278 冷たい校舎村8
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……、
[ その先を、言わせまいと 阿東くんを見て左右に首をふった。>>57
だって、こんなに動揺しているまなちゃんへ もっともっと、不安を煽ることになっちゃう。
だから、私は君が言えない言葉を言おう。>>61 ]
(289) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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大丈夫だよ、まなちゃん ……なっちゃんはどこかにいるよ
[ 声を震わす阿東くんにも、微笑みかける。 そうして、縋るようにくっつくまなちゃんの頭を>>151 そおっと、優しく撫でたなら。
もうひとつ増えた影にも笑いかける。>>96 ]
きたなかくん、これはなっちゃんじゃないよ
[ 阿東くんに同調するように左右に首を振る。>>138>>94 そう、だれも死んでない。大丈夫だよ。 お化け屋敷みたいな、ものだよ。 ]
(290) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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……あ、ほんとう このままじゃ、まなちゃんも汚しちゃうね
[ 薄らとまぶたが開いて、心乃の黒目が覗く。 洗った方がいい、って言葉に。>>159
そうして、教室へ戻るというまなちゃんの背中。 ふらふらしていて、心配だったから、 そばにいるふたりに目配せをする。 でも、それが伝わっていたかわかんないし、 そこにいるふたりも、いつもと違っていた。 ]
(291) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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きをつけてね、まなちゃん
[ いつも、だったらついていっていたけれど 汚れてる私は、ぬちゃと掌から音をさせながら 彼女の背中を見送るしか、できなかった。* ]
(292) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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―― 現在 / 廊下 ――
[踵を返す俺の背に辰美から掛けられたのは、 いつもみたいな「ブサイク」って 罵倒の言葉ではなかった。
無理しなくていいから、という声音>>125には 辰美の諦念とか、そういった感情が 入り混じっていた。
何だか、無性に腹が立った]
(293) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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[俺なりに覚悟を決めて、男子の制服を着たのだ。 辰美は礼一郎と違って、 フツーに男の格好してる俺を見るの 久しぶりだろ、と思う。
そのうっすい反応はなんだ。 俺の格好に感想とかないのか]
(294) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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[冷静に考えれば、 それは辰美が俺を見た目で判断してないってことだし、 俺自身にとって歓迎すべきことのはずなのだが。
今の俺には、冷静に物事を見る余裕が まったくなかったんだ]
(295) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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[自分の見た目に囚われてるのは、 本当は俺自身だったのにな]
(296) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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ほんっとおまえ、 微妙なオトコゴコロが分からねえ奴だな。
無理して前向こうとしてるんだから、 友達だったら黙って応援しやがれ。 ばーかばーか!
[餓鬼みたいにわめいて、駆け出した。 結局、俺は誠香だけではなく 辰美にも甘えているんだ]*
(297) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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―― 現在:地下1階 ――
そりゃそうだよねー。 知ってたら、辰美がこの校舎の主説が 爆誕するところだったよ。
[ 誠香のぼやきに返ってきたのは、 とても端的な答えだった。>>276 ですよね。知ってた。シンプルイズベスト。
大は小を兼ねるというのにも限度があると思います。 それに、拡張するならもっと快適空間がいいです。 掃除当番が大変です ]
(298) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ 足をとられるなよ、と辰美に言われて、>>277 誠香は連城に顔を向ける ]
だって! 気をつけろよ連城!
[ さっきといい>>279 今といい、 誠香はいかんなく自分のことは棚に上げた。 わいわいと騒ぎながら歩いていると、 ちょっとだけ楽しいような気すらしてきた。 大人数の安心感ってすごいなと、 誠香はそんな風に思っていたのだ。 それなのに ]
(299) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ 生臭い匂い。 赤い液体。 連城は気のせいと言ったけれど、>>283 誠香はインクだと主張したけれど、 そうだな、なんて返事を辰美は返さない>>280 ]
上?
[ 辰美の呟きに、思わず誠香は天井を見上げる。>>282 天井にも、やっぱり赤インクが飛び散っている。 それでも、今はあまり気にならなかった。 天井のものはインクだとわかっているだけよかった ]
1階ってこと? ここはニセモノの1階だから、 本当の1階に本物があるってこと?
