223 【身内】森真珠の村
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
パルックが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、トレイル、オーレリア、リッキィ、トニー、イアン、カリュクス、スージー、ラルフ、ヴェスパタイン、ハナ、ベネットの11名。
それは、その日の深夜から未明にかけた頃の事である。
島を襲った嵐は勢いを緩め、しとしとと静かな雨を降らせる程には落ち着いていた。大雨暴風ですっかり洗い流された島の空気が纏ろう、『森の真珠 二階バルコニー』にて、その男は発見されるだろう。
男の名はパルック。
バルコニーの手すりには、彼の額が打ち付けられただろう痕跡が。
そしてその傍には、横腹や首を中心に喰いちぎられた男の、すっかり冷たくなった身体が。
折り重なるようにして『森真珠産業における研究の計画書』が、かすかに風に揺れていた。
バルコニーの下へ向かえば、魔法力を使い動く、正方形の魔導通信機が投げ捨てられているだろう。
(#0) 2017/08/15(Tue) 10時頃
大陸の大貴族であるパルックの死は、瞬く間に村中に広がった。
悲しむものもあれば、喜ぶものもいただろう。
パルックは昨晩の性別不明の変死体とともに村の医師の元へ移送された。
そして村の医師は、二人の死体が、
『体長1メートルから3メートルほどの獣による襲撃』
であることを発表する。
村役場は緊急対策本部を設置。
昨晩『大衆食堂』および『宿』に存在していた人間を容疑者とした。
もとより嵐の後であるため島外に出ることは出来ない。
「容疑者の中に、人狼がいる――」
島に住む人々は、ひそやかに口にするだろう。
そして、緊急対策本部は、容疑者の中から毎晩一人ずつ、処刑していくことを発表する。
(#1) 2017/08/15(Tue) 10時頃
・二日目・
【天候】雨
【時間軸】朝〜夜(推奨:48h中の24hずつで午前・午後をわける)
『森の真珠・二階バルコニーにて』第一犠牲者が無残な姿で発見されました。
前日からの日またぎRPがあればきりのよいところで終わらせてください。
最初に動ける方は、もしよければ、第一犠牲者を『発見』してみて下さい。
第一犠牲者である『パルック』は、大陸の大貴族でしたが、なにかときな臭い噂のある人物でした。その死体もまた……、獣により危害を加えられたような、そんな姿でした。
みなさんは『大衆食堂』を出ても構いません。
ただし、役人たちをはじめとした有志による、監視の目はあるでしょう。(四六時中監視されているわけではありません)
偉い立場の人間であっても、周囲は不安げな視線を寄越すかもしれません。
もしかして、あの人が怪しいのではないか?
みなさんの中でそんな会話をしてもいいでしょう。
(#2) 2017/08/15(Tue) 10時頃
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―朝・宿の高級な部屋―
〔朝、同室の者を起こさないよう目を覚ましたオーレリアは静かに身支度をすませた。日々早朝から起きて糧を耕し祈る日々の彼女は朝方に週間で目覚めてしまう 念のため部屋から出て外の様子を見るというメモを残して物音で起こさないようそっと部屋を抜け出す。廊下からバルコニーに出れる場所を発見し少しだけ雨でも外を、昨日の…例の件の場所を診れないものか出てみた
しかし下を眺めてもよくわからない。やはり近づいた方がいいか、と周りを見回したら…人が倒れているような頭が見えた とっさに近づく〕
大丈夫で…
〔その言葉は続かなかった 何故ならその人はもう…どう見ても死んでいたからだ…。しかもどう見ても獣が食った後のように… とっさに声なんて出なかった。口を押えて座り込む〕
人狼…?
