158 Anotherday for "wolves"
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― 昨夜/処刑開示後 ― …… ルーおじさ、ん?
[>>10まるで、いつも知っているスティの。
二枚の硝子の奥が、 琥珀のいろが。
覚悟を決したよな、つめたさが浮かぶ。]
[きのう。
何があったか。 何を、おじさんが宿していたのか。 知らない、猫は。
こういう時も来るのだと、わかっていたのに。 蒼を震わせ、見開いた。]
(77) 2015/05/15(Fri) 18時半頃
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[酒場で躱した、一方的な 『約束』を、思い出す。] [ ――― 結局、乾杯は出来ずじまい、で。]
…… ぜったいに、 ぜったいに、話すってさあ、 …… 言った、よねえ?
[ 嘘だ。 ]
( それに。
ワタシは、いつか聞こうとおもった、 母さんのはなしも、聞いていない )
( …なんで、あの。 あの、 ルーおじさんが、) ( ワタシみたいなケモノじゃあなくて。)
[ そう、言えたら、良かったのにね。 ]
(78) 2015/05/15(Fri) 18時半頃
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[ああ。
幾度もこんなのがあった、 兵の時代じゃあなく。 狗がこどもであったころに戻ったよう。
――― … 。
やっぱり、どうにも。 平和ボケ、してしまったらしい。 ]
[鴉に言われたことばが、反芻して。] [冷めたいろは、浮かべることは出来ない。]
[けれど、] [連れられてゆく宿の主人を見る目は。 すう と、現実と乖離しゆく、猫の瞳。] [また、あの優しい宿の主人と、 明日以降も会えるよな気さえして、 ……。]
(79) 2015/05/15(Fri) 18時半頃
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[ 氷ではない。 水の干上がるかわいた色が宿る。 ] [ 日々が遠退くおとがして、 頭が、痛い。 ] [ 自分じゃあなくてよかった。 … とは、到底おもえなかった。]
( …… ねえさん、 )
[触れ得ぬ日の 幻像と、 またあの日みたいに塗り替えられそうな 記憶の揺らぎに躍る最中。]
[>>39 駱駝色の奥から、のぞく視線。]
…… ?
(80) 2015/05/15(Fri) 18時半頃
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[ぱちり。
頭の痛みのせいで眉根を顰めていたせいで、 やもすれば蒼が睨めつけるように 見えていたかもしれない。
交差するひとみが、 肩を震わせたなら。 ]
…… あ、ラディ …
[声を掛けようとしたけれど、逃げられたか。 ワタシが、なにをしたのかわからなくって。 それ以上に、頭の 記憶の痛みに追えなかった。
あした。また。 (明日があるなんて、わからないのに) 会えたら、はなそう。
そう 働かない頭で考えるので、せいいっぱい。]
(81) 2015/05/15(Fri) 18時半頃
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[ 広場になし崩し的にゆく >>19悲痛なこえは、 聞えてきただろうか。 ]
[ 聞こえたなら。 ] [ ぐるぐる、 ]
[ティースプーンが 紅い水面を混ぜども 一向に混ざりきらない、 混濁した海のなかで。
ルーおじさんが連れられていくことは 空洞に呑み込まれたよに、外側に。]
… スティが、そんなことするわけないだろ…
[きっとその呟きは。 メアには届かないだろうけれど]
(88) 2015/05/15(Fri) 19時半頃
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[ 一年、たったの一年。 暮らしたばかりで、 何を知れるっていうのか。
わらわれそうそうだけれど、 道連れに食らいつこうとした野良犬さえ。 拾って飼うような、医者を。あの手を。
