246 とある結社の手記:9
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― 夜、 ―
[しこたまお酒を飲んだ後、欠伸をする。 全然酔った様子はなかった。所謂ザルだ。
自室に戻って、窓を見た。格子がある。 ガタガタ、揺らしてみても、びくともしない。
眉を寄せて、一つ、息を吐いた。*]
(318) 2018/07/27(Fri) 03時頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2018/07/27(Fri) 03時半頃
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[お嬢様が喜々としてコルクボード(>>1:246)に貼り付けたメモ。そこに込められた希望(>>1:245)は、しかし、ロイエの心を大きくかき乱すものでしかなかった。]
(…お嬢様……貴女は、あまりにも… …清純すぎます…っ)
[朝方、ユージンが呟いたこと(>>1:51) が本当ならば、ここに集う14名のうち、3名が結社に連れて行かれることになる。連れて行かれた先で、どのような仕打ちを受けるのか。(>>1:111) 結社について調べたと言うローザス婦人(>>1:108)、または詳細に詳しいモンド(>>1:151)ならば知っているだろうか。今はただ、そのことを誰も口にしないように、と強く願った。その末路を知って、はたしてリンダお嬢様の心はどうなってしまうか。
ロイエは、しばらくの間、コルクボードの前で力なく立ち尽くしていた。]
(319) 2018/07/27(Fri) 03時半頃
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― さっきのこと ―
[太っ腹な提案を、フーバー家のお嬢さんが結社に対してしてくれていたことを知るのは、もう少しあとのこと。(>>246)]
(320) 2018/07/27(Fri) 03時半頃
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[ベッキーがりんごの木の話で、ぱっと表情を明るくした。明らかにルパートの顔はほっとしていた。(>>251) 娘の不興を買ったからというだけではない。彼女は今日ひどく悩まされて、今も不安だろう。そう思うからだ。]
何度も読まされたからなあ。 しまいにゃぜんぶ覚えて、 おまえがおれやカミさんに 読んで聞かせてくれてた。
なんだ、案外覚えてるもんなんだなあ。 こ〜んなにちっちゃかったんだぜ?
[懐かしんで目を細める。大きくなったなと思う。]
(321) 2018/07/27(Fri) 03時半頃
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[ノアに読み聞かせを面白がられると(>>261)、心外といった様子で]
面白いとはなんだ、面白いとは。 おれが子供の面倒みてどうおかしいって?
[と、茶化すノアに文句を冗談めかしていう。]
上等だ。聞きたいってんなら聞かせてやろうか。 ……いや、さすがに大方忘れちまったな。
[と肩をすくめた。]
(322) 2018/07/27(Fri) 03時半頃
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リンダお嬢様……それは、 ハイ。
[満面の笑みでそう返されてしまっては、もうハイと答えるしかない。(>>252) 実際、夜まで我慢できたなら上等だ。 誰か飲んでると飲みたくなってしまうもの。 どうしても美味しそうにみえてしまう。 きっと酒をのんで忘れたいのだろうとは思うから 夜まで我慢が出来たなら、素直に褒めることにしようじゃないか。]
(323) 2018/07/27(Fri) 03時半頃
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― 夜:二階廊下 ―
[ほんのりと赤く頬を染めたお嬢様を支えながら、個室へと向かう。その白く細い指が、メイドの手を引いた。
その愛くるしい笑顔に逆らえるはずもなく、メイドはいつものように答える。]
…仰せのままに…お嬢様。 …はい…貴女の姉はここに…。
[自身を姉と呼んだお嬢様の身体を抱きすくめ、そのまま部屋のなかへと消えて行った。静かに扉が閉じる。]
(324) 2018/07/27(Fri) 03時半頃
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【コルクボード】
リンダ・フーバーお嬢様の体調が思わしくございません。 万が一に備え、夜間の同室をお許しくださいますよう謹んでお願い申し上げます。
*フーバー家女中 ロイエ・フューラ*
(325) 2018/07/27(Fri) 03時半頃
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>>315
そういうこと。 我々だけ実家で心苦しくはあるんですけど。 …まったく、狭いし汚いのになんか落ち着いちゃうんだよねえ?
