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![]() | 【人】 ろくでなし リー
(107) 2017/03/16(Thu) 23時頃 |
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(108) 2017/03/16(Thu) 23時頃 |
[
莉緒ちゃんからそれを聞いて、足を進める。
少し暖まった手で、ふたり揃って向かえば不安もきっと紛れる。
……紛れてくれたらいいなあって、思う。]
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![]() | 【人】 ろくでなし リー
(117) 2017/03/16(Thu) 23時半頃 |
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(118) 2017/03/16(Thu) 23時半頃 |
— 病院 —
[夜間入り口は、と探していたら、
こちらに向かって手を振るつばさ氏の姿が見えた。]
連絡ありがと。
どう? 橘くんは助かりそう?
[今の状況を、つばさ氏は教えてくれる。
現在手術中で、助かるかどうかは五分五分といったところらしい。
病院の人が言うには、生死を分つのは患者の気力と体力次第、と。
わたしたちにできるのはやっぱり、待つことだけ。
ロビーに入ったすぐのところ、雨風を避けられるくらいの場所で、
他に来るであろうクラスメートを待ちながら、静かにじっとしているしか。*]
メモを貼った。
![]() | 【人】 ろくでなし リー
(131) 2017/03/17(Fri) 00時半頃 |
![]() | 【人】 ろくでなし リー
(132) 2017/03/17(Fri) 00時半頃 |
[二人揃って病院へと向かう道すがら。
ささらちゃんと話せたことでわたしには、
ちょっとばかり他のことを考える余裕ができていた。
ホストが誰だったのか分かったけれど、
あの校舎(せかい)の仕組み、みたいなものについては謎はまだ多い。
つばさちゃんに似たマネキンは何だったんだろう。
つばさちゃん本人は無事に帰れていたわけだけど、
あれのおかげで無事を確認するまで色々心臓に悪かったのは事実]
……結局、帰ったひとの代わりだったのかな、あのマネキンは。
[たぶん、きっと、そう。
だとすればわたしだいぶ無残な姿だよ……とは、
口に出せないまま小さくため息をついた]
[そうこうしているうちに病院の建物が見えてきた。
夜間出入り口側に回る。
つばさちゃんの姿が見えたら大きく手を振った。
そうして彼女の口から現状を聞く]
……そっかあ。
[手術中で。
助かるかどうかは五分五分で。
あとは患者さん次第だって。
言われたわたしは粛々と頷くことしかできない]
[ロビーの、まだ出入り口に近い辺りから、
手術室のある方角に、祈るような眼差しを送っていると、]
……あれ?
[病院の奥からこっちへ、
出入り口から入ってきたわたし達非入院患者とは、
逆の方からロビーに向かってくる人影を見つけた。
そっと人影に近付いていく]
こんな時間にどうし……、
[お見舞いにしては遅すぎる、というか、
電動車椅子に乗って入院着を身に着けてるからむしろ患者の可能性が高い。
ともあれ気になって声をかけたんだけど、
相手がクラスメイトだと気付いて途中から驚くような声をあげた]
あれ……上須賀くん? 上須賀くんだよね!?
[ばっさりと切られた髪。
身体のあちこちにつけられたパッド。
車椅子で移動する姿。
教室で見る姿ともあの校舎で見た姿とも違う。
入院してる、と皆方先生からちらっと聞いてたのを思い出す。
だけど、これは見たところちょっとした入院って感じじゃない。
帰ってきたのを喜ぶのも忘れて、
しばらく驚いた顔で見つめるばかり**]
メモを貼った。
— 病院への道にて —
[
そういえば、と思い出すのは、校舎で変わり果てたつばさ氏の姿。
触れた感触をなんとなく覚えている。
どこもかしこも作り物だったはずなのに下着まで身に着けて、流している血が生々しかったマネキン。]
帰った人の代わりにマネキンがあそこに残る……か。
どうしてなんだろうね。
考えても分からないけど。
[マネキンとなった自分もあの校舎に残っているのだろうか。
だとしたら、それはどんな姿をしているんだろう。
……って、少し想像を巡らせたら、
誰かに見せられる有様にはなっていないのではないか、と、思えて。
同じく口に出せないまま、髪をくるくるいじった。]
— 病院・ロビー —
[
車椅子に乗った患者さんがやってくるのが見えた。
一度は気に留めずに視線を戻したけど、上須賀くん、という名前を聞けばもう一度振り向く。]
……えっ、上須賀くんなの?
