97 wicked ROSE 【ハジマリの五線譜】
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[寝具を頭まで被り直し、さあ宣言通り90分の夢の旅。 然し、それは悲しく劈く様な、ﺳﻮﻳﻮﺭﺍﻧﻮ《ソプラノ》の慟哭に遮られた]
……何。今の声。 何処かで、聴いたような。
[響いた高音の音色に、瞼を擦りながら顔をあげる。 寝起き故に、頭が良く働いていないから気付かない。
何故自分は、今の高音を、『声』と断定できたのだろう]
(120) 2013/09/28(Sat) 21時頃
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[その時、部屋の外から別の声が聴こえた]
……えせ神父……?
[呼び名が解らない故に、既にそれが呼称として定着している。 扉から聴こえたのは、青年の声。 然しまだ眠い。少し眠れば、体調の方は回復している様だ]
(121) 2013/09/28(Sat) 21時頃
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[訂正を入れながら部屋へ入る、青年に顔を向ける 似非、をつけてるが、確かに彼は正真正銘神父なのだろうが]
よく言うよ……。 服は似合わない事無いけど、神父なんて柄じゃ無さそうなのにさ。
[少年の主観込みだが、文字通りに唯の神父なら、今頃捕まって無い、と云う皮肉も交えて]
……うん……。 まだ気だるい。けど、少し楽になった。 飲み物も、貰う。薄く無いだろうな?
[紅茶の芳香。寝台の脇に瞳を向け、温度を確かめる様、おっかなびっくり指先でポットに触れる]
(124) 2013/09/28(Sat) 21時頃
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[そう熱くない、許容範囲の常温。ポットの温度を確かめていたら。 はた、と気がついた様に、顔を再び青年へ]
……俺の名前、チェレストから聞いたの?
[尤も、名前かと云われれば本名とは云えないのだが。 そう云えば、この青年も、名前を云わないな、と先の記憶を思い返しながら考えていた]
(125) 2013/09/28(Sat) 21時頃
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[そして、再びはた、と少年は瞳を瞬かせた。 声には出さない。でも少年はじい、と胡乱気に青年を視ていた。
今、紅茶のポットを渡された物だから、無意識に受け止めていたが。 …態々、俺に渡す必要あるのか…?
眠気と体力が限界に近づいていたから。 遠慮の欠片も無く、裾を通した寝巻き。目下占領中の寝台。
そういえば、面倒で、床に脱ぎ散らかした筈の服まで。 ご丁寧にも、部屋を横断する縄に、御干しに成られている]
(126) 2013/09/28(Sat) 21時半頃
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[子守、と云うワードにぴくりとポットに触れる指が揺れた]
子守、ね……へぇ……。 貧弱ぼでぃのお子様を見るのはお手の物って?
[完全な過剰反応。先程の貧弱発言が、妙に気にしているらしい。 兎も角、チェレスタに心配されていると聞くと、溜息をひとつ]
……わかった。その位はちゃんとするよ。
出口、か。 俺の見た限りじゃ、あれ以上の出口は見てないけど。
[探せば、出口のひとつふたつ見付かるかも知れない。 そういえば、この聖堂の住人、殆ど自分が眠らせたんだよな、と今更の様に気にしていた。 まだ聖堂で、《大衆》が目覚める様子は無いらしいし]
(131) 2013/09/28(Sat) 21時半頃
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[アールグレイの清々しい香り。部屋に広がる、肩の力が抜ける香り。 濃厚で芳醇な赤茶色の泉がカップを満たすと、指でそれを取る。
まあ、確かに薄くない。 失敬なと笑いながら、青年もまたカップを手に取るのだろうか。
然し、その表情を眺める内に、やはり。 紅茶を口に含むよりも先についた言葉は]
(132) 2013/09/28(Sat) 21時半頃
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……お前、お人好しとか言われた事ない?