ワタシはすくなくとも悪魔だと思えなかったし、 悪魔と喚きたてるやつのほうが。
――― 罪を 現実を、 なすりつけたい。 子供の皮をかぶった、悪魔のようにさえ思った。]
[それは、うるさい 『真実』に眩む中のせいで 余計。 …… 余計、 今ばかりは。 ]
[ 耀く天の死の星は、嘲るばかり。 * ]
(89) 2015/05/15(Fri) 19時半頃
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― 朝 / 診療所 ―
[ 夜。
うまく寝付けるはずも、なく。 診療所に酒は持ちこんでないものだから。 猫は 、
… 狗は。
それでも、朝になると意識を沈ませ。 起きることを、拒むように、ねむったまま。
奥底から、布団をあげ。 起き上がるのは、『消えた存在』。
正確には、ケモノが気付きかけて 蜃気楼のよに在るのみの『彼女』。 ]
(94) 2015/05/15(Fri) 19時半頃
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[ 猫も、狗も。 存在を気付かない程に、 そのすがたを薄めかけた、 憂うようないろをした、 ]
[ 乙女のよな。 ]
[木陰の翳り宿せど、 澄んだブルーを 持ち、
鏡も見ず、 ふらあり。 ]
[ 虚ろのまなこは、 なにかを 見ているようで 見ていない。] [ 『生きていて』『死んでいる』。 もしくは、その逆さ。
さんにんめは、そんな存在だった。]
(95) 2015/05/15(Fri) 19時半頃
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[ ――― 起き上がれば。 そこに、医師の姿はあっただろうか。]
[ なければ、そのまま。
風に流れ 流され、 硬い音のなる靴を履いて、 戸口へと向うつもりで。 * ]
(96) 2015/05/15(Fri) 19時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/15(Fri) 19時半頃
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― 診療所 ―
[囀りが、すぎてゆく。] [きれいなことりは。
さも、醜きせかいの一部だというのに、 あたかも 自由とばかりに羽ばたきをのこす。]
[そも、『少女』には届いていなかったが。] [ひたり、と。 歩きゆく足は。]
[ 幽霊のようで、確かな音を遺す。] [ 魚が海に還ろうとするよに、 ] [ 風を求め、 そして、ぴたり。 ]
[ >>101呼び声。 ]
… せんせい。
おはようございます。
(107) 2015/05/15(Fri) 21時頃
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[学者に対する呼び名のように。 普段の皮肉でない 柔らかな『別人』の笑み。 猫と狗より。遥かに離れた、気配に気付くだろうか。
恐らく、見せたとしても 一瞬、瞳に映る程度だったろうから、 この貌を。 一面を。 見たことはほぼみたいことないだろうが。]
…… ボクに、何か、御用かしら。 [本来とはさかさの。 『鏡写しの一人称』をうかべたまま。 ふわり。物憂げな蒼は、ほほえむ。]
… ああ。 『アル』を呼んでらしたから。 アルの方に、用事なのかなあ。
(108) 2015/05/15(Fri) 21時頃
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[まるで、『自分は違う』 と。 言外に告げるよに。
‟にせもの”の少女は、 あどけなさと大人びた様を ごちゃまぜにした、雰囲気を醸して。]
(‟ほんもの” とはまた違う) (時の止まった盤は経つ事に、錆びつく) (その錆は、歯車の動きを。
すこし。 すこうし。 違ったものにしていったから。) [ こてり。 ]
[ 首を、倒す。 *]
(109) 2015/05/15(Fri) 21時頃
