105 CLUB【_Ground】
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[ホレーショー>>4に舐められて、そのくすぐったさにふすふすと鼻を鳴らす。 虎が眠ったのを確認すれば、抱えてきた画用紙と色鉛筆、そして端末を潰さないようにと床に置いた。]
――――、
[一瞬だけ躊躇った後、端末を少しだけ操作する。 目尻に滲んだ涙を瞬きで追い払って、静かに眠りについた*]
(12) 2013/12/19(Thu) 02時半頃
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― 一週間後・雨の日の広間 ―
んー?
[貰った色鉛筆は、日に日に短くなった。 最初はまるだけだったリンゴも次第に輪郭がしっかりとしてくる。 上手くもなく、下手でもなく、見れば分かる程度の画力はあったようだった。]
んー?
[そんなリスが画用紙を前に何やら唸っている。 手には肌色の色鉛筆。画用紙には五つの不格好な山。 首を左右に傾げて、不満そうに尻尾を揺らしていた。]
(25) 2013/12/19(Thu) 02時半頃
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んー、難しい…。
[記憶を頼りにして描くのはやっぱり苦手で、色鉛筆をきちんと片づけると、画用紙と共に隅へ置く。 新しいクッションボール>>3を発見すると、期待に尻尾が大きく振られた。]
ふわふわ、ふわふわ?
[てーいと飛びつけば、ふすふすと鼻を鳴らす。 まだ手袋には気づいていないようで、大きなボールと一人戯れた。]
(28) 2013/12/19(Thu) 03時頃
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え、遊んでるー。
[テッド>>30に声をかけられて、丸い瞳を瞬かせる。 二週間が過ぎて、テッドを怖いと思うことはまったくなくなっていた。 むしろ気の利くいい狼だ。]
テッドも遊ぶ?
[動くボールに反応する習性はない。 どちらかといえば、触り心地を堪能する方だ。 他にも同じものがあるけれど、はい、と声をかけて、彼に向かってボールを放り投げた。]
(31) 2013/12/19(Thu) 03時半頃
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― 広間 ―
[もし誰かにホレーショーと一緒に寝た日のことを聞かれても、詳しい話はしなかっただろう。 いや、できなかったと言う方が正しいかもしれない。 朝方目覚めて一人で聞いた端末の声を思い出せば、これまでしたことのないような愁いを帯びた表情を浮かべる。]
だけど僕には、欠けてる感覚がないんだ…。
[冷え込みが足元から忍び込むように、一点の曇りもなかった心に一つの染みができた。 思い出した不安に尻尾が揺れるけれど、テッド>>34の姿を見て、ふるふると頭を横に振る。]
えへへ、楽しいよねー!
[こうして皆と一緒にいる間は、楽しいことだけ考えていられるから、いい。 ずっとこのままでいられたらいいなんて、そんなことを思ってしまって――]
(62) 2013/12/19(Thu) 16時頃
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え―――?
[――フー>>@23の声が終わりを告げるまでの、儚い夢だったけれど。]
(63) 2013/12/19(Thu) 16時頃
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[絵本>>@22と聞いて思い浮かんだのは、赤いリンゴ。 広間の隅には少しだけ上達した絵が置かれている。 絵本も気になるけれど、それよりもヤニク>>35やテッド>>37の反応が目に入った。]
皆、知ってたの…?
[茫然と呟く声は、当人>>50が囁く現実に塗りつぶされた。 イアン>>57から届いたメッセージも、それが事実だと伝えてくる。 耳と尻尾が震えるから、力を入れて、尻尾を抱きしめて。]
テッドもイアンもおめでとー!
