246 とある結社の手記:9
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そうかい。
[女が発した返事はそれひとつきり。
取り乱す事も落ち込む事もなく、ただ淡々と受け入れ連行されていった。
これでよかったとも言えない。誰が選ばれようとよかったと言える結末もないのだろう。
そう思った女はただ早く人狼が見つかる事を願いながら宿を後にした。
死神の手が夫や息子娘に伸びる前に、こいつを終わらせておくれと。]
―回想―
[ 叱るもんか。そういってぽん、と置かれた手は――
ベッキ姉ぇ みたいで、不思議な温かみがあった。
]
ワンダおばさん。おれ…
―朝―
怖い夢をみた。
投票を終えて寝た後。お金の取れるすごいベッドで寝ていたら、手足をつかまれ、首を絞められて、振り回される夢。
頭がガツンと痛んで、熱くなって、そして――
朝日とともに目が覚めて、けれどいまいち元気が出ないなあ。
とぼとぼと部屋の扉をすりぬけると、奥様がティオ兄ぃのお部屋のドアを蹴り開けて、飛び込んでいった。
地震みたいな音がした。
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[ピスティオ、と叫び声がして、跳ね起きました。 昨夜はあれからかぶのスープとバターの香るローストを少しいただいてからというもの、部屋に戻ってもほとんど眠れずにベッドの上に転がってばかりだったのですが、その声は警鐘のようによく響いたものですから、寝不足などすっかり打ち払ってしまいました。 まさか。ピスティオが。それはあたしの中で、一番あってほしくはないことでした。 いいえ、誰であってもあってほしくはないのですが、それでも昨日の話の中から、ピスティオがいなくなるのは本当に喜ばしくないことだったのです。
あたしは身支度も整えずに部屋の扉をあけて――]
……マリオ?
[隣の部屋から、ひどく嫌なにおいがする気がして、足を止めました。 ほんの少しだけ開いたドア。僅かに赤いものが、隙間から見えて、見えて、見え]
(5) 2018/07/29(Sun) 14時頃
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パティは、その場にかくりと、膝をつきました。
2018/07/29(Sun) 14時頃
子守り パティは、メモを貼った。
2018/07/29(Sun) 14時頃
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[あたしはただ、呆然としてしまっていました。 そこで何が起こったのか、もう、すっかりわかっていました。 だってそこに流れているのは血です。血液です。隣の部屋に眠っていたのは、小さな子供です。 子供がたくさん血を流したら……どうなるか、わかっています。
駆けつけてきたラルフさんが肩を叩いて、あたしはようやく、人がいることに気がついたのです。]
あ……マリオ、マリオが、
[それ以上は口にしたくなくて、縋るように彼の胸に頭を押し付けました。 ラルフさんだっていい気分ではないでしょうに、勝手です。 人肌の温度に滲んできた涙を手の甲で拭って、あたしはゆっくり、顔を上げました。]
(12) 2018/07/29(Sun) 16時半頃
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だいじょうぶ、
[きっと大丈夫には見えなかったでしょうが、あたしは立ち上がって、階段を降りることを選びました。 このままここにいては、真実に直面しすぎてしまいます。
まっすぐ歩けていた自信はありませんが、それでも落ちずに下まではいけました*]
(13) 2018/07/29(Sun) 17時頃
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[1階に降りていくあたしの顔を見て、下の人たちはどう思ったでしょう。 降りる前にルパートさん>>33とちょうどすれ違ったのですが、その様子に気を配るほどの余裕は、その時のあたしにはありませんでした。
甲高い声が、聞こえてきます>>28。狂ってしまったように声を上げるのが誰かは、わかりました。イヴォンさまです。 笑える気持ちが、わかりませんでした。あたしも子を持てば、わかるのでしょうか。]
(39) 2018/07/29(Sun) 20時頃
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[あたしはキッチンに向かって、昨日までの手伝いを思い出しながら、ミルクを温めました。 砂糖をもったいないくらいに入れて、マグカップに注ぎます。 甘いにおいがしました。……甘いにおいが、しました。]
……ワンダさん?
