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ホウイチは安全調査局 トヨタに投票した。
ワタヌキは安全調査局 トヨタに投票した。
ナナオは安全調査局 トヨタに投票した。
トヨタは旅団✡肘笠雨 ワタヌキに投票した。
イスルギは安全調査局 トヨタに投票した。
キルロイは安全調査局 トヨタに投票した。
マユミは安全調査局 トヨタに投票した。
トヨタは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ナナオが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、ホウイチ、ワタヌキ、イスルギ、キルロイ、マユミの5名。
―― あれから ――
[あの日。
かぼちゃプリンを頬張りながらルーズリーフのお手紙にお返事を書いていたら、夕飯の買い物を済ませた母さんがママ友のおばさんと「ラブ・レター」に入ってきて。
手紙ばかりに集中して気付けなかったわたしは、母さんの「ひなこ!」という言葉で顔を上げた。
学校の図書館で勉強して帰ると、嘘をついたのがいけなかったのかもしれない。
結果、わたしの行動はすべて父さんの知ることとなり。
わたしは塾の時間を増やされた。
「ラブ・レター」で過ごすわたしの時間は、なくなってしまったのだ。]
[ルーズリーフのお手紙のお返事は、書きかけのまま鞄のなか。
前回のお返事が来ていたら、と思うといてもたってもいられなくて。
わたしは、母さんに連れられて帰ったあの日喫茶店に忘れ物をしてしまったのだとまた嘘をついて、母さんと一緒に取りに行った。
どんな顔してたんだろう。
店に入ってきたわたしをみて、マスターさんは眉をぎゅっと寄せて、怒っていそうな、泣きそうな、そんな顔していらっしゃいって言ってくれた。]
あの、…忘れ物を…
[それだけ呟いて俯いたら、「ああ…」というマスターさんの声がして。そっと手渡されたのはお手紙の束。]
あり、がと…ございます…
[じわり、熱くなる目頭と歪む視界を、ぎゅうっと固く目を瞑ることでやり過ごしたら。
お手紙を胸に抱えたまま、ぺこりと頭を下げて喫茶店を後にした。]
【人】 旅団✡肘笠雨 ワタヌキ ――ある日のアトリエ―― (1) 2015/10/23(Fri) 14時半頃 |
【人】 旅団✡肘笠雨 ワタヌキ[一通目は、美しい直角の黒い封筒でした] (2) 2015/10/23(Fri) 14時半頃 |
【人】 旅団✡肘笠雨 ワタヌキ[石動。イスルギと読みます。 (3) 2015/10/23(Fri) 14時半頃 |
【人】 旅団✡肘笠雨 ワタヌキ[もう一通は、胸が熱くなるひらがなでした。 (4) 2015/10/23(Fri) 14時半頃 |
【人】 旅団✡肘笠雨 ワタヌキ ――ラブ・レターにて―― (5) 2015/10/23(Fri) 14時半頃 |
【人】 旅団✡肘笠雨 ワタヌキ[彼からの依頼の返事は、何はともあれ店長の元を経由します。 (6) 2015/10/23(Fri) 14時半頃 |
【人】 旅団✡肘笠雨 ワタヌキ[画材が、足りないかもしれません。 (7) 2015/10/23(Fri) 14時半頃 |
【人】 旅団✡肘笠雨 ワタヌキ[自分が使っているものと同じ薄茶色の封筒も受け取りました。 (8) 2015/10/23(Fri) 14時半頃 |
【人】 呵呵老会 ホウイチ— 恋して今夜も眠れnight! — (9) 2015/10/23(Fri) 20時半頃 |
【人】 紅客連盟 イスルギ何かに取り組もう取り組もうとするたびに、何らかの障害あるいは幸福が発生し、取り組む必要がなくなっていった。 (12) 2015/10/23(Fri) 22時頃 |
