158 Anotherday for "wolves"
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―朝―
「メアリー」
[名前を呼ばれて、戸口で振り返る。>>84 困ったような兄の顔は 何だか疲れ切っているような。]
遊び…? でも、お父さん……。
[兄の言葉は聞こえているけれど 何だか遠いところから聞こえるような。 ふわふわとして、まるで夢の中のような。
父を探したいという気持ちはあれど 必死に父を求めるということは]
(154) 2015/05/16(Sat) 00時半頃
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[つまり
認めてしまうということで…――]
[ 何 を ?]
[なのでわたしは兄の言葉に従うことにした。]
うん…。お昼になったら戻ってるよ、ね。
[そう信じたくて。 そのまま家を出た。]
(155) 2015/05/16(Sat) 00時半頃
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―→マーゴ宅―
[俯いて、時々きょろきょろと 父を探しながら。 足はまっすぐマーゴの家へと向かう。
中間距離である噴水広場を通った時、 井戸端と同じようなミセスタフネスが数人 こちらを背にして団子状態。
彼女たちにとって『人狼』は みんな『バケモノ』になりつつあるのだろう。 そんなこと考えたくなくて とぼとぼと歩いていた歩幅を少し早めた。]
(160) 2015/05/16(Sat) 01時頃
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[その時
「ローランド」とどこかで聞いたような 名前が耳に入った。
が。
その先はうまく聞き取れなかった。 すぐに知ることとなるのだろうけど。]
(161) 2015/05/16(Sat) 01時頃
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―マーゴ宅― 違う道を通ったのか、あるいはサイラスがミセスタフネスとの会話>>125に集中していたのか。 ふたりが出会うことなく互いの居た場所に着いたことを 知ることはあるのか。]
……、マーゴ?
[ノックに反応がない。 わたしが寝坊することはあってもマーゴが寝坊することなど 滅多にない。
ガチャリ
手に掛けたドアノブは容易に開き 客人を招きいれる。] 鍵……。
[革靴をコツリコツリと鳴らして 小さく何度も友の名を呼んだ。]
(162) 2015/05/16(Sat) 01時頃
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マーゴ? 寝てるの…?
[布団で眠るマーゴの顔の白さに一瞬たじろいだ。 不気味。 息も立てずに。 こんな時間まで。]
マーゴ?
(163) 2015/05/16(Sat) 01時半頃
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[布団を深くかぶった少女の身体を揺する。 身体を揺すっているのに頭は微動だにせず。]
!?
[違和感。 身体と頭とが繋がってないような感覚。
不気味な顔色と相まって わたしは思わず布団をめくる。]
え…――?
(164) 2015/05/16(Sat) 01時半頃
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あ…あ…――!!
[布団をめくったことで溢れる死臭。 乾いた血の臭い。 血の廻らない身体がただの有機物と成り果てた臭い。
死体の臭いを少女は初めて嗅いだ。]
マーゴ…――。誰が…。
[わたしの友達。
大切なひと。
お父さん。]
[昨日の出来事が重なる。]
(165) 2015/05/16(Sat) 01時半頃
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―昨夜のこと―
[ゆがめられた口端。 低く、唸るような声。
聞きなれない声。 足元から見上げる相手は おとな。 改めて、その体格の違いを痛感する。]
「君は『何』だい?」
何…?
[何って、どういうこと…――? 彼が悪魔なら… わたしは……――?]
(166) 2015/05/16(Sat) 01時半頃
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[その問いかけに答えを出す前に]
ッ…!!!
[痛み。]
[肩に激痛が走り思わず恐怖から涙が出る。 肩を引きちぎられるんじゃないかってくらい 掴まれて、力任せに引き離される。
お父さんが名前を呼ぶのが聞こえた。 周りに人も増えた。
湿った 土の匂いがする。]
(167) 2015/05/16(Sat) 01時半頃
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[泪と鼻水で多分酷い顔をしている。 絞り上げる声が枯れる。 心臓はバクバク高鳴り、喉の奥がチリチリ痛い。
非力で無力。
自分には何の力もないことが どうしようもなく歯がゆくて。
おとなになったのに。 目の前で父親が殺されようとしてるのに 何もできないでいる。
森の奥に連れていかれる父親を 結局見送ることしかできなかった。
鳶色の眼に縋り付く。 謝罪と後悔と。]
(168) 2015/05/16(Sat) 01時半頃
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や゛め゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛!!! おとうさぁん!!!!!
