158 Anotherday for "wolves"
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[――― …… また。 隣村の話を思い出しながら、 嫌悪に身を焦がすよう。
独りごちり、 は。 誰も居ない世界で、息を吐く。
肩から鞄を下げれば、 ちいさな ちいさな ワタシのセカイの端。
花屋で買った、 紫苑の花が枯れているのが見えた。]
(319) 2015/05/12(Tue) 16時半頃
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……。
[それに、黒い睫毛は緩慢に揺れ。
無言のまま、 戸を閉めると。
そのまま、はずれから宿の方へと歩き出す。*]
(320) 2015/05/12(Tue) 16時半頃
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宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/12(Tue) 16時半頃
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[まだ、猫は村には来ていなかったと記憶している
そうでなくても小さな村である 元々他所の生まれの誰かが来れば自ずと広まる 故にまだ彼はいなかったのだろうの帰結
その存在を知ったのは 帰郷してから酒場で武勇伝を作っている姿を 何度か目撃をしたことからだった
故にその程度の認識 何しろ、姿を見ても逃げられるので 知ろうにも限度があるというだけのこと]
(321) 2015/05/12(Tue) 16時半頃
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なんで…まあ、知りてえなと
[たまに、本屋で姿を見かける猫は ベネットにはどう見えるのだろうというのも 知りたいのは、敢えていわず]
あれで、女の子ならな… ついでに口説くのもアリかも知れねえけど
[とってつけた様にニヤリと笑う 嘘か本気か分からぬ様に**]
(322) 2015/05/12(Tue) 16時半頃
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―幼い頃の話― [この村に、ルパートの家に引き取られた時 メアリーはまだ生まれてもいなかった。 賑やかな宿、その裏手にまだ幼かった少年の手を 引いて案内してくれたのは今は亡き叔母の姿で。]
(―――賑やかでしょう。)
[そう優しく微笑んでひとつひとつ名前を教えてくれた。 それから、少年の少しかたい髪を細い手で撫でて 今日から少年も家族の一員だと言ってくれた。
本当の家族だと、母親だと思ってくれてもいいと。]
(323) 2015/05/12(Tue) 17時頃
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[叔母は本当の息子のように可愛がってくれて。 メアリーが生まれた後も態度を変えずにいてくれた。 分け隔てなく、本当の家族のように―――]
(お母さん、)
[メアリーがキャサリンを呼んで泣いている声が聴こえる。 ルパートはどんな顔をしていただろう。]
(お母さん、)
[黒い服の参列者たち、ささやかな葬儀、 この光景を見るのは4度目で、]
(お母さん、)
[腰の悪かった母方の祖母と、狩りの好きだった父親と、 ―――…それから、]
(324) 2015/05/12(Tue) 17時頃
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……母さん、
[キャサリンの納められた箱が閉ざされる。 この蓋が閉じたらもう会えないんだ。 そう教えてくれたのはもう会えなくなってしまった父親で、
(…ああ、)
今、棺の傍にいるのは父親ではなく叔父の姿で、 泣いている少女も妹ではなく従妹で、]
(325) 2015/05/12(Tue) 17時頃
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……叔母さん、
[箱の中にいる人にもう会えないことが、 "彼ら"と同じように呼んで、悲しむことができないことが、 とても 哀しかったことを、覚えている。**]
(326) 2015/05/12(Tue) 17時頃
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─ 道端にて ─
[アルカイドと別れて店へ向かう帰り道、 短い道のりに空を見上げた。
あの日は雨だった。 止まぬ雨粒が、煩いほどに地を打っていた。 その音は記憶にはない。 ただ、やたらに冷えた空気を思い出すだけ]
…、は。
[こんな風に心が揺れるのは、久しぶりに彼の姿を見た所為か。 表情が揺らぐのは、周囲にひとけのない為に。 空は薄蒼から藍色のグラデーションに沈みつつある。 深き淵へと落ち込むような、その色合いを目にとどめて]
(327) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
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明日か──…
[明日は”その日”だ。 毎月毎度の、妻と語らう日。 明日はラーウィルの花屋に寄って、墓場へ行くと決めてある。
花屋にもその日はもう分かっているはずだから、 朝からルパートが訪ねていっても驚かれることはなかろう。 最近すっかり店番をしている娘の顔を思い出す。 彼女も先ほどの集会場へと呼ばれていた。 何故。を思うと、自然息が深く落ちる。
ゆっくりと瞬いた。 そうして、ルパートはいつもの顔を纏い店へ戻る。
ルパートが戻った時、オーレリアの姿はない。 姿があれば、或いは彼女の謝罪>>0:@28も、 この耳で聞けたのかも知れないけど]
(328) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
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─ 宿屋 ─
いらっしゃい。
[食堂兼酒場に来ていたのは幾たりか。 人間の姿は少ないようで、そこに噂の影を感じるが。 ともあれ何事もなかったかの顔で、カウンターへと入る。 既に来ていた客に、笑顔で挨拶など向けて]
さ、どうぞ。
[ことりと、ベネットとドナルド、 若者らのテーブルに置くのはチーズの皿と特製ミートパイ]
今日のパイは、オーレリアの手製なんだよ。 とても美味しいから、今度会ったら褒めてあげておくれ。
[にこにことそんなことを告げて見遣る視線はドナルドへ。 彼がお守りとて、銀の首飾りを手にしてきたのを知っているから>>0:233]
(329) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
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…おや?
