263 ― 地球からの手紙 ―
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[己に欠けたものを持ち得る他者を求めることが恋ならば 全てを満たした完全な存在を想う者は、 その器に何も持ち合わせていないのだろうか?]
(4) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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[生まれも才能も秀でた部分は何一つ無くとも、 嘆く不幸も降り掛かったことのなかった少年は ある日、人生を変えるような出会いをすることになる。
“ソレ”は科学と研究者達の愛し子 人々は口々にその名前を口にし、直ぐに夢中になった。
中でも彼にとっては、とても大きな出来事だ。 衝撃の後に感じたのは恥、そして無力感だった。 まるで自分がちっぽけでどうしようもなくて、 何の取り柄もない醜い生き物かのような。
未だ十代の狭い世界で生きる彼にとってそれは 初めての忘れられない感覚だった。]
(5) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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[少年の胸を満たしたものに甘さは見当たらなく、 故に感情の名前を理解するまでには時間が掛かって、 彼はその間に、いかに存在が人間に近いのか 個としての自我を確立しているのか、 ファンという立場からゆっくりと知っていくことになる。
そして、気づいてしまったその時、 まるで自分が一人きりになってしまったような気分になった。]
(6) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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[彼は割り切ることが出来なかった。 その存在をアニメーションのキャラクターのような非実在とは どうしても認識出来なかった。
彼は理不尽を覚えた。 科学に作られどその手を離れて自ら歩き出した者を 想うことが何故人間を愛することと違うのかと。
彼は理解していた。 遥か古くの時代のこと。一部の人間、一部の民族は 信仰対象、或いはその使いとされる者を両性として描いたという。 まるで神のように性別も持たず生まれたかの者は 個として愛される為に作られたわけではないと。]
(7) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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[愛を謡い誰かの手を握ることは無い。 一方的な感情を認めた便箋すら、実体の無い躰をすり抜ける。 電脳世界を通じ送られた「ファン」からのメッセージ 読むことは可能だとしても、 その生みの親達は不必要な言葉を排除するだろう。
いや、例えその目に触れることがあったとしても 受け入れられることなど決して有り得ないのだ。]
(8) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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[そんな気持ちを不思議が届け、見つけた誰かが拾い上げた。]
(9) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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えっ、……二人で?
[瞬き、目を丸くした少年のベッドの脇には その友人と恋人となった少女が立っている。
祝いの場で向けられた嫉妬も知らない彼の友は 屈託無く笑って、「心配だって言うから」と ごくごく普通の返答をした。
痛々しげに白く覆われた足を見る少女の表情は、 向けられた気遣いの言葉は、 入院当初、学校が終わりすぐに見舞いに来た 彼女の恋人の見せたものに酷似している。]
(10) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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……そっか、
[驚いたような顔のまま、少年は静かに呟いて]
(11) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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ありがとう、二人とも
[緩んだ笑みを浮かべることが出来た。]
(12) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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[友と少女の姿に知らない筈の貴男と愛する人を重ね いつか幼い子が抱える恋を想って きっと何処か類似した気持ちを持ったキミに会いたくなり 変った自分のように貴女が良い方向に進むことを祈り 今度は純粋にただただ貴方と語り合ってみたくなって
そんな経験をあなたにもして欲しいと願い、 風が飛ばした獅子の絵を脳裏に描いた。]
(13) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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[少年の端末が新しくなり、その足が帰路につけるまで 未だ多くの時間が掛かるだろう。
けれど。 病室に舞い込んだ風は優しく爽やかに 其処に孤独を思わせる冷たさは無かった。]*
(14) clade 2019/04/24(Wed) 00時半頃
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[松葉杖を使用した歩行が可能になった頃、 院内の電波の使用が許された区画にて。 新しくなった端末を手に彼は、そんなメールを送信する。 あのアプリケーションを再びインストールしたことで、 メールBOXに残る二通を閲覧し、返信を書くに至ることが出来た。
──余談だが、内一名にあまりに堂々と名乗られたことで 思わず本名を記載していたことに今更気づいて笑ったりもした──
しかし、短い期間言葉を交わした二名の相手は今どうしているか 少年のように現在でもメールを受け取れる状態にあるのか 不可抗力とはいえ、長い間返さなかったのだから アンインストールしていてもおかしくはない。]
(30) clade 2019/04/24(Wed) 22時半頃
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[理解はしていても、行動を起こしたかった。 いつか退院を果たし、家に帰ることが出来たのなら 別れを告げるような内容を送った二人へも きっと彼は同じように文を認める。]
(31) clade 2019/04/24(Wed) 22時半頃
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あー…… 早く、治らないかなぁ
[また友達と皆で遊びに行きたい。 絵を描きたい、君の歌を聴きたい メールで、手紙で、あの人達とまた。
少年は若く、やりたいことが沢山ある。
呟きに含むのは憂いや不満ではなく 未来を思う浮ついた期待と楽しみと。 未だ帰宅は遠くとも、その気持ちは病院には不似合いな程に。]
(32) clade 2019/04/24(Wed) 22時半頃
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[少年と他者の差異は、その気持ちが過去になるまで変わらない 想いが成就することは無く、 幾人もの友が幸せになる様を傍で見続けることになるだろう。
けれど彼は、目の前にあり届かない幸福を受け入れられた。 自分の感情に前向きになろうという意志が生まれた。
電子の海で産声をあげた存在を目にしたあの瞬間のように、 顔も知らない誰かに届けられた想いによって、 確かに何かが変わったのだ。]*
(33) clade 2019/04/24(Wed) 22時半頃
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── そして ──
え……?
[不思議を調べ、少年は以前より端末を使う時間が増えた。
あの日何気なく選びだしたアプリケーションが、 既に管理されておらず、使用出来ない筈だと まずインストール出来ることがおかしいと知るのは
彼が学生として復帰してから暫く後のことだった。]*
(48) clade 2019/04/25(Thu) 00時頃
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