【人】 紅客連盟 イスルギ自分の力だけでは完成しなかったものを、誰かが僕の思いを引き継いでくれて、完成させようとしてくれることもある。 (13) 2015/10/23(Fri) 22時半頃 |
【人】 紅客連盟 イスルギひたむきといえば、僕は非常に非常に後悔していることがある。 (14) 2015/10/23(Fri) 22時半頃 |
【人】 紅客連盟 イスルギところでマスター、僕の下の名前を知っていたっけ? (15) 2015/10/23(Fri) 22時半頃 |
―とある高校―
[異動したのは「学校の売店」担当だった。
文具店に新規契約を持ちかけて成功するという達成感はないが、各学校で売れ行きが異なるのを知るのは興味深い。
それに、放課後部活に勤しむ声を聞くと、自分も当時に戻った気さえしてくる。
とはいえ男は平凡に特に部活に打ちこむ事もなく学校生活を送った訳だが。]
部活と言えば……あの子は何をやっているのかな。
[文通したい、と返してくれた女の子も高校生だった。
名前から女の子だろう事は予想できるが、それだけだ。
頑張る部活、と言えば何かスポーツ?――そんな貧困な発想しか持っていない。
そんな男の耳に入って来たのは伸びやかな女声。
『あめんぼあかいな』……ああ、これは、何部の掛け声なのだろう。]
【人】 紅客連盟 イスルギマスター、ちょっと僕は旅行にいこうかなと思う。 (17) 2015/10/23(Fri) 23時頃 |
チアリーディングとかですか?
[発注のFAXを送りながら、売店の女性に訊く。
「演劇部ですよ」との答えに、ああ成程と納得した。
男は演劇の事も良く知らない。
「ロミオとジュリエット」ぐらいしか……ジュリエットと言えば、あの店で聞いたラジオでも言っていたなと思い出す。
「恋を知らないジュリエット」さんが、先日手紙を交わした相手だという事には当然気づいていない。]
【人】 紅客連盟 イスルギ……マスター、僕は僕自身を恋愛に向く人間と思ったことはないと言ったね。覚えてる? (18) 2015/10/23(Fri) 23時頃 |
[この学校の演劇部は先日コンクールで最優秀賞を取ったらしい。
主役の女の子の演技が高く評価されたとか。]
へぇ……見てみたいなぁ。
[そんな言葉がつい出てしまったのは、「陽香さん」のおかげで高校生が少し近い存在に感じるようになったからかもしれない。
彼女は自分の手紙に返事をくれたのだろうか。それを受け取りにも行けないのがもどかしい。
「返事の返事」を待っていてくれているかもしれないのに。]
【人】 旅団✡肘笠雨 ワタヌキ ――アトリエにて―― (19) 2015/10/23(Fri) 23時半頃 |
[今日も放課後稽古。集合がかかって、間も無く始まる時間だ。
すると、恋子ちゃん大好きな後輩が「先輩先輩!大変です!」と声を掛けられて、何かと聞けば、昨夜の放送で、コンクールに来て我々の芝居を見ていたと言っていたらしい。
昨夜、録音された放送を皆で聞けば、部員達のテンションは一気に上がった。うちの演劇部には恋子ちゃんファンが多い様だ。]
…恋子ちゃん、ありがとう。
[恋子ちゃんに応援されている事を知れば、少しだけ機嫌が戻った。不満が溜まって、最近ちょっとイライラしている。稽古が嫌いなわけでは無い。むしろ楽しい。疲れた体も、演技をしている間は日常を忘れて、物語に入り込んで違う世界を感じる。でも]
(ラブ・レターに行きたい!)
[我慢出来なくて、家で入れたコアントローコーヒーは、当たり前の事ながら、マスターのコーヒーには程遠い。]
(コーヒー飲みたい!コアントローコーヒー飲みたい!)
[それに、手紙のお返事だってマスターにお願いしたい。
そんな事を思っていれば、あっという間に稽古が始まった。]
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