[カウンターに戻ろうとした男の足が止まった。 見覚えのないジャムの瓶が、カウンターの上に置かれている>>0:@23 薄桃と黄色の花桃のジャムが、手の中でゆるく淡い光を*弾いた*]
(330) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
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― → 宿 ―
[道中、誰かに会う事はあっただろうか。 会えば、すこうし噺をしたかもしれない。]
[黒い、鞄を揺らす。] [最中、不意に鼻がくすぐったく感じて。] [くしゅんっ]
…… っは、 誰か噂でもしてんのかい?
なあんて、
[へら。
鼻を撫で。 わらい、思い出す。 >>314『変われば』ということば。]
(331) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
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…… 変わる、か。
( …… 変わる。 ) ( 変わってしまうことは、。 )
[宿の主人にことばを返した時は 変哲なく 『そうだね』と。
ふ と 普段と変わらない 笑みを返しただけだった。が。]
[猫は。変わることが、怖かった。] [譫言のように、呟くいろに。 普段はみせない、怯えすら孕んでいた。]
[変わって、変わって。] [ワタシではない。 別人になったら。どうしよう、と。]
(332) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
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[噫。]
[でも。]
――― いい夢をみられるなら。
悪いゆめを見なくて済むなら、 …… 変われた方が
変わった方が、いいのかもね。
(「……本当に?」) (『……ボクとの(わたしとの) 思い出よりも。それは、いいこと?』)
(それは本当に。 『わたしたち』?)
(333) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
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…… っ、
[眩む。
ひびいた聲に、頭がふらり。 揺れる感覚をして、眉間に皺寄せ。 頭を抑えるも、 ひとつまたたきの間。]
[何か、大事なことを思い出しそうで。 ――― 忘れたまま。 ]
…… わからないよ。
(いいも。) (悪いも。)
(334) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
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― 診療所にて ―
[注文がないとほっとするときもあると そんな事を言いながら室内を見渡す青年の 好奇心を咎めることはなく、そうさせておく。 手首の赤い石も、見られて困るものではない。>>291]
[夕方の風に震えるカーテン。 斜光差し込み、仄かに赤く、 それから青く 染まっていく室内。]
……どうだろう。 あの堅物、何でもかんでも抱え込んで、 自分ひとりで何とかしようとする御仁だから、 或いはそうかもしれないな。
(335) 2015/05/12(Tue) 17時半頃
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[馬鹿がこの村にいたとしても、 いなかったとしても、 族長はこれは人狼族の大事ぞと――そう言って 自分から手を汚しにいくやもしれない。 何を手がかりにして探すのかは、知らないが。
ヴェスパタインの顔を思い浮かべて、 グレッグの苦笑と共に、此方も小さく息を吐いた。]
[薬を塗布している時ちょっと身構えたのを察して 小さく、肩を竦めてみせた。>>294]
(336) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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言わないでじゃありません。 わかったなら宜しい。
……ふうん? ああ、傷つけたりもするからね…。
[仮にも人狼、爪が誰かを傷つけることもあろうと 引っ掛けたりすると危ないから、と言われれば そうか、と頷いて、働き者の手をとり爪を整える]
お気に召したなら幸い。 ……あー、丁度だね。
[つき返されてしまった配送代を 何か言いたげに見たが 大人しく納めて、 続いた言葉に、ぱちりと瞬きを一つ。]
(337) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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飲めるが……。 [昔の事をちらりと思い出して、――消そうとして]
っ。 …………ありがとう。
( ―― 酒場に行ったら、また ) ( ……噫、駄目だ。 )
[ 耳を打つのは元友の「どうして」と 」 [ ――あの日の少女の 幼い問いの数々>>289]
[幸せを奪っておいてのうのうとまた現れようだなんて ――酷く、図々しいじゃあないか。
皮肉屋の皮肉は己の心を一番深く抉る。 逃げるようにさっと窓の外に視線を転じれば 雲母のような闇がそこにあった。]
(338) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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どら、…外も大分暗いじゃあないか。 メアリーやルパートが心配するといけない 帰り道に気をつけてお帰り、グレッグ。
[若者からの言葉を突っぱねることはしないが それでも、少し性急に帰宅を促す。 それを悟られるのを、避けようとでもしたか]
