268 オリュース・ロマンスは顔が良い
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-- 食堂 『Ruokala Lokki』 --
[今手袋するんだ…] [………色んな人いるよなあ] [世界って広い]
[乾杯しながら、手元を見て思う>>9] [顔には出さないけど]
[カクテルを喉に流し込んで] [これだよこれこれ、とにんまりする]
美味しい? それはよかった。
[誰だって己の行きつけが褒められたら嬉しい] [にんまりがさらに、にんまりした]
(18) 2019/08/01(Thu) 01時頃
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酸っぱいのが好き…?
ああいや。 ポテトとチーズのオーブン焼き頼んでて ちょっと脂っこいかなーと思って。
[こちらに向けられたカルパッチョ] [生魚が苦手なのは知らぬまま] [ざくりとフォークで掬ってもぐもぐ] [美味い]
(20) 2019/08/01(Thu) 01時頃
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え?あ、はい。
[この街に来た切欠を聞いたら] [呼び方を訂正された>>11] [意図がわからぬわけではないが…] [はははと笑って、誤魔化して]
じゃあ、最初もこの時期だったんです? 普段はなーんもない小さな街ですけどねえ
あ、でも…街並みはいいですよね。 ファンシー感増し増しな感じで
[こんな風に回るのは初めてだと聞けば]
え、そうなんですか? そ、それなら良かった
[回ったことがないって、どういうこと…?] [疑問がまたひとつ増えて…]
(21) 2019/08/01(Thu) 01時頃
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[っあああ!!] [もーだめだ] [変な疑問が多すくてそろそろ限界]
ってか…シェーンベリさん。 なんで今手袋してるんです?
外では素手だったのに。
[やっぱどう考えても変だ*]
(22) 2019/08/01(Thu) 01時頃
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─0時過ぎ─
[途切れない夜の侭に日付だけが変わる。
深藍の空には星。先週よりも増えた流星が、背中を押すように降ってくる…ひとつ、ふたつ。]
…ッと こっちか…?
[生魚の入ったビニール袋をぷらぷらと引っさげて。
今まで足を踏み入れたことのない店の裏手に回る。
細い石畳の道がほんのり街灯に照らされている。
人通りは殆どなく、マーケットの喧騒が嘘みたいに…此処だけは時間を切り取られて静寂と落ち着きの中にある。
息遣いさえも伝わってしまいそうな、ひっそりとした小道を奥に10歩ほど。
其処に、────彼が居た。]
[オレンジに近い赤毛が暗がりの中の街灯に縁取られ、明るい店内で見るよりも仄かに淡く。
ラフな普段着にリュックという出で立ちは、普段の制服姿よりもずっと年若く感じる。
初めて見る私服姿は、プライベートを垣間見た心地になって。少しだけドキドキした。
彼が何かを放り投げる。
弧を描いて前方に落ちたそれを猫が咥える。
ムシャァという咀嚼音。
そして。]
…ン? べたべた… が、なンだって?
[よく聞き取れなかった言葉を訊ねる台詞を口にしながら、待ち人のいる奥へ向かう。]
あーーー …お待たせ?
[こちらは先程と格好は全く変わらない。オール私服。
ビニール袋を持っていない方の手を、挨拶するようにゆると挙げた。]
お。ブチ猫じゃン。
おーおー 食ってるくってる。
[ニヤニヤ笑いながら、魚肉ソーセージをぱくつくブチ猫を観察する。自分のあげた餌ではないものを食べている姿を見るのは、ちょっと新鮮だ。]
餌やるってこたァ…
アンタも猫好き?
[と。そこまで口にしてから、────不意に首を捻る。]
あーーーー そういや、
アンタの名前知らねェな オレ。
[あえて名前を呼ぶ関係ではなかったから当然だけど。
今は、こうして…プライベートで会っているのだから、名前くらい、欲張ってもいいだろうか。]
オレは… シーシャ。
…アンタは?