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…… あら。 でも、その前に、お客さんかな。
[ぱちり。]
[ >>105knock knock,]
[ 戸を打つおとに。
じい。と、音鳴らす戸から ついっと、春風が流れるよう 琥珀を見上げ、促した。
少女は、客を迎えることもなく、
そのことばが意味する、 重い意にも衝を受けるでなく、佇んでいる。]
[蒼は、濡れ羽の睫毛は。 すこし。 かなしそうに揺れる程度。 *]
(111) 2015/05/15(Fri) 21時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/15(Fri) 21時半頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/15(Fri) 22時半頃
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…… 。
[>>133『ひとつ』のよで、 『ふたつ』に、区切られたなまえ。 別たれた、三文字に。
返事もなく、 森奥から差す木漏れ日のよに ただ 閑に笑み差すばかり。 ]
[ 訝し気にむけられる問いよりも。 先に、打ち立てられるノックのおと。
戸に近付こうとしてはいないけれど、 >>134捲し立てられる苦悶と。
剣呑な空気だけは、 ぴりり と、 髪を伝い、頬に、 それから。肌に、染みこむよう。 ]
(143) 2015/05/15(Fri) 23時半頃
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[ 奥歯を噛むよな横顔を、 ぼう と、 虚ろはみつめ。
微かに捉えた、 『声』ということばに。 なんのことかはわからないけれど、 硝子が 足許を向く。 ]
[ ―― きこえないこえ。 とどかぬ、こえ。
別たれた手を思い出して。 『ふたつの意味で』寂寞が揺蕩う。]
(145) 2015/05/15(Fri) 23時半頃
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( …そうだ つたえたいことはあるんだけれど、 )
[ 真剣な面持ちもった彼が ローブをひらめかせ、
外へ一歩。ゆくなら。 青年のなかの少女は、 悩むけれど、引き留めもしない。]
[ もし、隙間から。 猫を嫌う金色がのぞいたのなら、 普段はまったく違う、凪いだ湖は 普段しやしない会釈さえしてみせただろうが。* ]
(146) 2015/05/15(Fri) 23時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/15(Fri) 23時半頃
― ??? ―
[ しろいせかい。まっしろのなかに、いる。 ]
「明日聞くね」ってメアリーは言ったけれど
あんなに昏い目をしたあの子は、きっと悪い夢。
起きたらすぐに行かないといけないの。
だってほら。はやくしないと、あの子が先に
わたしのおうちに着いちゃうでしょう?
どっちが先に着けるのか
競争しましょう。 ね、 そうしましょう?
[ 掴んだ手は、誰のものか。
父か、 母か、 それとも――――。
伸ばした手先に絹糸が絡み、輪になり手首を彩るよう。
細くて微かな糸の束が捻れて、そこへ差したのは
微かな ――赫 ]
[ ねぇほら、声が聞こえる。
わたしを呼んでくれる
聲が聴こえる。>>=0
だから、起きないと。]
……どうして今朝は、こんなに鴉が煩いのかしら。
[ 扉のある方向を一瞥した わたしの耳に
突然降り注いだ おと は。
嗚咽 と 嗚咽。
喉が潰れるような サイラスの声。 ]
………サイラス!? どうしたの……。
[ わたしの問に返事はなく
こんなこと、一度だってなかったのに。 ]
ねえ、サイラス。どうしたの? どうしたの?
どうして、泣いているの?
[ 声の場所へと手を伸ばしたが、扉の開く音に
は、と振り返り、 ふたつの足音 4つの爪音。
そしてわたしの名前が呼ばれたことに
小さな胸を撫で下ろした。]
ジョス! エルも!
ねえ、サイラスの様子がへんなんです!
どうしたんですか? 何があったんですか?