〔その呟きは誰かの耳に届いただろうか 計画書など目にも入らず小刻みに震える体を深呼吸して落ち着かせる。しかし表情がやはり変わったようには見えないだろう。顔色は青くなっているだろうが 無意識に手を十字に切って祈る。こんな時日々の行動が体に出るものだ〕
(0) 2017/08/15(Tue) 11時半頃
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どうしたら…まずは…役場に連絡を…
〔物に捕まりながら何とか立ち上がり、騒ぎを大きくしないよう努めて静かに宿の人に報告をしに行くのであった
そしてそれから、自分は容疑者となるのだった〕*
(1) 2017/08/15(Tue) 11時半頃
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―朝/大衆食堂『森の真珠』自室―
どうして・・・彼女が・・・。
[占い結果を見て驚きとショックで呆然としてしまった。 昨日、彼女・・・。リッキィに抱きつき魔法を使った時に覚えた一つの違和感。 それが気になったことの一つ、さらには昨日の夕方の屍体…。そして人狼といったトレイルの言葉。
ーーー 『いつかもし人狼がこの村にも来るかもしれない、…来ないかもしれない。私が見た未来が訪れないことを願いたいが、スージー。君にこの能力を譲ろう』 そう未来の事象を憂い、魔法を教えてくださっていた私の師匠から譲り受けたこの人狼を占える能力。今まで何人かは占ってみたがそれらはすべて人間であった。 ーーー
(2) 2017/08/15(Tue) 12時半頃
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まさか本当に人狼が…?と半信半疑であったがその時に彼女に覚えた違和感を思い出した。 杞憂であればいいと、間違いであればいいと、結果はきっと人間であろうと思い占った結果が”人狼”
リッキィは人狼であった。
私は…この事実を受け止められるだろうか。皆に伝えてもいいものなのだろうか。 ・・・私のこの突拍子もないことを信じて・・・くれるのだろうか。 考えれば考えるほどわからない。自分がどうしたらいいのかわからなくなった。]
誰か・・・助けて・・・。
[そう静かに零し、一粒の涙を流した]
(3) 2017/08/15(Tue) 12時半頃
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―夜/大衆食堂『森の真珠』(回想)―
[反対>>1:111がなければ嵐の中を走って一同は『森の真珠』へ。トレイルやヴェスからもぽたぽたと滴り落ちる雫は、床に出来た水たまりを広げていく。誰かがタオルを差し出してくれたなら、それを素直に受け取り軽く水分を拭いて改めて食堂を見渡した。どうだった?と心配する声があがっただろうか。不安そうな瞳がこちらを捕えただろうか。眼を閉じて、覚悟したような顔で言葉を紡ぐ]
[遺体が本当にあったこと、遺体の状態、その後の行動、人狼によるものの可能性が高いこと――。トレイルたちと一緒にその場にいるものへ報告をする。誰かが騒ぎだせば落ち付けと制止しながら]
念の為部屋の鍵はしっかりかけるように。 一人ではなるべく行動しないこと。 ……明日になれば、きっと対策が取られる筈だから。
(4) 2017/08/15(Tue) 13時頃
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[一息つくと、凛とした少女の声>>1:116が自分の名を呼ぶ。遺体が安置してある場所を教えて欲しいと請われ、何故、という言葉が思わず口をついて出た。聴けば白い少女は教会の者だと。 少女とは思えないその落ちついた立ち振る舞い、先ほど見た治癒の力、傍に恭しくつくオーレリアの姿などを鑑みてなるほど、と納得した。 しかしいくら務めとはいえ、この暗い嵐の中を行かせていいものかと、鍵を渡すのを躊躇った]
明日の朝では駄目なのか?
[オーレリアや、親しげにしていたトレイルにも問いかけて。 場合によっては鍵をオーレリアかトレイルに託したことだろう]
(5) 2017/08/15(Tue) 13時頃
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[人々が解散するとようやくトニーの元へ。傍にベネットがいたなら、傍にいてくれたことに感謝の言葉を述べる]
お腹空いたか?トニー。
[気づけばもう夕飯時。トニーにそう問いかける。頷けば一緒に食事を取る……が自分は水しか喉に通らなさそうだ]
悪い、今日はもう同窓会なんて出来そうにないな。
[トレイルやヴェス、スージーに力ない笑顔でそう伝えると、先に濡れた衣服を取り変えようと部屋に向かう。そのままトニーは眠ってしまったかもしれない]
(6) 2017/08/15(Tue) 13時頃
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―朝/大衆食堂『森の真珠』2階バルコニー― >>1
2階で・・・そんなっ・・!!