[いい子だから、ちゃんとおめでとうを言えるよ。 だからねぇ、褒めて欲しいんだ。頭を撫でて。]
(64) 2013/12/19(Thu) 16時頃
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[声に出すのが何だか怖くて、端末でふたりにメッセージを送った。 そして配膳口にある絵本を数冊掴むと、そのまま無言で部屋へと戻って行く。 画用紙は置かれたまま。描かれた絵は置き去りのまま**]
(67) 2013/12/19(Thu) 16時頃
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― 自室 ―
[転がるようにして自室に戻ると、毛布で作った寝床に転がり込む。 適当に掴んできた絵本を床に置けば、一番上の本に手を伸ばす。]
「らいおん は とても つよくて なんでも ひとりで できました そのことが じまんでした」
[ひらがなばかりの本は久々に読む。 横になったまま手を伸ばすと、適当にページを飛ばして、中盤辺りを開いてみた]
「らいおんの まわりには だれも いなくなって しまいました うさぎも ぞうも きりんも いません ひとりぼっち です」
[心臓がきゅうっと痛くなって、身体を小さく丸めた。 そんな時通信が届いて、慌てて端末を開く。]
(87) 2013/12/19(Thu) 18時頃
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寂しくなんか、ないっ!!!
[一人の部屋に、端末に向かって叫んだ、大きな声が響く。 尻尾の毛は限界まで逆立ち、全身がひどく震えていた。]
(89) 2013/12/19(Thu) 18時頃
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[生まれてきた環境に、不満なんて抱いたことがなかった。 頑張れば褒めてくれる。頭を撫でてくれる。 それだけで十分嬉しかったから、その手があれば、いくらだって頑張れたから、怖いことはあるけれど、怖れることは何もなかった。 世界は完成したパズルのように、とても綺麗に見えたのだ。]
うっ……うぅ……。
[丸い目からぼたぼたと大粒の涙が零れる。 完成したパズルから、ひとつふたつ、ピースが外れてしまった。 綺麗な世界に穴が空いて、それはこれから、もっと広がって行くのだろう。]
ひとりぼっちに、なる…?
[ライオンの絵本を見る。 そこに描かれたライオンの周りには、誰もいなかった。 それがまるで、自分を表しているようで、顔が歪む。]
(90) 2013/12/19(Thu) 18時頃
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[ひとりぼっちになったら、あの撫でてくれる手もなくなってしまうのだろうか。 自分の手を頭に伸ばして撫でてみるけれど、どんなに擦ってもどんなに手が熱くなっても、心は暖かくならない。]
ど、して……どうしてぇ……。
[怖い、苦しい、切ない――寂しい。 端末の向こう、一番柔らかいところを突かれた声は途切れている。 いや、自身が切ったのだ。 逆立った尻尾は戻ることなく、事実を突きつけられることを拒絶している。]
だれ、か…。
[暖かな手を思い出す。あの手が欲しい。頭を撫でて欲しい。 いい子じゃなくても、撫でてくれるかな。 端末に手を伸ばすけれど、怯えた心は拒絶の恐怖に震えて、通話ボタンを押すことすらできない。 そのまま目を閉じ、身体を丸めて、眠りの闇に潜り込んだ**]
(94) 2013/12/19(Thu) 18時頃
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[目を開けたのは、それからどれくらいのことだろうか。 自身の大声が誰かの耳に届いたと考える余裕すらなく、雨模様の薄暗い部屋の中、端末が着信を告げる点滅だけが時を刻んでいた。 無意識の内に手を伸ばそうとして、自分を呼ぶ声>>@74に手を止める。]
フー…?
[何の用件だろう。 涙に赤くなった瞼も目隠しで見えない。 そのことに安心して毛布の中へ手を伸ばしたところで、静止の声がかかった。]
(140) 2013/12/19(Thu) 22時半頃
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……っ!
