255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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PPP イルマは、メモを貼った。
2018/12/08(Sat) 01時頃
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早く……知らせ、ないと
[だが、これ以上は動けない。 捻挫だけでなく煙が喉を荒らして息継ぎすら痛く、 外に逃げはしたが、部屋の真ん前で熱風が頬を焼く。
それに、やけに眠い。 眠いのに栄養剤の余韻が未だ残って、 起きているのか眠っているのか曖昧な意識が揺らぐ中、 手の中に端末があることに今更、気がついた。>>168
通話を押して、まずは子供たちに唯一預けてある端末。 しつこくコールし、寝ぼけた声に外に逃げろと伝える。 混乱するだろう。何故、という声も後ろから聞こえる。
けれど構わす切って、次は火事を知らせる番号へ]
(188) 2018/12/08(Sat) 01時頃
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[それが通じたかは分からない。
誰かが出たような気がするけれど、 意識はそこで途絶えて、闇の中へと落ちていく**]
(189) 2018/12/08(Sat) 01時頃
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や、ぎ………?
[てっきり、鶏程度と思っていた。>>175 家庭で裁く程度を考えて。 ただ、花屋なれば切花を揃えたりするのに 広い流しは必要で、その設備はあるといえる。 解体に不可能ではない――でも。]
っああ、……言って、なかったな……。 その、嫌がらせをされたって言ったろう。 山羊の頭を知らない男に押し付けられて。
だからあまり………
[いくら美味しいと言われても、 フローラには悪いが食欲は更に下回った。]
(190) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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[眠る前に薬指の指輪に触れる。 あの人は今、どうしているだろう?
きっと生きている。 だって、私を残して死ぬはずがないもの。 そうでなければ――]
…………。
[あの日、また会えると。 これからもみんなに笑顔を与えるんだと。 そう信じて、笑顔で見送って。
耐え忍んで来た私が、もう、耐えきれない。 それだけが私の心の支えだったから]
(191) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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[だから――]
きっと、すぐに会えますわ、あなた……
[そう呟いて、眠りに落ちて。
落ちて――、
階下で、物音が聞こえた気がする]
ん、ぅ……?
[なんだか、嫌な匂いがする。 汚物のような吐き気のする匂い。 もぞりと、ベッドで身じろぎして目を覚ます]
(192) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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[怖い、怖い、怖い――、 でも、確認しないわけにはいかないだろう。 震えながらも起き出して、 階段を下りて、一階の調理場へ。
明かりを、付 け て――]
ひっ……、いやああああああああ!!!
[悲鳴をあげてへたり込む。 調理場の惨状に目を覆う。
血の海だった。 調理台にも綿棒にも、カウンターにも! 木製の道具が使い物にならないほどの、血! 血が塗りこめられて、撒き散らされていた]
(193) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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[そう、カウンターにも。 飾られたあの人と私の写真に突き立ったナイフ。
それを見れば、必死の形相で駆け寄り取り縋るの。 へたり込んでなんか、いられなかった。 大切な思い出、私の心の支え――]
ひど、い……!
[震える手で写真を手に取るの。 写真にも血が染み込んで赤黒く浸食されていく。 まるで私達の思い出を踏みにじるように。
そうして写真は赤黒く塗りつぶされた]
(194) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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[怒りで手が、震えて。 でも、ナイフで固定されていた便箋。
そこに書いてある文字に、息を呑むの――]
うそ、嘘よ……!! あの人は死んでないわ!! 死んでなんか、いないわっ……!!
[激情で荒れた文字に叩き付けるように、叫ぶ。 ――それは悲痛な、悲鳴になる。
ねえ、どうして知っているの? あの人が倒れて死んだなんて、 どうして――知っているの?]
(195) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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嫌!!嫌嫌嫌いやっ!!いやあああああ!!!
[写真立てを思い切り放り投げる。 ガシャンと――、割れる音がした。
私の心のように。 脆く、儚く、砕け散る音がする。
今、怒っているのか、泣いているのか。 もう何も分からなかった。 ただただ、いやいやと首を振って叫び続けて。 泣いて、泣いて、泣いて――]
(196) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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[私の悲鳴に自警団の人が駆け付けて。 何事か宥める声がしても、 ただいやいやと涙を流して泣き続けて、
誰の声も耳には入らなかった。 そうして、朝が来るまで泣き続けていたわ]
お願い、誰か嘘だと言って……、 あの人は死んでない、死んで、いないって…、
[涙が枯れ果てた頃。 血の海と化した調理場で。 私は呆然とへたり込んでどこか遠くを見ていたわ。**]
(197) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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そりゃいいが……
楽しみな割に、浮かない感じするな。 そんなに欲しかったのか?あのメーカーの下着
[贈り物を喜ぶ声色だった。 表情も――― 相手が芸術家でなければ言葉通りに受け取っただろうが。
顔色や挙動から見て、 何処か、気落ちしたそぶりも感じられ メールを返信できないくらいに 落胆していたのだろうかと。]
(198) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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たかが下着だろう? 隠して付けるもんがどうだとか そんなに気にするもんか?