[朝、仕込みを終え、宿の清掃を始めようと準備をしていたところにふらふらとおぼつかない足取りでやってきたシスターに事の次第を伝えられ、居ても立ってもいられなかったが最初にすべき事は村役場に連絡する事だ。連絡を終え、シスターへ向き直ると彼女はまだ顔が青ざめていた。何か心を落ち着かせられる方法はないかと考え、彼女をふわっと包み込み抱きしめようとした(もし拒まれれば謝罪し頭を数回撫でさせてもらうだろう、もし拒まれなければぎゅっと抱きしめぽんぽんと背中を優しく叩きなだめただろう) その後は自分の目で確かめなければと二階へ駆け上り、バルコニーのその先へと向かう。]
この方は、・・・確か宿泊されていた・・・。
[目を覆う様な光景でもお客様だとしたら身元を確認しなければならないと顔を確認する。確認出来る顔が残ってて良かったと思ってしまえるのは昨日の亡骸を見て感覚が麻痺してしまった証拠だろう。彼は…と思い出していたところに風に揺れてパタパタと紙の揺れる音が聞こえた。]
(7) 2017/08/15(Tue) 13時頃
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何かしら?・・・計、画書・・?
[血痕で見えないところが多々あるが『森真珠産業における研究の計画書』という文字は読む事ができた、これは彼の物だろうか…。なぜこの書類があったのか、現場保存すべきだったのに思わず手に取ってしまったことにあたふたしてしまった。私ったらなんてことを!!!]
(8) 2017/08/15(Tue) 13時頃
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―早朝/カリュクスとオーレリアの部屋―
[ その晩は、カリュクスとシスター・オーレリアの すすめで、ふたりの部屋で眠りについた。 『わたし』は、本来の宿泊客であるふたりを差し置いて ベッドで眠ることなんてできなかったから、 ブランケットだけ借りて、ソファで眠ることを 宣言しただろう。もっとも、シスター・オーレリアが それを許してくれるかと言われれば怪しいところ。 ソファか、ベッドか、どちらにしろ『わたし』は、 その日の夜露を凌ぐことができただろう。]
(9) 2017/08/15(Tue) 13時半頃
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[ そうして、……夜が明ける前。 オーレリアが目覚める>>0更に前。『リッキィ』は、 酷い寝汗で目を覚ました。 その頃には嵐も小康状態となり、雨戸の向こうから、 微かに風の音が走り、しとしと細い雨が降っていたか。 オーレリアや白いのが気配に聡くなければ、 気づかれずに目を覚ます事が出来ただろう。 折角身体を拭ったというのに、雨ではなく、汗で、 着替えがぐっしょりと湿気を孕んで、心地が悪い。 ベッドかソファか――寝台を降り、『リッキィ』は、 浴室に向かう。眠る二人を起こさないように。 本来の部屋の主である二人の許可なく動くのだからと、 見つけたメモに、 『寝汗が酷かったので、シャワーを借りています』と 記すと、浴室の扉にそれを貼り付けた。]
(10) 2017/08/15(Tue) 13時半頃
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[ そうしておとずれる――嘔吐感。 スージーさんが用意してくれた着替えを脱げないまま、 浴室に膝をつき身体をくの字に曲げて『わたし』は その奔流をこらえた。吐き出せない。蛇口をねじり、 シャワーの水を落とす。かろうじて、胃の中にあった 消化しきれていない晩餐の成れの果てはこぼれずに、 そのかわり、赤い液体が、唇の端から垂れ流れる。 くるしい。くるしい――。 そうして、汗も、血も、涙も、すべて流しきれたころ、 『わたし』は、ようやく浴室を出た。 びしょぬれになった着替えは、水をしぼって、 浴室に置いた。帰る時に一緒に持ち出して、 スージーさんに返しにいかないといけない。
そうして、もう、一眠り。
なにもかも忘れてしまえればよかったのに。]*
(11) 2017/08/15(Tue) 13時半頃
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―回想・大衆食堂『森の真珠』屋外/夕刻― >>1:101
魔法を・・・科学として・・・。解き明かそうとしているのね。
[トレイルは科学研究をしているのだと教えてくれた。島で暮らしていた私には未知の世界だ。やはり大陸には想像もつかない世界が広がっているのだな。と改めて思った。]
>>1:102 [顔を背けたトレイルに近付きぽんぽんと肩を叩く。大丈夫よ私達は誰もあなたを拒絶しないわという思いを込めて]
>>1:108 >>1:111 ヴェスいい事言うわね! そうよ、私達幼馴染の間に遠慮なんていらないわ。 ヴェスとイアン。そして私も同じ気持ちよ。言いづらいこと教えてくれてありがとう、トレイル。
(12) 2017/08/15(Tue) 14時頃
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―回想・大衆食堂『森の真珠』屋外/夕刻― >>1:107 [治癒魔法が使えたことに驚いているイアンに照れながらも隅から返事をする]
そうなの。小さい頃は傷も治せないくらい力がなかったのだけれど、宿泊で立ち寄った魔法使いの方に教えてもらったの。 本当は力が弱いから言えずにいたんだけど…イアンが頬に傷をつけてたから私心配で、イアンに痛い思いして欲しくなくて…。 うん。どういたしまして。・・・ああっ!恥ずかしいわ!
