212 冷たい校舎村(突)
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[ ―― 沈黙、は。 体感 長かったように 思う。 実際どうだったか知らないけれど、 少なくとも 思い返してしまうには、 充分、で、 ]
(307) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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……おー、 じゃ、三星にもお礼、言わねーと なー
[ ここにいないクラスメート。
その名前に、俺はフツウに笑えてたんだろうか。 鏡もないのに、わからないまま、 バケツを片腕にぶら下げて、廊下へと向かう。
首元をタオルで覆う様子>>294は、 なんだか、手当て のようでもあって、
俺は、”ソレ”が、何者でもないと、 やっぱり、思えないままでいる。
モノを扱うようには見えない、丁寧な手つきだ。 とか、そんなことを考えながら、 謝罪に心当たりのない俺は顔を上げた。>>295]
(308) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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…俺が望んで帰れないなら、
(309) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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…… ホストって奴が 死んだらかな。
(310) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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── いや、ほんとに 俺が、
俺が、不用意に、変なこと言ったから 大和さんが、気にすることないだろ
かえって、なんか、ごめん
[ 覗き込む ようにも思える視線>>295に、 眉を下げて、きっと今度はこっちが困り笑い。
逃げ込むように、空き教室の扉を開ける。
がらがら。特に支えもなく、開く。 扉の先。]
(311) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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[ "世界"が終わる時なんて、そんなもん。 ]
(312) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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[ ――― なあ。 去り際、橘>>286の顔を見ては、いたけれど。 あいつの言うように 今。 前髪を上げてたとして、そうだとしたら、 ]
(313) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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[ ── ”見つめて” いる。]
(314) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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[ …多分、いつになく らしくなく 冷たい色をした 古辺通の瞳が見えていただろうから、
…やっぱり前髪、 あった方が良いんじゃ無いかって、 直接言わずとも 思ってしまった。
…口元は どうにか "いつも通り"を保ってみたけれど。 誤魔化せたかな…うん 無理、だな* ]
(315) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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── 現在:1階 空き教室 ──
[ これは”モノ”だから。 マネキンであって、何者でもない。
そう言い聞かせて、握っていた冷たく白い足首を、 その時、握りしめることも、投げ出すことも、 どうしてだか、できなかった。
”見つめて” いる。>>15
扉を開け放した先、誰もいない部屋。 前方の壁スペースを、大きく使った黒板。 誰もいない部屋 に いる 何か。]
(316) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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[囁く声が依然として止まる気配はなく。 いつかの授業や、噂好きの女生徒の声を思い出しました。 それは美術準備室の前に置いてある上履き>>5:566のせいかもしれません]
………“は”じゃなくて、“も”なんだね。
[意図せずとも、揚げ足を取るような言葉になってしまいました。 だって現状を何も知らない訳じゃあなさそうなのに、あまりにも普段通りに見えたのです>>287
それでも今は何か言葉を挟むことはなく、きっちりと締められた扉を開けました]
(317) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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[ぶわり、と頬を撫でる熱風。 一歩、二歩と、踏み入れれば、少し蒸し暑さを覚えるほどの温度調整のされた室内が私を迎え入れます。
ささらちゃんから聞いていた補習の話。 だけれど実際に私がこの部屋を訪れるのは初めて、で。 恐る恐る向けた視線の先、私の唇から溢れたのは]
…………ささら、ちゃん。
[後頭部がひび割れたマネキンにではなくて、 未完成で鉛筆以外の彩りはないけれど、笑みを浮かべようとしている、姿>>2:567へと、近づきました]
(318) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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……全然、知らなかったや。 私、ささらちゃんがそんな風に笑うの、…さ。
うん。今のささらちゃんの笑顔、私、とっても好きだ。
きっと……、帰れたんだね。
[スマートフォンに残されている一枚>>0:396や、誤魔化すみたいな笑顔>>1:429よりも魅力的でしたから。
彼女の瞳がさいごに映したものは悪いものじゃあなかったのかもしれない。 一度だけ、そのキャンパスに腕を伸ばして、撫でてみました]
(319) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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──── 落書き ?
