人狼議事


278 冷たい校舎村8

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 [ 喜多仲郁斗の死体が足元に横たわっている。 ]

 


 
 [ (笑)(笑)(笑) ]
 


 
 [ ごめーん、チョー嘘!マネキンだったね(笑) ]
 


 
 [ 喜多仲郁斗は、元気だよ。 ]
 


 
 [ いっくんはあーちゃんの居ない世界で、
  大丈夫じゃないけど生きています。 ]
 


── 現実/自室 ──

[ 勢いよく起き上がる。
 そして3秒間、静止した。

 自分が見たもの。此処が自室であること。
 今までの記憶は夢だった。っていうことを
 理解するのに掛かった時間だ。 ]

  っマジ無理なんだけどぉ!!

[ ダンッ。って、ベッドから出て床を踏む。
 抜け出すときですらスマートフォンを握ったのは
 まさに依存症の証拠。現代っ子だからね。 ]
 


 
[ 自室を出て、当然リビングの灯りは消えてて
 迷うことなく目指した扉を叩く。激しく。 ]

  兄貴ぃ〜〜〜〜!!!
  めちゃめちゃコエー夢見たんだけどオ!
  もー寝れねえから映画見よ!?
  あのアニメのヤツでも良いからさァ!!

[ 扉の下に光は漏れてるんだ、白状しろ。
 って、騒ぎつければ。
 がしゃん。どん。……ごちん。って物音。 ]
 


 
[ 少しして、ノロノロと開く隙間からは
 恨めしそうに郁斗を睨むコードまみれの兄。
 ごめ〜ん、えっちな動画でも見てた?(笑) ]

  なあ〜マぁジ無理な夢見た〜〜〜。
  てか何見る?あ!ホラー以外な!
  無理じゃん?今ホラー見っとかさあ。

[ 見ねえ。部屋戻れ。って苛立つ声を無視して
 郁斗は勝手にベッドに腰掛ける。
 仕方ないって感じで、兄はPCの前に座る。
 静かにしてろ。ってだけ言って、背を向ける。 ]
 


 
[ ほんの少しだけ興奮していた。
 夢の中の友達が生きていたので。
 途中で死んじゃったヤツも居たけれど、
 終わりまで生きてたヤツが沢山居るのは
 正直な話、大金星だった。 ]
 


 
[ 朝まで漫画でも読むかなあ。って郁斗は思って
 寝転がりながらスマートフォンを見る。

 兄の部屋には漫画が詰まった本棚があって
 時間をつぶすのには苦労しないのだった。

 のだった、けれど。 ]
 


 

  ……どうしよ、兄ちゃん。
  友達、自殺未遂したって。

 


 
[ PCの音だけが鳴る部屋で、
 うわごとみたいに呟いた。

 スマートフォンを見つめるその背景で
 兄が動揺した様子で振り返るのが見える。

 さっきまで無視したじゃん(笑)やーい(笑)
 っていつもなら言うけれど、
 ごめん。それどころじゃない。
 それどころじゃないんだよね。 ]
 


 
  どうしよ、兄ちゃん。
  ………どーしよ…。

[ 手の甲で視界を遮った。

 夏美からの不在着信とメールは、
 あの夢の記憶が共有されていたことを示していて。

 それでもって、紫織さんが。

 ライオンがどうとか、つまんない話しちゃった。
 カッコワライはつかない。つけれなかった。 ]*
 


メモを貼った。



  ────……でした。ちゃんちゃん。
 



  おしまいっ。
  毎日死を願う人間もどき。
  でした!
 



