191 The wonderful world -7 days of MORI-
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……見つかったなら、良かったです、ねこ。
[ 他に言いたいことは、特に思いつかないから、
「”二度も”ありがとうございました」
とだけ言って、その場から離れようと。*]
(314) 2016/06/15(Wed) 01時頃
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[ コワイ ]
[ また、大切なものを
亡くしてしまう。 ]
[大きく開かれた死の淵に
眼を大きく見開いたまま
叫ぶことも忘れて。]
[あの時は横切ったものが、今度は自分の正面にあって
なんだか あの時のフィリップの頭がそっくりそのまま
自分のモノに置き換わったような。]
[でも今回は横から光の玉が飛んできた。
あの時が遠ざかり、感覚が今に戻ってくる。]
―スクランブル交差点―
[上空に揺蕩う靄に向かって叫べば、
それは嬉しそうに返答を寄越した。
ポケットで震える携帯。
どうやら差出人はその靄の人物のようだった。]
あァ、もう、くッそ!
コンポタだかコンポートだか知ンねェけど!
つまりはテメェをぶッ飛ばせっつゥことだよな?
……その勝負、受けて立つッ!!
[これまでのミッションよりは、数段シンプルな指示。
設定期間が長いことから、恐らく困難ではあろうが。
説明するだけして消えゆく人影を睨みつける。
さっそく、と思っていただけに出鼻をくじかれた思いだ。]
[後を追おうにも、自分のサイキックでは適わない。
しかし、
どうしようかと悩んで鉛色の空を見上げたところで、
一際目立つ、鮮やかな赤が横切るのが視界に入った。]
………ッ!
ヒトシっ!!
[この次元には、死んだ者だけがいると思っていたが、
よく考えれば、相方を失った者もまた、消滅するのである。
なんとなくあのインコは生きているような気がしていたが、
鳥飼がここに来ていても、なんらおかしくはなかった。
目的を持ってミタマ電機へ向かうらしい赤を追って、
フィリップもまた、地上を駆けてゆく。]
[体力のない身ではあるが、必死で駆ける。
新たなミッションへの挑戦を諦めた元参加者を尻目に、
ヴァニタスコロシアムへ出入りするモノクロの雑踏を抜け、
いくらか視界が開けたところで、電器店の屋上が見えた。
決して近くはないその距離でも屋上の会話はよく聞こえ、
明かされたコンポーザーの目的にゴクリと唾を飲む。]
なンだよ、それ、
なンだよ…、なンなんだよ…ッ!!
[ようやくミタマ電機の近くへ辿り着いたが、
中に入って屋上へ向かう時間も惜しい。
肩で息をしている間にも、靄の人影は鮫の形になって――]
や、……
……やめっ、
[まるでインコを一飲みにでもしてしまいそうな、]
やめ、≫ろォォォォォ!!≪
[サイキックと言っても、元は音波だ。
届くかもしれない。届かないかもしれない。
けれど、そこはもう、問題ではなかった。
ただ、ただ必死に、大声を鮫へぶつけるように。
少し前方の方から、
バチバチと音の鳴る光の球が、宙へ。
それはまっすぐに、鮫への向かっていった。]
[聞き覚えのある大声に一瞬そちらを振り向く。
──北見圭一。
こいつは死んでも尚俺の目の前に現れるのか。
それから「鮫は」という言葉に弾かれるように
距離を取ってそちらを向く。]
コイツ コンポーザー
モリク ケスッテ!
