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ああ。――行ってらっしゃい、流。
[気がつけば。
…きっと、幽体として見ておけということなのだろう。
僕は僕の身体を凍らせる流を見ていた。
少しその光景には、――何か複雑なものがある。
暫く、僕の死体と流を見ていて。
僕が死んだら、きっとこんな感じなのだろうと――。
当たり前の話だが、それを今にして思った。]
メモを貼った。
[世界が重なっているようで重なってないような。
そんな、不思議な感覚。
僕はここにいる。
しかし、そこに僕はいないのだ。
接点のない世界に僕だけが行ったような――。
そんな感じだった。]
[そして、どれほど時間が経ったか知らないが。
何故か幽体になってから配布されていた"端末"に。
メールが、届いた。]
……ミナカタ?
["メールを見れる"から"メールを送れる"ように機械についてのレベルが上がっていた櫻子は、返そうか悩んだ。発言者に首を傾げながら。]
届くか分からんが。
― メール ―
ミナカタ。あなたが、どなたなのか。
私には分かりません。
しかし、こちらには届いています。
既に死んだはずの、私の元に。
[と、他所用の口調で櫻子は書きつつ――。
メールを送ってみた。]
[ちなみに、画面はメールとは少し違うのだが。
櫻子にとっては、チャットもメッセンジャーもLINEもそれも大体"メール"と一括りだった。
違いがよく分からないので、そういう認識なのである。]
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
[ふむ、と櫻子は考える。
思い当たるのは"能力"だ。死者からの情報を得ることは、確かに有益な場合もある。
仲間が死んだ場合などに、協力をしてもらえるならばそれは誰にも認識されない密偵を得るようなものだろう。
とはいえ、僕はこのミナカタに協力する気は今のところはないのだけれど。]
― 電脳世界βへと ―
はい。ただし、i-GAMEにおける死者。
水無月櫻子です。
灯台の屋上にいますが、流に私は視えていなかったはず。
失礼ながら、これはあなたが望んだ能力におけるものでしょうか?
[片眉をあげて、その返信を見た。
……最初から、そんな機能が?
フェアじゃあないなと思いつつ。しかし、あの武器のことを思えば最初からフェアな戦いをさせる気などないのだろう。
これもある意味武器のようなものかと納得をする。]
― 電脳世界βへ ―
あなたが来ると言うならば、お待ちしています。
[片手に端末を持って、灯台の頂上から下を見ていた櫻子には――。
その、白い何かが眼に入った。
直感で、ああ、あれはやばいな――と思った。
客人が来ると言うなら、お相手しよう。
そう考えて、灯台の頂上入口の方へと歩いていった。]
メモを貼った。
[死してなお"装備変更"の能力があるのは、面白い。
僕はわざわざ死に装束の白衣に着替えて、頭に三角の布をつけてみた。
そうして、正座をして入口の前で座して待った。]
メモを貼った。
― 電脳世界β ―
見えているよ。ああ、一週間前にK-cafeで……。
やはり、みんなあのcafe繋がりなのか?
ところで、ミナカタ。
気をつけろ。白いのが近寄ってきている。
[そう忠告をしたのは、黙祷を見て何かを思ったからか。]
[少しづつ、櫻子は端末にもミナカタにも慣れてきたらしい。文章が多く、早くなっている。
ついでに口調もいつもの調子だ。
― 電脳世界β ―
行ってらっしゃい、僕はここで待っているよ。
というくらいかな。
特に伝えるというほどでもないが。
ああ、ちなみに僕は望んで流に殺された。
だから流を疑うようなことはしないでほしい。
流により、マドカにそう伝われば良いな。
ミナカタ。
ついでに、キミの武運も祈っているよ。
[ひらひらと手を振って、櫻子はまた外を見ようと灯台の淵へと歩いていった。
ふふ、と微笑んで。]
/*
僕からは赤が視えるようになったよ。
だから僕と赤でのやり取りは可能だ。
ただ、赤とミナカタでのやり取りは出来ない――といったところかな?
メモを貼った。
あれは――どこかで見たことがあるな。
白い…機械……。
あ。頑駄目、とかいったかな?