[フー>>@75>>@76は何を言っているんだろう。 皆、どうしてそんな、ひどいことばかり言うの? 怪我をしたそこはまだ瘡蓋もできてなくて、触れられると膿のような痛みが溢れてくる。 苦しくて、苦しくて、見えないだろうにぶんぶんと頭を振った。]
つらく、ない…つらくないのに……。 今が、いいんだ……今が幸せなのに………。
[それは愛玩動物が望んではいけないこと。 主人に出逢うために造られた存在意義そのものを否定する言葉。
完璧な綺麗な世界。毎日が楽しくて、幸せだった。 それが削れていく痛みに震えているのに、未来の幸福を語る。
どうして、今のままじゃいけないの。 心配する言葉も未だ聞いていない端末に残った言葉も、今は傷を抉る音でしかない。]
(141) 2013/12/19(Thu) 22時半頃
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いい子でいたら、全部なくなっちゃう……。
[それは、欠片だけ拾った、ライオンの物語。]
でも我慢をしないと、心臓が止まっちゃいそうなんだ……。
[それは、現実をつきつける言葉たちから身を守る、シマリスの盾。]
[声は消え入りそうで、ドアの向こうまで届いたかは分からない。 ただ小さな耳には、去って行く足音と忍び寄る絶望だけが残った。]
(142) 2013/12/19(Thu) 22時半頃
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[休めと言われても、眠りから覚めた身体はすぐに意識を手放してはくれない。 ぼんやりとした表情には覇気がなく、毛並みも普段よりぱさついて見えた。]
あ…返事、しなきゃ……。
[端末が点滅しているということは、誰かからの連絡があったということ。 お客さまからの言葉なら、ちゃんと返信しなきゃいけない。 無意識に刷り込まれた行動が画面へと指を伸ばさせた。]
(145) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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[返信を終えると深く息を吐く。 その中の一つにお風呂への誘いがあった。 着替えを手にすればすぐに準備が終わってしまって、壁に背を凭れたまま、ぼんやりと中空を見上げた。 ぐるりと後ろから膝に乗った尻尾を撫でながら、小さく息を吸う。]
――――、―――――♪
[虹の向こう、貴方の夢が叶う場所――そんな意味があったような気がする。 メロディーだけを囁く歌は、旅立つ仲間へ贈るもの。 届かないだろう。それでもいい。 何度も、何度も、口遊んで。]
(155) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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[端末に連絡が届いて、歌が止まる。 部屋のドアを開け、そこに凭れ掛かってヤニクを待った。]
――っ!
[そこに届いた連絡を耳にして、息を詰める。 困惑と怯え、弱った心にはあまりにも衝撃的なことに、ぽつりと呟きが零れた。]
(165) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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[端末に向けていた顔を上げると、ヤニク>>169の姿があった。 変わらない日常の欠片、彼の姿を見て、瞳が安堵の色に染まる。]
大丈夫、だよ? ほら、一緒にお風呂、行こ?
[へにゃりと笑って、草臥れた尻尾を揺らす。 ヤニクの手に指を伸ばして、拒まれないなら掴み、大浴場へと歩き出した。]
(172) 2013/12/20(Fri) 00時頃
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― 大浴場 ―
そうなの? ちゃーんと入らなきゃ駄目なんだよー?
[なんて話をしながらやってきた大浴場、ヤニク>>175の目の腫れには触れられなかった。 自分に返ってきたら、答えられる自信がなかったから。 お揃いのように尻尾を揺らしながら歩いて、大浴場に到着する。]
ヤニク、寒いから早く行こ!
[手早く服を脱いで洗濯ボックスへ入れると、浴室へ入ってまずは頭と身体を洗いはじめた。]
(177) 2013/12/20(Fri) 00時頃
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僕が寒いのが苦手なのと一緒なのかなー?
[そんな会話をしながら、上から順に身体を洗って行く。 だからヤニクの思惑には気づかなくて、飛びつかれて身体が大きく跳ねた。]
キッ! しっぽは、だめ……っ!