[両手で顔を隠し、照れて赤くなってしまった顔を見られない様にした]
>>1:111 そうね、この嵐だものすぐ戻りましょう。 [イアンの提案を受け入れ戻ることにした。]
(13) 2017/08/15(Tue) 14時頃
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>>4 イアンもヴェスもトレイルも!そのままで嵐の中きたのね!タオルタオル…!風邪ひかないように気をつけてよ。 [『森の真珠』に着いて早々にびしょ濡れになった3人へタオルを渡す。イアン達が遺体の状況を話しているのを聞きながら頭の中を整理する。頭がパンクしそうだった。]
>>6 [イアンがトニーの元へと向かうのが見えた。二人が食事を注文するのであればすぐさま用意しただろう。何か動いてないと考えてしまいそうだったので動いていたかった]
そうね。せっかく会えたのに残念だけど。今日はもうそれどころじゃないものね。 イアンもヴェスもトレイルも、お疲れ様。ゆっくり休んでね。
[今日も私は早めに休もう。そう考え仕事に取りかかった]
(14) 2017/08/15(Tue) 14時頃
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――朝/自宅――
[ リッキィ・リッカリリセスは、昨晩、そして、 本日未明に発見された惨殺死体の容疑者として、 村の警察、そして貴族たちが立ち上げた 緊急対策本部から、監視を受けることとなった。 嵐は小康状態だったが、まだ海は、 定期船を出せるような状態ではない。 ここが小さな島である以上は逃げ出す事も出来ない。 ある程度自由が効くのは、そう簡単に 次の被害も出るまいという上の判断なのだろう。]
……と、いう事です。 ご迷惑をおかけして、申し訳ないです。師匠。
(15) 2017/08/15(Tue) 14時頃
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[ 宿を出る前に、シスター・オーレリアや、 カリュクス・カルペディエムとは、いくつか、 ことばを交わしたと思う。主に、一晩の礼と、 本日中に、教会に寄付金を持っていくこと、とかを。 ほかにも、食堂で出会えた人がいるのなら、 いくつか声をかけに行った。
『わたし』が頭を下げると、師匠は小さな紙切れを 放ってきた。寄付金の金額が書かれた、小切手だ。
『わたし』の師匠である、 パラチーノ・インクレディングは、『わたし』が 言うのもなんだけれど、おかしな人だ。 師匠の前を辞去して、『わたし』は、 スージーさんが用意してくれた着替えを乾かすため、 屋敷の洗面所に入る。容疑者としてのうわさは、 あっという間に島中をかけめぐったらしく、 使用人たちは『わたし』と目があうと、 びくりと肩を揺らした。それは、気に留めても しかたないことだから、小さく目礼だけする。]
(16) 2017/08/15(Tue) 14時半頃
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[ 洗面所には、師匠が大陸から持ち込んだ、 水魔法を応用した洗濯槽と、火魔法を応用した 乾燥機が置いてある。どちらも、魔力や、 媒体としての魔法石を利用し動かすための魔道具だ。 洗濯槽は一般家庭にも流通していることが多いが、 乾燥機は高級なものと言えるかもしれない。 着替えを洗濯槽に入れて、十数分。 その洗濯槽の着替えを乾燥機に入れて、十数分。 『わたし』は、カリュクス・カルペディエムのことを ぼんやりと考えている。] 奇跡の子。 彼女は、自分とそう年齢は変わらなかったはずだが、 そう呼ばれてきた。その奇跡の真髄は、 どのようなものなのだろう。本当に、 そうしてきたように、病人やけが人を 治療し、治癒するだけのものか、それとも。
『わたし』からすれば、奇跡は、手の届かないものだ。 けれど、今、もしも、手がとどくのなら。]
(17) 2017/08/15(Tue) 14時半頃
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[ 『リッキィ』の、手が届くのなら――。]*
(18) 2017/08/15(Tue) 14時半頃
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―朝/自宅→?―
