278 冷たい校舎村8
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……あそこ、片付けんのもさ、 なにか許してもらえた気になった?
……愛宮のマネキン、 すげえ痛そうだったよ。
[ 校舎での話の延長線上に、 紅茶の缶をもてあそびながら、 礼一郎は視線を手元に落としたまんま言った。
ちゃんとした副委員長、 らしかぬものを背負ってましたね。 礼一郎はちょっと悲しかった。
あの校舎が誰にも平等に何かを与えるのか、 別にそんなことはないのか、なんて、 礼一郎は知らないけど、 少しでもみんなの心が晴れてればいい、って思う。*]
(318) nabe 2020/06/26(Fri) 15時頃
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―― 少し未来の話 ――
急に呼び出したりして、ごめんね。
[ 小さなカフェの隅っこの席で、 誠香は千夏にぺこりと頭を下げた ]
千夏ちゃん、何にする? このお店、紅茶の種類が多くて、 ぼ……私、いつも迷っちゃうんだ。
[ はい、とメニューを手渡す。 大学生になってから、僕という一人称を改めようと 努力しているけれど、 まだ高校時代の友人相手には、時折昔の一人称が 出てきてしまう ]
(319) takicchi 2020/06/26(Fri) 15時頃
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[ 千夏と2人だけで会うのは、珍しいことだった。 女の子たちで集まってメイクレッスンしてもらったり、 みんなでゲームをやったりもしたけれど、 2人だけという機会はなかったように思う。 けれど今日は、 どうしても2人で会わなければならなかった ]
……ずっと、千夏ちゃんに、 謝らないといけないことがあったんだ。
[ 注文した紅茶が届き、 砂時計の砂が落ちるのを眺めながら、 誠香はゆっくり話し出す ]
何から話せばいいんだろう。 ……そうだ。まずはこれ、見てくれる?
[ 鞄をごそごそとあさって、手帳を取り出す。 その中から出したのは、一枚の写真だった。 誠香と、兄が写っている ]
(320) takicchi 2020/06/26(Fri) 15時頃
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この人ね、私のお兄ちゃん。 それで……千夏ちゃんが読んでくれた本の、 本当の、作者。
[ ごめんなさい、と誠香は言った。 中3の時、兄が事故で亡くなったこと。 兄の夢は、作家になることだったこと。 兄の残した原稿を誠香が応募したこと。 そんなことをぽつぽつと話した。 砂時計が落ちきったら、飲もうか、と言って 紅茶に口を付けたけれど、誠香の話は続く ]
(321) takicchi 2020/06/26(Fri) 15時頃
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だからね、サインしてほしいって言われた時、 どうしてもうんって言えなかった。 それは、本当は私の本じゃないから。 お兄ちゃんの本を、私のサインで汚すなんて、 とてもできなかった。 今まで黙ってて、本当にごめん。 あと……お兄ちゃんの本を好きになってくれて、 ありがとう。
[ 椅子に座ったまま、誠香は千夏に頭を下げた。 それでね、とまた鞄をごそごそとあさる ]
(322) takicchi 2020/06/26(Fri) 15時頃
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……これ、私の本。多分、最初で最後の。 お兄ちゃんと、私の話。 千夏ちゃん、受け取ってくれる?