[此方からいえた義理でない事は理解しながら、それでも呆れ顔でそう云う口を、自分で止める事は出来なかった。 少なくとも、幾ら子供体型と言え。 青年から視れば、聖堂の侵入者に焼く世話では無かろうに。
似非神父、いけ好かない奴、という認識を少し改めた方が云いのだろうか。 そんな考えを悟られたく無くて、ティーカップで、唇を隠した]
(133) 2013/09/28(Sat) 21時半頃
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[実は、逃げようと思えば今すぐ逃げられる。 然し、自分の意思で捕まっておいて、寝巻きも借りてベッドの占領して、お目覚めの御紅茶]
……僕、どの位ねてた? あの眠らせた人たち。 そろそろ、いい加減におきてくるはずなんだけど。
[要するに、逃げるにも逃げにくいのだ。 この場で逃げ遂せたら、その瞬間、自分は何処ぞの小悪党も斯くや、ゲス染みた小物になる気しかしないのだ。
然し、永遠に眠らせた訳でも無いのに、なかなか目が醒めないらしい《大衆》に首を傾げかけた。 紅茶を口にする直前で、軽くむせていた青年を眺めながら]
(143) 2013/09/28(Sat) 22時頃
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[汝、隣人を愛せ。最も典型的な神父にセリフを口にした青年をみて。 まさか特に云われた事が無い事実と合わせて、唇が微かに緩む]
…………あ、ははっ。
確かに、それには僕も同意見だけど。 やっぱり、神父としちゃ模範的過ぎて逆に胡散臭いよ。
ははっ。
[同僚に面倒ごとを押し付けられても、知らず、笑顔でほいほい引き受けそうな気がした。 子守というのも、どうせその辺じゃなかろうか、と脇道を歩いた推測がこっそりと]
(144) 2013/09/28(Sat) 22時頃
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[ その時、高き音波の瀑布が ――――――!!!! ]
っうあ……!?
こ、の。 この、声。
[指に掛けたティーカップが、支えの均衡を崩し、その中身を床へぶちまける。 鼓膜から入り込む。身体を揺るがす。 聴覚を司る脳ごとかきまわす様な音に、堪り兼ねて両腕で頭を抱えていた。
苛まれながら、気遣わしげに傍らの神父を見遣る]
(146) 2013/09/28(Sat) 22時半頃
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[アルトの詩を払いのけた彼なら、もしかして。 そんな期待も混在していたが、見遣る青年は、自分よりも堪えている。
床に蹲り、音に耐える姿に、唇をきつく噛んで。
音波に耐えるだけで、冷や汗さえ流れそうな中。 頭を抱えていた左手を引き剥がす。
胸へと。空気を、酸素を取り入れ、声を奏でる身体を支える為に。
息を、すう、と吸い込んで]
(156) 2013/09/28(Sat) 22時半頃
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≪ 月籠りのメディテーション op53 ≫
ﻧﻴﺈﻳﺄﻭﺷﻴﺈﻳﺘﻴ ﻣﻮﻛﺎﺷﻴﻨﻮﻛﻴﻤﻴ ﻛﻴﻮﺃﻭﻧﻮﻳﻮﺃﻭﻧﺎﻳﻮﺭﻭ ﺇﻳﻤﺎﻫﺎﻣﻮﻛﺎﺷﻴﻨﻮﻛﻮﺭﻭ ﻳﻮﺭﻭ ﻛﻴﻤﻴﻬﺎﺩﻮﺃﻭﺷﻴﺘﻴﻜﻮﺇﻳﺘﻴﻜﻴﺘﺎﻧﻮ
[旋律として破綻した音波に抗うのは。 柔らかく、破砕の音色を包み隠す、アルトの音色]
(157) 2013/09/28(Sat) 22時半頃
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[謳い続ける間、高音の刺激に軋み続けた身体は随分と楽になった。
傍らにいた青年は、無事だろうか。 彼の様子を確かめる様、視線を送る間もそのアルトは、少年を中心に、高音の瀑布を包み込む様広がり続けて。
本調子でない喉が、どうにも心許無い。 声にあわせて震える胸を、喉を、確かめる様に左手でなぞりながら。
高音の声が流れてきただろう方角へと、その視線を向けた]
(158) 2013/09/28(Sat) 22時半頃
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[壊れかけた鈴音が響く、気を抜けば身体を突き破る高音が響く。 それらを丸ごと包む様な声は、もう暫くの間響き続けて]
ﺳﻮﺭﻱﺟﺎﺁﻧﻴﻴﻮﺃﻭﻛﺎ ﺗﺴﻮﺣﻮﻣﻮﺭﻱﻧﻮﻧﺎﻛﺎ ﻣﻮﻛﺎﺷﻴﻴﺎﻧﺎ――ッ
けっ 、かはっ!