[カップを持ってロビーに戻ると、結社のお人がワンダさんを連れて、出て行くところでした。 はじめ、その行為が意味するところがわからなくて、なにか個別に、面談やご様子伺いがあるのかと思って、じぃと見つめてしまいました。]
(40) 2018/07/29(Sun) 20時半頃
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どうして。
[意味を理解したのは、取りすがるロイエさん>>25を見た後のことでした。 彼女は、ワンダさんは、みんなの票を集めた結果、ここから連れ出されるのだと、ようやく理解したんです。 けれど、その理由までは理解できませんでした。 確かにマリオは、彼女に入れると言いました。彼女から、反対の意見も特になく、受け入れる様子でありました。 だからといって、だからといって! 彼女がそれだけで、喪われていいわけではないと、思います。
湯気の立つカップを持ったまま、一連の様子をぼうっと見ていました。]
(41) 2018/07/29(Sun) 20時半頃
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[ 入口のそばで足をぶらぶらさせて、階段や暖炉を眺めていると、ゆっくり降りてくる人の姿。 ]
パティ。ふらふらしてるよ。だいじょうぶ…?
ああ、結社の大人がきたぞ。
誰かやられてしまったにちがいない。
[ 赤いしみのついたシーツをかけられた御遺体が運び出されて。
そして、ワンダおばちゃんが連れて行かれてしまう。]
おれのせいだ。
ごめん、ごめんね。ワンダおばちゃん。
連れていかれるワンダおばちゃんの後ろ姿を、玄関先で見送った。
後ろを振りかえらなかった。出て行く前にはロビーを見渡し、小さな子供の姿を探していた。
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[上から降りてきた人影に、すいと視線を向けます。 それがモンドさんだとわかると、どこか現実味を失っていた感覚が、戻ってくる気がしました。]
モンドさん。 ……モンドさんって、甘いものは、平気です?
[それは、素っ頓狂な質問に聞こえたでしょうか。 あたしはマグカップを持ったまま、問いかけます。]
(48) 2018/07/29(Sun) 21時半頃
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あたし、……あたし、今朝になったら、昨日たくさんみんなの前で話をしたご褒美に、それとこれからがんばりましょうって気持ちで、ホットミルクをあげるつもりだったんです。 お砂糖のたくさん入った、甘いミルク。
けど、でも、飲んでくれる人……いな、くて
[言葉はだんだんと、絞り出すようになっていきました。 カップの中のミルクだけが、平然とした様子でぬるくなっていきます。]
(49) 2018/07/29(Sun) 21時半頃
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だいじょうぶ、です。だいじょうぶ。
[大丈夫かと聞かれました>>50ので、ラルフさんにも答えた言葉を繰り返しました。 大丈夫です。あたしは。大丈夫。そう繰り返すことによって、落ち着きたかったのかもしれません。 けれどどうしてか、この時あたしは頭の中は静かだったのです。 いろいろなことがありすぎて、真っ白になってしまっていて。 なので、錯乱しておかしくなってしまうようなこととは、無縁でした。 それがいいことかは、わかりません。]
……あの、飲んでくれません、か。
[手元のカップを差し出してみますが、受け取ってはもらえたでしょうか。]
(55) 2018/07/29(Sun) 22時頃
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( パティ)
わあ、ホットミルク。懐かしいなあ。
それね、お砂糖が4つもはいってるんだ。とっても美味しくて、もりもり元気が湧いてくるんだよ。
いいなあ。モンドさん。
ポケットからとっておきのミルクキャラメルを取り出そうとして、なぜか見つけられない。
あれ、おかしいな。
4つ持ってて、もう一個残っていると思ったのに。
数え間違えたかな…
[ふぅ。とため息をついてあきらめる。]
しかたないな。またそのうち、牧場のお掃除でも手伝いにいこう。
羊糞うまく扱えると役に立てそうなんだよなあ。
でもなあ…。ウンコって難しくてなあ。
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[ノアさん>>46が、ラルフさん>>61が、戻ってきました。 上はどうなったのでしょう。戻る気は、しません。
それから、イヴォンさまもやってきます>>45。 ラルフさんに話しかける口ぶりは穏やかではありましたが、けれど先程の笑い声が、その裏側で聞こえるような錯覚がします。]