[ 差し出したのは、出来上がったばかりの小説。 当然まだ発売はされていない。 著者献本として誠香が手に入れたもののうちの一冊だ。 誠香は千夏に受け取ってほしいと思った、けれども、 千夏はあくまでも兄の本のファンで、 しかも誠香は千夏を今まで騙していたことになる。 受け取ってもらえるだろうか。 本を差し出した手は、微かに震えていた* ]
(323) takicchi 2020/06/26(Fri) 15時頃
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鉄血の福音 セイカは、メモを貼った。
takicchi 2020/06/26(Fri) 15時頃
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──それから──
[ 父は車で迎えにきてくれた。
礼一郎と違って、 愛想よくもないし無口だけど、 息子を心配して車を出してくれます。
何があったのか聞くのを躊躇って、 不器用に前を向く父の運転ですが、
帰りの足がないやつがいたら、 乗ってく? って礼一郎は言っただろう。]
(324) nabe 2020/06/26(Fri) 18時半頃
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[ 別に、ハンドル握って豹変はしないし、 寄り道・回り道だってちゃんとしてくれる。
寝間着を着ていたはずなのに、 一応ちゃんとシャツに着替えて来るあたり、 結構きっちりしてて、見栄っ張り。
礼一郎とそこそこ似ていて、 たまにあんまり似ていない。
たとえば、礼一郎は今、 部屋着にコートを羽織っているわけで。 まあ、そんなもんだよね。]
(325) nabe 2020/06/26(Fri) 18時半頃
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[ 帰りの車の中で、 礼一郎は友人からのメールを見た。>>223
え、どういうことって少しの困惑があって、 それから、ちゃんとここにいるんだなあって。 友人自身の言葉に、安堵するし、うれしい。
許してくれなくてもいい。から、許してください。 なあ結局、何の話だったの? 聞けば教えてくれる? それと。あのさ、許されたいってどんな感じですか?]
(326) nabe 2020/06/26(Fri) 18時半頃
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From:阿東礼一郎 To:葉野紫織 ————————————————————
おかえり。
会えるようになったら、 お見舞いに行きます。 手土産は何がいいですか?
人形になったときの 感想でも聞いてよ。
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(327) nabe 2020/06/26(Fri) 18時半頃
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[ 礼一郎はつまらない話とは書かない。 テレパシーも残念ながら使えない。
だから文明の利器に感謝して、 ややありきたりな言葉を、送信。
走り続ける車の窓から、 過ぎ去ってく街灯の明かりなんかを見てる。*]
(328) nabe 2020/06/26(Fri) 18時半頃
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――数時間後――
[そうして、クラスメイトといくらか話をして 辰美はゆっくりと病院を出た。 もう月も大分傾いている。
白い息を吐き出しながら、辰美は夜を歩いていく。]
(329) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時頃
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[コートの中の携帯が震えたので、 なんだ、と取り出して画面を見た。
……辰美はそれを見下ろし、ふっと微笑む。 なんだ、ちゃあんとまっすぐに生きられるじゃないか。
気持ちとしてはそんな感じ。 現実に帰る一歩にしては上等だ、と どこぞの想像の中の辰美もにっこりしたことだろう。>>222
何を書こうか、と考えて、 立ち止まってスマホに指を滑らせる。 もうずいぶんと人通りも車通りも少なくなった頃合い。 道の向こうをぽつりと一つ、車が通っていった。]
(330) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時頃
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―――――― From:辰美幸俊 To:葉野紫織
何でもするって? じゃ、お土産もって見舞いにいくから覚悟しとけ。
おかえり。ちゃんと帰ってこれてよかった。
――――――
(331) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時頃
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[帰ってきてくれて嬉しい。 それだけは、メールで先に伝えてもいいだろう。
どこか照れ臭くなりながら、 辰美は再び夜を歩き出した。 傾いた月が、そろそろ朝を呼んできそうだった*]
(332) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時頃
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――幕間――
[そうして家に帰った後の、辰美幸俊の話。]
[推薦入試の結果が出る日が近づく、ある冬の夜の事だった。 これでだめならセンターでどうにか食いつくしかない。 兄のようなところに受かるのは許さないと親はしきりに言う。 受験に興味がない辰美も、じわじわと圧力と脅迫めいた激励に悩まされていた。