[喉に耐え難い圧迫感、咳の詰まり。 波の様訪れた極限に、咳は詩の切れ目をザクリと作り上げた。 無様に途絶えた歌。しかし、その頃、高音の瀑布は止んでいただろうか]
(177) 2013/09/28(Sat) 23時半頃
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くそっ、やっぱ喉痛めてたか……。
[けほ、けほ、と数度咳き込んで、左手は喉元を労わる様に撫でる。 止むは得なかった事だから仕方が無いが]
……っ?コンデン……。
おい、猫野郎。なんだその名前は……。
[青年と共に訪れた、先程気絶していた猫野郎が呼んだ何かの名前>>171。 少年が属する機関とも近い名に、思わず反応して。 ぐるぐると部屋を駆け回る、何かに眼を向ける]
(184) 2013/09/29(Sun) 00時頃
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――…………ね、ず……
[ちゅーちゅー。元気に駆け回る白鼠との、目と目が逢う瞬間。 ちゅ?と小首傾げらそうなつぶらな目した、ネズミ。 ネズミだ。マウスだ。 そして、少年はネズミに耐性が存在しない]
(185) 2013/09/29(Sun) 00時頃
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[ひっ、と喉の奥で声に成らない悲鳴をあげた]
……そ、そいつ捕まえろ!
く、くんなよ?こっちくるんじゃないぞ!?
[後退り、ベッドに身体を乗り上げて、壁に手をつけて、避難完了。 このネズミは何だ。近づかない事を切に祈りながら、落ち着き無く視線を彷徨わせ。
その時、ふらふらと、紅茶の淹れたカップが、横合いから差し出されたのを見た]
(186) 2013/09/29(Sun) 00時頃
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[紅茶は物凄く喉に沁みておいしそうだ。 背中の手も、労わる様な声《ヴォイス》もとても嬉しい。 だがお願い。そのネズミ抑えててクダサイ…]
……大丈夫…… この位なら、大した事、ないから。
[ともあれ取り直し。 喉を確かめながら、緊張に張り詰めた体を弛緩させた。
声《ヴォイス》に籠められた願い。何処かふんわりと柔らかい声《ヴォイス》のまじない。 それは、喉か胸の何処かで緩く震えた気がして]
(189) 2013/09/29(Sun) 00時頃
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それより、お前達は……?
猫野郎は、案外大丈夫そうだけど。 えせ神父。 やっぱり、お前大概お人好しだろ……?
[紅茶は受け取りはしたものの。 下手を打たなくとも、この中で尤も堪えてる姿に、呆れた視線。 横合いから、アスランの降した一喝に、大きく首を振った]
(192) 2013/09/29(Sun) 00時頃
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オスカーは、アシモフの、人語を理解している節もある従順な姿に、瞳をぱちくり。だが苦手な物は苦手だ
2013/09/29(Sun) 00時頃
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砂糖菓子《コンデンスシュガー》じゃだめだったの?
[成る程、余りにも残念なネーミングセンスだ。 少し弄り、練乳を砂糖菓子にした処で、対した改善には成らなかった。寧ろ改悪]
心配してくれるのは、うん。 まあありがたいんだけど……。
悪い、そのまま大人しくしてて。な?