[端的にそう伝えると
無性に彼の、フィリップの無事を確認したくなった。
でも、今この場には来てほしくない。
彼に鮫を遭遇させたくなかった。
こんな思いをするのは自分一人で十分だから**]
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……う、るせえ。よ。 聞こ、えてるぜ……。
[ああ。なんだよ、小津。慌てた声を出して。 らしくねえだろ。そんなのは。
口の中に広がる鉄錆の味が、酷く気持ちが悪くて。
感覚が段々となくなって。 腹を刺されたはずなのに、痛みをもう感じない。
―――椅子取りゲーム。>>312 ―――強いひとが残ってたら、困る。>>313
遠くの方から聞こえてくる単語は。ああ、なるほど]
(315) 2016/06/15(Wed) 01時頃
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[この紀陸という男は、たぶん。“昔”の自分なのだ]
(316) 2016/06/15(Wed) 01時頃
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[目的のためには手段を選ばず。 どこまででも、冷酷になれて。 人の不幸に“鈍感”で――――
“生前”の怒鳴だったら、 紀陸と同じ行動を取ったであろう自信があった。
生き返るためには、他人を蹴落とすことを厭わなかっただろう。 例え、その命を奪ってでも。
きっと、それが正しいのだ。でも]
(317) 2016/06/15(Wed) 01時頃
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(何でだろうなァ、小津)
(俺、今の自分が。割と嫌いじゃねえみたいだ)
(318) 2016/06/15(Wed) 01時頃
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[―――ただ、と怒鳴は思う。
俺はそんなに優しい男じゃねえよ、と。 紀陸の言葉>>306を心中で否定する。
もしも自分が本当に優しい男だったならば。 そもそも、こんなゲームに参加するはずもないのだ。
どんなに“今”の怒鳴自身が“善人”であろうと。 過去の行為が消えるわけではない。
きっと俺は地獄行きだな、と。 怒鳴は嗤った*]
(319) 2016/06/15(Wed) 01時頃
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── 5th day:北エリア ──
[ きみはどこにいるんだろう。
おれの頭にあるのは、ただそれだけで、 そういうとき、この世界の、 こうして、頭ごときみにつながってる、みたいなシステムは、 とても、ありがたいなあ、なんて思いながら、
おれは、ふと、空を見上げて。>>@54>>57
ノイズに紛れる大きな影。 見覚えのあるソレ、或いは、ソレらに、]
(320) 2016/06/15(Wed) 01時頃
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[眩い光も、音波も、その行く末を確かめることなく。
そこそこ人の出入りしているミタマ電機へと入ってゆく。
UGにいた時は時折、RGの人々に認識されることもあったが、
はたして今はどうであろうか。
そんなこともお構いなしに、なりふり構わず、上を目指す。
なぜ自分は飛べないのだろうと思うと、酷く歯痒い。]
ケーイチ、テル、あいつを頼むッ!!
[ちょうど入店前、北見と皆方の横をすり抜けた。
どうやら光球の出所はそこであったらしい。
外でまた何か動きがあれば、彼らが動いてくれるだろう。
鳥飼の知人である彼らであれば信用できると考え、そう叫んだ。]
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………… なに見てんの?
.
(321) 2016/06/15(Wed) 01時頃
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[ ── って、声に出したあたりで、
そんなことより、きみの元に行かなきゃ。
って、思うのに。 ふわり、と、意識が、飲み込まれていく。**]
(322) 2016/06/15(Wed) 01時頃
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[妨害が入るであろうことは、手に取るように分かっていました。
しかし、来るのが分かっていようとも、避けられないものはあるのです。
音波が耳に届けば、一瞬だけ、身を止めざるを得ません。
その大きな大きな声量は、純粋に芯へと響きます。
そこへ、ぱち、ぱち、と、口の中へ光の玉が飛び込んできたので。
それが炸裂するや否や、少しだけ怯み。
後は口を閉じて、光を噛み砕くように咀嚼します。]
……なかなか。
期待には、答えてくださるみたいですね。
どなたの挑戦も、歓迎します。
可能性の種は多いほうがいいので。
[新たにここに駆け付けた者に一瞥をくれると、
“サメ”の姿でくるりと宙を旋回、空を泳ぐように舞いましょう。
そして、ぐるりと身を回転させながら。
純粋に押し潰すように、光の玉を放った少年――今はその姿ですが、本来は違うことを知っています――に、突進を繰り出すでしょう。**]
[うっかり店内に入ったがために、
鳥飼とすれ違ってしまう可能性も、無くはなく。
けれど気が動転していて、それどころではないのだ。
他に方法を知らない元トリは、
ニンゲンの身でできると思しき最善を尽くそうと、駆けるのみ。
