246 とある結社の手記:9
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
3
4
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
全て表示
|
… でも。 憎いとかは、よく分からなくて。
[ぽつり。落として短く息を吐いた。]
(130) 2018/08/01(Wed) 02時頃
|
|
憎いっていったら憎いんだよ。 今はさ、奥様を殺したやつらが。
多分ユージンも。パティもさ。 憎たらしいって思ってる。 人間をさ、いやもしかしたら人狼かも知れないけど。 どっちでもいいけど、嫌なのは嫌だなって。
そんな風に──…、 そのくらいに、思ってて。
嫌、なんだよな。 なんでいきなりみんな、人狼の「やつら」とか言うのかな。 なんで「あいつら」なのかな。 なんで「一匹」なのかな。
(131) 2018/08/01(Wed) 02時頃
|
|
みんな仲良かったのにさ。 いいやつら、ばっかだったのに。 なんで…いきなり隣のやつを化け物扱い出来るんだろ? なんでいきなり、睨みつけたり出来るんだろ。
…こんなことを言ってたら、また変って思われるかな。 やっぱりお前は人狼の仲間なんだろって怒られると思う?
怖いけど、嫌いじゃない。 憎たらしいけど、怖くない。 そういう話。
出来ればしたかったけど、でも、
(132) 2018/08/01(Wed) 02時頃
|
|
あんたがもし生きてて、奥様を殺したって思ったら、やっぱりこんな風に話は出来なかったかも知れないけどさ。
… まあ、
ユージンには、話してみたかったんだ。
[飲む人のいないグラスに向けて語りかけて、目を閉じた。 こたえが響くことはない。息を吐いた。 そうして、誰も居ない部屋のドアは閉ざされた。 机上に綺麗なままの酒入グラスだけが、*取り残された。*]
(133) 2018/08/01(Wed) 02時頃
|
─ユージンの部屋─
[部屋の中には、暗がりがある。]
[部屋に来た誰にも、きっとそこには暗いものがあるとしかわからない。]
……
[寝台の影、床の上。べちゃりとした粘度のある赤い赤い赤い海のその上に、
「ソレ」は、長身の膝と腰を折ってだらりと長い両腕をだらりと床につけて、裂けたような首をグラつかせ、腹部からもだらだらと──今も、血を流し続けていた。
じわりと、幻のように暗い血が床に広がっていく。]
[陽気な男の顔は、俯いて、陰になって見えない。
ちょうど、帽子をかぶっているときのように。]
[それは音にならない声。けれど喉に空いた穴からひ、と引き攣れるような空気音めいた音を伴って]
イ
た
イ
["呻いて"いた。]
[いたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたいいたいいたいたいいたい]
[モンドが来たときには、まだ"寝転んでいた"。
ただ、それは。
その肉の塊は、あまりに赤かった。
それは、あまりに無残だった。]
[麻酔もないまま、体の奥を弄られるということがどういうことか、わかりたくもなかった。
ただこれまで感じたことのない痛苦だった。
痛みだった。
それしか考えられないくらいの、
声も出せなくなるくらいの。
リンダが赤いと表現したのも、
なるほど頷ける話だった。]
[────まともな、思考が
残っていればの話だが。]
[首を落とすために、頭だけを前に差し出したような、違和感だらけの不自然な恰好をした男の、顎からどろりとした赤黒い液体が伝って床に落ちていく。]
[誰が訪れても、その姿は見止められることはない。ただ、そこにあるだけだ。]
[ 『いいよー。気にしないでって。
…… 覚悟はしてたよ。』 ]
[いたい]
[いたい いたいよ]
[ああ 見てたよ。サイモンのことも]
[いたい] [思考が軋む]
[覚悟ってなんだっけ]
[思考が溶けていく]
[崩れていく。壊れていく。失われていく。
頭の中に、泣いている声が怯えている声が不安そうな声が。
繰り返し繰り返しリフレインしている。
もう泣いていないだろうか。