……転ばないようにな。
[さっきグレッグがクラリッサに言っていた事を 真似するように言って口の端をゆがめた。 何はともあれ、 診療所の外までグレッグを見送っただろう*]
(339) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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…… 変わってみなきゃ、ねえ。
[呵。]
[普段はカレイドに返さぬ声を、 気紛れに吐き。
そのまま、宿に辿り着けば、 久々に 戸を押す。]
[カウンターに陣取って。 猫は主人が居たならば、
変わらぬ薄い笑みで、 手を ひらり 泳がせ。 ]
(340) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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来たよー、ルーおじさん とりあえず、そーだねえ。
まずは、エールを一杯。
[前に来た覚えがある時よりも。 人の姿が少ないのは、そりゃあそうか。
それでも特段気にすることなく、 革の鞄を足許に、乱雑に置いた。
それから、 中を見回す。]
(341) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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[見渡して、一点。] [>>322赤毛が見えた。]
[猫は、目を細める。] [嫌いなわけじゃあない。
ただ。すこうし、 (いや。…それなり、にかもねえ) 纏う気が苦手なだけだ。]
[幾度か、酒場でも見た事がある。 武勇を。武功を。
冗談めかしく、幾分大仰な肴にして。 語っていた時に、ちらり。見掛けて。
その度に視線は泳げど、 声はちいさくなっていたのを覚えている。]
(342) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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[渡鴉が猫を知らぬように。 猫もまた、渡鴉を良く知らない。
傍に居るベネにも ちら と、蒼を添わせながら。
まさか、さっきのくしゃみの原因が 偶々か必然か。
本当にワタシのことが話されてるとは (よもや、渡鴉に)思わないから。
椅子に腰かけたまま、 ちらり。 見つめていれば。 二人に、気付かれることはあっただろうか。 *]
(343) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/12(Tue) 18時頃
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[グレッグの背を見送った後。 見上げても柄杓の姿は無く ふと、地に視線を落とす。]
[宵闇の蒼に深く沈むようにして 診療所の脇に在る花は 今はそっと 黄色い花弁を閉ざして夜風に吹かれている。]
[若い頃を思い出せば、目を閉じて]
(344) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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(「あいつのことで不安だって? じゃあさ、キャサリン」)
(「……一息に吹いてごらん、 ――種が全部飛べば叶うだろうさ、」)
[夜には咲かぬ筈の”別離”の花。]
[時折、村医者が命を救えなかったひとの 墓場に添えられていることがある。]
[それがなぜか、今宵はひとつ咲いたままだった。
その一輪だけを手折り、家に戻ると、 花屋から貰ったマーガレットのうち2本をとる。 枯れぬよう濡れた綿で茎を包み 小さな花束にしてから そっと診療所を出た。 足は墓場へと向く**]
(345) 2015/05/12(Tue) 18時頃
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Nearer, my God, to Thee, Nearer, my God, to Thee,Nearer to Thee
[ わが神よあなたのおそばに、あなたのおそばに ]
―― 願わくは。願わくは。
[ 死者を天へと希う うたは 闇の中へと 繰り返し
たなびくオーロラのように波を描いて宇へ消える。
わたしの母も メアリーのお母さんも 別け隔てなんて必要ない。
こどもは皆、おかあさんが好きなのだから ** ]
(346) 2015/05/12(Tue) 18時半頃
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―診療所― [赤から青へ、色の変わっていく室内。 色が変わると人の表情もまた変わってみえる。 >>335この時のスティーブンは、どんな表情だったか。 あまり表情を、変えない人だから。]
…人狼族のために?
[犯人はこれから探されるのだろう、そんな予感はあった。 族長は、そういう人だ。 >>336小さな吐息に、思わずそう訊いてしまったが、 それには応えはあったのか。]
(347) 2015/05/12(Tue) 19時半頃
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……うん。 そういうのはさ、 できるだけ避けときたいよね。
[短く、綺麗に研がれた爪は縁を撫でても 引っかからなくて心地がいい。 つき返すことになった治療費に >>337何か言いたげな顔は確認できたが、 他に手持ちがなかったので我慢してもらうしかない。 文句も言わずに爪まで切ってくれたことには、 本当に感謝をしているのだから。]
(348) 2015/05/12(Tue) 19時半頃
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