見せる相手が出来たなら紹介してくれ。 発つ前に挨拶はするさ。
[まさか、あの薄気味悪い男とは思いたくないが 大学の同期生、先輩後輩――そのあたりなら。 なにせ、顔を見ておかねば迎えが来てしまう。]
(199) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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[父親を殴りつけるような衝突は、 フローラが生まれる前の話だ、 嫌悪感を表情にも声にも隠せていないのを 指摘する声と笑い声に思わず頬を硬くした。>>176 何かを告げる代わりに一度、奥歯を噛み締め、 続く言葉にだけ、ちいさく溜息をつく。]
いや、敬語は使うだろうよ。 今日の今日でお世話になってんだから…。 お前を一日二日居候させて貰うとは限らねえんだ。 礼金を払うくらいのが筋だしな。 態々食事まで、その…奮発して貰ってよ。
[近所付き合いだから、バイト先だからと まだ二十歳を過ぎたばかりの小娘には、 世間体は解らないのだろうけれど。>>179
花屋の店主が父親より少し若い程度だから 年上相手に頼みごとをするなら 改まらない訳にはいかない、というのもあるけれど。]
(200) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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……………。
[だから―― 楽しくなくたって愛想笑いも浮かべなければ なのに。 この夫婦は揃って泥酔しているのか、 義母の名前を口に出す。>>180 花屋が父親と後妻の出会いの場となったことは フローラの名づけに由来している事から既知だが…
あまりにも不愉快で、 強引に目皺を歪め 口角を引き攣らせてつくった笑みも 浮かべた端から消えていく。]
(201) 2018/12/08(Sat) 01時半頃
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[此処まで酷い間違いはされずとも、 似てきたんじゃない、なんて話は 井戸端でもごくたまにあった。 その度に、不快感を隠す為 イアンの仮面を被り、やり過ごしたのだ。 今日ばかりはそれも上手くいかない。 、、 女房と再会できたからなのか、 しらないけど。
苛立ちが口数を少なくさせ。 不快感が表情を仏頂面にさせ。 冷静さを欠如に導く。 アポロを―――自分自身を、誤魔化せない。]
やめろ。 余計に酔いを深くしてどうする。
[フローラが楽しげに告げた言葉を鋭く絶たんと。 胸中穏やかといかず、切れ長の目で睥睨してしまった。]
(202) 2018/12/08(Sat) 02時頃
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[お茶の事よりも鍋の中身が山羊肉と聞いたせいで 一口二口いただいて勘弁して貰おうと そんな思考に呑まれていた。
だのに、取り分けられた量は多いし>>182 今日は嫌な方に気が利く――― 即ち、余計なお節介を弾むものだと 口にまではしなくとも、内心で悪態をつく。]
そうだな……。 なんにせよ毎日着るものを買う訳にいかねえだろ。 お前の衣服は持ってこないとならないだろうな。
[ただ、――警戒がある。
山羊頭を押し付けたのも不法侵入したのも どちらも共通して変装した“男”であるという事。 犯人は男と考えるのが妥当。]
(203) 2018/12/08(Sat) 02時頃
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あ?そうなのか? ……なら、付き添いを頼もうかな。
[さっきから口を開く度閉じさせたくなる彼女に はじめて、まともな提案を聞いた。>>183 屈強といわずとも体格が良ければ 同行して貰う分でいくらか安心出来そうで。]
すみません、それじゃあ。 話をしておいて貰ってもいいですか。
[フローラではなく兄にあたる店主に窺うが この状態で頼んでも聞いているかどうかはっきりしない。 明日覚えて無かったらもう一度頼めばいいか。]
(204) 2018/12/08(Sat) 02時頃
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[何を、何に、乾杯するのだろう。 一応、アポロは召集が決まっていて、 この鍋の肉のようにされるとも限らないのに。
自身が此処に一泊させて貰うのは 不法侵入に遭ったり盗難被害を受けた所為で 乾杯を交わす気分はひとつも無いのだが。 ……酔っ払い相手だ。 まして厚意でフローラを預かってくれている。 仏頂面を継続させる以外に噛み付くまではせず。]
では、いただきます。
[グラスを合わせてからお茶に口をつける。>>184 煮込まれた野菜を口に運んでから。 肉を掬い、
――― 一口、いただく。]
(205) 2018/12/08(Sat) 02時頃
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…………ん?
