212 冷たい校舎村(突)
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[ 胸ぐら掴んだまま、橘を見据えていた。
―― 怖い って。 そう なんだろうか。 屋上に来るまでに らしくないところがありすぎて、 自分で理解が追いついてない。
分かることは、怒ってることと この手を離してたまるか って 冷えた手に力を込めていること。 ]
(213) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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[ ―― 力が 緩んだのは、 目の前の橘の瞳が、揺れたから>>198。
あれ、って そんな反応をしたのは、きっと自分もだ。 風に煽られる前髪の下 ぽかん と した瞳を向けて、 その表情のまま、声>>201を 聞く。 ]
(214) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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お前が、また 何かやらかしたら こうして怒ってやるよ。 怒って、泣いて、叫んで、 みんなで …話そう。
(215) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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―― そういうもん だろ。 友達 って、
(216) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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[ ともだち。 たった四文字なのに、舌が上手く回らなかった。 改めて言うと、どこか恥ずかしくて、 ああ、でも…悪くは ないなあ。 ずうっと憧れていた存在を、 此処でようやく、確かめられた、ようで。
つんとしている鼻をすする。 気を抜くとつられて泣きそうだ。 ]
(217) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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[ …でも、無事を本当に確認するまで、 気を抜けない、って 耐えていた。 ただ それでも、そのつもりでも 張り詰めていた空気が無くなっていたんだろう。 雪の下では寒すぎる格好に、 ―― 寒。 と 自覚する、今更。
ブレザーは有り難く背にかけられて>>205。 ( …俺のじゃあ無いけど、我が物顔。 )
そうして、手が、取られる>>207。 離されて一瞬焦った、けれど。 …ちゃんと 取って もらえた。 ]
(218) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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[ 立とう。 滑らないように 友達の手を取って。 ちゃんと、帰れるように。
これからに、向かえるように。 ]
(219) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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[ 握られた手を、じいと見て、 それから この世界の主、…じゃあ 無い。 友達 橘理一>>208の顔を もう一度見てから、 ]
――― うるせ、
[ 空いている手で、かるく、腹を叩いた。 だって、お前 正面に立ってるからさ。 表情? ちゃんと 目元から、笑えていたって。 口元も なんだよお前って言いながら、 自然に口角が上がっていた。
らしい?らしくない? …どっちでも、いいかな。いい、よな。 ]
(220) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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[ 白い景色を 見渡して。 ]
―― あ、入間に上履き、…って …保田 お前靴下なの。
[ 今更気付いた、って 顔。 早めに、戻ろう。きっともう、痛いレベル。 三人 フツウの高校生みたいに 並んで。 投げられていた上履きが入間の物と分かれば、 彼女の元へ歩んで>>212、履くのを待とう。 ]
(221) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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[ と、 ―― きっと、その時。 声が 聞こえたから>>209。
振り向いた。
…ばっちり聞こえるんだよなあ これが。 その上、口を開いて、 冷たい空気を吸って、風に音を乗せるんだ。 ]
(222) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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[ ―― こういう時、なんて言えば正解?なんて。 そんな意味の返事じゃあ ない。 俺が、俺の意思で笑みを零して 俺が、俺の意思で声を出す。
そういう 言葉。 ]
(223) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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―― どういたしまして。
[ いつか、俺の友達になってくれた、ひとへ* ]
(224) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/03/19(Sun) 21時半頃
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[お人好しだけど案外ワガママな那由多>>193 しっかりしてるように見えるけど案外繊細で怒ると怖い通>>197 ふわふわゆるゆるとしてるけど案外男前な、私>>201
私の前にあったのはいつぞやのように浮かべられたコマドリさんの笑顔ではなく、歪んだ表情>>199 不器用だけど、ある意味純粋なあなたにはきっとこれだけ個性あふれる仲間たちがぴったりだと思います。
突き放すような言葉を添えながらも、どこか様子を窺うような理一は、ちいさな、ちいさな、同じ子どもに思えて]
それでもいいよ。 また一人で抱え込んでうだうだ悩んだ時は、上履きでしばいてあげる。
[笑みを一つ。 帰ってしまったみんなのことも思い出しながら怒られてばかりの理一を認めて、許すような発言を一言、添えて。 お客様に向けるにはダメダメな赤い目元でみんなにはにかみました]*
(225) 2017/03/19(Sun) 21時半頃
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[那由多と通の手を持って立ち上がった理一を見守っていました>>207 たった三文字の言葉>>208 だけども何よりも特別に思えました。 いつのまにか頬は焼けるように熱くて、外の風が冷たく感じました。
そんなことを見透かしたかのように那由多が声をかけてくれたものですから>>211]
那由多、ありがとう。 でもほら、那由多も寒いでしょ。 通からのだけど、どうぞ!