[ とは、なりません。
 千夏は生きています。
 これからも生きていくでしょう。

 いつかは死にますけど、
 きっと100万回願う前に死んでいきますけど、
 それでも千夏は今。生きています。 ]
 


-- 現在/自宅 --
 
[ 目の前は真っ暗で、すこしびっくりした。
 さっきまで、あれ?
 雪に落ちたんじゃなかったっけ。
 広がるはずのものは白なのに、黒くて。
 と千夏は混乱する。 ]

  あ。そっか。
  ……そっかあ。
  死んだんだっけ。

[ だから、帰ってきた。
 千夏ではない誰かの精神世界で、
 願うだけではなく、本当に死んだ。たぶん。 ]
 



[ 横を向いて少し膝を折って寝るのが、
 千夏スタイル。これが一番よく眠れる。

 へたくそなお祈りみたいに、
 鎖骨の前で両手を握りこんで押し当てる。
 そっかー……と胸の中で2分くらい呟いた。 ]
 
  ……誰だったんだろう。

[ ようやく意識がそこに戻る。
 文化祭の世界を作り上げた誰か。
 あ。と思って、枕元にあるスマホに手を伸ばした。
 一足先に帰ったはずの夏美が、
 なにか情報を掴んで知っているに違いない。 ]
 



[ スマホを立ち上げれば、
 夏美からの数回の不在着信に、メールに。
 あの、校舎でみたメール。
 差出人の名前は、精神世界と違って表示されている。 ]
 


  ……紫織ちゃんっ!?

[ ベッドで寝転がっているだけじゃいられなくて、
 ようやく千夏は布団を蹴り上げて、寝床から出る。
 部屋の明かりをつけて、
 夏美からのメールや留守電を確認する。

 一酸化炭素中毒。
 火事のほとんどの死因がそれだって、読んだことある。
 ……火事に巻き込まれて?
 ううん。メールに死にますって書いてある。 ]
 



[ どうしたらいいんだろう。
 と千夏は思った。

 メールをスクロールさせていけば、
 病院に行くから!と夏美が宣言していた。
 夏美の行動的なところが羨ましくて、
 同時に……、ううん。
 今はあんまり思わないかもしれない。 ]
  



[ なにができるわけでもないけど、
 千夏も紫織が搬送されたという病院へと、
 赴くための身支度の準備を始める。* ]
 


メモを貼った。


-- 現在/自宅 --
 
[ ばたばたと身支度をしていたら、
 どうやら煩かったらしく、
 焦ったような母が部屋の様子を見にきた。
 何?と短く質問のあとに、じと見詰められる。
 目が見れなくて、足元に視線を落とした。 ]

  ……紫織ちゃんが、
  クラスメートがしんじゃいそう、で。

[ え?どういうこと?と母が言う。
 千夏もよくわからない。どういうことなんだろう。
 どうしてなんだろうね。
 人間やめたくなっちゃったのかな。
 と、紫織の精神世界でのことを思い返す。 ]
 



[ しばし、沈黙。
 口を先に開いたのは、母だった。
 千夏に何もなくてよかった、って。 ]

  そうだね、なにもなくてよかったよ。

[ あ。すこし冷たい言い方になった。
 たぶん母は低血糖だとかを心配している。

 そうだ、血糖値、測らないと。
 思った瞬間におなかがすいたきがする。 ]
 



  病院、いってくる。
  お母さんが私を心配なように、
  私も紫織ちゃんが心配だから。
 



[ お母さんは寝ててね、と千夏は言った。
 困った顔をした後に、
 母は部屋の前から寝室に帰っていく。

 それから、千夏は全速力で血糖値を測って、
 間食のための注射を打って、
 あんまりおいしくないビスケットを頬張った。
 クレープの暴力的な甘さが恋しい。 ]
 



[ コートにマフラーを身に着けて、
 (ハンガーに掛けたコートはなぜか落下!)
 (なんでかリップがポケットに入っていた!)
 靴箱から長靴を探して履く。傘も持った。

 靴箱に備え付けられた鏡には、
 顔色の悪い千夏が写っている。
 色をのせる暇はないな、とそのままに飛び出した。
 のはいいけれど。すぐに戻ってくる。 ]

  雪、降ってない!

[ 玄関に長靴を置きっぱなしにして、
 スニーカーに履き替える。 ]
 



[ 自転車に乗って、
 病院への道を漕ぎ出す。

 千夏も知っている道だ。* ] 
 


 
 [ なんで謝るんだろう。 ]
 


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