193 ―星崩祭の手紙―
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─回想─
[ワタシ達とヒトで、カプセルを見送り終われば、
足の向きは繭の元へ。
今日はどうなったか見送れた満足感と疲労。
繭の元まであと数十歩。
歩きながら、腹の底から くあり と湧き上がるものに身を任せれば、
涙がほんのすこし、でた。
外気に触れるとそれは硬化し、重力に言われるがまま床へと落ちる。
音を立てて転がったそれは、紅い紅い色をしている。]
[その音で、ヒトは振り返る。
床に転がったそれをみて、瞳はまあんまるに。]
『R、早く繭の中に帰りなさい。』
[聞いたこともない声がした。
その言葉を聞いて、
その顔を見て、
ワタシは、ワタシは。]
ごめんなさい。
ごめんなさい。
[悪戯をした時に言うべき言葉を口出すしかなかった。
これが正しい言葉であるかも知らずに、ただひたすらに。]
『もう大丈夫だから、早く寝なさい。』
[指差された先は、扉。
ああ、帰らなければ。
こんなヒトを見たのは初めてで、意思とは裏腹に足は動かない。
見かねたワタシ達が両手を繋いでくれた。
手を引かれて、電子音が響く扉を通り抜ける。
その時に聞こえた言葉は。]
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[試料の栽培に使う水槽をひとつ持ちだして、食卓の上に置いた。分厚い金属硝子で作られたそれは重く、よっこいせぇ、と声が出た。
初めて届いた宙の向こうからの手紙に添えられていた、カミサマになれる素を、真面目な顔をして、水槽へと注ぎ込む。添えられていた取り扱い説明書の映像に従って。
映像の中のお姉さんいわく。一つの種、そしてさらりとした砂。最後に、小さな瓶に入った一滴分の液体を中央にぽとりと落とし、指先でかき混ぜる。最初はおっかなびっくり、慣れてくれば大胆に。指先の抵抗が軽くなったところで、水槽から手を引き抜いてそっと蓋をする。
水槽の中では、指で作った回転が、そのまま渦となって残り、渦に乗った砂が最初に入れた種を取り巻いている。]
ふぇー……。
[こうしていると、無重力空間が発生し、大気圏の発生などを経て、小さな種が惑星へと育っていくらしい。たった1週間の寿命のそれは、とてつもないスピードで水槽の中で世界をつくりあげようとしている。飽かず、それを眺めていたが、そのうち3つ目のカプセルに手を伸ばした。]
(44) 2016/07/19(Tue) 00時半頃
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[繭の中。
くあり と浮かぶワタシの中に飛び込んできた声。]
『空がプラ…………に……れた。
この状………宇宙…プセ…を飛ばす……はでき…い……う。
これは幸運な……に、辿…着……よう…。
R…まだ……るのか。』
[途切れ途切れに聞こえる声は、眠りを邪魔してより一層深い世界へと落ちていくことをワタシは望んだ。
何処か遠くで、ワタシ達の笑い声が聞こえた、気がした。]
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そーれっと!
[銀色の宇宙カプセルを、桃色の乳白色の空へ思いっきり放り投げる。軌道の一番高いところでゆっくりと空中に止まったそれは、やがてゆるやかにゆるやかに高度を上げて、霧の中へと消えていった。]
しっかり届けよー。
[ぶんぶんと、手を振ってカプセルを見送ると、その場に止めていたスタンド・カーを繰って走りださせる。視線は地面と、宙を往復。
ひとつはすぐに見つかった。青い草原に、目立った金色に輝く赤のカプセル。]
みーっけ! ……でもこれ、俺が送ったやつじゃねぇなあ…また新しいやつが届いたんか!
(57) 2016/07/19(Tue) 01時半頃
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[拾い上げると、これもまた貴重なもののように矯めつ眇めつ。鼻唄を歌いながら更に草原を走らせて。排気フィルムの限度いっぱい外を駆け巡ると、興奮で若干頬を紅潮させて、プラントの扉を潜る。3つのカプセルを両腕に抱えて。
ひとつは金色の。ひとつは、自身が送ったものの返信用のひとまわり小さい銀のカプセルと。もうひとつ、また新しい別のカプセルを加えて。]
すげー、すげー!返事が来たぜ!それにほら、また新しいカプセルが来た!案外この星の近くに、別の星があるのかもなあ!
…ん?そしたら異星系との接触になるのか?そしたらさ、k67先攻調査隊みたいに、シニアスクールの教科書に乗っちゃったりすっかもしんねーな!
[宇宙を成形する水槽の傍らに、両腕のカプセルを、壊れ物のように置きながら、賑やかに騒ぐその声は、しん、と静まるプラントの中に響いて消えた。
まずは拾った順に、カプセルを開き始める。]
(60) 2016/07/19(Tue) 01時半頃
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