[ さっきまで、フツウに会話をしていたはずが、 なんだか、情けない、弱々しい声でしかなかった。
怯えていた。怯んだ。
ただの、絵だよ。絵だな。 黒板を埋め尽くすくらい、いっぱいの、眸。
ついてまわるささやき声は、 背中からぶすり ぶすり と、刺さるみたいだ。
固まっていたのは、一瞬。 そっと、マネキンの足を一旦下ろして、 黒板につかつかと歩み寄る。 置きっぱなしの、黒板消しを手に取る。]
(320) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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………また後で。今度会えた時は、一緒に笑えたらいいな。
[気遣いな誰かのようにカーディガンを残すなんてことは出来ませんでしたが>>200 美術準備室から出る頃は来た時と同じようにきちんと扉を閉めました。
つばさちゃんの隣に運ぼうとも思ったのですが、腰掛けているマネキンをどうも動かす気には、なれなかったのでした]*
(321) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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[ ── 消せない と、
呆然とつぶやくのは、ほんの一瞬の後のこと。*]
(322) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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─美術準備室前─
……この世界から帰ることって、悪いことだけじゃ、ないんだね。
すごく怖いことだと思ってたから、心配してたけどささらちゃんみたら、良かったのかなって、思えたよ。
[曖昧な笑みを浮かべている私はもしかしたら、少しおかしな感覚をしていたかもしれません。
昨日までならささらちゃんに似た後頭部がひび割れ、血のようなものが残るマネキンに怯えていたでしょうが、今は少し、清々しいような気分さえあるのですから。
裸になって、彼女が映る世界に変化はあったのでしょうか。 どれだけ胸の内で問いかけたってその答えは今、返ってきませんが。
ふと、文化祭の休憩時間のことを思い出しました]*
(323) 2017/03/15(Wed) 23時頃
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[>>307 何となしに投げかけた問は、 案外答えがすぐに返ってこなかった。
悩んでいるのかなァって思ったけど、 あまり立ち止まらせるのも悪いから、 やっぱいいよ、って言おうと思った、のに。
>>309>>310 返ってきた答えは、なんだか、 予想というよりも“知ってる”ように聞こえた。
だから、それってどういう意味だよって、 問い返そうと思ったけど、できなかった]
(324) 2017/03/15(Wed) 23時頃
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[隠された前髪の奥から覗く目が、 冷たい色を宿していたから。>>315
―――― 俺は、思う。
また、間違えちまったか、って。
だから、そうかって短い返事だけ寄越して、 それ以上は何も言わなかった。言えなかった]*
(325) 2017/03/15(Wed) 23時頃
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― 回想/諍いの話 ―
………あお姉、ただいま。
[文化祭の片付けも無事に終わって間もない日のこと。
いつも通りに閉じられた扉ごしに声をかけた。
返事はなくって、ただ微かにすすり泣く声が聞こえるだけ。
また泣いている。
今思えばそっとしておけばよかったのかもしれないけど、
あの時のわたしはやたらと気が立っていた。
文化祭が楽しくて、名残惜しかった気分を、
一気に台無しにされたような気分になっていた。
だからノックをした後あお姉の部屋に足を踏み入れた。
前に置いていった文化祭のパンフレットが、
打ち捨てられたみたいに転がっているのがやたらと目についた]
……文化祭、来てくれなかったね。
[すすり泣く声は止まない。
わたしは言葉に詰まってしまう。
わたしの記憶の中のあお姉は、
わたしが泣いたりわがままを言ったりしていても、
辛抱強く励ましの言葉をかけてくれたり――
あるいはわたしの願いを叶えてくれたりもしたけれど、
変わってしまったあお姉を前に、わたしは何もできないでいる]
[それ以上は何も言わずに部屋から出ようとした時、]
「……楽しかった?」
[不意に問われ、目を丸くしたのも束の間、
「楽しかったかって聞いてんのよ」と、
駄目押しみたいに言われたから、素直に答えた]
楽しかったよ。
[「何か文句あるの?」って後に続きそうな、
そんな口調になってしまった。
そうしたら急にあお姉が顔を上げてこっちを見てきた。