[ 島を襲った大嵐の翌日であり、同時に、 連続惨殺事件の翌日でもあったから、今日の講義は 取りやめになった。乾いた着替えと、 使用人に用意して貰ったクッキーの詰め合わせを手に、 『わたし』は屋敷を出た。足元のぬかるみを 避けるために、丈の短いレインブーツを履いて、 シンプルな紺色の雨傘をさして、道を歩く。 途中、誰かと出会ったか、……白い目で見られたか。 クッキーの詰め合わせは、 きのうのシュークリーム同様、ふたつぶん。 鞄の中には、教会に寄付する小切手が入っている。 完全に空を覆う雲は、きのうにくらべれば、 まだすこし明るく。そこから落ちる雫もゆるやかだ。 けれど、雨じたいはまだおさまりそうにないことが、 想像できる。]
(19) 2017/08/15(Tue) 14時半頃
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[ しばらく道を歩いて、メインストリートへ。 身元不明の遺体の発見現場は、 現場検証が終わったのか、 それとも風雨が流し切ったのか、痕跡と思えるものは 跡形も存在していなかっただろうか。 そうしてたどり着いたのは、 『大衆食堂・森の真珠』。スージーさんは、 フロアに出ているだろうか?]
スージーさんはいますか?
[ さて、食堂内の様子は、どうだっただろうか?]*
(20) 2017/08/15(Tue) 14時半頃
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―朝/大衆食堂『森の真珠』客室―
[浅い意識が浮上する]
(寝れた気がしない……)
[気だるそうに体を起して、隣のベッドを確認する。トニーはちゃんと眠れただろうか。まだ寝ていたなら起こさないようにベッドからすり抜け、昨日乾かしてもらった服に着替える。嵐は小康状態になったようで、雨は静かに大地を濡らしていた]
[イアンは観光、レジャーを主に扱う雑誌を担当していた。事件現場に出くわせばカメラを向けることもあるし、先輩についてそういった取材をすることもあったが、あんな生々しい屍を見たのは初めてだった。 ……スージーは大丈夫だろうか。机に散乱する紙を集め、二、三度弾ませて端を揃える。トニーが寝静まった後すぐに眠れるはずもなく、書いていた原稿たちだ。昨日までに取材したかったところはほぼ周れていたことが救いだった。こんな気持ちのまま取材なんてしても、いい記事なんて書けそうになかったから]
(21) 2017/08/15(Tue) 14時半頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2017/08/15(Tue) 14時半頃
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―朝/大衆食堂『森の真珠』客室→2階バルコニー―
[まだ静まり返っている部屋の外から微かに人の気配がする。なんとなく気になって扉を開けて外を伺うと、廊下の先にあるバルコニーで金色の髪が風に吹かれて揺れていた]
スージー?何をして――
[近づくと見えたのは項垂れるように動かない肢体。思わず言葉を失ってしまった]
(22) 2017/08/15(Tue) 14時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2017/08/15(Tue) 15時頃
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―夜/大衆食堂『森の真珠』(回想)―
[名乗り出た人物の顔には見覚えがあった。青年たちの中に混ざるトレイルの顔を見つければ、ああ、そういえば昼にも一緒にいた、彼の知り合いか、と思い出す。
鍵を渡すのをためらう青年>>5に、別のところからも声がかかる>>1:124。オーレリアにも聞こえていたようだ。多方から止められれば強行するわけにもいかず、ひとまず引き下がって]
そうですね。浅慮でした。 天候が落ち着くまで、外には出ないと約束します。
[そう言って自ら鍵を受け取る。 話を中断させたなら詫びて、その場を辞すと、宿の部屋に戻り、誰よりも早く床についた。 カリュクスは当然ベッドをすすめられただろうから、大人しくそこに入って。この部屋のベッドは大きすぎるので、隣にだれか寝ていても問題ないのだけれど、まず聞き入れられないだろうから、なにも言うことはなかった]*
(23) 2017/08/15(Tue) 15時頃
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