テレパシーで無事でも確認できれば、
多少、冷静さを取り戻すだろうけれど。
その手段を思い出すのは――もう少し、先のこと。]**
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[“見える”。 ゲームはとうとう5日目にして、消え行く参加者の、その顔が。]
怒鳴も、ここで退場しちまうかァ。 ……にしても。
[アイツが、人を庇った、ねェ。]
考えられねェなァ、ったくよ。
あァ、やっぱ。 反吐が、出る。
[怒鳴のことを貶すわけじゃァ、ない。 アイツの行為が、アタシがゲームに参加していた時のことを思い出させるから。>>190>>194]
(323) 2016/06/15(Wed) 01時半頃
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「君は平気で自分の身を犠牲にする」 「君と組んだ俺の気持ちをちっとも考えてくれない」
[反響する、かつてのパートナーの声。
舌打ちをして。 屋上の柵に凭れ掛かる。]
(324) 2016/06/15(Wed) 01時半頃
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[“パートナーを信頼しろ”
アタシが繰り返し言う信頼とは、相方に自分の背中を向けることじゃない。
相方と、背中合わせで共に立つこと。**]
(325) 2016/06/15(Wed) 01時半頃
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……確かに? はじめの桐原君ちょっと怖かったから、 ふらーっと離れてたかもね。
[ ミルクキャンディを口に入れて。 もうずっと前に思えることを ぽつり。 まどろんでいく意識の中で、 彼の声を、夢中で ただ 拾って。 ]
(326) 2016/06/15(Wed) 01時半頃
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えー…そう? みんな桐原君かっこいいって言ってるし、 二股ってあのおじさまに言われてたし、 なんか その…だから…うん。
美人なお友達、いっぱいいるかとおもってた。
[ なんて、途中。 まじめな顔を向けてみたりして。 もしかしたら呆れられるかもしれない。
揺れる視界。クラゲが消えていくのを眺めて。
――― ともだち。かあ。
舌の上で 甘い物を転がして。 ]
(327) 2016/06/15(Wed) 01時半頃
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[多分この場で呆気に取られていないのは、 刺された怒鳴だけだったのだろう。
一瞬呆気にとられながらも淡々と言葉を述べる類。 その少年が男には恐ろしく感じられた。
昨日のパーカーの少年の言葉を思い出す。 ―― "そろそろ注意した方がいいかもしれない"
嗚呼、どうしてその事をもっと心に留めていなかったのだろう。 参加者に殺される可能性を考えていながら、 知っている顔だからと、子供だからと、男は油断した。
―― 人を殺してまで生き返りたいと。 類がそう考えているなんて思っていなくて、油断した]
(328) 2016/06/15(Wed) 01時半頃
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……キミに、何があったのだ……。 類、キミは本当にそれでよいのか!?
[猫を一緒に探すと声を掛けてくれて、 男の話を聞いてくれた少年が、今の少年の姿と重ならない。
人を殺してまで生きたいと、 そんな情念を、あの日の少年は持っていたのだろうか。
あの日一緒に探した猫。 その結末を知った少年は礼を言って踵を返した>>314。
遠ざかる背が視界から消えるよりも先に、 怒鳴の方へ視線を移して、 聞こえた声に目頭が熱くなった>>315]
(329) 2016/06/15(Wed) 01時半頃
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博徒 プリシラは、メモを貼った。
2016/06/15(Wed) 01時半頃
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………桐原君、じゃあ、やっぱりさ。 三十秒 とかじゃ なくって。もうちょっと ちょうだい。 …ああもちろん迷惑じゃ無かったら、だし。 "友達" じゃあ ないかもしれないけど。 適当に話す相手なら 私がなっても、大丈夫?
[ やっぱりこっちもおんなのこが壁なのだが。 まあ 電話とか メールとか。 そういうのがあれば 大丈夫かなって。
剣を作り出すパートナーを 見上げる。 ]
(330) 2016/06/15(Wed) 01時半頃
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すまん、ミスター…! 吾輩がもっと気を付けていれば、こんな事には……。
[おれなんかにやられるなら、と類は言った。 だけど、違う。怒鳴が刺されたのは男のせいだ。 男が油断さえしていなければ、彼が地に伏せることは無かった。
男は袖口で自らの目元を拭った。 申し訳なさと、悔しさと、目の前で失われつつある命に、涙して]
……生き返ったらと、考えていたのだ。 妻と娘に会って、借金を返して。
―― いつか、貴殿と杯を交わせたらと。
(331) 2016/06/15(Wed) 01時半頃
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