[小首を傾げて相手の顔をじっと見つめる。
薄い色素の髪が、さらと揺れた。**]
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[変か、と言われれば>>40] [うーん、と微妙な反応] [ワケを知らなきゃそら変でしょ…] [とは、思うだけだが]
[敏感肌>>41に、へーと、一言] [普通にするからと言うから] [いやいや、と手を振って]
そういうのあると、大変っすね。 まあ、別にいいっすよ無理しないでください。 そういうの我慢してもいいことないでしょ?
[アレルギーとか] [シャンプーが合わなくて頭痒くなるやつとか] [あんなのと同じでしょ、って] [なんでもないことのように言って] [チーズの絡んだポテトをぱくり] [あっつい、美味い]
(42) 2019/08/01(Thu) 02時頃
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[理由を知れば、見方は変わる] [素手でフォークを掴む手を見ながら] [連絡先を渡した時の手つきを思い出した] [だからあの時も――]
しかし、金属も紙もどっちもなんて 大変っすねー。
[己は五体満足なだけで十分幸せなのだろう] [カクテルを飲み干して]
マスター、ワインちょうだい。
[言ってから]
お酒、どうします? また同じでいいですか?白にしますけど
[聞いて、もし別のなら希望を聞いてオーダーする]
(43) 2019/08/01(Thu) 02時頃
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[程よい酒は人を饒舌にさせる] [窓の外を眺めながら]
俺ね、夢があるんすよ。 もう少しでなんとかなりそうなんですけどね。
[今年はなかなか流れ星に会えない] [去年の今頃は、見飽きるくらい見えたのに]
流れ星も営業時間ってあるんすかねえー?
[そう言って腕時計を見る] [ああそろそろ空が白み始める頃だ**]
(44) 2019/08/01(Thu) 02時頃
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["敏感肌"の程度がどの程度か知らないから] [反応なんてそんなもの] [でも、肌が荒れたり気持ち悪くなったりはイヤ] [そこは理解できたつもり]
[ネガティヴよりは、ポジティヴに>>50] [そう受けとって、前向きだとは思うけど] [ヤなものはヤ、スキなものはスキ] [それでいいんじゃないかなあ…とか思っちゃって] [フクザツだなあ、と考えた]
んー、俺バカだから難しいことわかんないけど もっと気楽でいいんじゃないんすかねえ?
っていうか。 シェーンベリさんて、変なところですっげー神経質で 変なところで無頓着な人っすよね。
[敏感肌云々の部分と、ホテルの部屋の惨状と] [よくわかんないけどなんか変な人…は変わらない]
(56) 2019/08/01(Thu) 19時頃
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[叶えたい夢] [どんな、と聞かれて>>51]
なんつーか、探しに行きたいんすよ。 俺がここに生きてる理由を。
なーんて、何言ってんだオマエって話っすけどね。 でも、たまに思うんすよねえ。 俺、なんでここにいるんだろうって。
……はは、やっぱ何言ってるんだろ、俺。
[笑う声は乾いていて] [口調は軽いがきっと目も笑っていなかった]
[それ以上を問われたとしても] [しょーもない話だからいいのいいのと] [はぐらかしたことだろう]
(57) 2019/08/01(Thu) 19時頃
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[流れ星は営業中らしい>>53]
じゃー雲でもかかってんすかねえ。 去年は見上げりゃ必ず見えてたのに。
[雲でなければ単にタイミングの問題か] [つまらなそうに口をとがらせたが] [この時間が一番好きだと聞いて、ひっこめた]
へー、どうしてです?