[むずむずする感覚に肩を震わせ、ヤニクを離そうと尻尾の毛が逆立つ。]
(185) 2013/12/20(Fri) 00時半頃
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……うぅ、 ヤニ、 ク、
[ボディーソープで滑りがよくなった尻尾は、するするとお互いの毛並みをなぞる。 暖かいと言った彼の声はどこか切なく聞こえたから、拒むことはできなかった。 むしろ応えるように尻尾を絡めて、熱い息を吐く。]
ね、ヤニク……。 人と目が合ったら――その人を怖いと思ってても、好きになっちゃうのかなぁ。
[身体の力が抜けたからだろうか。 胸の内に溜まっていた不安が一滴零れる。 濡れた耳はへたりと頭にくっついていた。]
(191) 2013/12/20(Fri) 00時半頃
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僕もそう…思ってた……。 だってここの皆は、フーも、ティーも、サミュも、優しくて……。 研究員さんだって、ヤニクや他の皆だって、暖かくて…。
[優しく触れる尻尾はむずむずとした感触を伝えてくるけれど、堪えられない訳じゃない。 ヤニク>>195の問いに逡巡した後、こくりと頷く。]
寂しい? って聞かれたんだ。 その声がとても怖くて……だから僕、怒っちゃって……。
[当人が皮肉や嫌味を想定してかけた言葉は、負感情に敏感なシマリスへしっかりと届いてしまった。 傷を抉られ、警戒心の強い心にそれが染み込めば、消えることのない怯えが生まれる。]
(201) 2013/12/20(Fri) 01時頃
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僕……怖い………ここから出たくない……。 僕のこと嫌いな人を……好きになるなんて……怖い、よ。
[怖いことを言われた。傷つけた。 どこに求められる理由があるのだろう。 分からないから怖くて、震えることしかできない。
シャワーのコックを捻れば、適温のお湯が全身を叩く。 どうか溢れる涙をヤニクから隠して欲しい。 絡まった尻尾まで、泡が流れていく。]
(202) 2013/12/20(Fri) 01時頃
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[ヤニク>>208の言葉が現実となって、身体を槍のように貫く。 否定するように首をぶんぶんと横に振った。]
そんなこと…そんなことあるはずない! あんな怖い人が僕のご主人様な訳ない! 僕のこと嫌いな人が僕のご主人様な訳ない!
[大浴場に大きな声が響く。 シャワーの飛沫が周囲に飛び散った。
心の中にある主人の偶像に顔はない。 そびえ立つ理想、あるようでないものを求めていたけれど、今はそれよりもここにいたかった。 ピースの崩れ始めたパズルにしがみ付いたまま、未だそれを引き剥がす者はいない。]
(215) 2013/12/20(Fri) 01時半頃
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僕、分からない……怖いのは、嫌だよ……。
[ヤニク>>211の状況を何も知らないまま、けれど今、気にする余裕なんかなくて。 彼の言葉は気休めにしか聞こえず、絶望に濡れた瞳が彼を捉えた。]
ヤニクは僕が…どうなってもいいんだ……っ。
嫌いじゃないなら、どうしてあんな言い方をするの。 誰かがなんて言い方をするの。 僕である必要は、どこにもないじゃないか!!!
[それは八つ当たりでしかなく、八つ当たりでしかなかったけれど、幼い心は止める術を持たず、シャワーを止めて大浴場から駆け出した。]
(216) 2013/12/20(Fri) 02時頃
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― 自室 ―
[身体を拭うのも惜しくて、適当に服を纏えば、そのまま自室へと駆け出した。 鍵を閉めれば、動物たちは入ってこれない。 端末を力強く投げ捨てようとして、結局できずに毛布の上へと落とした。 そのまま身体も倒れ込めば、布にじわじわと水分が吸い込まれていく。]
寒、い……。
[冷えていく水に体温が奪われるのか全身が震えて、身体を丸める。 濡れた尻尾が全身を守るように覆い被さった。]
(222) 2013/12/20(Fri) 02時頃
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[声>>@121が聞こえる。 お気に入りの毛布みたいな、安心する音。 この声は――]
ティー…?
[尻尾の奥から顔を少しだけ覗かせて、掠れた声を出した。]
(231) 2013/12/20(Fri) 02時半頃
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[ティーの声が聞こえる。 毛布の中に手を伸ばす。目隠しを取り出した。]
ティー、寒いの。 僕いい子にするから……ねぇ。
ティー。
[目隠ししたよ、入って来てよと迷子の声が囁く。]
(232) 2013/12/20(Fri) 02時半頃
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チアキは、そう囁いて、涙に濡れた目を目隠しで覆った。
2013/12/20(Fri) 03時頃
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[静かな部屋に微かな足音だけが響く。 額に手を伸ばされれば、びしょびしょに濡れた髪に触れることになっただろう。 水に濡れた身体、けれど暖かく設定された部屋の温度に、肌が冷え切っている訳ではない。 問いは正解ではなかったけれど、説明する余裕はなくてこくりと頷く。]
ティー……ティー…。
[額に触れた手が気持ちよくて、目隠しが涙で滲んだ。 毛布から抜け出せば、全身びっしょりと濡れた身体が現れる。 手のひらに頭を摺り寄せ、撫でてとねだった。]
(237) 2013/12/20(Fri) 03時頃
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