[仲間意識は、本来嬉しい物だが、この場合とても微妙だ。 アスランの肩上に座するネズミを遠めに眺めながら、然し此方に来ませんように]
(196) 2013/09/29(Sun) 00時頃
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……それよりも……
[練乳か砂糖《コンデンスなんとか》は、今は意識から離そう。 表情を戻して、アスランに疑惑気な表情を向ける]
アケノって……あの、アケノか? 今日見た、あのアケノ?
あいつが、今のあれを……?
[何故、誰の物だと理解できたのだろうか。 然し、そう云われてみたら、嗚呼、と何故か納得の出来る自分が存在する事も不思議で。 結果、全体何だったのだろう、と首を傾げるしか出来なかった]
(199) 2013/09/29(Sun) 00時頃
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……ッ!お前、何やってんだ!?
[寝台に追加された重み。 随分と辛そうだな、と気掛りに青年を見ていたら。
隣に腰掛けた青年を抱き締めて、その頭を撫で出したアスランを前に、裏返る様な声で叫んでいた]
(203) 2013/09/29(Sun) 00時半頃
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オスカーは、傍目に見ていた自分が、一番慌てていた。
2013/09/29(Sun) 00時半頃
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まっずいにきまっとろうがッ!!
お前ら自分の構図良く見直しやがれっ! そこのえせ神父も、へらへらしてんじゃ無いだろうな。 済ました顔して、まさか、とんだ……っ。
[子供の様に笑うアスラン、状況処理仕切れてない青年。 自分はと云えば、断下一喝して。 思わず、引き剥がしそうに手まで伸びようと云う時に、はた、と]
(210) 2013/09/29(Sun) 00時半頃
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[別にそんな事する必要性なんて何処にも無いのだ。 疲れて、風邪も引いているから、神経質になってるのだろうか。
頭を撫でれば、早くよくなるなんておまじないは眉唾だが。 まぁ、わからないでもないし。
何故、慌てて神経質になったのだろう]
(211) 2013/09/29(Sun) 00時半頃
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[なんて結論をつけそうになったのに]
…………いちばん色々と心配のは何処のどいつだよ……
[熟考の結果、撤退行動に出たと思しき青年に、覚えた。 貧弱といわれた時よりも、砂糖おおさじ増しの殺気を]
(212) 2013/09/29(Sun) 00時半頃
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そうだよなぁ。 床に蹲る位して、まだ他人を気遣う余裕のある奴なんかと比べたら。 明之の方がよっぽど痛いだろうなぁ。
[勿論理屈が通る理屈はなくて、人間、笑顔を浮かべる方が恐い。 主観的、言い訳を重ねる程に、にこ、と薄く浮かべた笑顔に、殺気は蓄積されて]
(217) 2013/09/29(Sun) 01時頃
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――ネズミに噛まれて死んじまえ。変態盆暗似非神父ッ。
[ふわりと微笑に殺気を凝縮して、トドメの一言を突き刺した]
(218) 2013/09/29(Sun) 01時頃
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――それはそうと、確かに明之も気になるな。
[吐き出す殺気(もの)を吐き出せば、表情を戻した]
……でも俺、何かあいつ苦手なんだけど。 なんか胸が、こうざわざわと。
それで。どこにいるかは解ってるの?
[何か、頭が痛む。あの悲しげで痛い声があるからでない。 それ以前に、その表情を、その声を前にすると、頭の奥が何故かざわつく気がするから、余り明之に近づくのは憚れたのだが。 処で、今はまだこの聖堂にいるのだろうか、と問いかけた]
(219) 2013/09/29(Sun) 01時頃
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[彼なら大丈夫だろうか、とアスランに視線を送ると。 こてん、と気が付いた時には、眠りに落ちていた]
……こいつ、何か酒でも飲んだのかな。
どうする。こいつもここで寝かしておくの?
[ここで待つか、と提案されると、傍らで眠りの世界に在住するアスランと共にココで待とうか。 それが、自分の気分や都合、後体調的には一番助かるのだが]
(228) 2013/09/29(Sun) 01時頃
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