29 Sixth Heaven
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いつかの、蜜柑のお返し。 それと。
――……僕は、貴方たちを。 許しませんし、笑って見送る事も、できない……。
[どんな姿勢でか。 言葉を紡ぐのに、顔を上げる事もできなければ、 語彙に勢いは無く。
倒れこんで居たなら、ゆっくりと立ち上がって。 そのままひょこりと、部屋の外へ出て行こうとする。]
[「どうしても拒むと言うのなら。 笑って居なければ、壊れずに居なければ。 幸せにならなければ、許さない。」
そんな続きは、告げてなんて、やらない。]
(218) 2011/04/23(Sat) 02時頃
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うぉわ!?
[拳が見えたから、行動の意図はわかるが 体当たりされれば、軽業で鍛えられたバランス感覚は 思わずマーゴを撫でていた、手も引き寄せて ムパスを抱えながら寝台に倒れる
話の流れ、パピヨンの考えからすれば 殴られておけば良かったかなと、眉をよせて]
……あー……と、殴りなおすか……?
[と、縺れ込んで倒れたままムパスを見上げて 困ったような表情で緩く首を傾げた]
(219) 2011/04/23(Sat) 02時頃
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ムパムピスは、殴りなおすか、というのには、俯いたまま首を振った。
2011/04/23(Sat) 02時頃
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……マム…パピヨンさん、を。 見かけなかった…?
[部屋を出る前、はたと思いついて。 立ち止まり問いかけた。
返事が返れば、其方に向かう心算で。**]
(220) 2011/04/23(Sat) 02時半頃
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[温厚そうな彼が殴りかかるとは思えなくて。 驚いて両手で口元を覆った]
え、……!?
[と言いつつ、半ば巻き込まれるような形で]
だ、大丈夫……?
[一体何が何やら。 しかし、>>218と紡がれた言葉には真面目な面持ちで]
何度も言った、けれど。 ……許されるつもりなんて、ない。 でも、誰かが私達を罰する権利だって、ないはずだわ。
だから、これは私達の心の問題……。
(221) 2011/04/23(Sat) 02時半頃
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…………ああ。 好きにおもってくれ……
[殴りなしはしないと首を横にふり 許さないと、笑って見送れないと言う ムパスを見上げながら頷く。 それは、任を逃げない人間の当然の権利だと、おもう]
………パピヨンなら、さっき台所でみかけた。
[ゆっくりと立ち上がるムパスを起こすのに 助けることは、してはいけない気がして、できなかった。
戸口での質問には、言葉を使い、脅し 囲い込もうと、己の正義を実行しようとする パピヨンの姿を思い出しながら]
(222) 2011/04/23(Sat) 02時半頃
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……さようなら。 これから今まで私の歩いてきた道を辿る、貴方達。
[過去を奪われた者と、これから奪われる者。 彼らにとって、そんな認識ではないのかもしれないけれど。 成長期を失った少女は、去り行く背に向けてそう呟いた]
いつか、貴方達も満足できる“最期の決断”を……――。
(223) 2011/04/23(Sat) 02時半頃
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…………。
[ぱたりと、今は扉を閉じる。 そして、寝台に腰掛けるとペットボトルを手に取った。 冷たい水が、乾いた喉を潤していく]
手当て……頼んでも、良い?
[蜜柑を食べて一息ついたところで、そう切り出す。 ムパムピスにしてみせたように髪を横に流し、 服の背を少しずり下ろして。
露わになった傷跡は、既に血が固まりかけており。 同時に、嫌な記憶を呼び起こす刺し傷の跡も はっきりと見えた事*だろう*]
(224) 2011/04/23(Sat) 03時頃
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― 個室3 ― [ムパスが立ち去り、それにマーゴが声をかける。 それを、寝台で上半身を起こしたまま静かに見 マーゴがスカートの裾を揺らしながら戸を閉じる 血は乾き、今は部屋の中は蜜柑の香りだけ。]
ん…………あぁ
[手当て。その言葉に頷いて 彼女を寝台の脇に座らせる。 背を向ける様子に、ああ、背中だったのかと 思いながら髪が避けられるのみて。]
(225) 2011/04/23(Sat) 14時半頃
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…………
[白い背中が少し見えて 新しい傷と、 その傷と同じように作られた傷によって出来た跡
さらに、そこに有る……器がなかった為 出来た傷を見る。]
…………痛かった……? オレは、痛い。
[どの傷がか、を聞かないまま フィリップはガーゼに消毒液をしみこませ 一番新しい傷をそっと拭った。]
(226) 2011/04/23(Sat) 14時半頃