[ 本物の何があるというのか。 それは恐ろしくて、とても言葉にはできなかった* ]
(300) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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私、手を洗ってくるね
(301) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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──現在:1階廊下──
[ ……冷たい。 凍ってしまいそうなほどだ。
心乃の身体とは正反対に、 掌に当たる水は、あまりにも冷えている。
体育館前にいる二人へ別れを告げた心乃は、 現在、手洗い場にいた。
じゃー、っと音を立てて流れる水と共に、 掌についている赤は流れていく。 ]
(302) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ 冷たい。 身体は熱いのに、心臓の奥が冷えている。
赤色が消えていくたびに、 死=@というものへの意識は、色濃くなった。* ]
(303) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ 笑う。笑顔。ほほえみ。 ]
(304) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ ─── 愛宮心乃が笑う理由。
愛情から、平和がうまれる。 ほほえみは、愛情をあたえる。
ほんとうに、ほんとうに? ただ、平和をねがうばかりのことだった? ……たのしくなくても笑ってみたり、 くるしくっても笑ってみたり、 まるで、義務のようになってはいなかった? ]
(305) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ あの日、撮影した記念写真。 おそろいのポニーテイルに揃いの衣装。 なっちゃんやせいかちゃん、 まなちゃんにちーちゃん。 女の子たちとは一通り写真を撮って、 あとはクラス委員組でも撮れたかなあ。
打ち上げは、たのしくて。たのしくて。 しあわせだなあ、恵まれてるなあって、 心乃は思っていたし、思ってる。
頬はゆるむ。へにゃへにゃに。 写真の中の心乃は笑っていた。いつも通り。 それはもう、無表情と同じくらい同じ顔で。 ]
(306) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ ───ただ、 ]
(307) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ ふりふりは、なくなっていた。 ]
(308) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ いつから無くなっていたのだろう。
打ち上げの時の写真、───ない。 劇が無事幕を閉じた時、──ない。 最終チェックの段階、───ある。 朝一の準備の時、─────ある。
きっと、なくしたのはそのあたり。* ]
(309) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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自分がなんなのかって、自分じゃわかんないよ……。 他の人にどう見られるかを、気にして、 ずっと気にしながら生きていくんだよ。 ……生きていかなきゃならないんだよ。
[……って、思ったから。>>236 彼女が自分を人間だと思えないなら、それを否定する言葉も無い。 わたしにはおんなじ人間に見えるよって伝えるしかなくて。
他の人がわたしをどう見ているか、 どう噂されているか——を、気にして生きていくの、わたしは疲れたから、 どっちにしろ、どうしようもない話なのだけど。]
ううん。やめたくなったらやめるよ。わたしも。
[>>237わたしのことはいいよ、と今は思ったから。 首を振って、言うことを受け入れなかった。]
(310) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[終わった後の打ち上げの約束には頷いて。 ——その気持ちは、今は本当だったから。嘘じゃない。]
1階のほうで何かあったのかな。 ……ちょっと探してくるね。 何か見つけたら、教えるから。
[少し歩みを早めて、階段を下りようとする。 音の出所は、大体の方向しかわからない。 だから一緒に探すよりも手分けをしたほうが早いか、 どうせそんなに離れてもいないから、と思って、 千夏ちゃんの顔を見て、そう切り出した。*]
(311) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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――現在:地下一階――
[人はそれをびびっているというのだ。>>278
びっくりしただけだし!という連城を見て 辰美はそう思ったが、 追求しすぎるのもどうかと思ったので そこまでにしておいた。
びびった連城とびびった福住のやりとりを聞きながら 元気だなあ、と思ったりもする。>>279]
(312) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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―― 現在 / 廊下 ――
[駆けて、駆けて、駆けて。
目的地なんてなかった。 ただ気まずくって、 辰美から逃げたかっただけなんだ。
1階の廊下で心乃の姿>>302を見かけた俺は、 走るのをやめて、ゆっくりと彼女に近付いた]
(313) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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まあ、そこに手がかりがあるならな。
[ホラーゲームならば探索した結果 物語の真相に辿り着けるような何か、が手に入るはずだが この空間がどうかはわからない。>>281
そう考えながら地下の廊下を行く。]
(314) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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……大丈夫か。顔色、悪いぞ。
[手洗い場で手のひらをすすぐ心乃の肩を、 ぽんと軽く叩く。いつもの調子で。 そして、排水溝へ流れていく赤に目を見開いた]
ちょ、っと。それ。 怪我したのか?
[今度は、俺が顔面を蒼白にする番だった]*
(315) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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まじかよ。 死なねえよ。殺すな。
[と、辰美は軽口めいて 福住が言う「校舎の主説」を否定する。
こういう空間だから―― 否、こういう空間で三人いるからこそ、 どことなく冗談ばかりが口をついた。 校舎裏組だな、となんとなく思った。
後ろの方で福住と連城がじゃれるような声が聞こえる。 だから、辰美は少しだけ油断していたのだ。>>299]
(316) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[気のせいでしょ、に 肯定を返すこともまたできなかった。>>283 1階ってこと?と聞かれて初めて辰美は頷く。 無言で天井を見上げ、踵を返した。>>300]
偽物。そうだな。ここは偽物だ。
……俺。ちょっとこの上見てくる。 もしかしたらヤなもんあるかも。……だけど。
お前らは……
[どうする、と辰美は視線で問いかけて、 そのまま来た道を戻り、一階へ行こうとするだろう*]
(317) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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CC レイは、メモを貼った。
2020/06/16(Tue) 22時頃
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── 現在:廊下 ──
[ 待て。と言われても、>>286 喜多仲郁斗は犬ではないので待てない。
あーちゃんが居るなら分かるはずだ。 と、いっくん……じゃなかった。 郁斗は、思う。
それなりの速度で走っていても、 教室の片隅に居たとしても分かる。 と自信を持って宣言できる。 少なくとも、自分の夢の中ではそうだった。 ]
(318) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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