── 怖がってはいるかもしれない。
不安そうな、怯えたような、
それは、弱い弱い──人間の声だった。
強がって、まともでいようとするさまが、
綺麗でいようとするさまが、かわいそうだった。
誰かを殺してしまうことに怯えるのだって、
怖いと思うのだって、疑うのが、嫌なのだって、
だって、すごくすごくあたりまえのことだ。]
[普通の人間なら。
誰だって思うことだ。
お前を殺すと名指されたら、恐ろしく思うに決まってる。]
[ぇぼ。とくぐもった音がした。流れ出していく血の量が増える。ぐじゅぐじゅにされた腹から覗く赤い塊からも、ぼた ぼた。と固形物を含んだ粘度のあるものが落ちていく。]
[ああ、でも。こんなに死ぬのが苦しいなら。
──オレだって、誰かに。 たすけてほしかった。]
[ 『また機会があるよ。
じゃぁさあ、
次はラルフから誘ってほしいなー』 ]
[そんな機会は、もうこない。二度と。]
[暗がりに取り残された男の全身は、まるで赤い泥を塗りたくったように固形ぶつ交じりの汚い湿り方をしていて
いつも飄々と笑っていた口は、
薄く、半開きになったまま、
声を発するでもなく、血と呻きを垂れ流している。]
[ ああ。でもそれも、天罰なんだろうか。
ワンダを殺したことの。イヴォンを殺したことの。]
[── 知らないところで、他人が死んでも。
そんなことは知らないと、
人狼を見逃したことの。]
[この村に来る前の話だ。
人狼の襲撃現場に、居合わせたことがある。、
採集に行った森の中で、その死体は、腹をえぐられながらも
──濁った眼で、こちらに首だけを向けていた。
まだ生きていたのか、助けを求めようとしたのか。
喘ぐようにぱくぱくと唇だけが動いた。
死体の上に馬乗りになっている影に気がついたのは、
そのあとのことだったのを、イヤにはっきり覚えている。]
[死体と、殺した人間。 ───どちらも。
どちらも、知り合いだった。]
[ 『今日はやめるって言ってたのに、どうして来たの』 ]
[真っ赤な口をしたまま、あんまりいつもどおりみたいに話しかけられて、頭が混乱したのを覚えている。
その時も、声が出せなかった。]
[足がはりついてしまって動けないまま、
またがっていた方が、
口元にはりついていたそれを飲み下すのが見えた。
襲撃者が、淡い栗色の髪を払う。
髪をまとめるスカーフが少し揺れる。
現実感がなかった。
遅れて、殺されるかもしれない。と、思った。
…
それで、ぞっとしたのを覚えている。]
[ただ、でも。
結論として、そうはならなかった。]
[ならな、かった。]
[頬を真っ赤に染めている血に、
一滴ぶんだけ。
血を洗い流したように筋が見えた。]
…逃げなよ
『逃げなよ』
[はじめて出せた声は、
相手のそれと被った。]
[ハア? と、向こうが先に目を丸くした。
状況がわかっていないと思われたのかもしれなかった。自分だって、襲われるかもしれないということに、こっちが気づいていないと思われたのかもしれなかった。
彼女は、蓮っ葉に小さく噴き出して]
『……今はおなか一杯だから、見逃してあげる』
[それが、これまで。──好きだった、初恋だった彼女の笑顔とまるきり同じで、喉から声が出なくなった。]
[── なんで。とか、どうして。とか、
そういうことを何も言えないまま。
じゃあね。と短い別れの言葉ひとつで
彼女は、村の方に戻っていった。]
[死んだ友人との間に何があったのか、
詳しくは知らない。
ただ、小さい村だったから、
その事件は大きく騒ぎになって。
でも、野犬のしわざだろうと。
最終的にはそういうことでカタがついた。]
[あんなに、(こんなに)腹を暴かれて
食い散らかされていたのに。]
[助けを求めるような顔で、濁った眼をさらしていたのに。
犯人は捕まらないまま──誰も彼もが、
だんだん彼のことを口にださなくなった。]
[それでも、]
[人狼だとかなんだとか、そんな不確かな話で、
村がざわついている間。
通報は、──誰にも、しなかった。]
1
2
3
4
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る