかったようで]
二人とも移動中?
[二人の元へ駆け寄る。]
(41) 2010/08/12(Thu) 01時頃
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そう、ですか。
[良くも悪くも、誰かに害意を持つのが苦手と言うのもあるが、なんとなく、ほんわかと笑った。]
生きてる、事に絶望…ですか。
それだけの何かが、あったん、でしょう、ね。
[誰の事かもわからないけど]
悲しい、ですね。
[何も出来ないことが。]
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うう、先輩達にあとであやあまらないと……
あっちの方では見かけなかったよ。
[来た方角を指さして言う。] [手首のものを聞かれて]
これ、なんか変な植物に襲われた時のやつで…… 石みたいに堅くなっちゃって取れなくなったの。
(46) 2010/08/12(Thu) 01時頃
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[……ふわり、と笑う教師にどこかで安堵しつつ。]
……だよ、な。
死んだら、二度も死ぬ事は無いにしても。
……生きてなきゃできねぇ事も、山ほどあんだろ……。
[その狂気を《悲しい》と評した手の気配を、受け入れていた。]
イアンらしき叫び声がどこからか聴こえた事に気づいた。
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切れるかなあ。
[手首のものを見ながら呟く] [するとオスカーの指さした方向から叫び声が聞こえて]
!! 聞こえた。メアリー先輩にも聞こえたってことは、空耳じゃないよね?
(49) 2010/08/12(Thu) 01時半頃
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今の、叫び声……。
[死した身に聞こえたのは、空気の振動でなく、魂が奏でる音。
それをイアンの声と感じとると、そちらを見やり。]
…………。
[狂気に囚われ自分を殺した相手ではあるが、今となっては彼の生を祈る気持ちの方が、強く。]
……俺、行ってくる。
[何も出来なくとも、せめて見届ける為。彼はセシエルの言葉を待たず、声が聴こえた方へ向かった。]
― ???? ―
……
[何度も、何度も。
名を呼ぶ声が、した。]
……なんでだろう、ね
[声は一つでは無かった。]
私って此処まで見る目、無かったんだね……
[生ある間には気づけなかった、音。
今になって魂を縛る、強い後悔。]
もう、
[首を左右に振る。
面には悲しみと、悔しさが浮かぶ。]
……私の事は、いいのに
あんなに酷い事を云った、のに
…………どうして?
[問い掛けは、届いて欲しい場所に届かない。
きつく眸を閉じて]
……イアン先生。
[名を呼んでも、祈りは誰が聞き入れてくれるのだろうか]
一歩ずつ。時間を掛けながら自身を呼ぶ声の方角へ歩く。
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みんなでいこ。
独りで身に行くのは危ないと思うし。
[もちろん付いていく気まんまん。]
(52) 2010/08/12(Thu) 01時半頃
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……
[魂は未だ最後の畏怖を拭い切れては居ない。
歩み進むのが普段より遅いのは、その為だった。]
先生。
[其れでも逃げずに進むのは
伝えたい言葉が、ゆっくりと背を押してくれるから。]
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先生のかも。 普通に折ったんじゃ、こんな形状にならないと思うし……
[オスカーの拾い上げた棒を見る。]
この近くにいるのかも
(54) 2010/08/12(Thu) 02時頃
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― ??? ―
……っ!? おい、イアン先生!?
[辿り着いた場に広がっていたのは。壮絶な戦いの跡と、緑の大猿の死骸と……今にも命の灯火が尽きそうな教師の姿。]
アンタ、何無茶な事してんだよ……!
[しかし、やがて聴こえたのは。後輩達の声。]
…………!!!
[その声に身を起こすイアンと、駆け寄る後輩達の姿。無事アイリスが見付かっていた事にも気付く余裕が無いまま……彼は、息を飲んだ。]
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せんせ、どうしたの……?
[弱った教師の姿を見つけた。] [血が流れている。]
大丈夫……?
[心配しながら声をかける。] [そしてふと]
ヘクター先輩は?
[姿の見えない先輩の事を問う]
(59) 2010/08/12(Thu) 02時半頃
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[……イアンが指差したのは、彼の肉体が眠るあの岩場の方角で。
後輩達が肩を貸し、そちらへ向かう姿を、ただ追うしかできなかった。]
…………。
[……例え、イアンの告げた自分の死因が、偽りであれども。そして、イアンが尚も皆を殺そうとしている事に、気付こうとも。]
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うん。
[オスカーから棒を受け取って]
オスカー君、メアリー先輩。 先生運ぶのお願いします。
[そして、姿の見えない先輩の事について聞くと]
……そう…ですか。
! せんせ、無理しちゃだめですよ!
[血を吐きだす様子が痛々しい。]
(64) 2010/08/12(Thu) 02時半頃
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アイリスは、メアリーから松明を受け取った。
2010/08/12(Thu) 02時半頃
……
[辿り着いた時、教師が指差したのは此方だった。
背の先には、身体が眠っているであろう場所。]
……もう。
[俯いて、眸を閉じ、首を左右に振る。
傍にヘクターの魂が在っても、
今は、声を掛ける事も無い。]
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