196 水面に映る影より遠く
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[そして、補講後のお誘いに私は瞳孔が開いてる! と思われるんじゃないか、と思うくらい。 目を見開きました。
……誰かに誘われるのは、初めてかもしれません。 予定なんてありませんから、……… ぁ、読まなきゃ行けない本はありますが、 まだ大丈夫です。 まだまだ時間はあります。 アヒルさん、早く帰れない私をお許しください。]
いいん、ですか? ……他の皆さんが、 ご迷惑でなければ、いきたい。です。
[と、遠慮がちに俯いてい言ってみましょう。 空気の私なりに、元気のなさそうな眷属候補の彼女を 気遣えていたらよいのです。]*
(243) 2016/08/20(Sat) 16時半頃
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[私の予想は、ばっちりだったようなのです。 だって、この沈黙はそうに違いありません。>>244 私は、彼女をあやすように。 その頭をゆるゆると撫で続けたことでしょう。 伸ばした掌が嫌がれなくってよかったと、 こっそり安堵もしながら、慰めるという理由をつけて。
意識にあるものと、無意識なもの。 其れは、人間に潜在するイドや超自我の部分。 科学的に解明するには、まだ難しい。 と、先日読了した本に載っていました。]
(252) 2016/08/20(Sat) 17時頃
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[大義名分、久水さんを癒すためと思いながらも、 自分自身の気持ちもやはり、其処に上乗せしてました。 私の遠慮がちな言葉に、帰る言葉。>>247 私は、眼鏡の位置を直すふりをして、 視線を横へとそらしました。
─── 胸の奥に灯る暖かさ。 これが、友人(なんて烏滸がましい)と帰りに 寄り道をするというイベントなのですね!]
たのしみ、………
[両手で、口許を覆い隠しながら。 ちいさく呟いてみました。 鈴宮さんが来れないことを、>>245 後々知って、内心落ち込みますが、 他の女の子たちはどうだったでしょう? 胸の高鳴りは、鳴り止まぬまま。です。]*
(253) 2016/08/20(Sat) 17時頃
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[この2-Dで、空気の私が転校したことで、 誰かが寂しがることはあるのでしょうか? せめて団十郎どのには、寂しがってほしいと。 切に、願ったりはしますけれどね。
久水さんも、鈴宮さんも、東明さんも、丹野さんも。 大原さんも、千島さんも、切原さんも、 若菜さんも、樫木さんも。 みんな、クラスの穴がひとつ空いたことに対しては、 悲しんではくれるでしょう。 けれども、 いと という存在が消えたところで、 誰かの心に大きな穴が開くわけではないのです。 三年生を迎え、受験し、キャンパスを練り歩き、 就職をして、子供を産んで、おばあちゃんになって。 死ぬ間際の走馬燈くらいに、
ああ、あんな奴いたな。
と思うくらいにしか、記憶には留まらないでしょう。 むしろ、走馬燈に出るのすら烏滸がましいものです。]
(254) 2016/08/20(Sat) 17時頃
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[でも、少しくらい。 少しくらい。 誰かの人生の いと を繋げられたら、 いいのになぁ、なんて。 そんな我が儘が芽生えてしまったのは、 いったいぜんたい、何故なのでしょうね?
他の誰かが転校するくらいなら、 私くらいが被害も少なくてちょうどいい。 そう、思っていたのですけれど。 転校、 この噂が広まると同時に、 私はそんなことを考えていたのでした。*]
(255) 2016/08/20(Sat) 17時半頃
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[ ─── 約束、それは積み重なっていました。 1.ぺかちゅうの描き方のコツを教えること。 2.大原さんからお礼を頂くこと。
ですが、5W1H中。 when where。肝心なここが決まってません。 だから、今日はあんみつでいい筈、です。 補講はまだありますし、だいじょうぶ。
久水さんが他の女の子に声をかける様子を横目に>>248 私は髪を、一生懸命タオルで押し拭きしつつ。 そんなことを、ぽや〜と考えていました。]
(257) 2016/08/20(Sat) 17時半頃
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─ 補講終了後─
[HRが終われば、あんみつタイムです。 結局、丹野さんも先約があって、 鈴宮さんもお約束があって。 東明さんは、どうだったでしょうか?
