34 【ロクヨン!!!】
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実在しない、って。
けど… 中の、プレイヤーはいて、だから
[だから、話をした、向き合ったナユタはどこかにいる。
確かにナユタはゲームのキャラクターだが。]
… はじめまして。
よろしく… ガストン、だ。
[別のナユタ。
認識は間違っていないはず。
ナユタ使いなんていっぱいいるはず。
奇妙な焦燥感の中、硬い笑顔を返した。
ひきつっていただろう。]
[『死んだら、終わり』]
[彼が繰り返した一言が、やけに気にかかった。**]
【墓下へ無茶ぶり】
[そのとき、ふと、ざざっと貴方の視界に何か異変が起こります。
貴方はなんだろうと、その視界を揺らすものを探すでしょう。
すると貴方の視界の隅に、通信が入ります。]
こちら、グロリアPL
こちら、グロリアPL
観戦モードの君たちに、ひとつ強制プログラムを組み込んだ。
[そう、開発側のグロリアPLは何もしていなかったわけではない。
この事態になんとかそれでも戦えないかと内部操作を試みていたのだ。]
君たちは、今、PCからは抜けているけれど、
願えば、再度、そのPCの能力を得られる。ただし、もうドロップアウトしていることは変えられない。
ナビゲーターシステムにまで侵食が進んでいる現状、何があるかわからない。だから、このプログラムを起動させるよ。
[そう、願えば君はまた、君の育てたPCに変わることができるだろう。]
[―――そして、]
……早速、何かきたようだね。
[通信はふつり、途切れ、
それは“こちら側”にもあらわれる。]
― 回想 ―
[死というのは、意外と一瞬のものであったらしい。]
――……まぁ、80越えてるHP一気に削られるほど
相手に躊躇がなければな。
[ふっと息を吐きながら、ヴェラにより埋められるベネットを見る。
最後、反撃のつもりではなく、コントロールを失ってアイリスに向かったダイナマイト。
ただそれだけでも躊躇のあった自分との差を知る。
真にアイリスは、ゲームを愉しんでいたのだろう。
嗚呼、でも痛みはそれほどなくとも、覚えている。
死……と言う感覚。ふるっと身震い、自分の身を抱いた。]
いや、私はヴェラが生き残ってくれた方が良かったと思う。
どうにも、私は人づきあいが苦手でな。
ついでに、タイミングも悪い。
[肩を竦める。実際に見ていないことは人はなかなか信じられない。ヴェラの行動を追えば、宇宙人という単語が真実味を帯びてくるが、なかなかそれを信じることができず。]
更に言えば、私は頭が固いからな。
[苦笑を浮かべる顔は、ベネットではないとは暫く気がつけない。
黒髪の肩口で切りそろえたボブ。
気難しそうに眉間に皺寄せて、その下にはスクエアの銀縁眼鏡。
嗚呼、ベネットというよりはディーンを女性キャラにしたような、そんな顔。
さて、とヴェラから視線を逸らしたのは、どの瞬間であったか。
ゆさっと揺れる胸の存在に、どうも身体がリアル自分に戻っていることを知る。]
――……嗚呼、そういえば(ピーーー)の感覚が
[ぶつっと呟いた当たりで、視線の先、ナユタに似たようなPLとその他もろもろが見えるか。
向こうが此方に気がついたかどうかは謎であるが、声をかけようとしたその時]
――……っは?
[グロリアのPLという声が聴こえたかと思えば、現れるモブの姿に声をあげる。
望むも望まないも、リアルの自分のままでは、死んで更に死にそうな状況。]
この状況で、もう一度死んだらどうなるんだかな?
[ぶつっと呟き終えれば、胸の代わりに下肢に違和を覚えながら、本を手に取り詠唱を開始していた。
1.Mohandas Karamchand Gandhi
2.Alfred Bernhard Nobel
3.沖田 総司
――……1]
バリア展開に、ぺちょちょちょっとモブがつぶれていく15113
[モブがバリアで引っかかっている間に、再度英霊を召還
―――……2]
これでどうにかならないかな……と思いつつ。3、15,
…ん、まぁ…アレか…。
乗っ取られてた、んかな?黒リアみたいに。
[ナユタに関しては、結局そういう結論で納得したみたい。]
おぅ?グロリア。
敗者復活戦突入?
まー…復活はしなくても延長戦みたい、な?
[ざっと両手に刀を抜けば、今まで通り動けそうな気がした。]
んっし、いっちょ暴れてくっか。
おいナユタ。お前もやるんだろ?
しょっぱなから倒されちゃって、暴れ足りねーって顔してんぜ。
行くぜ!と気合一閃、Mobの群れへと突っ込んだ。6、4、19、11、5!
[ケロミちゃんドリンクミラクル1本、攻撃力アップ2本ゲット!]
まー、ざっとこんなもんっ!
[じゃきっと決めポーズ。]
戦える?