[聞きながら、店主に会計の合図をして] [楽しかった、と言われれば]
それはよかった。 ガイドの役目を果たせてよかったっす。
[じゃあ、ガイド代いただいていいっすか] [飲食代を出してもらった上で言うのはアレだけど] [お仕事はお仕事なので]
(58) 2019/08/01(Thu) 19時頃
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[そして立ち上がり、表に出ながら]
俺も帰るのは足しかないんで。
[君はと問われて、肩をすくめた]
シェーンベリさんも 迎えを呼ばなくていいんです? なんなら、タクシー呼びますけど。
[飲んだ量を思えばこその気遣い] [もし、迎えもタクシーも要らないと言うのなら]
じゃあ、お送りしますよ 無事におうちに帰すまでがガイドのお仕事っすからね。
[特別サービスっすよ] [にやっと笑って、一緒に歩こうとするだろう**]
(59) 2019/08/01(Thu) 19時頃
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[薄蒼く、静かで、冷たい>>60] [明け方が好きな理由は] [外に出てみるとなんとなくわかる気もした]
[でもなー] [やっぱり、昼間のほうが好きかも]
[なぜなら] [薄暗いと眠くなるからだ]
………ふぁーあ……ぃ、はい。は、は。
[迎えはと聞いた後、思わずあくびが] [呼び方を指摘する声>>61に] [あくびを途中で飲み込んで、苦笑した]
(89) 2019/08/01(Thu) 23時頃
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[歩きたい気分と聞けば、そっすか、と] [転けそうに見えるか?>>62] [聞かれて――]
はい
[しっかりくっきりはっきり即答した] [だって、ずっと機嫌良さそうだし] [よく笑ってるし]
[…こんな顔で笑うこともあるんだな] [予想外の一面に、吊られて一緒に笑う]
[でも明らかに酔ってるから] [やっぱ一人で帰しちゃいけない気がした]
(90) 2019/08/01(Thu) 23時頃
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[行きますよ、とホテルの方へと歩き出せば] [差し出される手>>62] [取ろうとして、己の手はすぐに動かなかった]
[あの時振り払われた事] [頭は忘れたつもりでも体が覚えている]
[黒い手袋が包む指先を数秒眺め]
まったく、子供じゃないんですよ。
[しょうがないな、と] [伸ばされた手に己の手をゆっくり添えて]
…はい。自分で握ってください。
[こちらから握らずに彼に任せる] [好みの顔にまた手を振り払われたら] [ショック過ぎて立ち直れないかもしれない]
(91) 2019/08/01(Thu) 23時頃
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[そして、ホテルの前へ] [言葉を濁した夢の話の続き>>64に]
はは、それはよかった。 そう、っすね。叶うかな。
[叶うといいなと言われて、笑みを見せた] [……そう言われちゃうと、夢の真意は言い辛い] [夢のためにこの街を出るつもり、なんて]
それじゃあ、おやすみなさい。
[ホテルに入っていくのを見送って] [背を向けて歩き出す] [食堂を出たときよりも明るくなってきた] [上着のフードを被って] [起き始めた街の中へと消えていった]
(92) 2019/08/01(Thu) 23時頃
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-- ペルセウス・マーケット 3週目 --
[先週と変わらず賑わう蚤の市] [宵の口を過ぎ、夜の帳が下りたその先] [日が変わるかどうかという頃合い]
[港の物揚場で派手な喧嘩沙汰が起きた] [事の始まりは、平日の間にあった些末事] [新入りに焼いた世話が逆噴射して] [逆恨みの挙げ句の刃傷沙汰]
[新入りはナイフを握ったまま警察に連行され] [刺された男は救急車に担ぎ込まれる]
(96) 2019/08/01(Thu) 23時半頃
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[――その、救急車の中]
……げ、ぇ。 や、っべ……俺、死ぬ?