ああ……
[あたしは息を吐きながら、頭を抱えました。]
(70) 2018/07/29(Sun) 23時頃
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( ロイエ)
[ロイエと同じ景色を見ながら、かつてパティに歌ってもらった、物悲しい歌を口ずさんだ。初めてこの歌を聞いたとき、お友達の中で泣かなかったのは、おれだけだった。]
ある晴れた昼下り、市場へ続く道。
荷馬車がゴトゴト…
ぐすっ。
[鼻なんてすすってないし、袖でゴシゴシこすったりもしていない。ほんとうだぜ。]
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[甘い、と告げる声>>73は、そこだけ日常になったような少しおかしな感覚でしたが、頭上から降りかかれば、抱えてしまった頭を持ち上げるくらいの力はありました。 ゆるゆるとモンドさんの手元を見て、眉を八の字に寄せます。]
……甘い、ですよね。 無理しないでください。
[自分から押し付けたくせ、そんなふうに言いました。 誰かに飲んでほしかったのは事実なのですが、無理してもらうのは嬉しくないのです。 他にも、ありがとうやすみませんも含めて言いたいことがあった気がするのですが、うまく口をついて出てきたのは、それだけでした。]
(82) 2018/07/29(Sun) 23時半頃
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イヴォンさま。
[あたしは、意を決して問いかけました。 今は少しばかり落ち着いた様子>>85だったので、いい機会にも感じます。]
イヴォンさま、教えてください。 イヴォンさまの見立てでは、占い師はあなたさまとピスティオとノアさんで3人でしたよね。
では、イヴォンさまは本日、どなたを占ったのです?
[もちろん、ノアさんにもピスティオにも、聞くつもりです。 でも一番に、この人に聞いておきたいと、思いました。]
(87) 2018/07/30(Mon) 00時頃
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意に介さないとは……どういうことです? あたしは占い師は、3人はいないと思っています。
けれどあなたさまが、ご自分で占い師だと名乗られましたので、占い師だというのでしたら、お仕事をなさっていただきたいのです。 反対に、あなたさまが先程認められた、ピスティオだけが占い師とおっしゃるのであれば、あたしたちはあなたさまを、嘘つきとして詰問しなければなりません。
それが引いては、ピスティオを守るためになるでしょう。
あたしは何も知りませんから、お言葉をいただかなければ、動けないのです。
[回答を回避した婦人へ、一歩詰め寄ります。 あたしの中ではすでに疑念の湧いていることでしたが、それでも言葉かわさずに決めてしまうのは、こわいのでした。]
(93) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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[ロイエさんが、はっきりと狼の存在を口にする>>104のに、あたしは生唾を飲みました。 人狼かどうか。わかっていても、あたしからは口にしづらかった言葉です。 そうあってほしくない気持ちとそうあってほしい気持ちが綯い交ぜで、わからなくなりそうでした。
けれど、イヴォンさまの問いへの答えは、もちろんひとつです。]
(116) 2018/07/30(Mon) 02時頃
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気になります。 けれど、それをイヴォンさまに聞いてもわかりませんから、お伺いしていないのです。
あたしは、イヴォンさまの持つお力の結果も、同じくらいに気になりますから。
[犠牲になった二人の正体が知りたくはないのかとはぐらかすイヴォンさま>>101へそう切り返しましたが、お答えいただけたでしょうか。 これで成果がなければ諦めてピスティオやノアさんに聞きに行くつもりでしたが、ユージンさんが問いかけを続けていました。 代わりにあたしは少しだけ、鳴りを潜めます。 傍らにあるままの、返してもらったマグカップ>>100はもう湯気を立てませんが、それがあるだけで、不思議とマリオがそこにいるような気が、してしまいました。]
(117) 2018/07/30(Mon) 02時頃
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先に答えてもらえるなら、そのほうがいいわ。 後回しにしたって結果は変わらないでしょう?