[悲鳴のような叫びが 暗い村の中に響いたという。]
(169) 2015/05/16(Sat) 01時半頃
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[マーゴの身体に被さるように 悲しみを吐き出す。 布団の上が少し濡れているのは、少し前に 誰かも同じ様にしたからだろうか>>7]
マーゴ、わたし、ともだちも守れなかった。 ごめんなさい、痛い思いさせて。 マーゴ。 わたし、おとうさんも居なくなっちゃった。
……そっか、マーゴもずっと こんな気持ちだったのかなぁ?
[昨日の内緒のはなしを思い起こして そんなことを呟く。 言葉は ぽつりと 壁に吸い込まれて 消えた。]
(176) 2015/05/16(Sat) 02時半頃
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わたし、どうしたらいいのか。もう。
[マーゴはもう決して 何も教えてはくれない。 それはわかっているのだけど。]
(177) 2015/05/16(Sat) 02時半頃
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お兄ちゃんに 会いたい。
[どのくらいそうしていたか それだけ呟くと
もう、ひとりきりになってしまった 家族の顔を思い浮かべて。 共に別れを告げて、そっと、扉を*閉めた*]
(178) 2015/05/16(Sat) 02時半頃
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[サイラスとジョスが「今日のため」にわたしの家を発つ。
その会話を、足音を、すっかり力の入らない足が折れたまま
唯ひとつ 生白い腕を伸ばして]
…………。
[行かないで、と 叫ぶこころを黙らせるだけで精一杯。
バタン
扉が締まる音と共に、わたしの腕も膝に落ちた。 ]
[ それからどれだけの時間、2人が消えた扉を
「みて」いただろうか。
ベッドの支軸を頼りに立ち上がって
恐る恐る 手を伸ばす。
たぶん きっと ここに わたしが。
わたしを覆う上掛けの 端を探して指が滑る。
そうして辿り着いた 肉のない場所。
周囲を埋め尽くす死臭も、乾き切らない血のぬめりも
わたしを穢すことはないのに、そこに在る死体。
怖くはない。
「伝わらない」「届かない」恐怖にくらべたら
死んでいるなど 何て些細なことなのでしょう。]
……あぁ。 ……。
[ わたしのコエは空気を揺らしてはいなかったのだ。]
[ ”だから” エルも せんせも 返事がなかった。
でも、 そのおかげで
あのひとたちはまだ 生きているんだと
喚んでしまったら。来てくれてしまったら。
わたしのせいで死んでいたかもしれないと
―――そう思った。 ]
[ 覚束ぬ足を友に わたしはふらりと家を出る。
だって、やくそく したのだもの。 ]
[なんども競争した、互いの家と家とを繋ぐ小路の向こう。
ぱた、ぱた、ぱた
いつも行く先から響いていた春風のような彼女の足音は、
今日はなにものかに抑圧されているような
さみしい音。 ]
メアリー!
[そう言って、わたしは ”いつも” 通りに両手を拡げ、
返事もない 足音の速度もかわらないその影を
――― 抱きしめ ――― ]
[ わかってた。 わかっていたのに。
背中から聞こえる足音は よどみなく。
彼女はまっすぐに”わたしのいえ”を目指す。
(やったー!今日はわたしの勝ち!)
そう聞こえるはずなのに
(メアリー!昨日はどうしたの?元気になった?)