[農園暮らしだった頃から羊は食したことはある。 山羊もあの頃の農園では飼育していなかったが 渡した農家は山羊も飼っているだけに 山羊肉も食卓に上がったことは、あった。
ただ―――
過去口にした山羊とは、一致しない。 やわらかく煮込まれていて、 赤身はしっかりと歯ごたえを感じるし 脂肪分は柔らかく溶けていて]
(206) 2018/12/08(Sat) 02時頃
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[牛――いや、豚。 肉質の味わいとしては、それらに近い。
よく噛むと香辛料の味付けが唾液で薄まり 少しだけえぐみが感じられるだけ、 猪が近いようにも思えて
初めの食感と咀嚼してからの印象が変わるなんて。 でも――――――]
(207) 2018/12/08(Sat) 02時頃
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これ、………や、ぎ…じゃ
[これは、山羊じゃないだろう。
そう告げようとしたのに、なんだか。 頭がぼうっとしてくる。
食感、風味、後味。 抱いていた感想の一部が抜け落ちて。 味わった時に感じたもう一つの感想だけ 囁くフローラの声と共に、鮮明になる。]
(208) 2018/12/08(Sat) 02時半頃
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[赤身は筋肉。 この“ ”は“メス”だから硬すぎない。 脂肪が剥離していないのは “メス”特有で、柔らかくって。]
ああ、……とても。 こんなに美味しい肉――たべたことがない……
[ほう、と息が出る。 あんなに薄かった食欲が、込み上げてくる。 取り皿に多く分けてもらった肉を掬い、 胃が喜ぶ幸せに目を細めさせる。]
(209) 2018/12/08(Sat) 02時半頃
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[これが“そう”とは知らないけれど。 知らないまま、知らないから、 喜んで食べているのだけれど。
キングスが獣ではなく人間を主食とするのは きっと、 当然だ。
―――だって、こんなに美味しい。]
(210) 2018/12/08(Sat) 02時半頃
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[花に止まった蝶は。
( 柱が崩れ落ち ) ( 熱線に割れる硝子窓 )『虫かご』 ( 溶け崩れる天井 ) の 中にはいない。
だって、鍋のメインディッシュになってしまった。 アポロの口から入り、一つになってしまう。
愛した女を煮込んだスープは、 骨で出汁まで取られて、 ただ一つの部位は 玄関に置かれた鉢植えの肥料となる。]
(211) 2018/12/08(Sat) 02時半頃
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[ ああ、――美味しい。 こんなに美味しいなら。
なんの肉だって、良いじゃないか……
思考力が薄められている今、 違和感なんて、どうでもいい。 うまいものを食い、 幸せを得ること。
生きているって、こんなにも。 尊いものだったのか………]
(212) 2018/12/08(Sat) 02時半頃
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姉妹 ロイエは、メモを貼った。
2018/12/08(Sat) 02時半頃
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………ああ、いいのか? お前もちゃんと食べないと。 大きくなれないだろ……
[なんだろう。 傍にいるフローラはずっと年下なのに。 ラベンダーの花弁を差し出したあの時のように 幼く、愛らしく、 “心を隠さない”姿で見えていたのに。]
(213) 2018/12/08(Sat) 02時半頃
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かあさん……?
[ アポロ、と。 そう呼ぶ声がしたから。
母親――義母ではなく アポロと呼んだ実母を重ねる。 似ているのは義母なのだけれど あの人、他人だから。]
ん。たべる……。
[子供にするように差し出されて>>186 普段なら照れて断るのだが。
取り皿は犬食いしていたアポロが 掴んだままであったから。 躊躇は長く続かず、口を開いて そのまま、匙に噛み付くようにして、いただこう。]
(214) 2018/12/08(Sat) 02時半頃
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[血管だろうか、筋肉の繊維か。 ああ、違う、どちらでもない。
ころころして、歯ごたえがある。 死後硬直そのまま茹だって なかなか噛み切れないけれど
母親が行ってしまった日は まだ、アポロは乳離れして 一年しか経ってなかった。
赤子がだいすきなもの――恋しいもの。 歯でぐにぐに噛んで飲み込んだのは、 凝固した脂肪――乳房の一部 それに、乳首だ。]
(215) 2018/12/08(Sat) 02時半頃
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かあさん………かぁ、さん またみんなで、暮らせるのか……?
[飲み込んで――、 ああ、涙が、溢れた。
美味しいから、 いや。 それだけじゃなくて。 ずっと、母親に会いたかったのだ。 ひとり寂しく去っていった母親に。]
俺と、かあさんと、親父と
[幼子の頃、再婚前、記憶はぐちゃぐちゃで。]
(216) 2018/12/08(Sat) 03時頃
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[―――――――]
……ふろー……
[かあさんの中から出てきてはいないが。 ラベンダー畑で兄と呼ぶ、妹が、 ――――アポロには、 ]
(217) 2018/12/08(Sat) 03時頃
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