15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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[見上げる空に変化はない、 右手をふと伸ばして、焼蛍虫の灯りで気づく]
―――……、
[生身の爪の色が鈍色に変わり始めていた]
[水の中、絡めた白い指の冷たさを 握られた手の、あたたかさを 思って――]
[ころさないで、といわれたあの樹を見た]
(170) 2010/07/20(Tue) 23時半頃
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ラルフは、ふと振り返れば、フィリップの姿が回廊に見えただろう、か
2010/07/20(Tue) 23時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/07/20(Tue) 23時半頃
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[フィルと目が合った気がしたけど、 表情までは見えない、鈍色の爪は握りこむ]
……って、ああそうだ。 さっきは助かったよ、ありがとう。
[そして思い出したように、 竜の少女に感謝の言葉を添える。
――人であることを維持し続けるのは難しい、 ホリー、会話の中で名を覚えてしまったから、自分の名も名乗った]
(189) 2010/07/21(Wed) 00時頃
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―中庭― [焼蛍虫の光の渦、少しその高度を増した気がする。 まだ遠ざかってはいないよう だけど――]
異形が出現したての頃って、 ……異形は人類の天敵だって、学者さんが言ってたらしいんだ。
でも、天敵なら、 どうしてこんな風に混ざったり、人が異形になったりするんだろうね。
君は、人でありたいって思ったこと、ある?
[問いかける言葉には、 返事があろうとなかろうと気にしない、 沈黙も特には負担にはならなかったから。
その内アリーシャの姿が見えただろうか]
(201) 2010/07/21(Wed) 01時半頃
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あれ、フィル…… え、ああ もう夜明け なんだ……
[>>200 そんなに時間がたってしまったのか、と思う。
フィルの姿にゆるやかに目を向けたのは、 ホリーの頭に伸ばされる手を見たから、なのだけれど、 それがこちらに向かうのは、思いもよらず ――たたらを踏んであとずさる]
あぶな、 くはない けど……
あ、根っこ、うん…… っていっても、俺もよくわかってないんだけどね。
[請われた言葉にはこくこく、頷いて。 それから、フィルの真似をしてアリーシャに手を振ってみた]
(203) 2010/07/21(Wed) 01時半頃
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ラルフは、その背後には、名のなかった少女の姿も、見えるだろう
2010/07/21(Wed) 01時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/07/21(Wed) 01時半頃
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>>207 [ふわふわと綿毛と遊ぶ少女の、 大きな声での叫びに少し目を瞬かせて]
ポーチュラカ……
[反芻した呟きをぽつり、零す。 それは花の名前、だった気がする、 そう、小さな扉を語源とした花の名前――どんな花だったろう]
花の名前、貰ったんだ。 ――…よかったね、意味もぴったりだし。
[友達にはなれない、と言って ほとんど泣かせてしまった幼い少女に、 せめても祝福の言葉を向け、手を振りかえした。
今はそれを拒絶したことも、酷く意味が薄い気がしている]
(212) 2010/07/21(Wed) 02時半頃
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[跳ねる少女の姿を見送る。罪悪感のせいか、 明るい姿も何故だか少し痛々しく見えるような気がする。 闇の薄れゆく空に、視線を逃がして] もう、大丈夫だよね。 ……あの、樹も。
[そしてフィルに促された通り、 城内に入れば辺りを見てから、気が急いたように歩き出す。
休んでいる邪魔をしてしまうかもしれない、けれど。 部屋の一つ一つを検めながら、ヨナの姿を探した。
――何と言えばいいのか、わからないのに]
(221) 2010/07/21(Wed) 03時頃
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ラルフは、部屋は見つけられるだろうか**
2010/07/21(Wed) 03時頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/07/21(Wed) 03時頃
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―城内―
覚えろ、ってなにをだろ……
[歩きながら、ふと、右の肩に右手で触れる。
>>234 去り際、結局フィルにはぽふりこの右肩を叩かれた。 触れようとした手を避けかけた時、 その表情が少しばかり歪むのが見えた。
ごめん、と反射的に謝った。
けれど、ヒトは脆すぎて。この手が触れれば簡単に傷つけてしまう。
どうすれば、よかったの かな?
自問のような呟きを、一つ彼に零してしまった。 一人でいれば、考えることもないような問い]
(240) 2010/07/21(Wed) 08時頃
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[獣の王子は、何故人を求めたのか。 己の醜さなど他人がいなければ、気づかぬにすむというのに]
―――…いや、
[そんなことじゃない、知っている]
[そして、また一つの扉をノックして――]
(241) 2010/07/21(Wed) 08時頃
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ヨナ……?