[何が起きているのかわからない。触れるのすら恐ろしい。
”生きているのか” そんな声が聞こえた時は
喉の奥がきゅうっと締まり 両足がただの棒になったよう。]
[ 「俺は、 俺だけは 生きてるさ」 ]
[ ジョスも、エルも、返事をくれない。 ]
[ ねぇ。 ]
…ねぇ。
わたしを、視て……
[ ――おねがい よ。 ]
[ 糸の切れた人形のように、床を打ったふたつの膝も
物音ひとつ たてることなく。
わたしは わたしのかたちすら わからなくなって。
その場に座り込んだまま
目の前で繰り広げられる声たちを
川に流れる無数の笹舟を 見送るような
そんな諦念で 聞き続け ]
サイラス………。
[ 何度目かわからぬ名を 自分の手の中に落とし
わたしはようやく
抱けなかった背中を、思い出した。 ]
せんせ………。
[ 此方の聲なら届くかと、そんな微かな期待も闇に溶け*]
[サイラスとジョスが「今日のため」にわたしの家を発つ。
その会話を、足音を、すっかり力の入らない足が折れたまま
唯ひとつ 生白い腕を伸ばして]
…………。
[行かないで、と 叫ぶこころを黙らせるだけで精一杯。
バタン
扉が締まる音と共に、わたしの腕も膝に落ちた。 ]
[ それからどれだけの時間、2人が消えた扉を
「みて」いただろうか。
ベッドの支軸を頼りに立ち上がって
恐る恐る 手を伸ばす。
たぶん きっと ここに わたしが。
わたしを覆う上掛けの 端を探して指が滑る。
そうして辿り着いた 肉のない場所。
周囲を埋め尽くす死臭も、乾き切らない血のぬめりも
わたしを穢すことはないのに、そこに在る死体。
怖くはない。
「伝わらない」「届かない」恐怖にくらべたら
死んでいるなど 何て些細なことなのでしょう。]
……あぁ。 ……。
[ わたしのコエは空気を揺らしてはいなかったのだ。]
[ ”だから” エルも せんせも 返事がなかった。
でも、 そのおかげで
あのひとたちはまだ 生きているんだと
喚んでしまったら。来てくれてしまったら。
わたしのせいで死んでいたかもしれないと
―――そう思った。 ]
[ 覚束ぬ足を友に わたしはふらりと家を出る。
だって、やくそく したのだもの。 ]
[なんども競争した、互いの家と家とを繋ぐ小路の向こう。
ぱた、ぱた、ぱた
いつも行く先から響いていた春風のような彼女の足音は、
今日はなにものかに抑圧されているような
さみしい音。 ]
メアリー!
[そう言って、わたしは ”いつも” 通りに両手を拡げ、
返事もない 足音の速度もかわらないその影を
――― 抱きしめ ――― ]
[ わかってた。 わかっていたのに。
背中から聞こえる足音は よどみなく。
彼女はまっすぐに”わたしのいえ”を目指す。
(やったー!今日はわたしの勝ち!)
そう聞こえるはずなのに
(メアリー!昨日はどうしたの?元気になった?)
そう応えるはずなのに
ざあざあ ざあざあああ。
流れ続ける噴水の音だけが わたしの両腕の中にある **]
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― 診療所→ ―
[>>180外へ、境界を跨ぐすがたが振り返る。 すこし、瞼が持ち上がって、元に戻った。] [ そして 頷きながらも。 ふる。 と 首を振るう。 ]
外の風を、浴びたかったし行こうかしら。 ああ、でもせんせい。
ボクは、『アル』じゃないの。 いまだけは、カイドと呼んでほしいな。 『あの子たちは』、まだ起きないから。
[マーゴが殺された、と傍らで聞いてしまった今でも。 静寂は怖じるでも無く、たじろぐでも無く。
空に融けてしまいそうな貌で、 変わらずに在るだけ。 ]
(190) 2015/05/16(Sat) 11時半頃
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[ 道中、 後を追うよに。 ]
[ かつり こつり ]
[ いつもの足音さえ 飛沫のように どこか軽うく。
そろそろ見慣れた光景なのに、 『自分の目』で見るのは はじめてとばかりに じとり、観察するよに 村を見渡して。]
[ 遠巻きに囁かれる悪意に、 聞こえているのか、 聞こえていないのか。 ]
[ 全ては、空気のように流れていくけれど。 >>181微か、ひとこと。]
(191) 2015/05/16(Sat) 11時半頃
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[そのこえに、それまで きっと自分からは開かなかった口から 少女は、 音を漏らす。 ]
[ それも また、 空気のよに。 融けて、なくなるよう。 ]
…… せんせい。 無理はしないでね。 悪者にならなきゃいけないなら、 いつだって、『ボクたち』が代わるからね。 そういうのは、『みんな』慣れているし、それに、
せんせいは、わるくないよ。
[ 報われるかもわからない、 免罪符のように、名ばかりの 聖母のよに、やさしく。 ]
(192) 2015/05/16(Sat) 11時半頃
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