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[どのくらいの時間眠っていたのか。そんなに長くなかったのかも知れない。
寝返りをうつ。ラルフは居なかった。]
あふ。
[髪を結い直して部屋を出る。待機室に移動するも、誰も居ないしむこうのメインルームにも人の気配はないようだった。
ソファに座って行儀悪く肘掛けに凭れる。誰も居ないメインルームが映るモニターを見る。]
そろそろ、向こうに行かないか、ラルフに聞言ってみよう。
[ラルフにその意志が無いことは未だ、知らないまま**]
(227) 2011/04/23(Sat) 15時頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2011/04/23(Sat) 15時頃
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―台所― [脅えるよう、僅か退いた背に触れる手>>200に、瞬く。 ――ゆる、とその先を見上げた先。 あおに映った男の顔に、僅かに浮かぶのは困惑の色。
それでも無意識にか、左手首の白に指先が触れた。 随分と容易く千切れそうであるのに、 其れを裂く事すら放棄してきた細い手の持ちうる握力では どれ程力を入れても、それは僅かに伸びるだけで。
きしりとビニールの食いこんだ手首が、赤く痕を残して 「いたみ」を、痛みだと 認知する。 傷を負うのが、久しい訳では無いのに「痛み」を感じるのは随分と懐かしい気がした。
まるで、まるで。 今しがたまで、ぬるま湯に浸っていた様な感覚。
どうして ―――忘れていたのか。 思い出せないのも、それを何て事ではないと思う思考も。 それが、異常だと気付いてしまった。]
(228) 2011/04/23(Sat) 17時半頃
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俺、
[ぽつと、しかし 確かに零れる言葉。 考える事は多すぎて、だからこそ閉じようとする思考の扉を、 手首の僅かな痛みで無理やりこじ開ける。
嗚呼、考える事は――これ程に疲れる事だっただろうか。 思考が遠い。何処か霧が掛ったように。 どれ程に思考回路を動かそうとしても、手応えが無い。 しんどい。投げ出したい。けれど。
「思い出さなければ、つらくもないのでしょうか」と そう言って、青年の頭を緩やかに撫でた男が脳裏に過る。 …その時は判らなくて、ただあおを瞬くだけだった。 でも今なら解る。…そんなこと、ない。
――忘れたら、すごく、痛い。]
(229) 2011/04/23(Sat) 17時半頃
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おれ、――もう、忘れたくない。
[わすれたくない のに。
再び、器として扉の向こうに戻ったら。 今思い出した事も、きっとこの思いもまた手放す事になるんだろう。 ――そうしたら、きっともう取り戻せない事も、 どこか遠くの方で 気付いている。]
…そとに戻ったら、だめなの?
[ゆると、顔を上げる。 表情が乏しいのも、その緩やかな動きも変わらない。 ただ青が、藍を映して緩やかに瞬いた。]
(230) 2011/04/23(Sat) 17時半頃
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[藍が青い眼を映す。 背に触れた手はそのままに。 ビニールに指先を引っ掛けるペラジーの様子を スティーブンは、見ていた。
か細く千切ること常人ならば容易いそれを 「怠惰」に7年、接続されていた青年は 伸ばすことすら僅かしか叶わない。
ぽつり、落ちるような声が聞える。 聞き逃すまいと、 『怠惰』に飲まれないようにと ペラジーの背に触れた手に僅か力が篭る。
もう手が届かないのは厭だとばかり]
(231) 2011/04/23(Sat) 18時頃
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[忘れたくない。
と、小さく零す言葉は確かな意志。 藍の眸、僅かに細められ]
だめなわけが ない。
[しっかりと青色の眼を見、 そう、謂った。]
(232) 2011/04/23(Sat) 18時頃
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…世界は 乱れるだろう 器たる君が接続しなければ 人が本来持つ欲のひとつが 回収されずに戻っていく。
それでも 君がもう一度接続されれば 君の意志はきっともう 「怠惰」の泥濘の中に沈んでしまう
[そしてきっと命絶えるまで、 戻ってはこないのだろうと思う。]
(233) 2011/04/23(Sat) 18時頃
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選択肢がある。 君は選ぶことが出来る。 世界の平和か、己の存在か。
今の言葉は、「君の意志」だろう。 忘れたくないのならば。 ――器として、接続しては、いけない。
(234) 2011/04/23(Sat) 18時頃
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外の世界はきっと厳しい。 君が長らく離れ、 忘れていた痛みも沢山ある。 それでも君が その意志で選び取るのならば、
[そう、それはパピヨンの謂うように。]
私は君を、 私の持てる力を駆使し、 支えようと、考えている。
(235) 2011/04/23(Sat) 18時頃
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…えら んで、いいの?
