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[幼いながらもたくましい少年と向き合い、ようやく心が落ち着いた頃合いだっただろうか。
こちらの方へ向かってくる、黒い翼をはためかせながら来る、死神。
昨日の彼ではない。下衆な笑みを浮かべながら来た彼らは、こちらを狙っているのだろう。
笑みを絶やさない彼らは、もしかしたらこちらを侮っているのかもしれない]
―――…丈司君。援護、お願いね?
[彼らは遅かったのだ。
生き返る動機を見つけた彼女の精神は鋼となり、己が体を硬質化していく]
(負けられない。この子の為にも、あの子の為にも。私の為にも)
[抱きしめていた丈司の体をそっと離し、死神の方へ近づく。
数は、1。1対1なら、何度も何度もこなしてきている。
もしもサイキックを使われることがあったとしても、後衛の彼がいてくれるから、何の迷いも恐れもない]
―――……勝てると思ってるの?
[女だからか、それともどこかから雑魚だと聞いていたのか、それはわからない。
向き合ってもなお笑みを絶やさないその死神に対し、表情を消して、一瞬で間合いを詰める。
腕をつかむことができたならば、もう、自分の勝ちだ]
[右腕をつかみ、死神の足を払い、身体を浮かせてしまえば、いかに翼を持っていようと逃げることはできない。
自身を起点に、地面へ叩きつけるように投げ技を披露する]
[地面を背に倒れ込んだ死神が起き上がる前に、腹を踏みつける。
体制を建て直される前に、胸ぐらをつかんで、逆の手で顎を下から殴りつけ、胸の位置がこちらの手の高さから落ちる前に振り向きざまに肘鉄を食らわす。
まだ立ち上がりそうだというのなら、脳天に踵落としを決めるだろう]
[死神が動かなくなれば……命を取ったつもりはないが、久々に暴れはした。
多分師が見たら怒るような、自己流で、しこたま]
さて、7日間生き延びればいいんだもんね。
とりあえず、場所、移そうか?
[ここ、死んだ場所で何か嫌だもんね、なんて丈司に笑って見せれば、彼はどんな反応をしただろうか。
彼女の眼には、もう迷いも涙もありはしなかった]**
メモを貼った。
メモを貼った。
[ どうしてそんな顔をするの? ]
[ ── 事切れる直前まで、感じていた。
骨が砕けて、内臓が潰れて、
口から血を吐き出している、私を。
声は途切れ途切れに聞こえていて、
……でも私 やっぱり分からないんだ。
私を見て そんな顔をする理由が。 ]
[ …私が痛くないんだから、
あなた達が痛がること ないって。
こう思うのも 盗られちゃった、から …かな ]
[ ───── ]
[ 赤く染まったドレスこと、
ぼろぼろの死装束のまま、私は目覚めた。
…永い眠りの途切れた、そんな感覚があった。
すべて 夢だった、ような。 ]
…………
[ …でも 見えた空は、本物だった。
ぼう と 辺りを見回す。
…シーシャ は、どこ?
それ に、
他にも 誰かがいた 気がして
空へ痣だらけの手を伸ばして みた けれど、
…*どうだったかな* ]
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…大丈夫、任せといてね
[ニッと微笑み。
体術の1対1であれば、彼女がまず負ける事はないだろう。
となれば、ぼくのやる事は彼女が戦いやすい場を用意する事。
具体的には他の死神の動きを止める事だ。
チャンスは油断しているであろう今。
後ろに控えている死神に狙いを定め、歩くには少々辛い位になってもらう。]
[
…女の人1人に男2人がかりなんて、さすがに卑怯じゃない?
[そのエネルギーは即座に赤い花の養分へ変換される。
死なない程度には加減をしたが今日いっぱいはまともに動く事もできないだろう。
…もしかしたらその結果
後に彼らは
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[死神たちが片付けば、何かを思いついたようにその翼から羽を1つずつ拝借してポケットへ。
…手段に対する選択肢は多いに越した事はないのだから。]
そうだね、どこか見晴らしがいい所がいいかな?
街の様子も気になるし
[
それじゃ、行こうかと満面の笑みで手を差し伸べただろう**]
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― →十王マルチシアター西付近―
[この辺りで見晴らしの良い所となると展望スペースがあるコキュートスJか観覧車のあるドゥームプラザになる。
どのみち一度北方面へ向かおうという話になったのだが]
「マジ最高!」
「神ってたわー」
[途中、十王マルチシアター付近を通りかかった時
派手なパンクファッションに身を包んだ若者達が興奮冷めやらぬという様子で建物から出てくる場面と遭遇する。
どうやらコンサートが終わったタイミングのようだ。
それ自体は若者の街、サイガワラにとって日常的な光景。
よくある事だったのだが]
「ブルースカルもキマッてたよね」
「やっぱ時代はブルースカルバッジっしょ!」
[聞きなれた単語に少年の眉はぴくりと反応する。
さらに聞き耳を立ててみれば
今日コンサートを行ったバンドがブルースカルバッジを付けていた事。
今、ブルースカルバッジがブームになっているという事を聞き取れただろうか。
それだけならまだ、偶然同名のブランドがあったとか
元々RGに存在していた製品を今回のゲームに使用していた等という事で説明がついただろう]
[しかしさらに中央エリアを進む道中も、すれ違う人々はブルースカルバッジの事を話題にしていたのだ。
イマドキの若者から幼い子供、よい年をした中年層。
果ては老人までそれはそれは幅広く…]
ねぇ、パティさん…
[何かがおかしい。
そう続け、訝しげに隣を歩く彼女の顔を見ればどんな反応を返してくれただろうか*]
メモを貼った。
メモを貼った。
[ 伸ばした手の甲と、手首と、腕と。
うっすら見えていた痣が、
最初から無いかの様に、消えていくのが見えた。
…脚も、ちゃんと繋がっていたし、
変な方向に折れていないし、
本当に、あんなに殴られたのが嘘みたいだ。
── どうして意識があるんだろう。
ぼんやり ぼんやり。
消えていく痕を見ながら思っていれば
目が 合った
── …
[ ぱた、手が落ちる。
どうして?って顔を、向けていたけれど
不思議そうな顔をしていたのは相手も同じで。
ここでようやく 私は立ち上がった。
よた っと。
血に塗れたお姫様のドレスで。 ]
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