[ピスティオが答えを迷った>>113のは、あたしたちが答えにくい空気にさせていたのもあるのでしょう。 そんなことは気にしないで言ってほしいと思いましたが、いのちにも関わる重要なことですから、身勝手には話しにくいのも、わかります。 だからあたしは、残りのふたりにも、リンダさまにも、答えてもらえればと、場所を広げるように身を引きました**]
(118) 2018/07/30(Mon) 02時頃
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子守り パティは、メモを貼った。
2018/07/30(Mon) 02時頃
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……!
[あたしは、ピスティオの言葉>>121に息を呑みました。 だって、今彼が指差しているその人は。その人は、モンドさん、だったのですから。
あたしは、モンドさんだけはありえないと思っていました。 思い返しても見てください。]
(134) 2018/07/30(Mon) 09時頃
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けど、モンドさんは、この宿にみんなが集まってから、この村に来たのよ。 結社のお人が村に来ているのを見たからって、お寄りになったのだわ。
結社さんが狼退治に来ていることくらい、わかったはずです。 そのまま通り過ぎれば、おしまいなのに。 みすみす捕まったり……するもの、かしら。
[本当にオオカミさんであれば、庇っているような言葉です。 不安で押しつぶされそうで、声ははらはらと震えました。 カウンターでは、にぃと真っ暗に、モンドさんが笑います>>133。]
(136) 2018/07/30(Mon) 09時頃
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[モンドさんの笑いはこわい笑い方でした。もしかしたらあたしは本当に間違えてしまったのでは、とすら思いました。 けれど、それを考えるよりも前に、ソファの前をうろうろしていたイヴォンさまの足が止まりました>>127。]
……そんな、
[けれど、こうしてまっすぐ突きつけられれば、ああした感情が湧いてくるのは、少し理解できる気もしました。 理解しただけで、あたしは笑いませんでしたが。 胸の前で右の手を拳に握って、こくん、と喉を鳴らします*]
(137) 2018/07/30(Mon) 09時半頃
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子守り パティは、メモを貼った。
2018/07/30(Mon) 09時半頃
子守り パティは、メモを貼った。
2018/07/30(Mon) 09時半頃
子守り パティは、メモを貼った。
2018/07/30(Mon) 15時頃
( ロイエ)
むむむ。ややこしくなってきたぞ…
いち、モンドさんが人狼、
にい、ティオ兄ぃが人間でパティが人狼でユージンさんが嘘つき、
さん、ラルフさんとティオ兄ぃが人間、
…このうち、事実はいくつ、どこにあるでしょうか。
牧場のお嬢様、かっこいいなー。すげー。
けどなあ、おれをあかちゃんみたいに呼ぶのはなあ。
それなりに牧場に出入りして働いてるのになあ。
次はかぼちゃで覆面つくってかぶっていこうかな。
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――少し前のことです――
[ノアさんは、ピスティオを占ったといいました。結果は人間だと――おそらく、狂人だと伝えるものです。 それは納得できるような気もしましたが、けれど疑問が胸のうちにぐるぐると溜まって、気持ち悪くていやな気分でした。 決して、ノアさんを疑うものではないのですが――]
あたしは、人間です。 それは、ユージンさんが証明してくれます。
[ロイエの問いかけ>>187にも、頷いて答えます。 独り言も舟歌も、聴いていました。]
(263) 2018/07/30(Mon) 19時半頃
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