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ミケに6人が投票した。
ショコラに1人が投票した。
ミケは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ショコラが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、クラリッサ、ゾーイ、ジェフ、オーレリア、レオナルドの5名。
――ふたり旅――
[手押し車の屋台を見て、はじめ、大層驚いた。
だって、それでは汽車にもそうそう乗れないし、そもそもどうやってキネーンまで来たのやら。
ずっとここから歩きの旅をしていくなんて、芙蓉にそんな負担はかけられない、と思った。
けれど、結局車を押す芙蓉よりも、なんだかんだと自分の足のほうが遅いこともあったし、野宿に便利なことは変わりなかったので、最終的にはそれに馴染んでしまった。
自分と、旅荷以外には、本が増えた。たいして稼ぎもない旅ぐらし、買える数は多くはなかったけれど、それでも着実に、それらの数は増えていった。
朝目覚めて、二人で歩き。足が棒のようになったところで、休む。芙蓉の体力が残っていれば、屋台に乗り込ませてもらって、本を読む。
毎日はそれらの繰り返し。旅をはじめた時は、自分で歩くことすら止められたけれど、それも「したいこと」のうちだったから、少し意地になっても貫いた。]
[わたしは、二人でタリンへの道を歩みだしてから、自分で自覚するくらいによく笑うようになっていた。
枷が外れただとか、無二の友と二人旅だからとか、そういう話だけでは、ない。
親に売られ、もう九つと知ればすぐに手術を受けさせられ、歌が得意だったからとショーに放り込まれ、三十年。
その間自分を挟みこむ余地はなかった。有無を言わせず働かされる生き人形。
それきり、わたしのこどもの時間は止まってしまっていたのだと、旅をはじめて気付かされたる。
自由と、それから先取りしていたおとなの思考を得たわたしは、今ようやく"十歳"になりつつあった。]
ねえ、芙蓉。
わたし針と糸がほしい。そうしたらここにいる間繕い物ができる。
[屋台の荷台から前方へ、顔を乗り出して声かける。
そんなわがままも――叶うかどうかは別として――日常茶飯事だ。]
芙蓉、わたしそろそろもう少し歩けるわ。降りていい?
[返事も聞かず、ゆるゆる動く屋台から飛び降りる。
時々無茶をして、窘められるのすら新鮮で楽しい。]
ねえ、"あれ"、まだ書いてるの?
[夜中、不意に目が覚めて芙蓉の温もりを求めた時、彼女は白い紙に立ち向かっていた。
書き記された文章をなんとはなしに読んで、後悔、のち赤面、きーきーと喚いてやめろと否定したのは、いつの頃だったか。
誰が、誰が好き好んで「成長日記」めいた記録を残されたがるだろう。
あまりの恥ずかしさに感情が振りきれて、怒っているのかなんなのか、自分でもわからないうちに力尽きて、朝を迎えてしまったのを覚えている。
それから彼女が夜の手記を止めた様子は感じない。ならば書き続けているのだろうとは思えど、確認する勇気はなく。
返事がかえる前に「早くやめてね」とくちびる尖らせて、軽く目をそらす。]
――――?
[逸らした、その先。
人影が、いちにい、さん。
それは、おとなにしてはいささか、小柄なような――]
【人】 捜査官 ジェフ――キネーン・広場―― (1) 2015/09/25(Fri) 00時半頃 |
僕が、みんなの先生になるの?
[ 少しだけ、目を見開いてみせる。純粋な興味で、少しだけ瞳がくるりと動いた
先生は、おとながなるものだと思ってた。こどもはこどもらしく、無邪気で無鉄砲で、庇護対象であるべきと。
でも、そうか。ここでは、それも気にしなくていいんだ。
少しだけ、気分が浮かんだ]
[ ほら、やっぱり ]
[ 楽園では、みんなが幸せになれるはずなんだ ]
そうなったら、藤に、うたを教えてあげるね。
[ 藤にはきっと、救いの聖歌が良い。
罪、咎、憂いを、取り去りたもう。
心の嘆きを、つつまず述べて。
ねえ藤。藤の苦しみは、僕だけが取り除けるんだよ**]
メモを貼った。
[屋台は貨物置きに乗せれば大丈夫でしょ、といいながら、乗れた汽車もあったし、荷台のない汽車だってあった。
それでも、自分は足で歩くのが好きだった。
乗り物で一番恋しいのは畑の馬なのだ。
次、お金を手に入れたら買いたいのは馬ですね。が口癖になっていく。
そんな冗談もウケが良いらしく、初めてみた時の顔よりも随分頬に赤が差し込んだ気がする。
化粧の白を薄めているというのもあるだろう。
だが、女はこちらの綺麗な色のほうが、すきだった。]
[返しに、ユウガオのほしいものはなに?と聞いた事もある。]
…針と、糸?
[返ってきた答えに首を傾げる。
一張羅の女には女らしい器用さは殆どないといっても過言ではない。だからこそユウガオにはそういう才もあるのかという意外そうな反応と――、何かしたい、というのなら叶えてあげたい想いは重なる。
きっと、見かけた街で売っていたのならそれらを買いつけ、もし出来るのなら、巾着袋を作ってほしいと強請っているだろう。
旅路は、果てしなく続く。
書くものにも終わりはなく、見るものはいつも違って、書きとめていくものは日々変わるけれど、必ず、夕顔という文字は綴られていった。]
[それが初めて見つけられた時の少女の可愛らしい癇癪顔をみたときは流石に驚いた。
破かれるかとおもって死守をしながら夜を明かしたのは忘れられない。
彼女を落ちつかせながら、その時、こう告げた。]
――……。
ユウガオには散ったままでいてほしくないんですよ。
生きた証を残させて。アナタの生きた記録。
[成長日記、という言葉がよくなかったのかもしれない。
女に燻っている才は限られている。だからこそ、その全力で、書きとめたいものを書き続けたかった。
そんな説得もどこまで通用したか。
今では気にしてはいるが落ちついている様子を見る限り、その少し想いは通じたのだと信じている。]
[書いてますよ、と小さく返してから、彼女の拒否の言葉は右から左へ受け流す。
代わりに目がよく動いた。
夕顔の突然の沈黙に、視線をおいかけただろうか。]
どうしたんですか。ユウガオ。
[いまだ沈黙を続けるならそうやって尋ねただろう。
世間に疎い女に、遠く歩いた所で知り合いは少ない。彼女の「なにか」への目は捉えたとしても彼女のために手押し車をとめるくらいか。]**
【人】 学者 レオナルド ─ 朝 ─ (3) 2015/09/25(Fri) 07時頃 |
【人】 学者 レオナルド[静かな、ふたりだけのちいさなせかい。 (4) 2015/09/25(Fri) 07時半頃 |
【人】 学者 レオナルド[受話器を置いて、数分の思考。 (5) 2015/09/25(Fri) 07時半頃 |
【人】 小娘 ゾーイ ── 朝 ── (7) 2015/09/25(Fri) 10時半頃 |
【人】 小娘 ゾーイ 準備できたわ、 (8) 2015/09/25(Fri) 10時半頃 |
【人】 小娘 ゾーイ ── キネーン:広場 ── (9) 2015/09/25(Fri) 11時頃 |
【人】 小娘 ゾーイ ── ねえ、シアターに行くの? (10) 2015/09/25(Fri) 11時頃 |
【人】 信徒 オーレリア[ ――何だか今日は、慌ただしいなあ、と。 (12) 2015/09/25(Fri) 12時頃 |
【人】 信徒 オーレリア[ 響き渡る、聴き慣れない電話の音に。 (13) 2015/09/25(Fri) 12時頃 |
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