231 自由帳の中で、僕たちは。
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[悲しきかな、おれはまだ最後の書き込み(>>136)よりも前にいて ああ、自分の受け持ちのクラスのあれやこれや。 卒業式ってのはどうにも忙しい。 何も書き込めないまま、図書館を後にした。
長い式典が始まり、終わる。 ジェニファー先生なんか横で泣きまくっていて おれのポケットティッシュまでひったくっていった。 まあそれだけ感動的なものなのだろう。 涙こそしないが、それはよくわかる。
こんなでも、十年近く ここで“先生”やってますから。
やがてどのくらいしてか あまり鳴らないスマホが鳴った。 確認すれば『礼留』の文字。 “いつもの場所”へ、足を向けた。]
(146) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
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―指導室―
[向かった頃には先にあいつがいて、中にはいった。 今日は暖房をガンガンにたかなくてもいいほど暖かい。 二人きりの室内は始めは静かで、 ぽつりと落ちた言葉が感慨深そうに、 春に融ける雪のように、響いた。]
そうなぁ。 入学してきたのなんか、ついこないだだったのにな?
[春の頃を思い出す。 その頃はまだ今よりも幼く、背も今ほどではなくて。 ただ、見慣れてきた今の黒髪よりも明るすぎる頭髪と 耳に光る金属が原因でこの部屋に呼び出したのが始まりか。 突然『よっしー』なんて呼んできたやつは初めてで。 顔も怖いおれに、そんなずけずけと物言いするやつは珍しかった。 それもあって、すぐに名前は覚えた。 礼(人の踏み行うべき道)に留(とどまる)。 いい名前だな、とは謂わなかったけれど。]
(147) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
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信じられんってことはないが。 ―――いや、うそ、信じられんな。
[おどけたように告げる言葉には、同じように返した。 過去、この部屋で見せていたような 顔面硬直したような表情は、もう、ない。
例えこいつが。 あいつと同じように、学校を卒業しても。 おれがこの背を見送っても。 その先に道(レール)は続いていて。
今度は立ち止まらずに 歩いていこうって、思う。]
(148) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
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お前より可愛いのがどこにいるんだよ。
[最大級の惚気だと思う――おれにしては。 冗談ともとれるし、そうでもない言葉を返し 重なるのは温かな掌と唇。 忍ばされた銀に気づくのは、もう少し後の話。]
(149) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
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[卒業証書を抱え、笑いかける礼留。
高校を去り、教師と生徒では無くなった後 おれたち関係は――きっとかわらない。 あいつが泣いた夜から、おれが救われた時から だから、今目の前で笑ってくれるこいつがいる。 どんなことがあっても、一緒に歩いていけたなら。 それを幸せと呼ばずして、なんと呼ぶんだろう*]
(150) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
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―招待状―
[あれから少したった頃だ。 学校におれ宛で、個人名の封筒が送られてきた。
真っ白で、華やかに装飾のあしらわれた、それ。]
(152) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
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淵佳徹 様
お久しぶりです、元気にしておられますか? 突然のお手紙、ごめんなさい。 どうしてもあなたにはご連絡をしたくて 学校の先生方に無理を言って、お手紙を送らせて頂きました。
あれから沢山の日がたちました。 私は夢だった、お花の仕事についています。
今度、結婚します。
その前にどうしても、あなたに伝えておきたくて。 迷惑かも知れないけど、迷惑だったかも知れないけど。
私は、あなたのことが
すきでした。
(153) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
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私には、すきだといえる人が出来ました。
あなたはどうですか?
あなたは自分を犠牲にして 大切なひとも、大切なものも、 泣きながら切り捨ててしまう人だから とても、とても心配です。
(154) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
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[式に来てほしい、という旨と共に招待状が入っていた。 名を見れば『倉科りさ』の文字。 ああ、もうその苗字もかわってしまうようだ。
ふっと、作り物でもなんでもない笑みが落ちる。 驚くぐらい、ショックを感じなくて。 むしろ心地よいくらいの想いで満たされている。
それもこれも―――]
伝えねぇとなぁ。 おれも『すきだった』って。
―――『すきだといえる人ができた』って。
[招待状の出席に丸をつけながら。 そんなことを、呟いた**]
(155) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
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― After ―
[これからもおれはあのノートに書き込みを続けるだろう。 なくなりかけていたノートは、あれからまた新しくなった。 今度は赤い表紙のノートで、変わらず『自由帳』と書いてある。
まだ数ページ残っている、青い自由帳に目を通す。 見逃していた書き込みに気付いて。]
おー。
[きっとそうだろう。 礼―― ライ―― ……
思い浮かぶ顔に、自然と頬が緩んだ。]
(166) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
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がんばれ。
“佳徹”
(169) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
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[ここに名前を書くのは最初で最後だ。 卒業したあいつが、この返事を見ることはないだろうけど。
そうだな。
おれが皺くちゃのジジイになって あいつもおっさんになった頃には 熱い茶でも飲みながら、 そんな話、してやってもいいと思う。 ――覚えてたらな。]
(170) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
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さー、授業始めんぞー。
[今日も今日とて、おれは“先生”をやっている。 ノートにしても、先生にしても。 誰かの通過点である事に変わりはない。
――ただ、一人を除いて。]
(171) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
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[午後の暖かな授業風景。 いつのころからか、強面の理科教師の左耳に。
太陽の光を反射する銀がひとつ―――…**]
(172) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
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