[そういえば、入院しているって言っていたような気がする。
あの校舎で姿を見たものだから、てっきり病状は重くないものなのだと思い込んでいた。
体のあちこちに取り付けられた電極が生々しい。
鬱陶しげに掻き上げていた髪も、短くなっていて、見違える。
文化祭以前のクラスで出会った頃は、長い髪を見兼ねて気まぐれに結んであげたりすることもあったものだけど。
何があったの、とか。
病状は、きっと聞いてはいけないことだろうなって、わたしは線を引いて口を噤む。**]
― 病院・ロビー ―
[キュルキュルと車椅子のタイヤが床をする音が
静かな病院内に響く。
ロビーについて水野はどこにいるのだろうと
探そうとしたところ、誰かが近づいてきた。
見上げれば三星で、その向こうに
天ヶ瀬
よ。お前らも帰ってきたんだな。
[片手を挙げて挨拶をして、
近づきつつ、驚いた様子に苦笑した]
んな驚くなって。
体は元気なんだけどな。
ちょっとこっちのほうで。
[とんとん、と自分の頭を指でたたく]
お前らもあの校舎にいたろ。
朝飯食ってるとき
天ヶ瀬と三星のマネキンが見つかったっていってたから
帰るとマネキンが残るんだろうな。
[ということは自分のマネキンも残っているのだろう。
昴が見つけてなかなきゃいいなと、思いつつ]
んで、理一は。
[聞けば水野が五分五分だと説明してくれた]
あいつは俺たち呼んで、どうしてほしかったんだろうな。
[あの校舎で届いたメールの文面と
へらへら笑っている理一の顔がどうにもうまく重ならない*]
メモを貼った。
……やっぱりわかんないよね。
何も残さないでふっと消えちゃうよりはマシ、……だったかもしれないけれど。
[とは言ってみたけど……どうなんだろう。
つばさちゃんのマネキンは見るからに心臓に悪かったし。
そもそも、ふっと消えただけだとしても、
「消えた人は帰ったかも」という予想(あるいは希望的観測?)に辿り着けたんじゃないだろうか。
……結局あれこれ考えるのはやめた。
ため息をつくわたしと髪をくるくるいじるささらちゃんと。
それぞれ沈黙を抱えつつ歩いていた、病院までの道中]
― 病院ロビー/そして、再会 ―
[上須賀くんに手を振り返す間も、
わたしの表情は驚きを見せたまま固まっていた。
苦笑の後、病状を説明されて、
ようやく、そんなに深刻にとらえてほしくないんだろうか、と考えることができていた。
向こうで朝飯を食べた、ということは、
上須賀くんが帰ったのは、朝飯にありつけなかったわたしよりも後らしい。
マネキンが残っていたと聞いて苦笑いひとつ。無残な姿確定である]
……たいへんおさわがせしました。
[そしてぺこぺこ頭を下げる]
でも、上須賀くんもちゃんと帰ってこれてよかった。
……おかえりなさい。
[つばさちゃんから現状を聞いた上須賀くんがこぼした問いに、
答える術を持たず考えてこんでしまう。
そもそも―――どうして屋上から身を投げたのかだって分かっていない。
“あのメールの送り主”をりーくんに置き換えてみても、
何を求めて死んでみることにしたのか、
何があって死んでみるしかなさそうだという考えに行きついたのか―――という問いにぶち当たる。
それでも、考えてみて、]
……、誰かに答えてほしかったのかも。
ほら、メール、もう一通あったよね? 謎かけみたいな。
[言葉を紡ぎながら近くにいる皆を見回していた*]
『 人を人たらしめるものとは、何ぞや? 』
[三星莉緒としての答えを挙げるなら、
それはただ一言、“他人”となる。
ヒーローがヒーローたる条件は、
性格が当てはまるかどうかではなく、
心の強さでもなく、
誰にも正体を知られることなくさっそうと事件を解決すること―――でもなく、
第一に、助けるべき他者が存在すること。
これが人全体にも当てはまるのではないかという話]
[――ただ、多くの人の例に漏れず、
わたしにとっても最も身近な他人とは血の繋がった家族であり。
その存在――つまりはあお姉を思い浮かべればこそ、素直に答えることができなかった。
わたしからあお姉を取り去ってしまおうにもできない、
そんな気持ちを抱えているからこそ。
これがわたしの答え。
それが真の正解とは限らないけれど。
でも、わたしからすればりーくんは紛れもない人だよ。
病院に運ばれたと聞いて駆けつけてくれるクラスメイトがいるんだから*]
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