256 【R18-BL】もうじき聖夜だってのに!
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[苦い珈琲ゼリーは作り直さなくちゃ甘くはならない。 人も同じ、生まれ変わらなきゃなにも変わらない。
──ひとりなら。
苦さを包み込むように、引き立てるように 甘いミルクが少しずつ落ちていく。 柄にもないことを思いながら、それはきっと俺なりの変化で。 聡いこいつは、わかっていたのだろう。]
(56) anbito 2018/12/27(Thu) 14時頃
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管理人さんもオトコノコだからさぁ?
[残念ながらこのアパートに住むみんながみんな、オトコノコだが。 じぇらぴけの魔力はあくまでも増幅効果を及ぼすだけでしかない。 元々のえっちさに左右される。…と思う。maybe.
混ざりゆく白と黒が生み出す新しい色。 スプーンを添えて、食ってみと差し出す。]
(59) anbito 2018/12/27(Thu) 16時半頃
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─1年後のX'mas─
いっ、てぇ〜…
[甲高い肌を打つ音が喫茶店に響き渡る。 頬への痛みは追って後から。 目の前の女性は振りかぶったでもってそのままに、此方を睨んでいた。
ビンタを食らったのは今年で何度にのぼるだろう。 時には頭からオレンジジュースを被ったこともある。 今までのことを思えばそれらは当たり前のことで 寧ろ夜道で後ろから刺されたりしてないのが奇跡だったとさえ思う。 大袈裟かもしれないが、本当に。]
最低な男だったよね。 ごめん。
[こんなことで過去が清算できるとも、思ってやいないけれど。]
(90) anbito 2018/12/30(Sun) 23時頃
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君にも嘘ついてた。 好きだ、も。愛してる、も。 与えられたから返してただけ。
[そこに笑顔はない。 ヘラヘラとした仮面はもう、被れなくなった。 初恋が実ったこのときに奪われ壊されてしまったから。]
瑠璃ちゃん、気付いてたんだよね。 なのに俺が聞かなかったし、気付かなかった。 君のこと傷付けて、ごめん。
[今も、こんな男に平手打ちする優しさを持つ彼女の手のひらは 慣れないことをしてきっと痛いだろう。]
(91) anbito 2018/12/30(Sun) 23時頃
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……ごめんね。
[その細い手に触れることも、しない。 その手に触れるべき男は、俺じゃないから。 机に頭がつくほどに頭を下げた。
やがて聞こえてくるのは溜め息。 そして、何か憑き物が落ちたような、笑い声。 叩いてごめんなさい、と。 心優しき彼女はそんなことまで、告げて。]
(92) anbito 2018/12/30(Sun) 23時頃
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───えっ!?
あ、あーー、ぁ、……ま、ぁ。 そうだね、………う、うん。
わかってるよ。 離すわけないだろ。
(93) anbito 2018/12/30(Sun) 23時半頃
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[「好きな人ができたんでしょ。 ヤスユキくんにそんな顔させられるなんてすごい人ね。 でも、最低なヤスユキくんのこと見ててくれる人なんだったら ちゃんと大切にしなきゃだめだよ?」
涙を浮かべながらそう言ってくれた彼女に、 本当に本当に、ほんとうに、頭が上がらなかった。
こんな人を傷つけた俺は最低な男だけど 彼女の幸せを願うくらいは、赦して欲しい。
もうきっと、本屋に足を運んでも睨まれることはないだろう。 代わりに消えない痛みは、ずっと心の内に。]
(94) anbito 2018/12/30(Sun) 23時半頃
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さってと………。
[ぐっと背を伸ばすと、寒空を見上げた。 今年もオンボロアパートは、野郎だらけのクリスマスパーティーが行われる。 今回の発案者は俺じゃない。 外国語禁止だというパーティーに赴く前に、メールを一通だけ送る。]
(95) anbito 2018/12/30(Sun) 23時半頃
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[ふ、と微笑んで。 高く済んだ、眩しい空の青を見上げた───]**
(96) anbito 2018/12/30(Sun) 23時半頃
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