悩んでいても仕方がないと参考書を解くのをほどほどにやめ 布団の中に体を滑り込ませ、眠り、――息苦しさに目を覚ます。
例の発作に悩まされた兄が辰美の上に乗りかかっていた。 ――またか、と諦念めいた思考で、辰美は闇の向こうに息づく兄を見つめている。]
(333) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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…………なんで、さあ。
[受験のプレッシャーと、寝起きに首を絞められている現実と 最悪の気分で目を覚ました辰美は、 枯れた声で狂った兄に呼びかける。]
俺もお前もまともじゃねえし 父さん母さんに迷惑かけて、 なんで俺ら生きてんだろうな。
[生まれてしまったから生きているだけなんて 虫みたいで気持ち悪いじゃあないか。 死にたいなら早く呆気なく死ねばいいのに。
……死ねば、よかったのに。 問いを投げかけたところで、人間界の切符を持たない兄は、人にはわからない言語で囀るばかり。 何に脅迫され何から逃げようとしているのか、辰美の首を締めようとその手が伸びた。]
(334) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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[首が痛い。苦しい。 揺れる視界の中、手足さえも痺れてきて もうこのまま諦めてしまってもいいかと思いもする。
ぐらり、揺らぐ視界の中――
まだ生きらんねえかな、って、誰かが言って>>3:599 どこに行きたいの、って、誰かが聞いて>>3:-24
……見捨てないでよ、と誰かが泣いていた。>>5:224]
(335) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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[思わず、辰美は自らの体に乗った兄を思い切り殴りつけていた。 急な抵抗によろめくそいつの下から足掻くように逃げ、机の上に置いていたコップを掴むと、飲みかけのレモン水を兄の顔面にぶちまける。]
「幸…………俊?」 [痛む咽喉を嵐が通り抜けていった。
こういう命の瀬戸際で、ふっと正気に戻ったのか、唖然とした顔をする兄の頬を死に物狂いで一発、殴りつけた。 つんのめる兄の襟首をつかみ、噛みつけそうなほど至近距離で絶叫する。]
(336) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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死ぬならてめえだけで死ね! 狂うならてめえだけで狂ってろ じゃなきゃ縛ってでも病院に連れてってやる
俺は――……俺は――……おれは、…………
(337) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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「幸俊、お前、急に何言って……。 ………てかなんでここに。痛いじゃないか」
[自覚してしまった感情に愕然としながら、 迷子のように一瞬正気に戻った兄がうろたえるのを見ていた。 自分と同じ顔の男が狂気し、子供のようにうろたえている。
丁度その時、「何事ですか」と障子が開いた。
母と父が、怖いものを覗きでもするようにこちらを見つめていた。 人の形をしていない狂った息子が2人。人並みの親には荷が重い。 …………可哀想に。来世はもっと真っ当な息子を持つと良い。
辰美は両親の姿を認めると、兄の襟首から手を放し 掠れた声で恨み言を放った。]
(338) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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…………あんたらがこうなるまで放っとくから
[監督不行き届きだろ、と辰美は思う。 こんな思いをしなきゃいけないのも、こんな思いをしてまで生きなきゃと思うのも、全部お前らのせいだ。 ――そんな子供じみた怒りを、辰美は両親に抱いている。
ぼやける視界と親の声にまざる不透明な幻聴を聞きながら(「やめなさい」、と言っている気がする)、辰美はそれを遮るように言う。]
俺も兄さんも気が狂ってる。病気だ、きっと。 いい加減理解してください。わかってるんだろうが
[自分はおかしい。兄と同じく。 それを認めるたびに、辰美は漠然と死にたいな、と思うが、死にたいな、じゃあ死のうか、と言って許される立場ではもうない。
震える声で努めて冷静に言って、辰美はその場を離れた。 後には「なんだあいつ」とぼうぜんとする兄と、顔を顰めて何か相談事を交わす両親が残された。]
(339) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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――2――
[――察した通りだな、と苦虫を噛む心地で辰美は薬入れの戸棚を見ていた。 いつもこの場所に入っているはずの保険証がない。
いい加減この手の事には慣れた。母がよく通帳をいれている隣の棚を漁れば、奥底に自分たちの保険証が入っていた。 腹の底が煮える心地でそれを取り出して、父に見つかるより先に兄の部屋へ向かう。
何かから逃れるようにテレビ画面を見つめる兄の腕を、掴んだ。]
兄貴。病院行くぞ。
「……行って治ると思うか? あいつらが治るまで待ってくれると思うか?」
[床に散らばるノート。 夥しい数学の計算式の途中から筆跡が乱れてノートを黒く汚している。