[きっと、それに何よりもわくわくしてしまった者がここにいた。
そして、迷うことなく、レベル64に到達したナユタがそこにいる。]
辰次ののっとられてた、という言葉には、少し、むーとしながら。
…ヤンファ……。
[しょんぼりした姿が見えて、なんだかちょっと胸が痛くなった。]
やっぱ、兄ちゃん居なくなったの、寂しいんだろうなぁ…。
ヤンファ?
[ナユタ使いの77%は、妹萌えといわれてしまっている。
この兄妹関係は、一般的にも受けはいいようだ。]
ん、まぁ…偽ナユタと仲良かったみたいだったしなぁ、あの子。
なんかプレゼントでもして元気づけてやろうにも…ドリンク剤じゃ、味気ないかぁ…
[なんか、報酬に貰ったドリンク剤の瓶を摘まんで思案中。]
ふぅん…まぁ、ナユタとヤンファは公式だからな。
[なんとなく、やっぱりむー]
回復アイテムは、生き残っている連中にやれるのか?
[そう訊いたら、まさにヤンファに預けるシステムがあるらしかった。]
そっか…。
[そうこう言ってるうちにこっちにも敵が現れる。]
おいっ!!そこのガストン!!
[そして、ガストンがまだガストン化してないなら声をかけただろう。]
あんたもさっさと、変われよ?
[そう生粋のナユタ使いであるその眸は、装甲を身に着けると活き活きと輝いた。]
やろうぜ?
[そして、向かってくる敵にショットガンを構えて発射する。4]
願えばだったり、強制プログラムだったり…
…ああ。いいよ、やってやるよ!
[別のナユタに叫び返す。
一瞬の後、筋骨たくましい荒野の戦士の姿へ変わった。]
死んでる俺たちにまで…
モブも大変だよ、なあ!!
[ずっと握りしめていたような気がする
使い慣れた大戦斧を、わらわらと現れた
モブたちに向けて振り抜いた。2]
おらよっと!!!
[豪快な一撃で、最後のモブも吹き飛ばした。
現れたケロみちゃんドリンク3本、
攻撃力アップを2本手にして、
斧を肩に担いだ。]
やれやれ… のんびりさせてもくれねえってか。
[言いながらも、辰次や、何より"ナユタ"の戦う姿に
男は高揚していた。
64レベルまで当たらない大砲を育て上げた
その技が目の前にあるのだから。]
楽しそうに戦うじゃねえか…
"ナユタ"。
[そう呼ぶ。
ナユタはナユタ。別の"ナユタ"。
切り替えてしまえ。]
死んでる俺たちでも、やりあったりできるのかね?
[モブを倒したナユタへ、斧をつきつける。
辰次がまだいれば、そちらにも笑いかけ]
体力の制限なしにやれるとしたらさ、最高だよな。
聞こえてるのかしらねえが…
…なあ、グロリア? いいのか?
[使えるのかわからないが、通信機へ叫ぶ。
観戦モードが思ったとおりであるならば
死亡してこそ、自分の目的が果たせるともいえる。]
[斧をつきつけるガストンに、最初は瞬くも、次にはいわゆる最高の笑みを帰した。]
――……いいに決まってるだろ?
[それは自分も100体倒した後。]
いろいろやってからさ、
なんか、問題ってのを一緒に殴りにいこうか。
[そして、ショットガンをガストンに構えただろう。**]
[笑顔が素晴らしいほど、違いが明確になる。
武器を構える姿は、全く同じだというのに。]
ああ。…そりゃ、いいな。
[複雑な気持ちは、戦意の下に押し隠して。]
初めてのバトルだろ?
ウォーミングアップは十分か?
なんなら、最初は手加減してやるぜ。
[軽口を叩く。
怒るか?笑うか?
その発露はきっと、やっぱり違うとわからせてくれる。
別のナユタではあるが。
中途半端に終わった戦いを、今。
一足飛びに距離を詰め、斧を振り上げた。]
[幾度武器を交えただろう。
幾度銃弾を受け、斧を叩きつけただろう。
受けるダメージは、本来のゲーム中のものか
それよりは弱い衝撃だろうか。
死亡のない観戦モードの戦いは
いや、死亡があったとしても、バグから離れた戦いは
二人の満たされなかった気持ちを、ある程度は
満足させられるほど激しいものになっただろう。]
っはー …疲れた…
…休まねえ?
俺、だいぶ満足したわ…
[ダメージが変換されたのか、それとも暴れすぎか。
必殺技を最後に、たまった疲労感に座り込んだ。
まだやるつもりなら、付き合うのだが。]
…さすが、64レベル…
なんだよその命中率。
高すぎるだろ、ほんとにナユタか?
…やっぱ、ダメージとかねえんだな。
ドロップしたコレ、またあいつらに渡せるかな。
[先ほど獲得したアイテム。
ひとまず渡したい相手を考えながら
アイテム欄に収納してみた。
いつの間にやら消えて、移動しているだろうか?]
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