どちらにせよ、いつもは真っ直ぐ図書室へ向かう足は。 そそそ、と久水さんの傍まで向かっていました。 そう、もしもの話ですけれど。 久水さんが声をかけた、思春期の野獣たち。 彼らの中で、誰かも行きたいとか言う人がもしいたら。 久水さんが元気になるんだったら、 来てもらった方がいいので、嫌がらないでしょう。 胸を張る彼女の小さな丘(?)に、 私は、となりでこっそり笑っていたのが バレないといいのですけれど。]*
(258) 2016/08/20(Sat) 17時半頃
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[私が、返事をしてもよかったでしょうか。 するのも烏滸がましいように感じてしまいますが、 用事を済ませたら来るという丹野さん。>>256 彼女の申し出を断る理由など何もありません。 こくこく、ちいさく頷いて。]
もちろん、 ……待っていても、いいですか?
[なんて、久水さんに確認を取るように、 ちらりと視線を向けてみましょうか。]
(263) 2016/08/20(Sat) 18時頃
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あ !
[私にしては大きな声が出てしまい、 両手で口を押さえて隠します。 図書室を放りっぱなしでした。 私は、久水さんに許しを乞いましょう。]
図書室、締めてくるので、 昇降口で待っていてもらえませんか?
[そう、告げて。 返事はきっとおっけーに違いないのです。 私は、たたたっ と図書室への道程を進みます。 図書室の扉、開けっ放しでしたからね。]*
(264) 2016/08/20(Sat) 18時頃
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[5W1Hが決まっていない、 そう思っていたのはどうやら私だけだったようです。 きっと、私の意識は既に図書に向いていたせいでしょう 放課後は、今日の放課後だとは思っていなかったのです それならそうだと、教えてくれれば良かったのですが。 私は、図書室へと辿り着くと、 closeの看板を立てて鍵を閉めました。
その後でしょう、大原さんが図書室へ来たのは。>>282 私はもう、その場にはいませんでしたから、 見つけられる筈もなかったのです。 だから、私はすっぽかしたつもりもないですし、 軽い口約束でしたから、 その約束が叶えられなかったとしても 何も文句を言うこともありません。 ただ、残念だな。 そんな気持ちが残るだけ。]
(360) 2016/08/21(Sun) 01時半頃
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[そうして、私は。 昇降口で待つ、久水さん。丹野さん。東明さん。 彼女たちの元へと駆けつけるのでした。]
(361) 2016/08/21(Sun) 01時半頃
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─ 昇降口─
お待たせしちゃって、ごめんなさい。
[ぺこり、頭を深々と下げましょう。 私よりも丹野さんの方が戻ってくるのが早かった。 おかしい、どうしてでしょうか。 図書室に行って、戻ってきただけだというのに…! 私よりも、丹野さんの足腰の方が丈夫で早い。 そういうことなのでしょう、ね。
私が辿り着いたときには、大原さんも切原さんも。 既に昇降口を通り過ぎた後でしたから、 錯綜した情報を訂正することは、 永遠に叶わぬものとなるのでしょうね。]
(362) 2016/08/21(Sun) 01時半頃
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[ただのあんみつと、クリームあんみつ。 違いは、アイスクリームの有無なわけです。 私、そろそろアイスクリームを口にしても良い頃だと ずっと思ってきたので、食べたいと思います。 カロリーを気にして、いまを楽しめないなんてこと 私は選択は決してしません。 ……それは、もちろん。 細くてかわいいこのほうが、世の中得をする。 そうは頭ではわかっているのですよ? でも、やっぱり………甘いものには負けてしまいます。]
私は、抹茶クリームあんみつにしようと、 いまきめました。
[ひょっこり、会話の隅っこに現れて。 自分の欲望をちいさく主張しました。 お金の心配は、しないことにしてあります。]
(363) 2016/08/21(Sun) 01時半頃
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─ 夜─
[みんなの心は、神山さんから齎された噂に、 踊らされているような気がします。 青い春のスパイス、ちょこっとしたきっかけ。 誰かを喪うかもしれないという不安。
……たとえば、いまから、 いまから想い出を塗り重ねていったとして、 その想い出は、貴方の胸にちゃんと残るのでしょうか? きっと、すぐに消え去ってしまう。 私は、そんな気がしてならないのです。]
………花火、