[反応がなくとも、扉を開けて呼びかける]
(242) 2010/07/21(Wed) 08時頃
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[望み――。
竜の少女との独り言のやりとり、 >>243 独り言と独り言だから、 それに対して何かを言うことはない。 ただ「望んだんだよ」と、遠く過去であることを示した。
>>244 ふと漏らした言葉に、 剣呑でない気配が湧き上がるのを感じて、 けれどその素直な怒りはなんだか、好ましかった だから]
全て変わってしまって、 ……自分自身のままで在れたヒト、見たことないんだ。
[だから] [全て変わってしまう方がよいと答えた竜の少女に、そう零した]
[それもやっぱり独り言**]
(247) 2010/07/21(Wed) 09時頃
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―ヨナの塒― [扉を幾つも幾つも開いた、 それは他者に届くまでの距離に似ている。 開いた扉の数だけ、次の扉に期待と惧れが増えてゆく]
ヨナ……?
―――……シィラ、
[部屋を埋めるような異形の体、 とぐろを巻いたそれの中心に、銀の髪の一房が覗いたような気がして]
――……ヨナ、
[名を呼ぶ]
[“天使”はほんの少し、震えて。 触手の一つがする と、視界の端で動いた気がした]
(290) 2010/07/21(Wed) 16時半頃
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[ それは ]
[ 『殺してしまうの?』 ]
[ 聞こえるはずのない幻聴 ]
(291) 2010/07/21(Wed) 16時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/07/21(Wed) 17時頃
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―ヨナの塒― [鳴き声に、ふと我に返る]
――………、 なにもしないよ。
[シィラの大きな一つの眼が、こちらを見ていた。 警戒されているのだろうか、 それはそうだと思いながら、刃を引きずり一歩近づく]
……ヨナ、眠っているの?
[問いかけたのは異形へだったか、護られ子だったか。 あるいは独り言めいた呟きか、声音に安堵のようなものが混ざる]
(298) 2010/07/21(Wed) 17時頃
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>>299 [繰り返される鳴き声、 それはどこかで聞いた獣の警戒音に似ている。 ――子連れの獣の、外敵への威嚇の声を思い出させた。
今、近づくべきではない、と思うのだけれど]
―――……ヨナ、
[零れた銀の髪に思わず手を伸ばしかけた、 その足も動いて、保たれた距離の均衡を壊す]
(300) 2010/07/21(Wed) 17時半頃
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>>301 [空を裂く触手から身を護る術は それを斬ることだけ、しかなったのだけれど]
[ ころさないで ]
[動かせない左腕、わずか遅れて右手が動く]
―――……ッ!
[急所を庇った右腕の肉が抉られる、 腕を貫いたそれは、少し狙いが外れてこめかみを裂いて]
………は ぁ、……ッ、つ。
[逃れるように身を退ければ、片目の視界が濁った]
(302) 2010/07/21(Wed) 18時半頃
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[濁った視界、 赤く染まった右腕に――、一瞬のフラッシュバック
食いちぎられた左腕、 翼を赤く染めて飛び去る異形の天使 何度も繰り返された言葉と約束、甦る声音]
[―――お願い、 コ ロ シ テ…… こ ろ さ な い で…… ]
………あ、
[重なる音に、――声に現実に引き戻される]
(305) 2010/07/21(Wed) 19時頃
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ヨナ、大丈夫…… ころしてない よ
[掠れる声が自分に向けられたものだと、思って。 濁る視界、片目では距離感がよくわからないまま、歩み寄る]
――……今度は、 ころしてない……から、
[シィラの攻撃は、止まっていたらしい。 シィラにのめりこむヨナの姿が怯えたようにも見えて繰り返す。 生身の腕は、酷く痛んで用を成さない。]
[ゆっくりと差し出すのは、刃の指をもった左腕]
(306) 2010/07/21(Wed) 19時頃
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ラルフは、刃には触れないで、と 小さく言葉を添えて
2010/07/21(Wed) 19時頃
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>>307 [金属の腕は、温もりを伝えない。 ただ、ぎゅっと握られた手首を見れば、そのままこちらへ引き寄せた。
距離感に惑う。 軽い体は、抱きしめられるほど、傍に。
けれど、その腕が ない。]
――……怖がってる? ごめん。
[閉ざされた目蓋を覗き込む、青は 見えない]
(308) 2010/07/21(Wed) 19時半頃
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>>309 [見開く眸の青に、また小さく安堵する]
や、警戒されてたのに、 勝手に近づいたから、いけないんだ。
君が気にすることじゃないよ、ごめん。
[けれど白い手は伸びて、そっと頬に触れた。]
血で汚れるから…… ――…謝りにきたのに、何してるんだろね、俺……
ほんと、ごめ……、
[触れるその手を声だけで制止すれば、 寝ずの番と抉られた傷とで、酷使した体が さすがに軋んでぐらついた**]
(310) 2010/07/21(Wed) 19時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/07/21(Wed) 20時頃
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[>>319 酷い姿なのだろうな、と思う。 元々血まみれだったのが、今度は自分の血で汚れて―― 獣の王子だって、こんなに酷くはないだろう。 その鮮やかな赤は、自分に唯一残された色]