[なんて笑いながら同意を求めてみる。] その分皆にも我が家のように思ってもらえるように くつろいでもらわなくっちゃね。 そのための宿屋だし。
[行儀悪く、スプーンをぷらぷらと揺らし、にっと笑う。]
(326) 2018/07/27(Fri) 04時頃
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[突然の懺悔にも付き合ってくれるスージーに、申し訳なくもありがたく。そして楽しそうに話してくれるリンダやロイエとのやり取りには、なんだそれ、と大笑いをした。 リンダも、スージーも、ロイエも、みんな。皆がそれぞれに頑張っている。背伸びをするスージーの背中がやけに羨ましく、眩しく見えた。]
お誘いは嬉しいけど、よしとくよ。 あたしが酒癖悪いの知ってるでしょお? 謝るどころじゃなくなっちゃうよ〜。
[あはは、と笑って小さく手を振る。 今日ほど一緒に飲みたいこともそうなかったが、今日だけはやめておこうと思った。 スージーがもし振り返れば、今度はベッキーがピースサインでお返ししただろう。]
(327) 2018/07/27(Fri) 04時頃
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― キッチン ―
[食事の支度をはじめると、マリオがやってきた。 フライパンを貸してほしかったらしい。 外にも出られない。遊び道具が少なくて何かしたくなっているならと、マリオには小ぶりのフライパンを持たせてやったつもりだが、どうにもフラフラしている。ロビーのほうへ、パティに]
おーい、ごめんな。 つい渡しちまった。
[と声をかける。 彼女にマリオの相手を任せることになってしまうが、パティも手慣れたものだった。]
(328) 2018/07/27(Fri) 04時頃
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[ベッキーがキッチンにやってくると、ルパートは首を横にふり]
いんや、皆と喋ってるなら今日は別にいいさ。
[気疲れしているだろうから休ませようとおもったが、娘は手伝っていくことにしたようだ。 慣れたことをしている方が気が紛れることもあるだろうから、止めはしなかった。]
(329) 2018/07/27(Fri) 04時頃
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姉妹 ロイエは、メモを貼った。
2018/07/27(Fri) 04時頃
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[マリオが手伝いにやってくると、目を細め、なにか出来そうなことを用意してやることにする。]
手伝ってくれるのかい? じゃあ、野菜の泥を落としてもらうか。
桶に水をいれて……ほれ。 こぼさないようにな。
[マリオにお手伝いゾーンを用意してやって、そちらを任せる。 お手伝いが完了後、シチューの味見は一緒にした。]
(330) 2018/07/27(Fri) 04時頃
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[マリオのやりすぎは、パティが止めてくれる。 すっかり任せておけたので、食事の準備は無事に済み……
皆に呼びかけることとなったのだった。(>>250)]
(331) 2018/07/27(Fri) 04時頃
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― 夜 ―
[ルパートの食事は最後の最後。 皆の食事がひと段落して、部屋で休む者がぽつらぽつらと出てきたら、ラルフに声をかけて掃除をはじめる。 片付いてきたころ、キッチンに戻ってみれば、いつも通りの場所で娘が食事をとっていた。いや、それは食事が終わった頃だったのかもしれない。
キッチンの古びた椅子に腰かけて、器にシチューをよそって食べ始める。 食事風景だけは、いつもの、当たり前の光景だった。**]
(332) 2018/07/27(Fri) 04時頃
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―夜―
[スージーが部屋へ戻った後、ゆっくりと食事を続けていた。料理が冷めてしまう前に食べ終えてしまわなきゃなあ。最後一口、もったいないな、なんて思っていたら今日のシェフがやって来た。>>332]
わ。もう片付け終わったの? ごめんね手伝わなくて。 ラルフにもお礼言っとかなきゃ。
[そう言って、椅子に腰掛けたまま伸びをする。古びた椅子がきしんだ音をたてる。 父がいつも通りに食事を始めたので、ベッキーもただ座っていつもの、普通の時間を過ごした。]
(333) 2018/07/27(Fri) 04時半頃
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パパ。
[食事を終え、ルパートが自室に戻ろうとするところを呼び止め、ルパートが振り向けばそのままゆっくりと胸の中に収まり、ハグをする。]
おやすみパパ。また明日。
[胸の中でまぶたを閉じ、ゆっくりと息をする。ごはん、美味しかったよ。心配かけてごめんね。]
…大丈夫、あたし達にはママがついてる。
[自分たちだけ、ずるい。と思っていたけれど。 ワンダが言ってくれた。 たった一人の家族だもの。側にいても、頼っても良いんだと思うことにした。**]
(334) 2018/07/27(Fri) 04時半頃
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ユージンは、はーーー。と長く息を吐き出した。
2018/07/27(Fri) 05時頃
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─ 回想、朝 ─
[イヴォンに水を向けて、それから彼女に引っ張られてきたピスティオが急に声を上げるのに、>>63 一度そちらに鷲鼻の鼻先を向けて]
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん ………
[>>64 天井を仰いだ。]
(335) 2018/07/27(Fri) 05時頃
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ウン。
まあ。
ティオはそれでいーんじゃない。
[後でパトリシアに謝りにいくのも含めて>>122。]
単純って美徳だと思うからね。
(336) 2018/07/27(Fri) 05時頃