[目前に提示された選択肢。 僅かに細められた藍に、青が一度だけ、瞬いた。
きっと、少し前の自分なら。 言葉通り何も考えないまま現状を享受して。それすら疑問に思わなかった。 …否。今でも世界の平和がどうなってもいい心算では、ない。 何百、何千、何万。――途方も無い数の人達に 決して善に成り得ない影響を与える事だと、理解っている。 けれども。
…それでも、選ぶことが 赦されるのなら。]
(236) 2011/04/23(Sat) 19時頃
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――…、…おれは。 俺で いたいよ。
[――自分を失いたくない。 失うのが、怖い。
自分が自分でいられない事が、こんなに辛くて、恐くて、 痛い。 漸く取り戻した自分の欠片は、世界と秤に掛けても。 容易く引き換えに出来るほど軽く、ない。
擦れるように細い声は、――しかし確かに。]
(237) 2011/04/23(Sat) 19時頃
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――…
[頷く。 自分勝手な願いも含めて。 「怠惰」のまま、思考を止めていた 歯車が軋みまわりだす音を聞く。]
……そうか。
(238) 2011/04/23(Sat) 20時頃
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[手を触れる。 赤くビニル紐の後を残す手をとった。]
ならば。 …「外」へ。 君が君でいられる世界へ。
[システムはそれを聞いていただろうか。 ネズミは瞬きをせず くるりと柱の周りを回った。]
(239) 2011/04/23(Sat) 20時頃
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― 個室3 ―
[柑橘の香りで上書きされた部屋。 久々の消毒液が少し沁みて、微かに口元が結ばれる]
……痛かった。 心の方が、痛かった。
[髪が邪魔にならないよう俯きつつ手で抑えたながら。 彼の痛みもきっと心の痛みなのだろう、そう思って]
ごめんね……傷つけちゃったね……。
(240) 2011/04/23(Sat) 20時頃
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[手当ての間は言葉少なに、彼に任せたまま。 やがて手当てが終わったら髪を下ろしフィリップに向き直る]
あのね、フィル……。 もう、こんな事したくないの。 でも、自分じゃどうにもできないの。
[一度、俯いて]
胸の中で不安な気持ちが一杯になって。 何かに……縋りたくて。
[どんな感覚なのか、説明する事ができなくて言葉を探る。 そうして、中途半端な沈黙の後に探り出した言葉と共に、 不安に揺らめく灰青を翠へと向けた]
(241) 2011/04/23(Sat) 20時頃
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ねえ、フィル。 抱き締めて、良い……?
[どうにか寂しさと不安を埋めたくて。 彼をしっかりと感じられれば、その不安を埋められるような気がして。
少女は答えを、待った]
(242) 2011/04/23(Sat) 20時頃
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―待機室―
[酒瓶片手に戻ってきたときにいたのは、仮初の相方独りで。 その隣にどかりと、腰をおろす。 手を伸ばすまでもなく、肩が触れ合うほど、近くに]
まったく、いろいろろくでもないですよね。 本当に。
[ぼんやりとうつるメインルームのモニタを見上げながら、呟く。]
リンダ。貴方は人を、他者を信じていますか?
[ラルフの口から流れるには、あまりにもふさわしくない、その言葉の真意は、奈辺に。]
(243) 2011/04/23(Sat) 20時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2011/04/23(Sat) 20時半頃
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― 待機室 ―
[暇でおさげの毛先に枝毛を探していたらラルフが来て隣りに座った。]
ろくでもないのは貴方もでしょ。
[枝毛を見つけてそれを指先で裂きながら返答する。 聞きたいことを口に出す前に質問された。おさげを手で持ったままラルフを見る。]
誰でも彼でも信じてる訳ないじゃない。管理者に選ばれたからと言ってあたしは聖人君子じゃないし。
(244) 2011/04/23(Sat) 21時頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2011/04/23(Sat) 21時頃
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――いく。 …いきたい。
[ぽつと零れる言葉も、緩やかに瞬く青も。――今までと大きな変化はなく。 ただ、それが己の意志だと。そう証明するかのように 取られた手へ、僅かに力が返るのが男には解るか。
――戻るべきではない、と。 …青年にそう告げた女は、その言葉にどのような顔をしただろう。 藍を映していた青は、女の影を見上げるよう緩やかに視線を移す。
その青は少しだけ、怯えるように揺れた。]
(245) 2011/04/23(Sat) 21時頃
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―台所―
……マム?
[ひょこり、と。 フィリップに聞いた、パピヨンの居場所。 複数の気配に、戸口から覗き込む。
会話が成されていたとしても、それらは聞こえていない。
パピヨンが、唇を噛み悔しそうな様>>202であったなら、 心配そうに眉を寄せ、その手を握り込んだ。]
(246) 2011/04/23(Sat) 21時頃
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[左肩、深くはないが周囲の瘡蓋から 何度も繰り返された傷。 本来なら、あちら側で、つく傷。 消毒を終え、新しいガーゼを当てる。 肌にガーゼを固定する絆創膏は 細く、簡単に千切れる、紙製。] ……そっか…… [俯きながら説明を口にするマーゴ。 今回は見知らぬ外の世界への不安で揺らいだ。 6歳から閉じ込められ、負の感情に晒される。 いくら、言葉で理解できても いくら、言葉で決断できても 土台は、とても脆い、のだろう。]
(247) 2011/04/23(Sat) 21時半頃
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