――…謝らないで ほんと、 ヨナのせいじゃない よ
ほら、汚れる 君には赤は似合わない から……
[少女の腕に支えるように抱きしめられる。 あえかなぬくもりが、浸透するのに。抱きしめ返す腕が――]
大丈夫、心配ない。 心配ない よ、ヨナ……
[何かを諦めたようにゆるく首を振れば、 刃の腕が少女の体を少しだけ、閉じ込めるように動いた]
(331) 2010/07/21(Wed) 21時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/07/21(Wed) 21時半頃
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[宥めるような呟きを幾度も幾度も繰り返す。 痛みよりも、謝罪の言葉が辛いのはなぜだろう。]
―――大丈夫、 なんでもないから……
[それでも体を苛む熱に思考と感覚は、酷く鈍って。
近づく それ には気づけない]
(335) 2010/07/21(Wed) 21時半頃
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>>337
君のせいじゃない。
[その言葉だけは、聞こえるたびに否定する。 ――何度でも、何度でも]
……痛くないよ、大丈夫だから。 ああ、そうだ、ごめん。
眼に入る血だけ、拭ってくれない かな? ちょっと鬱陶しくて……
[薄汚れたスカーフへ、ちらと片方の視線を落とす。 再び聞こえた異形の警戒音に、ゆるゆると腕を下ろして]
(340) 2010/07/21(Wed) 22時頃
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ああ、ありがとう… だから、謝らないで、
[>>341 揺らぐ足元、彼女に支えさせていること、 気づけば、離れようとして――]
少し、休めばだいじょうぶだから…… また、あとで――
[そして戸口を振り返れば、その扉は開かれて >>342 問いかけが一つ]
――…誰?
[言葉を反芻する、生身の体がざわりと した]
(343) 2010/07/21(Wed) 22時半頃
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セシル……
[その口調は少女のよう、 誰?と問われた言葉、虚ろな瞳。
その名を呼んだけど、 “セシル”ではない何かにしか、見えない。]
俺はセシルを知ってる けど、 ――“君”は知らない……
[瞳に暗い色が降りる、 左腕の鈍色がかしゃりと鳴った]
(355) 2010/07/21(Wed) 22時半頃
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ラルフは、ヨーランダの呟きが聞こえれば、滲んだ警戒を消せぬまま、わずか躊躇いの色
2010/07/21(Wed) 22時半頃
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[床に向けた刃に体重をかけるようにして、 その存在を見やる、服装も姿もセシル本人のそれ。
彼に妹の名前を問うた時、 その返答はなかったのを覚えている。]
―――……まだ、 かろうじて、人のつもり だけど。
あなたも、っていうことは、君は異形なの?
[約束、耳に入る2人の言葉――一度、ヨナを見る]
(364) 2010/07/21(Wed) 23時頃
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[>>367 少し首を傾ぐ、 同じように中に住んでいるのなら、 その違いがわからないとでもいうように]
―――…シィラが、
[シィラが自分を殺そうとしている、 その言葉にはシィラへと視線を流して、 ――続いた問いにヨナを見た。
その涙の痕を、理由を 知らない]
――……わからない。 ヨナ、俺は君を……? [ざわめく シィラの鳴き声が、響きだす。]
(379) 2010/07/21(Wed) 23時半頃
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ラルフは、小さくあとずさった
2010/07/21(Wed) 23時半頃
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[>>383 もう泣かないから――、 その言葉と、そして向けられたシィラの敵意]
――…俺が、君を泣かせたの?
[触れられなかった一瞬の躊躇いが 産んだすれちがいに、気づくことなど出来るはずもなく。 ただ、優しい人を泣かせたのだという事実に瞳を揺らす]
ごめん、君がどうして泣いたのかわからないけど、 わからないまま言うことじゃないけど、
……でも、泣かないで
[生身の腕は動かないから、 差し出せるのは左手だけ、それは人を傷つける刃の腕]
(392) 2010/07/21(Wed) 23時半頃
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[線引きも、謝罪も、自問も。 たぶん馬鹿だとわかっているのだけれど。 望まず誰かを傷つけるのは、いつだって怖いから。
この腕は――請われて殺せなかった友達を、 殺すためのものだと思ってたけれど。
もしかしたら、ただの惧れなのかもしれないと思う。 眼に見える刃があれば、その距離は、 不用意に誰かを近づかせることはなくて。]
――…どうすれば、よかったのかな。
[どうやっても大丈夫、 と、返してくれたのは掠れた声]
(402) 2010/07/22(Thu) 00時頃
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[>>369 セシルの言葉は、 聞こえているのに、意味を成さない]
――……泣かないで、ほしいんだ。 慰めること、できないから。
一人で、泣かないで。
[差し伸べる手は止まることは、なくて]
(406) 2010/07/22(Thu) 00時頃
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ラルフは、ヨナの手が動けば、口唇はかすかに、微笑の形に。
2010/07/22(Thu) 00時頃
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