カーテンも閉め切った薄暗い部屋の中で、
あお姉の二つの目が鋭く光っている。
これ以上ここにいちゃいけない気がして、
わたしは逃げるように立ち去った。
その間、背中にはずっとあお姉の視線が突き刺さっている気がして。
自分の部屋の中でわたしはただ、
間違えたって思いと理不尽さがないまぜになった気持ちを抱えるしかなかった。
――盛大に喧嘩するちょうど前の日の話*]
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― シャワールーム ― [ シャワー音は、…していない。 ぽた、ぽた シャワーヘッドから垂れる程度で、 引き寄せられるみたいに、一室に向かう。
緩やかに伸ばした 手の先。 シャワーのコック>>254が、 やたらきつく閉められていて、首を傾げた。 …まさか全部がこうなんだろか、と 他のコックも試してみるけれど、 どうやら 此処だけ。
―― 力入れすぎた? とか 誰とも知らない相手にそんな感想を抱いて 頭上 湯を浴びた* ]
(326) 2017/03/15(Wed) 23時頃
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─回想:文化祭の空き間─
[古辺 通は少し謎の多い男の子です。 浮かべられた笑み>>29よりも私は彼の言葉が気になりました。
「理一は、いつものこと…な気がする。 でも、たまに怒られてるらしいけど。」
こうして一つ一つ取っ掛かりを私は見失ってしまったのかもしれません。 パズルのピースは何処にでも転がり落ちていたのに、それを知るのはその頃ではありませんでした]
(327) 2017/03/15(Wed) 23時頃
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[通が話してくれたこと>>30は、きっと以前耳にした「けど」>>1:371の続きのように感じました。 だって、あまりにも不恰好な冗談でしたから>>33]
通、笑ってばっかりだね。 でも、あんまり似合ってないよ。 理一の真似して笑わなくても、いいんじゃない? 私、お客様じゃないから。
[先程の様子>>2:472を忘れた訳では、ありませんでした]
通は、誰のものでもないよ。 愛してるからって、ぜんぶ取っちゃうそれはただの独占欲…執着…だと思うんだけどな。
(328) 2017/03/15(Wed) 23時頃
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私は、通が見たい、と思う時に、見て、出たい時に出たらいいと思う。
その人は通にとって大切な人かもしれないけど、かみさまじゃないんだから。
[それは半ば私の気持ちを押し付けるような言葉だったかもしれません。 だから、その手を取られなくても止めることはせず、ただ、心配で立ち去るまで見送っていました]*
(329) 2017/03/15(Wed) 23時頃
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— 病院へ —
[冷える路上。
時々、空を見上げながら歩く。
夢の中のあの世界、雪に埋もれる通学路を思い出していた。]
そういえば、
結局作れないね、かまくら。
[あの豪雪が現実のものではない今、それは叶わないわけで。
ちょっぴりがっかりしてしまう。]
[……クラスメートの危機に、思うのはそんなことばかり。
薄情なのかな。
ごめんね、わたしはこんな経験ないから。
“あなた”にまつわる記憶は、あの校舎の中での出来事と、
そしてやっぱり、あの文化祭のことばかり。
あんなに笑顔が絶えなかった彼が、どうして命を絶とうとしたのか。
それを知っても、いいのだろうか。
知れるのだろうか。
誰かと話せば、何か分かることがあるのかな。
……今まで踏み込もうとしなかった線を、踏み越えれば?
文化祭の記憶を穿り出して、
クリームとチョコソースにまみれたパンケーキの味を思い出しながら、
足取りをやや早める。*]
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――少し前――
そう、だな。気が向いたら、やってみる。
[能久の言葉>>275に、何気ない風を装ってそう返す。 でも、本当は、何度もお菓子作りをしたことがあるのに。 嘘を吐いている、という罪悪感で、胸が痛んだ。]
へえ……そう、なのか。 そういう人も、いるんだな。 ……ああ、いいと、思う。好きなことを仕事にできたら、きっと楽しいんだろう。
[海外のお菓子職人。大きな、お兄さん。 その人は、自分のように体が大きくて、それでも、甘いお菓子が好きで、その道に進んで、外国のテレビに出るまで、有名になって、認められた、んだろうか。 ああ、そんな風に、できたら、どんなに――]
(330) 2017/03/15(Wed) 23時半頃
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