[などと言いながら、首を傾げて気楽そうに足をぶらぶらとしている。]
【人】 鷹の爪団 マドカー昨日・灯台ー (66) 2014/06/15(Sun) 17時半頃 |
【人】 鷹の爪団 マドカ[それから、今日も灯台に泊まることに同意しただろうか。各々部屋に向かうのを見送って、自分は今までいた室内に戻る。 (67) 2014/06/15(Sun) 17時半頃 |
【人】 鷹の爪団 マドカー3d朝・灯台ー (78) 2014/06/15(Sun) 18時半頃 |
【人】 鷹の爪団 マドカ[南方や流と合流した時は、まだ抱えられたままだったろうか。下ろしてと頼むタイミングを見逃し続け、そのまま南方の言葉を聞いただろう>>44。 (84) 2014/06/15(Sun) 18時半頃 |
【人】 鷹の爪団 マドカはい!わかりました! (88) 2014/06/15(Sun) 19時頃 |
しかし、悪趣味……か。
[櫻子は案外このゲームを楽しんでいた。
本気を出して戦える。それが許されるのだ。
――負けたら、なんて一切考えてなかった。
だからだろうか。
ミナカタのその言葉は、少し気になっていた。]
[櫻子は機械には疎い。
人形の機械といえば、親戚の子供の玩具と全て同じに見えてしまう。
…ただ、あれは。
遠目にみただけでも、何か異様な――覚悟と殺意を直感できた。
流は、それでも勝てると思える。ただ、あのミナカタは――逃げるがせいぜいかもしれない。
何となく――、心配をしていることに気がついて。]
…僕は、悪趣味なのかもしれないな。
[などと、ミナカタが聞いたら失礼極まりないことを、空に想った。]
勝算があって、戦っている――のだよな。
[と、海岸で対峙する白いのとミナカタを見下ろしている。
櫻子は装備変更で望遠鏡を取り出していた。
声は流石に聴こえないが――。]
無謀と勇気は違うぞ、ミナカタ。
どうするつもりだろうか。
[手に汗握り――。
割と楽しそうに、櫻子は様子を見ている。]
メモを貼った。
[――……。
その瞬間を、櫻子は見ていた。
僕は期待していた。爆ぜる砂粒。
僕ならどうやって対峙するだろうか。
ミナカタは、どうやって倒すつもりだろう。
僕は、ミナカタがどう勝つかと――。
――信じて、疑わなかった。]
[白い騎士と幻影との戦い
ミナカタの口が動いている様子
――その瞬間には、思わず、おおと歓声をあげた。]
[――……。
嫌な予感がして。]
…馬鹿っ、どうしてトドメを刺さない!?
ミナカタ!まだ終わってないぞ。
そいつはまだ――、
[
――首を、跳ね飛ばされて。
僕はそれが幻影であれば良いと――。
少しの間、放心していた。
信じていた者が、負ける姿を初めて見てしまった。]
……ミナカタの、バカ…。
[そう、小さく呟いて。]
[――その後。
櫻子は、電脳世界βをじっと見ていた。
ミナカタがそこへ表示されたら、僕は"今すぐここへ来い"と送るつもりだった。
僕は怒っていた。どうして気を抜いたのかと。
どうして一人で戦おうとしたのかと。
どうして。どうして。
僕は怒っていた。ミナカタが、負けたことに。
――僕は、悲しかった。ミナカタが、負けたことが。]
[――と、そこに。
ミナカタと違って、名無しのメッセージが届いた。
文章の感じも全然違う……女性だろうか。
遣る瀬無い気持ちを抑えつつ。
折角来たそれに、僕は返すことにしてみた。]
― 電脳世界β ―
ああ。僕が、水無月櫻子だ。
死んでいるよ。そして、本人だ。
何も証明できるものなどないがな。君は、誰だい?
[ミナカタと違って、最初から僕は僕として送った。
腹の中には、いろんな感情が渦巻いていて。
名前も知らないこの誰かに、八つ当たりをして気を紛らわせているような――。そんな理不尽なイラだちみたいな、どろどろが僕にそうさせていた。]
[僕は何に怒っているのだろう。
何故怒っているのだろう。
流が、死んだら――。
流が、負けたら――。
そんなことを、考えてしまう。
だからといって、それをミナカタのせいとするのは本当に八つ当たりだ。落ち着け、僕。
…でもそれなら、僕は何故哀しいのだろう。
勝てると思えない――。戦う前は、僕はそう思った。
でも、勝てると踏んだから戦ったのだと思った。
だから、僕は期待していたのだ。
――どうして、ミナカタは白い騎士に挑んだのだろう。
それが、分からなかった。
僕が見た、あれは――。
幻影であれば、と今でも心に思っていた。]
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