[けふっ] [咳き込んだら、血を吐いた]
なあ、頼みが一つあるんだけど。
[動く方の手でポケットを漁り] [折りたたんだ紙切れを取り出して] [救急隊員に差し出して]
ここに、連絡、して。
[死ぬ前に、もう一度――]
(97) 2019/08/01(Thu) 23時半頃
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[救急隊員に渡した紙は] [いつかの報酬と一緒に受け取った連絡先]
[救急隊員からの連絡は、届いてくれるだろうか*]
(98) 2019/08/01(Thu) 23時半頃
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― 店の裏手 ―
[分かってるのかー、と愚痴った時、ぶち猫がにゃああと鳴いた。
あれ、通じた?と思ったその時、自分の背後から声が聞こえ、思わず立ち上がり振り返った。]
うわ。
いや、待ってないです。
遅くにすみません。
でも、やっぱり、この猫ですよね、お客様と一緒に居た猫。
[言う傍から、ぶち猫は魚肉ソーセージのかけらを食べ終わると、彼の足元へと寄っていく。
間違いない、彼の連れていた猫だ。
しかし、にやにやしながら、あんたも猫好き?と聞いてくる彼には、返答に困った。
まあ可愛いといえば可愛いが、正直ふつうとしか言いようがない。
自分にとっては好きなのも可愛いのもよほど…
と、言葉に詰まったところで、彼が声を上げる。
そして、自分の名前を名乗った。]
シーシャ、さん。
[思わず小さく笑みを浮かべながら俯いて繰り返す。
名前が分かった。
いつも一人で来て、あまり喋らないから、名前を知る機会もなかった。
今日、絶対に聞こうと思っていたら、彼から教えてくれた。
それにしても綺麗な名前だ。
立ち振る舞いや口調は一見街のチンピラだ。
でも名前やその髪は他の人にない流れる様な綺麗さで、
ふとした仕草や挙動は子どものように愛らしい。
全部が全部ちぐはぐだ。
だからこそ彼から目が離せないのだ。
彼が小首を傾げて自分の顔を見つめる。
街灯の光を映す細い髪が、さらりと下へと揺れた。]
…ヒイラギです。
[彼がじっと自分の顔を見るから、自分も目が離せない。
そのまま、黙ったまま、思わず彼の細い髪へと手を伸ばす。
その指が触れるか、触れないか、というところで、遠くで別の猫の喧嘩する激しい声が路地に響いた。
彼の足元に顔をこすり付けて甘えていたぶち猫がばっと顔を上げると、声のした方に向かって駈け出す。
思わず猫の走り去っていく方角へと視線を向けた。
しかし、ぶち猫は振り返りもせず走り去り、路地には自分と、シーシャだけが取り残されていた。]
…行っちゃいましたね。
[暫くののち、呆気にとられたまま彼の方を見て呟いた。]
どうしましょうか?
帰ります?
シーシャさん、明日は仕事じゃないですか?
[問いながらも別れがたく、未練がましい事が勝手に口から出てくる。]
それか、猫、探してみます?
もし、帰るにしても…少し、マーケットへ寄ってみますか?
もう、大分閉まっちゃったところも多そうですけど、今日は大きな市も立っていたようなので。
楽しいかな、と思います。
[あなたと一緒なら、という言葉は飲み込んだ。]**
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-- 救急病院 個室--
[ぴこ、ぴこ、ぴこ] [心拍数を刻む電子音と一緒に] [入院着でベッドの上に転がっていた] […いや、正しくは、転がされていた]
[お腹を包帯でぐるぐる巻きにされて] [片腕には点滴]
やべー、よくわかんないけどやべー…
[生まれてこの方] [病気という病気も、怪我という怪我も無縁だった] [病院なんて未知の場所に一人で転がってるだけでも] [人生の終わりを感じかける]
(128) 2019/08/02(Fri) 00時半頃
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[搬送されて処置をした直後だからか] [他に誰もいない静かな個室] [規則正しい電子音に、うとうととし始める]
[喧嘩というだけあって、傷は脇腹だけではなくて] [普段下ろしている前髪がヘアピンで上げられ] [おでこと頬にもガーゼがぺたり] [丸見えになった耳には、ゴールドのヘリックス]
[静かすぎて、薄ら寒くなってくるし] [脇腹の傷もじくじく痛むし] [口の中はまだ血の味がするし] [ちょっと、くらくらする] [血がいっぱい出たらしい]
――、…ゴ。
[こんな時に真っ先に顔が見たいと思うなんて] [俺も大概、やられてる]
(130) 2019/08/02(Fri) 00時半頃
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[ちなみに] [致命傷ではないので命に別条はない] [傷跡は残るかもしれないが、それだけだ]
[しかし、人生で初めて刺されるという] [かなりのハードエクスペリエンスに] [理解が追いついていないのだったりする*]
(131) 2019/08/02(Fri) 00時半頃
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……………
[規則正しい寝息] [病室に誰かが入ってきた>>135ことには] [全く気づかない]
[瞼が動いたのは] [ベッドの端が小さく軋んだ時]
ザ……ゴ?
[寝言のような、呼びかけのような] [だが、さっき動いた瞼は再び閉じている] [7割方寝言だ]
(140) 2019/08/02(Fri) 01時半頃
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