[同じクラスになったばかりのとき。 辛うじて、連絡先の交換はできていた空気のいと。 だから、夜に送られてきた一通のメッセージ。]
(365) 2016/08/21(Sun) 02時頃
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[樫木さんからのものでした。 ……全体宛てではありますが、 私のようなものがお邪魔してもよいとは まったくもって思えませんでした。 だから、既読はしましたけれど、 いわゆる既読スルーの状態です。 お返事を送ることは、しなかったのです。
だれしもが抱える闇を捉えるのが、 光の戦士、 いと の役割だった筈。 その闇を、我が剣にて切り離す。 そんなヒーローに憧れたものです。]
(366) 2016/08/21(Sun) 02時頃
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[転校 とは、いついなくなるのか。 そんなことは、わからなくはないでしょうか? もう、既にこの場からいなくなっている可能性は? 休みが明ける直前まで、いて。 それからすぐにいなくなるとは決まっていません。 想い出を綴じ込める余裕は、既にないのかも。
……何かをしないで後悔をする。 それ自体が既に、 間に合っていない そんな可能性は誰しも考えないのでしょうか? ………それでも、それでもひとは。 想い出を綴ることを選択し続けるのでしょうね。]
(367) 2016/08/21(Sun) 02時頃
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[別に誰かに憶えていてもらえたら、 確かにそこにあった、存在として、 掬われる気持ちが存在するかもしれません。
私は、自分の名に込められた想いを、 誰かの いと を繋ぎたかったという想いを、 胸にそおっと仕舞い込みました。]
ハァイ、 いと 。 今日も、元気?
[見上げた空は、ちかちかと私に語りかけるのです。 水面器に張った水面に浮かぶのは、 空の白い月と、私自身。 これは、ひとつの呪いです。 指先で、ちょんと波紋を生み出しましょう。]
(368) 2016/08/21(Sun) 02時頃
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[祈りは、天へと届いたでしょうか?]*
(369) 2016/08/21(Sun) 02時頃
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─ あんみつ─
[私の主張は、東明さんを悩ませた模様です。 悩む姿も我が眷属に相応しいものだと、 私はじ と見つめたことでしょう。>>371
あんみつ屋さん。 そこへたどり着けば、私は予告通り。 抹茶クリームあんみつを頂くことにしました。 メニューを広げてみれば、他に誘惑されましたけれど。 とうふクリームあんみつ、 ヘルシーなものも選択肢に入れかけましたが、 別に欲しいと思って、見ているわけではありません。
さて、久水さんの笑顔は取り戻せていたでしょうか? 普通であることを意識しすぎて、 普通になれない彼女の淡い想いは。 いと は気づけませんよ? 勘だけが、冴えているのですけれどね。]
(376) 2016/08/21(Sun) 02時半頃
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[ろんりーおんりーうるふ。 切なくて、壊れそうな夜にさえ、…… そんな歌詞を口遊みたくもなりますでしょう。 青い春。 それは、男女の。 …いえ、男同士も女同士もありうると、 アヒルさんに教えていただいて知っていますけれど。 甘酸っぱくて、胸が締め付けられるような、 そんなひとの些細な感情を抱き始めるクラスメイトたち。 まあ、まだ何も知らないわけですけれど。 誰と誰がくっついて、だれがフリーだとか。 私には、一切関係ありませんので。
……ただ、 そんなきらきらした想いを、 お空の星よりもきらきらした大切な想いたちを、 私の宝箱に綴じ込められたらよかったのに。 そう思うことは、いけないことでしょうか?]
(377) 2016/08/21(Sun) 02時半頃
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─ 夜の─
[私は、夜の図書室に居ました。 本来ならば、居てはいけない場所なのは 重々承知しています。
それでも、私は……。
背表紙のない、一冊の本。 所定の位置で、机に広げていました。 なかはまだ、空白の頁ばかり。 私は、筆を執ってペン先のインクを、 そっと、空白の上に乗せるのです。 空っぽだった宝箱。 私はまだ、綴じ込めるものを 選択しきれてはいないのでした。]**
(378) 2016/08/21(Sun) 02時半頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2016/08/21(Sun) 03時頃
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