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[わし。と後ろ頭をかく。各々が逃げないことを決めるのにも、否を言うことはない。]
んー……もし、逃げるなら。
全員でないと。
……あんまり意味はないんだよねえ。
[難しいという現実に、できると強く希望を語れるでもなし、下を見たまま息を吐く。]
まあ、たしかに、その後の保証とかは、 まっっったくできないけども。
[何しろ無責任な提案である。と、脱出にすでに一度失敗している男は可能性が薄いことについては異議を唱えなかった。]
(337) 2018/07/27(Fri) 05時頃
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[>>72 イヴォンの答えを舟守は笑わなかった。]
………………。
[少し、考える間があって、]
オレのは、正体が知りたいってえんじゃないんで。
ただ、ローザスの奥様が、 この中の誰が連れてかれても 本懐を遂げる覚悟ってなら、
…… オレにゃー、なんにも言えんですわ。
(338) 2018/07/27(Fri) 05時頃
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これまでを、壊す覚悟があって、 道を自分で決めたんなら。
口を出せるほどエラいもんでもないです。
[最後まで面倒を見るだとか、そんな甲斐性があるわけではない。村の各々が築いてきたこれまでを捨てて得られるだけの何かを提供できるわけでもない。] たんにオレが、誰が連れてかれても いい気分じゃーないっつーだけですしね。
……単に、……
(339) 2018/07/27(Fri) 05時頃
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― 夜・キッチン ―
[ベッキーに謝られ、皿に向けていた視線をあげる。(>>333)]
いい、いい。 洗い物と明日の仕込み始めててくれたろ。
ふう………
[スプーンをシチューに突っ込んだまま、ひと段落したことにか、はたまた疲れにか溜息をつく。]
あぁ、ラルフに礼はいっておいてくれ。 おじさんに言われるよりかは、ずっと嬉しいだろうさ。
……。 おまえ、今夜はおれの手伝いはいいから早く寝なさい。
(340) 2018/07/27(Fri) 05時頃
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[食事が済んで片づけをして、明日のことを少しして、部屋に戻るとベッキーに声をかけて、キッチンを出ようとしたところ。 呼び止められた。ふり返る。(>>334) ベッキーのハグを受けて、頭をなでてやる。]
ああ。おやすみ、またあした。
[続く一言に]
うん。いつでも見守ってくれてる。大丈夫。
[声を強張らせないよう心がける。なるべく安心させてやりたかった。 状況は、空気をどんどん重たく変えていっている。行方不明は死人に。いないはずの人食いおおかみは、三匹の人狼に。 一刻も早くこんなこと忘れさせてやりたいが、何一つ解決していないのだから、明日を思えば憂鬱だ。 一人娘がどうにか立っていられるよう。自分こそ支えになってやらなくては。**]
(341) 2018/07/27(Fri) 05時半頃
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─朝、回想─
[>>339 はあ。と再び息だけを吐いて、いえ。と声を飲みこむ。]
なんでも。
[そう言って、先を言わないまま 黙って背中を壁につけた。]
(342) 2018/07/27(Fri) 06時頃
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[そうしてから結社について、この状況を招いた原因について、>>79 リンダが話しはじめるのに、黙って耳を傾けていた。]
…… フーパーの旦那さんを、責めてもなー……
各々、守りたいもんも 大事の範囲も違うだろーし。
[逃げる提案を投げたわりには、モンドやルパートのような感情の動きはほとんど見せないまま、壁際、腕を組んで会話の端に身を置いて、]
(343) 2018/07/27(Fri) 06時頃
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…… …… やっぱりかァ……
[行方不明者についての──死者の話についてだけ、 ぽつりと、そんな感想を零した*。]
(344) 2018/07/27(Fri) 06時頃
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>>303 [メイドの鋭い視線に目を丸くする。数秒おいて、困ったように笑いながら]
御交際? 俺が? お嬢さんと? 参ったな、そこまで身の程知らずだと思われていたとは。 ご心配には及びませんよ、お嬢さんの飲みっぷりは気持ちのいいもんだが、そんなつもりは全くないさ。
[そう返して、グラスに残った中身を一気に飲み干して立ち上がる]
そもそも俺ァ、誰とも付き合えやしないさ。
[そう言い残して、新しい酒を求めてか、その場から離れた**]
(345) 2018/07/27(Fri) 06時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2018/07/27(Fri) 06時頃
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― 夜:自室 ―
[また、独りになった。 けれど、今日はそれ程酔ってはいない。その証拠に、男は昨日辿り着けなかったベッドに腰かけている。
昨日よりは幾分か気分はいい。 フーバー家から取り寄せられた質の良い酒を飲んだからか。 或いは、掃除夫の青年と話したからかもしれない。]
(346) 2018/07/27(Fri) 07時半頃
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[色々なものから逃げる人生だった。 家族の体を為していない生家から。 こき使われ蹴飛ばされる親戚の家から。 長続きしなかった奉公先から。
庭師になったのは、植物は誠実だから。 与えた分だけ。世話をした分だけ。美しく咲き実り応えてくれるから。]
……。
[両手をゆるく握って、開く。 日に焼けた手の甲。剪定鋏を握って皮膚の厚くなった掌。枝のささくれや棘でついた細かい傷。 男にとって唯一誇れる、庭師の手。
その中に、古いコインが一枚。]
(347) 2018/07/27(Fri) 07時半頃
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