[手を差し伸べてもらえた通りに上履きを履いて、靴下で頑張っていた那由多にブレザーを返すのです。 飴玉入りのブレザー>>78をそっと。 その時、那由多の背にかけたのは、何となく通とお揃いにしてみたくて>>218
あと、なんかヒーローみたいでかっこよくないですかね。 すぐに隠れられるような透明を好んでいた私が残した色(こせい)でした]
(226) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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[きちんと靴を履いて通がこっちに来てくれた時>>221には、安心しきったかのように笑いかけましたね。 それから、那由多を見て、理一を見て。
聞こえた声>>209に対する反応としては、そうですね]
大切な…ともだち、だからね。 とくべつ。
[くさいセリフを一つ吐いて誤魔化すように口角を上げました。
きっと、じょうずに笑えてはいなかったと思います。 それでも、滲んだ視界で見るこの世界は、きらきらと綺麗で、 共にこの場所で過ごしたみんなとの、あたたかさを知った、ゆるーい笑顔、だったでしょう]*
(227) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/03/19(Sun) 22時頃
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[ぱちり。目を瞬く。 それから、へへっ、て情けない声で笑ったんだ]
通に怒られンのは、もう御免だなァ。
[>>216 ともだち。 案外そういうのって、中々口にしねェよな。 暗黙の了解みたいなところがあるから。
でもいざ耳にすると、恥ずかいけど、 ちょっと、いや結構、嬉しいもんだな]
(228) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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[それから、通の手も取って、 立ち上がったら、腹パンが飛んできた]
ちょ……俺、両手塞がってンのに その仕打ち酷くない?
[なんて、冗談めかしながら咎めるけど、 前髪の奥の目と口元がちゃんと笑えてたから、 まァいいか、許そう、とか偉そうな事を思う。>>220]
(229) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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[ 思ってたんだ。けど、]
上履きは結構痛ェからやめようなァ……?
[>>225 さらっと入間が笑顔で言ってのける。 コイツ、多分、マジだ。
いやもう、アンタらさ、 こんな奴らだとは思ってなかったよ。 ここに来るまでサ。
でも、それも悪くねェなって、 俺は入間に返すように笑うんだ。
接客するには、赤すぎるお揃いの目元を向けながら]
(230) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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[でもサ、アンタらホント耳聡すぎンだよ。
ほとんど独り言のつもりで言った言葉に、 那由多はこっち見て笑うし、 通と入間からも返事があったし、さァ。
俺はバッチリ聞いてたのに、 照れくさいから聞こえないフリをして、 誤魔化すように鼻をすすった。
そして、みんなが着てるものの 物々交換をしているのを見ながら、 俺はふと、通の方を見遣って手を引く]
(231) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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通。
俺、分かったよ。 俺を俺たらしめるもの。
[さっきは「そんなもんねェ」って言ったけど、 その答えを手に入れられたから。 俺は通を見て、笑った]
(232) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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―――――― アンタらだよ。
[この先、生き返っても、 俺はきっとまた間違ったり、悩んだりするだろう。
でも、那由多や通や入間から貰った言葉があるから、 その言葉を芯にして、俺はこの先も立ってられる。
無いものねだりしなくても、もう大丈夫だ]*
(233) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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[ 入間の男前な宣言、とか。 ヒーローっぽくなった 保田の格好、とか。 それらを聞いて、やっぱり自然に笑っていて。 準備を終え、校舎に戻る、前に。 ]
(234) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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[ もう一度、 今度ははっきりと、声がかけられたから。 引かれるままに、橘を見よう。
振り向きざま、 ―― あ、前髪 切ろう。 …って、思えたのは どうしてだろう。
心境の変化、か なんなのか。 不思議な心地になりつつ あのとき貰えなかった橘の答えを、聞く。 ]
(235) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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[ 答えを聞いて 思う。
俺を俺たらしめているものは、 絵都さんの呪い、―― だった。 今までもこれからも、そうだと思って、いて。
だけどきっと、これから。 俺を俺 たらしめてくれるものも、 ともだち というものになるのだろうという …そんな確かな 予感。 ]
(236) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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…ほら、お前 ちゃんと、見つけられただろ。
[ な?って、 こどものように 笑った* ]
(237) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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―病院:ロビーへ―
[天ケ瀬に手を振って、
再び駆け出した病院への道。
玄関にまだクラスメイト達はいただろうか、
いたなら挨拶すれ違いざまに声を掛けて――そういう雰囲気でなさそうならすり抜けたけれども。]
――たかし!
[ばたばたと騒がしい到着だ。
膝に手を当ててぜいぜいと肩で息をする。
冷えた空気は喉に痛く、げほ、と小さくせきこんだ。
それは小さなつぶやきよりも少し後。
――能久昴はやっぱり何も知らないで、
泣きそうな顔をしていた。]
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[みんなと一緒にこの校舎を出よう。 現実世界に帰るために。
―――― そう思っていたんだけどさァ。
校舎の中に戻るために 屋上の階段に近づいて、気付く]
…… ヤベ。階段、崩れてる。
[電飾とか廊下の電気が壊れて、イカレた時から、 もうこの世界長く持たねェなァって思ってたけど もう少し持ってくれてもいいジャン。 頑張れよ、俺]
(238) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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[ …… なんて、言ってる場合じゃねェ。
このままだとみんなと一緒にお陀仏だ。 それだけは絶対に止めねェと。
だけど、中に戻れねェなら……どうする? 考えるまでもなかった。一つしかない。
掴んでいた右手と左手に力を込めて、 それから入間の方を見て、 こっちって言いながら、足を進める。
その先は、フェンスも柵もない、屋上の淵。 察しのいいヤツなら気付くだろう。 このあと俺がなんて言うか]
(239) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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―――――― よし、飛べ。
[そんな無慈悲な宣言を一言。
躊躇するようなら背中を押してやろうかって、 そんな事を思いながら、三人を見据える。
大丈夫だって。死ぬためじゃなくて、 生きるためにここから出るんだからサ、 きっと上手くいくって、へらり]*
(240) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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