160 東京村
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[その声はフランクのものではなかった。
低く、くぐもり、絞りだすような男の声。
もしも、なぎさが恐る恐るその顔を覗いたなら。
顔は真っ暗に塗りつぶされていて、
口だけが真っ赤に裂けているのが見えるだろう。]
消防の行き遅れは太古からの暗示である
[手をずっと繋いでいたはずなのに]
夏蜜柑の都に取り入る万華鏡ども
[手をずっと繋いでいたのに。]
[男の声ではなく、女性、それも若い女の声でそう聞こえた。]
お姉ちゃん、どうして私を殺したの?
お姉ちゃん、どうして私を殺したの?
お姉ちゃん、どうして私を殺したの?
お姉ちゃん、どうして私を殺したの?
お姉ちゃん、どうして私を殺したの?
お姉ちゃん、どうして私を殺したの?
お姉ちゃん、どうして私を殺したの?
[フランクの手はがっちりとなぎさの手を掴んでいる。そして、何かに導かれるように、暗示されているように歩みをとめることはしない。]
………ぁ、………、ます
[今度は、別の女性の声だ。
さっきよりも年齢が上のように聞こえるが、
何と言っているか、聞き取れない。]
……を、…………し……す
ヒ………を おね………す……
宏をよろしくお願いします。
[やわらかい、女性の声だった。
その声を聞いた瞬間、足場を踏み外したかのように、体が落下していくのを感じた。
わずかな浮遊感のあとに、恐ろしく下へ、下へ落ちていく感覚。
なぎさは手を離しただろうか。
ずっと、ずっと落ちていった先――……
二人の意識はそこで*途切れた*]
[ぱつん、とコードが切れて、さんかくは壊れる。
蓋をすれば道はすっかり閉じてしまって、常闇は箱の中。
赤ん坊の種は赤く染まって駅のトイレに流されて、帰り道振り向いたら鏡の中に自分が見えた。
さて、消えた少女は、どこへ行ったのか。]
[駆ける。暗い路地を、走っていく。
ひたひたひたひた。夜の高円寺を西に向かって走る。
足音もない。誰かの足元に伸びる影くらいに、静かに、当たり前のように夜に溶ける。
少女が走っていった先は、自宅だった。
真っ直ぐに、家路を目指す。真っ暗な家が待っている。
少女はただ、ふと思ったのだ。
ああ、水が飲みたいな、と。]
[何が悪かったのか。
"またきてさんかく"に霊的な何かがあったからか。
あのパズルが、高円寺へ導いたせいか。
そもそもの少女の自宅が、すぐそばの荻窪だったせいなのか。
――それとも、もう時間の問題だったのか。
少女はほんの些細なきっかけで、人であることをやめてしまった。
タクシーの暗さに、最後の一歩ぐぅと目を見開いて。
代わりに暗いものしか見えなくなって。
頭の中も、外は眩しい、に支配されて。
スイッチが切り替わるように、ぱちんと。]
[歩けば、一時間弱はかかる道。
どれだけの速さで走っているのか、時計を見る目が見えないから、わからない。
ただ、一種の帰巣本能のようなものに任せて走って、走って、家の目の前についたとき。]
『おかえり』
[頭の上から、やさしい声がした。]
『何をやってるんだ、駄目だろう、こんな遅くに出歩いたりしたら』
『パパ驚いて、今から探しに行こうとしていたんだぞ』
[知っている。この声を知っている。
最近は怒った声ばかり聞いていたから気持ち悪いけれど、知っている。
どうして。なんで。外を電車が行く音がした。終電には早すぎる。
僅かに残った人間の部分が混乱して、ただ呆然と立ち尽くす。
唯一わかること。声は、怒っていなかった。]
『ほら、入るぞ』
[ドアの開く音に誘われるように、ふらり、足が動く。
水が欲しい。そうだ水が欲しかった。家に入るのは当たり前だ。]
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