それが辰美には悲しくてやりきれない。――兄は本来ここでくすぶっている人間ではない。]
(340) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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…………わかんねぇよ。 でも、こんな生活、ずっと続けられるわけねえだろ。 俺がお前を殺すか、その逆か。それしかないじゃん。
「………………」
[よどんだ目をした兄は黙って辰美を見上げた。 ぱしり、と手を払って、けれど片手で緩慢に戸棚から靴下を出した。 目を合わせないまま兄が微笑む。何かを堪えるように笑って、立ち上がった。]
(341) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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「お前はやっぱ、俺にできねえことばっかりするな。昔から。 ぎゃあぎゃあ泣いたり、学校サボったり…………
やっぱ俺、お前の事嫌いだわ。幸俊。 …………つれてけよ。 道歩けるかわかんねえ」
[ 焦点の定まらない目で兄がこちらを向いて微笑む。 彼の目から自分がどう見えているのか、辰美にはもうわからなかった。 ただ泣きたいような心地で好戦的に笑い返し、]
俺もお前の事は大嫌いだっつの、治樹。
[ずいぶんと久しぶりに、兄を呼んだ。 その手をとる。――家の外へ歩き出した。]
(342) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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――3――
[ 統合失調症。 それが兄を苛む病の名前だった。
そう珍しい病ではありません。人生の節目に発症する方が多いです。 受験ストレスですかね。 おじい様がそうだったなら遺伝もあると思います。
お兄さんは日常生活に支障をきたしています。 入院していただきたい。 弟さんの方にも傾向があるようですから、通院でもいいので治療を進めないと――
そんなことを優し気な医師が言うのをぼんやりと聞いて、兄と共に家に帰る。行く道中、ぶつぶつと独り言を発し続けていた兄は帰り道ひたすら黙りこくっていた。
ようやく家の敷居をまたぎ、辰美とその兄が家に帰ったところで玄関先で父が待っていた。]
(343) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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[どこへ行っていた、と父の叱責する言葉が飛ぶ。 病院とこたえれば、勝手な真似をするなとさらに怒号が飛んだ。]
「保険証を勝手に持ち出して、 泥棒のような真似をして 治樹を勝手に外に連れ出すなど――何を考えているんだ」
言ったじゃないですか、病気なんだって。 あんたたちが連れて行かないから俺が――
「治樹は病気ではない、ただ弱っているだけだ それを判断するのはお前ではない、幸俊。 お前はいつもそうだ、 勝手な事ばかりして父さん母さんを困ら、」
[父の目が見開かれる。 何事か、と思いそれを見ていれば、隣にいたはずの兄が勢いよく父親に殴りかかっていた。]
(344) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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[狂ったように笑いながら。囀るように狂った言葉を吐きながら。 騒ぎをききつけてやめなさい、と母が叫ぶ。押し倒されて殴りつけられる父が何事か叫んでいる。
茫然と佇む辰美をほんの一呼吸の間振り返った兄は―――― 一瞬、昔のように澄んだ目をして、微笑った。]
……兄貴、
[それは遠い遠い昔、 弟にほんの少し優しかったころの兄に似ていて けれども父に向き合えば兄は元の狂乱した兄のまま。
辰美はどうすればいいかわからないまま、しばらく、その光景の前で立ちすくんでいた。]
(345) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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――4――
[――……結局、兄の入院が決まったのは、翌日の事だった。 傷だらけになった父もまた病院送りになってしまったため 冬季中道場は休業の運びとなった。
丁度親が希望していた学校の推薦入試で合格が出たが、 辰美はそれを何と言っていいかわからない心地で見つめていた。
がらんとした家の中、辰美は母と向き合って食事を摂っている。 母さん、と辰美は迷子のように母に呼びかけたが 続く言葉が見つからず沈黙する。 ややあって、母が重い唇を開いた。]
(346) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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「幸俊。大学、ここから少し遠いでしょう。 物件はもう埋まり始めますから、 はやいうちに探しておきなさい」
……え
「それから、この街を離れることになるんですから 今のうちにお友達と思い出を作っておきなさい。 今はあの人の家にいませんから、 呼んだってなにも言われないでしょ」
…………なんで。
[辰美は動揺してその言葉を聞いている。 父に嫁ぎ、古き良き妻として仕えてきた母は、 規則で辰美を縛るばかりでこんなことを許してこなかったからだ。]
(347) さねきち 2020/06/26(Fri) 19時半頃
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