35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/08/20(Sat) 01時半頃
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ああ……すみません、気が急いてしまって。
[整理する、と言われて、感情の赴くままに話していた事に気づいた。 確かめるような言葉には、一つずつ、頷いて]
……そういう事に、なります。
[忘れている、という言葉に、小さく頷いて]
……身勝手な事をしている、とは。 私も、今だから、言えるのですが……。
私は……既に、『帰る』事自体を捨てた身。 故に、こうして事情を口にする事もできます。
……それすら叶わずにいる……大切であろう人たちに、真実を告げられぬ『彼ら』の心中……どうか、お察しください。
[言いながら、深々と頭を下げる。 物言いが、随分と身勝手なのは承知の上で。**]
(209) 2011/08/20(Sat) 01時半頃
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[拒否はされなかったようなので、隣に腰をおろして
志乃の視線の先を、追ってみる
そこには、窓の外の景色しかなかった]
お祭りが終わった後、私がここにいられるかわからないもの
[それでも、笑顔で返された袋を受け取って
夕ちゃんに、残してあげようと思った]
…――――
志乃せんせ、強いんだね
夕ちゃんと、おんなじだ
でも、私は、寂しそうだと思ったよ
[私の想像が、正しいとして
その気持ちの解消の方法を、私は知らないから
どうしてあげる事も、出来はしないのだけれど]
落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/08/20(Sat) 01時半頃
んと、それはきっと
忘れてるんじゃ、ないかな
夕ちゃんと、おんなじで
[空を見上げる、視線を追ってみた
私は、記憶操作をする立場である
だからこそ、何かを忘れているのでは、と思うのだが]
この世界から、完全に、痕跡を消す事は出来ないんだよ
何かを忘れてしまっても、心や体、景色の中に
小さな、傷が残るの
寂しさは、心の傷なのかもしれないね
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……ふむ。真面目だな、一平太。
[ふ、と表情を崩して。続ける。]
私はね、一平太。真面目に見張る気はあまり無いんだ。 いや、夜の海岸は危ないからそういう意味では見張るがね。 団十郎には悪いが……もし、未来人とやらが本当にいる場合は、見て見ぬふりをしようと思っている。
[目の前の彼の表情はどんなものだっただろうか。]
だって、そうだろう。 もし、通せんぼされて家に帰れなかったら困るだろう? ……私が、事前の知らせもなく祭りの日に帰って来なかったら。一平太、お前はどう思う?
[ふぅ、と息をついて。]
そんな不真面目な見張りだが、それでも一緒にやってくれるなら嬉しい。どうする?
[笑って、問うた。終わった後には焼き鳥くらいは残ってるだろうと付け足して。]
(210) 2011/08/20(Sat) 01時半頃
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[答えが返るまで何故だか間があった。>>202 相手の視線は僅かに伏せたられたまま。 自分の質問は、兄と弟とを重ねた嫌な質問とも言える。 だから、思う所あった故の反応とも受け取れるのだけれど。
いつの通りの真顔に、わずかに瞳を揺らして。]
―――そう。 ずっといてね。約束。
[髪結いの勢と指切りげんまんした時と 同じように、片手の小指をつきだして。
しかし今度は、 先ほど寝癖のたっていた一平太の髪に、強引にでも小指を絡めて ひどい一方的な、ゆびきりげんまん。
そして、ふわりと笑んだ。]
(211) 2011/08/20(Sat) 01時半頃
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……忘れちまってる、のか。……そうなのかよ。
[ざわざわと葉擦れの音が、胸の中に響く]
そんなら、尚更。 仁右衛門との約束たあ別に、俺が、そいつらを……帰らせたくねえって言ったら。 思い出ごと消えられちまうなんて、まっぴらごめんだって言ったら、どうするよ。
[問うてはみるけれど、その語調は弱い]
っかやろ……頭なんか、下げるんじゃねえよ。 わかってんだよ、んなこたあ。
[昨日、海辺で。大人になっても、ずっとこの村にいると答えた一平太。 それが叶わぬと知りながら、問われる度に、そう答えなければならない、「彼ら」を思う]
ちきしょ、身勝手なのは……どっちだよ。
[ぐしゃぐしゃと、頭を掻いた**]
(212) 2011/08/20(Sat) 01時半頃
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船大工 団十郎は、メモを貼った。
2011/08/20(Sat) 01時半頃
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[それからは男たちが話す様を他所に、 広げた向日葵の刺繍の施された手布を少しの間、再度眺めていた。
――手縫いの、向日葵。
倒れたばかり、病みあがりだった筈の、おみつ。
それにも関わらず、 自分に合わせた刺繍をしてくれたのだと… 何故かそう、おもえた。]
ほんとに、おみつさんは手先が器用なのね。 ……わたし、お礼を言わなきゃね。
(213) 2011/08/20(Sat) 01時半頃
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なんですか…それ…。
村を出て行くにしても夕も一緒でしょう、それなら…。
[ここにいられるか分からない。
仲良しだった双子が離れ離れになる。
そんな風に聞こえてしまった。]
強いんだったら、こんなところでそら見てないですよ…。
いろんなことの、なんで、を知りたい。
そう思うのは弱いからです。
[趣味と銘打ってはじめた会議。
でも、それは自分の気を紛らわすためのもの。]
……は?忘れてる?
いったい、わたしが何を忘れてるっていうんですか…?
[酷く、いらついた。]
寂しさは心の傷なんかじゃない……。
心の傷を表すなら、絶望。
寂しさはその心の傷が化膿して塞がらない痛み。
…朝に何が分かるっていうの…?
