88 めざせリア充村3
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[誰かとお風呂に入る時は洗ってもらうのが恒常化。 なので隠すとかそういうことはありません。
入ってきた志乃は着物を着たまま。 濡れないように袖や裾をまとめているのは、 食堂で言っていたお掃除スタイル。]
うん、だいじょうぶ。 しーちゃんお風呂入らないのに、ありがと。
[てっきり一緒に入ると思っていたから喜んでしまったけれど。
合図に目を瞑って髪を濡らしてもらうところから。 髪に泡がつけられれば、顔にかからないよう少し上に反らす。]
きもちいー…。
[慣れている手つきで的確に洗われて、気持ちよさそうに。]
(293) 2013/06/26(Wed) 21時半頃
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なぁんだ。じゃあその時に一緒に入ればよかった。
[そんなことを言いながら。 動いて着物を濡らしてしまったりしないよう、 じっと静止を心がける。 ぽつぽつ交わす会話の中で、 うっかり振り返ったりしそうになりながら、]
(302) 2013/06/26(Wed) 22時半頃
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――ひゃ 、ぁ!?
[背中にくすぐったい刺激>>297が。 志乃がそんなイタズラをしかけてくることなんて 今までほとんどなかったので、完全に不意打ち。
思い切りびくついて、裏返った声がでる。 泡と雫が勢いでちょっと志乃の着物についてしまったかも。]
(303) 2013/06/26(Wed) 22時半頃
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びっくりしたー………あははっ。
[はぁ、と長い息を吐いて。 志乃が楽しそうに笑っているのを見て、 こっちもなんだか笑えてきた。
丁寧に泡を流してもらって、無事完了。]
さっぱりしたー…しーちゃんありがと。
[振り向いて、笑顔でお礼。 いつか志乃の綺麗な髪を洗ってみたいなぁ…とも思うので、 やはりゴム手袋を作ってもらうべきだろうか。]
(316) 2013/06/26(Wed) 23時頃
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ちゃんと温まる。 しーちゃんもちゃんと拭いてね。
[腕や足元は濡れているから。 志乃が浴場を出て行くのに手を振って、 もう一度しばらくお湯に浸かってから出ることにする。
今日はいい一日だったなぁ。 そんな風に、ほんのりとした幸せを感じながら 廊下を歩いていた。
……そのまま、幸せな気分で寝られると思ったのに。]
(325) 2013/06/26(Wed) 23時半頃
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えー……もう今日はないっていったじゃん。
[幸せ気分を壊してくれる研究員の一言。 せっかく満腹になってお風呂にも入ったのに…と 不満気に返したところで、 無言で見下ろされるだけだった。
予定がころころ変えられるのなんていつものことだけど、 こういう突発的に入るのは、嫌いなアレ。 今日は別の実験をやったからないと思ってたのに。
必ず実験には参加するようにと教えられているから、 黙ってついては行くけれど、 初めてやった時は泣いて嫌がった。そんな実験。]
(334) 2013/06/26(Wed) 23時半頃
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― 実験場 ―
[今日は動かない人だった。 台の上に、たくさんの細い管をつけられて横たわり、 管の先にはモニタがついて波を刻んでいる。 仮面を被っているから顔は分からない。]
………。
[ヤニク相手にやっているのは、コントロールの練習。 金属を相手にやっているのは、動きと腐蝕速度の向上。
じゃあこれは? 金属相手にするのと何が違うの? 同じならやらなくったっていいじゃない。 その疑問には答えるのは、いつも無機質な実験開始の合図。
手袋を外して、指先を向けるのは心臓のある場所。 内臓の位置は把握してる。この実験で、全部覚えた。]
(339) 2013/06/26(Wed) 23時半頃
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[一瞬だけ感じた温度は、自分の体温があがっていたからか 冷たく感じた。 少し力を込めるだけで、薄い体にあっけなく手は沈んでいく。 もがく体は拘束されているから動かない。 溶けた骨の隙間にある臓器まで手が触れれば、 モニタの波が不規則に乱れて。
そのまま、と指示を受ければ少し手を引いて待つ。 不規則な波が打つ度に、目の前の体が揺れて。 呻き声が耳を通り抜けて。
許可が出て、ぐ、と強く手を押し付けたところで、 静かな線になった。
いくつかの指示の後。 目の前に“次”が用意される。]
(341) 2013/06/26(Wed) 23時半頃
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[実験が終わる頃には手はどろどろになっていて、 有無を言わさず洗浄室に押し込まれた。]
……せっかくしーちゃんが洗ってくれたのに。
[ぼそりと呟く音は、叩きつけられる水粒の音で掻き消されて。 実験室から放り出された頃には、 ふわりと香っていた石鹸の匂いも全部消されていた。 せっかく楽しい気分だったのに、 一緒に全部流されていってしまったような。]
新しい手袋ほしい。 お風呂でもつけたまま入れるの。
[いつもより抑揚のない声で、今まで何度かした注文を。 返ってきたのは、扉が閉まる音。]
(345) 2013/06/26(Wed) 23時半頃
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― 実験室→自室 ―
[途中で誰かに会っただろうか。 口数少なに表情も乏しかったから、 眠いのかと勘違いされたかもしれない。]
…………。
[自室に入って、しばらく洗面所にこもる。 それからベッドに転がって、枕を抱えて丸くなった。]
もったいなー…。
[呟いて、机の上に取ってあるクッキーの包みを眺め。 そのままゆっくり目を閉じた。*]
(347) 2013/06/27(Thu) 00時頃
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