そう応えるはずなのに
ざあざあ ざあざあああ。
流れ続ける噴水の音だけが わたしの両腕の中にある **]
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―→宿屋―
[兄に会ったらなんと言おう。 「マーゴは死んでたから遊べませんでした?」
死。 そんなものを こんなに味わうことに なろうとは。
昨日まで普通に遊んでいたのに。 マーゴと。 ジョスランさんと兄さんと。]
ジョスラン……さん。
[ふと、向こうの方から 細身の男と黒い犬が 歩いてくるのが見えた。]
(184) 2015/05/16(Sat) 09時頃
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[ジョスランはいつもしている黒い羽織をしていなかったが、さして気にならず。
こちらに気づいた彼はどんな態度をとっただろうか。
昨日まで自分を心配してくれていた ジョスランが よもや自分を一番疑ってるなど 知る由もなく]
こんにちは……。よかった。 ジョスランさんは生きてたのね。
[と、知人の生存確認に 小さく嘆息した。]
(185) 2015/05/16(Sat) 09時頃
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[父やマーゴの死を 道端で話す気にもなれず。
簡単に挨拶を済ませると、その場を離れようとした。 ジョスランが何か返せばしばらく足を止めただろう。]
(186) 2015/05/16(Sat) 09時頃
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―宿屋―
お兄ちゃーん……。 いるー?
[家に戻ると兄がいるか確かめて。 声が返ってくるのか。 サイラスがいれば、挨拶をして 兄の所在を尋ねるだろう**]
(187) 2015/05/16(Sat) 09時頃
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―回想・→宿屋―
[向き合うジョスランさんの表情は硬く、それでいて卒がない。 いかにも“おとな”という顔をしている。
そんなジョスランさんから聞く>>188名前に 少し顔を上げる。だって彼はマーゴの…]
サイラス…。 ……わかった、ありがとう。 [用といえばまずマーゴのことだろう。 あんなことがあったのだから。
それだけ告げると、「ジョスランさんも気を付けて」と 声を掛けてまた歩を進め
それから、はたと足を止め、振り返る。]
(232) 2015/05/16(Sat) 19時頃
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…ジョスランさん!
[覇気はないけど、それでいて 通った声で。 少し離れた相手にも 届くように。]
昨日…、投票……したんだよ、ね? 誰に入れたの…?
[スティーブン先生は口ぶりからして自らも 父に、ルパートに投票したのだろう。 じゃあ他の人は? 彼の票だけではないのだろう。 これだけ村人がいるのだから。
彼が口ごもるようならもう一度 次は声に力を入れて、同じ問いを掛けた*]
(233) 2015/05/16(Sat) 19時頃
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―宿屋―
[“いつも”の道をぼんやりと歩いて。 まとまらない考え。 これからのこと。 慣れた道、それでも目的地に着くことができた。
きっと帰ってきたのは、 サイラスがグレッグに 内に飼う悪魔を見せた時>>247]
…ただいま……。
(250) 2015/05/16(Sat) 21時頃
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あ、……。
[独りでいるサイラスを見ると 改めて、マーゴがもういないんだと実感した。
黒衣を纏ったサイラスもまた目が腫れていて。 わたしと何も変わってないような気がした。 二人の服の色だけが対照的で。 それが却って不気味だった。]
(251) 2015/05/16(Sat) 21時頃
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どうした、って……。 お父さんもマーゴも…… いないのに……。
平気でいられるわけないよ。
[サイラスが自分を疑ってるなんて 思いもせずに。 “少女が”そう告げることを 彼はどう思うだろうか。]
(260) 2015/05/16(Sat) 21時半頃
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―回想・→宿屋―
[ジョスランは言い終わるとそのまま背を向けて 歩き出す>>261 だから、呟くわたしの声はきっと届かなかったと思う。]
じゃあ…… ジョスランさんは? 兄さんが殺されても、そんなこと言えるのかな…。
[わたしに入れた。]
[村人の中には、わたしのことを殺したい人も いるんだ…――。 そう思うと背筋がきゅうっと冷えて。 誰かのぬくもりが欲しくなった。]
(272) 2015/05/16(Sat) 22時頃
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