何を知っているっていうの…?
変な想像で話するのは…やめてほしい。
完全に痕跡を消す、って何?
その言い方だと、誰かがそうしてる、ってことみたいじゃない………、ですか…。
[最後の語尾は消えそうになりながらも。]
…ご、ごめんなさい…。
[そうして、口を閉ざす。]
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[刺繍の向日葵の花へ、頬ずりした。 そして、懐へと手布をしまいこむ。]
[団十郎が席を立った際には、お辞儀をして見送っていただろう。
それから自らも席を立ち、 別れの挨拶をのこして客間を辞したのだった。]
―鳩渓堂→―
(214) 2011/08/20(Sat) 01時半頃
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―――――――――…えっ。
[真面目に見張る心算が無いと朧>>210に言われれば、きょとんとして瞬いた。 まして、未来人がいても見て見ぬふりしようだなんて]
…そう、ですね。
兄様が戻って来なかったら、心配です。 私の方から、都へ駆けだしてしまうかもしれません。
[緊張が解けるのと同時、急に何だか情けなくなる。 それは必要の無い嘘まで吐いて、見張りをくぐりぬけようとした自分に対して]
兄様は凄いですね。未来人さんの気持ちまで思い遣れて。 本当に、凄いなぁ…。
[何故か泣きそうになったから、少し俯いてごまかした。 昔からの癖だから、兄にはばれてしまったかもしれないけれど]
(215) 2011/08/20(Sat) 01時半頃
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ええ。是非、御一緒させてくださいな。 そんな緩々とした見張りなら、尚更歓迎です。
[同じく、今度は顔を上げて笑う。「焼き鳥楽しみです」と呟きながら]
(216) 2011/08/20(Sat) 01時半頃
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日向は、ゆっくりと、神楽邸のほうへ。
2011/08/20(Sat) 01時半頃
お互いに、同じ願いを抱いても
それが形になるかはわからない
そういうものでしょう、世界って
離れ離れになって、二度と会えないかもしれない
私にとってのお祭りは、別れるか繋がるか、決まる日なの
[お菓子の袋を、ごそごそ
あまいもの、何かないかなぁ、と思いながら]
知りたい事を知ろうとしたら、傷つくよ
世の中には、知らない方がいい事の方が多いんだ
それでも知りたいと思えるのなら
それはきっと、志乃せんせーの強さだと思うけれど
ああ、駄目か…。
[あれから2、3回押し込もうとして押し出されて結果力及ばず座している。必死さから彼らの表情の変化をうかがうことは出来なかった。]
ぬ…かくなる上は。
[この村に来て主に刀から鍬に持ち替えたとは言え、刀そのものを捨てたわけではなく、それを差していることもある。
たった一度だけ使って、その後もう二度と使うまいと決めたそれに手をかけようとして。また手を離した。]
やめろ。
それだけは駄目だ。
それこそが駄目だ。
[息を静かに整える。]
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約束…。
[小指を突き出した少女>>211。けれど、その指の向かう先は]
――――――…わわっ!
[戸惑っている間に、指と髪は指切りを交わす。 ぴょこん、と間の抜けた風に立っている髪が、笑うように微かに揺れた]
日向様!?
[慌てて顔を上げれば、日向は柔らかな笑みを浮かべていた。向日葵みたいな綺麗な笑顔]
……ありがとうございます。
[髪の毛を抑えつつ、思わず零れた声。 やがて手布を大切そうに仕舞う様子にはほっと息を付き。去っていく少女を見送った]
(217) 2011/08/20(Sat) 02時頃
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どうだろうね、誰かがそう、しているのかもね
少なくとも私は、なんで、の回答を知っているけれど
それを語る事が出来ないの、ごめんね
[ごめんなさい、と言う志乃先生
私は、傷ついてはいないけれど]
答えを知ったら、傷ついてしまうし
答えを聞いたら、苦しんでしまうし
答えを覚えたら、忘れてしまう
それで構わないなら、教えられるけれど
どうせ、夕ちゃんには話してしまったし
一人も二人も、かわらないものね
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はっは、都まで何日かかると思ってるんだ。 心配してくれるのは嬉しいが、その時はゆっくり来てくれよ?
[私の方から駆け出すとの言葉を聞けば、思わず笑ってしまう。]
ふふ、お前の兄だからな。 少なくとも、どこかで自慢できるように努力しているよ。
[そう言いつつも、俯く一平太に困ったように笑う。 日向がまだ傍に居たかもしれなかったから、言葉には出さなかったものの。先ほどのやり取りが、普段の弟が涙を流すような事ではないのは感じていた。]
……そうか。 お前も大きくなったし、自分のことは自分で決めれるよな。
ああ、だったら先に屋台で好きなモノ買ってから行くか。 仕事の後の焼き鳥もいいが、それだけじゃ足りないだろう?
[楽しみだな、と笑ってみせた。 ……できるだけ自然に。笑って。]
(218) 2011/08/20(Sat) 02時頃
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…わたしは、この村のことしか知りません。
せかい、なんて言われても分からないわ。
この海の向こうのことを言ってるの…?
朝ちゃんは、ガイジンさん…なのかしら…?
[少女が話す内容のほとんどを理解することができずに頭を抱えた。
必死に搾り出した答えは、海の向こうに帰るというもの。]
傷つくから知らないは理由にならない。
知らないことで傷つくから。
それは強さではなく、人の欲です、きっと。
……朝ちゃんの言いたいことがわたしは分からないです…。
[お菓子をごそごそとしている姿を見ながらそう告げる。]
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