281 緋桜奇譚−忌−
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『アオちゃんの勝ち!』
[予約投稿により語り続ける電子の妖精。
親切な人でないものの警告なんて気にすることもなく、ネット上を賑わせ続けていた。*]
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地上は派手になってきたなあ。
アオちゃんも茶々入れ…応援してる。
/*
こんなに主張のぶつかり合いをしているのに。
早々に高みの見物してるアオちゃんは愉快犯なんだよなあ。
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人間? 馬鹿なことを。お前のような奴が真っ当に人間であるものか。 その妖の力は…
[確かにかなり強大だ。この国でも有数の名のある妖怪の血を引くものであろうと見受けられるぐらいには。 けれど、その正体にかかずらうほどの猶予はありはしない。 斬撃と雷撃の合間を縫って繰り出される糸に乗って、高機動のまま斬りつけてくる。こちらの当たりは少なく、桜の花弁が散れば、少しずつ霊力を削られるのはこちらの方。 張った符陣を背に、少しずつ入口の方に後退する形になる]
く……このまま陣まで後退するか…?
[雷撃も、攻撃というよりは牽制に近い使い方になる。接近してきたのを見計らって、拡散した稲妻を、糸に乗って向かい来る志乃に向けて正面に収束させ、ぶつけた*]
(102) 2020/10/05(Mon) 22時頃
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ちっ…もう手が回っているか!
[入口付近まで撤退したが、入り口は蜘蛛の糸が絡みついて人一人通る隙間も阻まれかけている。せっかくの陣も、中に入れなければ何の意味もない。]
半分…なるほど、この糸、妖力… お前の正体は大体掴めたぞ。
[だからといって、頼光が持っていたような霊刀は持ち合わせていないのだが。 正面からぶつかる雷も厭わずに斬りこんでくるなら、こちらは退くしかない。
桜の花弁が降りかかるのを何枚も身に受け、霊力が随分削られたのを感じながら、鏡のかかった竿が正方形に立ち並ぶ符陣の中に逃げ込み、五色の旗を手に取った]
(111) 2020/10/05(Mon) 22時半頃
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なるほど、さすが土蜘蛛の後裔だけはある。
このぐらいの雷は意に介さんか… ならばやはりこれでいくしかないか。
[旗を振りあげると陣の内部で轟音が轟き、稲光が走り、音と共に竿に立てかけた二十一枚の鏡が揺れて雷光を反射し、金色の光を陣の中に生み出す]
見よ、電母娘々が神に封じられる前に磨き上げた奥義… 当たれば魂魄も消し飛ぶ、金光の陣とはこういうものだ!!
[五色の旗をシノに向け振り下ろす。鳴動する鏡が雷光を反射し、金色の閃光の渦がシノに向け迸った*]
(112) 2020/10/05(Mon) 22時半頃
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どこもどかんと吹っ飛びそうだなあ。
どこが落ちるのかなあ。
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さて……どうだ?
[こちらも目が眩むような雷光と、耳をつんざく轟音。あるいは寺の壁も大分崩れたかもしれない。 もっとも、これほどの惨事でも付近の住民が集まってくる気配はない。それどころではないのだろう。 だが]
……生きていたか。なるほど。
[肝心のシノはこの雷に包まれてもまだ生きていた様子。 さすがに大口を叩くだけの事はあると、冷たい肌に冷や汗が滲む思いがする]
(121) 2020/10/05(Mon) 23時頃
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再生もできるのか。 …なかなか。この国の妖を甘く見ているつもりはなかったが。
[変貌し、巨大な緋色の蜘蛛の姿を取った糸と桜のオブジェ。 そう呼ぶべきものから糸の奔流が放たれる]
…力を比べるか、は…分かりやすい!
[金光陣の外に出れば、それこそ命取りになる。 といって、周りの鏡を壊されれば陣も用を成さない。
故に猶予は一つもない。一歩も引くことなく、 糸がもつれかかるのも気にせず、旗を振り、再び雷を浴びせかけた*]
(122) 2020/10/05(Mon) 23時頃
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[実際の所、巨大な蜘蛛とシノを双方ともに相手取り続けるのは難しい。 だからこそ短期決戦で挑むつもりではあった。 雷鳴が轟けば、陣内の鏡は揺れて角度を変え、襲い来るものを縦横に走る雷で自在に焼き払っていく。
けれど、シノが取り出した剣から放たれる力が鏡を割っていけば、顔をしかめる。 ニ枚、三枚… 五枚… 鏡が割れ、雷の軌道は縦横無尽とはいかなくなってくる]
雨叢雲だと?……その名は… 神器ではないはずだが…
[名前を模した刀か、あるいは… どちらにせよ、その力は紛い物ではない。]
(127) 2020/10/05(Mon) 23時半頃
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ならば、元を断つまで!
[そうこうしている間にも鏡は割られていく。 桜の花弁と混ざり合った糸も徐々に纏わりつき、なけなしの分まで振り絞った霊力を削り取っていく。
蜘蛛の方だけに集中し、龍の如くうねる雷鳴を巨大な蜘蛛の像の頭上からぶつけた*]
(128) 2020/10/05(Mon) 23時半頃
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金魚ちゃん可愛い。
ガルムさんもかわいい。
言ったら怒られそうですが。
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くっ…
[既に割れている鏡の方がはるかに多い。残りは数枚といったところか。 シノが仕掛けてくるのは分かっていたが、蜘蛛をなんとかしなければ先にタネが尽きる。 それゆえに、シノの方には]
邪魔、だ…!!
[指先に挟んだ符印を数枚飛ばし、カミソリの刃のように硬化させたまま切り裂かんとするのが関の山。 それでも止まらずに向かってくるなら、もはや避ける術はない。
ただ、せめてできる限り霊力を削る事だけ考え、なけなしの鏡を金光陣に集結させ、雷撃球と為して蜘蛛に叩き付けた*]
(137) 2020/10/06(Tue) 00時半頃
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[符印はほとんど使い果たし、敷いた陣の鏡もほとんど割られ、なおも戦い続けた。
だから、手は尽くしたし、雨叢雲の斬撃が胸に届かんとしていても、もはやそれ以上打つ手は残っていなかった。
心臓は既に動いていなくとも、魂魄は残っている。 それを断ち切るには十分すぎる致命打。 身代わりを残す時間もありはしなかった。]
う…… 、ん。くぅ………
[胸を貫く一撃に苦悶を見せながら、陣の真中で膝をつく。 忌々し気にシノを見上げながら、息を漏らした]
(143) 2020/10/06(Tue) 01時頃
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ぬかったか… これでは刑期が明けるのはいつになる事か。 まあ、ここの醤油くささにもそろそろ辟易していた頃だし…
なあ、お前…冥府の門をどうあっても開くつもりか。
ならば、どうせなら…… 冥府を潰し、十王も全てねじ伏せてみるか? その方が案外面白いやも…
[言葉はそこまで。その姿は頽れた**]
(144) 2020/10/06(Tue) 01時頃
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