263 ― 地球からの手紙 ―
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[私の話は、私が何者かを追う壮大なサスペンスではない。 なぜなら、そのことについては、私がメモを頼りに辿り着いた建物の主が、 あっさり話してくれたからだ。 にわかには信じられない話だったし、 あれから一週間が経った今でも実感が持てずにいる。
私が、この家の主の妻で、 交通事故により何年も昏睡状態に陥っていた、だなんて。
彼が私を指して読んでいた「ヘザー」という名前だけだった。 唯一、私のものだ、という実感が湧いたのは]
(28) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[夫だという人は私を目覚めさせるために、 この地球の、私達のいる街より遠いところの医療技術を頼った。 おかげで目覚めることはできたが、この家に帰る途中でなぜか記憶喪失になってしまった。 そう説明づけるのが一番しっくりくる、と彼は言っていた。
何度か携帯端末とにらみ合いした末にお目当ての人と連絡を取ることに成功した後、 彼は、機械の不具合がどうとか、準備さえ整えば今度こそ――などと、 早口で説明してくれていた。 つまり私の記憶が戻る可能性はあるらしい、が、 それは果たして喜ばしいことなのだろうか? 私にとって。 現状、それが一番の謎であった。私にとっての]
(29) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[もちろん何かのはずみで記憶が戻ることが最も望ましい、と。 彼は色々な写真の入ったアルバムや、 私が書いていた日記などを用意してくれた。見れば何か思い出すかもしれない、と。
私の知らない私はどうやら非常にまめな人だったらしい。 毎日欠かさず手書きの日記をつけていたし、 世話になったひとの連絡先を連ねたアドレス帳もまた、手書きで記していた。
私はペンを手に取り、日記の筆跡を真似て、日記の文と同じ字を書いた。 私の部屋だという場所の引き出しの中にあった、 少し色あせたレターセットの便箋を拝借して、字の練習をした。 元の文ほど綺麗には書けなかったが、ちゃんと読める字が書けた。 私を目覚めさせるのに使われた機械の効果なのか、 それとも、私が知らないだけで、まめにリハビリを行っていたからなのか]
(30) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[いずれにせよ、これなら。 先日届けられた手紙に返事をすることに苦労はしなさそうだ。
真新しい便箋、真新しいインクを入れた万年筆、古い日記帳。 返事を書くために用意したのはそのみっつだ。 今の私はこの一週間の思い出しか持たないから、 それより前の思い出を、日記帳を頼りに記していく。
全く不思議なものだ、 買い物や、炊事洗濯、そういうことは字を書くことと同じように困らずできているというのに、 自分が何者かだけが思い出せないなんて――]
(31) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[手紙を書きながら私は、私の部屋だという場所にある、 編みかけのマフラーのことを思い出していた。 日記には、マフラーを編み始めたという記述はあるが、 編み終えたという記述はなかった。 つまりは編み終えることなく件の事故に巻き込まれたということで……、
それはさておいて。 今の私は編み物の仕方を覚えているのか。 そのことには少しだけ興味が湧いた。 さりとて編みかけのものに手を付けることは憚られたから、 書いた手紙を出しに外に出るついでに新しい毛糸も買うことにした。 糸の色はせっかくだから、黒と見まごうような深い深い青、にしようか]
(32) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[携帯端末がひそやかにコール音を鳴らす。 流行りの音楽ではなく、ただのベルの音を模した電子音だ。
私が私を認識しだしたときから傍にあるそれには、 夫の端末のアドレスだけではなく、私の友人を名乗る者達のアドレスもあり、 一時期かわるがわる目覚めたことを喜ぶメールが投げかけられたものだ。 記憶はなくとも心配はかけさせたくない、という感情は湧いた。 だから、返事は簡素で当たり障りのないものになった。
その時のことを思い出して多少なりとも憂鬱な気持ちになった。 やれやれ、これから編み物をしてみようという時に…… ため息をつきつつ送り主を確認するが、 名前はおろかアドレスも記されていない。完全に秘匿されていた]
(47) 2019/04/18(Thu) 23時頃
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知らない、人、から……?
[私は今までとは違う種類の戸惑いを感じた。 この端末に搭載されたただのメール機能には、 匿名のメールを受け取る機能はない。 なんでこれが私のもとに迷い込んできたのかはわからない。 だが、とにかく、相手は知らない人だ。 きっと過去の私のことも知らない人だ。 だから最初はわだかまる思いを素直に吐き出そうと思ったのだけど、 知らない人に話すには長すぎる話だ。それに――]
(48) 2019/04/18(Thu) 23時頃
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[私が抱えてるものへの理解を、共感を、求める手を、 伸ばすことはしなかった。 だけど。この地球のどこかにいる知らない人。 彼か彼女かもわからぬその人の“そういう気持ち”は私にも覚えがあったから。 少しばかり丁寧に言葉を紡いでいく]
(50) 2019/04/18(Thu) 23時頃
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[小さな画面の中で羽が生えた封筒のアイコンが飛ぶ。 きっと迷うことなくいくべきところへ向かうのだろうそれから目を離し、 私はすぐに編み物を始め―――なかった]
悩み、ねぇ……。
[誰にも分かってもらえないかもしれない、私の抱えているもの。 先程は吐き出さなかったそれを、私はただ紙に書いた。 まるで殴り書きするように。 それから丸めて捨てようかとも思ったのだけど、 それじゃあ結局近くにあるのと同じだから、 紙飛行機にして大きな窓の外から飛ばした。 けっこう遠くまで行った気がするけど、果たしてどこまで行ったんだろうね?]
(51) 2019/04/18(Thu) 23時頃
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迷い人 ヘザーは、メモを貼った。
2019/04/18(Thu) 23時半頃
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