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― スクランブル交差点・上空 ―
[脱落した魂の残滓たちに呼び掛けて、それに応える声もいくつか。
僕は、嬉しさについ口角を上げます。]
それでは。
このようなミッションは、いかがでしょうか。
[ぼやけた僕の姿が、指を鳴らせば。
反応をくれた方の持つ端末――本来は脱落者にはもうメールを受信する権利は無いはずのそれが、
再び、着信の音を刻むでしょう。]
――――――――――
From:Composer
subject:脱落者へのミッション
モリ区のコンポーザーを倒せ
猶予はあと3日
ゲーム終了と同時に消滅
コンポーザーより
――――――――――
そのミッションは、挑戦したい人だけ挑戦してください。
クリアしてもしなくても、脱落者の皆さんはいずれ消滅してしまうでしょう。
コンポーザーとは、UGの管理者。
それを倒すことができれば、全ての権限を得ることができます。
生き返ることも、エントリー料を取り戻すことも、思いのまま。
……そしてそれは、一時的にUGよりも次元の高い空間にいる、
消え行く寸前のあなたたちにしかできないことなのです。
[――そう説明しておきますが。
僕を倒すことができるという、奇跡を起こす方が現れるというのは、さて。
どれだけ低い確率の、出来事なのでしょうね。]
サイキックも、パートナー契約も、
完全に消滅するまではまだ生きているはずです。
持てるものを全て使って、挑戦してください。
[――できるものなら。
そう、試すような声色で言い切ると、
僕のぼやけた姿は上空から姿を消すでしょう。
そして、僕が現れる位置は、1の上空。
僕と戦うには、まず姿を捉えるところから始めなくてはなりませんが、
期待には応えてくれるでしょうか?*
1.ミタマ電機 2.ロイヤルホテル九曜]
メモを貼った。
[ゆらり…
ゆらり…
ゲームの盤面から零れ落ちた姿が。
魂の残滓が。
陽炎のように、その場にたゆたう。
ゲーム開始、5日目
眠る男を抱えた影が、ゆっくりと輪郭を集め、
その場に人としての形を成す。]
[虚ろな表情の少年。
少し長い癖っ毛が、揺らめくようにふわふわと揺れる。
ただ、その瞳にはまだ光は宿らない。
消え行く魂へ語りかける声が、
その少年に言葉として認識されるまでには…
まだ少し、時間が必要な様だった。**]
メモを貼った。
ぶえっくし
[起きた。いや、どこで?
でも、起きた。なんでか寒い。
寒いなんて、感じられるのか?ブラシーボかもしれない。
でもやっぱ寒い。]
――……
[
なんで、近くに存在があれば、手を伸ばして、ぎゅーっと抱き込んだ。
ああ、ぬくいなぁ。すやすや。*]
なんかまちがえた
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[ふわり…
ふわり…
意識が揺れる。
ここは、何処なのだろうか。
自分は、誰なんだろうか。
覚えているのは、目の前で光る銀の刃。
振るう男の、晴れやかな笑顔。
こちらを見ていた瞳。
ガラス越しの瞳。
ガラス玉の様な瞳。
とても、とても大事なことを
伝えていたような気がするのだけど。
声は遠く…意識は彼方に引き離されて…]
……………。
[
何かに、ぎゅっと固められた。
これはとても大事なもの。
冷たくしては駄目なもの。
ひんやりとした何かを、暖めるように包み込み
うっすらと目を開く。]
…………輝にい?
[目に光が戻り、北見圭一の自我が再形成される。
それと共に、目の前の人物を認識し…
ほっぺたを、加減しながらぺちぺち。
反応を伺った*]
![]() | 【人】 記号の妖精 ミーム[言ってみよう、という言葉には。 (62) 2016/06/13(Mon) 21時頃 |
んあ?
[ぺちぺちされた。
うっすら目を開く。
ああ、あったかいやつだ。
なんかあまり認識しないうちに、またぎゅーっと抱き込んだ。
基本、甘えたがりだった。
でも、もちろん、声を出せば、それが圭一であること、認識はすぐにできる。]
おお?
あれ?俺、死んだ、はず?
[その自覚はあったらしい]
つーか。
その、ごめんよ。
俺が死んだから、お前、死んだんだよな。
[圭一がルイに殺されたことは、知らなかった。
だから、あくまで、自分がまきこんだと思った。
そして、そう思えば、ごめんな、とまたぎゅうっとして、ややめそっとした声を出す。]
お前を殺したくなかったなぁ。
…俺だよ。圭一だ。
[皆方は、目は開いたがまだぼんやりしている様子。
ぎゅーっと抱きついてくる姿に、子供の頃は立場が逆だったなぁとか少し感慨深い気分。驚かせないよう、抑えた声で囁いた。]
………。
……違うよ。
あの日、俺も、死んだから。
どっちが先とか、そんなの…わからないし。
[もしあの時、自分が生きていれば。
光球で相手を排除していれば。
皆方の傷を抑え続けてその日を超えられたかもしれない。
それもすべて、終わった話。]
それを言うなら、原因を作ったの…俺だし。
最初にもっと力を込めて…鮫に攻撃できていれば。
輝にいだって…
だから…輝にいの所為じゃ、ない。
俺だって…輝にいを死なせたくはなかったよ。
[声に含まれる湿度に、宥める様に背中をとんとん。
昔、泣きべそをかいていた時、母親や皆方自身にされたように。
宥めるようにふわりと撫でた。]
はい?
[
なに?お前も死んだ?
なんで?
[首傾げ。だって、あの時、こいつが死ぬような要因あったか?と。]
[背中をとん、とん、とん、と撫でる手。
だが、身体を起こすと、眉を寄せて圭一を見る]
どういうことだ?
[自分がドジって死んだ。だから圭一も道連れにした、ど思ったわけだ。
だけど、違う、らしい。
とすれば、それはどういうことか?]
死神から殺されたのか?
でも、沙音ちゃんや幾何ちゃんがお前殺したりは、
しない気がする。
[そう考えを口にしながら、可能性を考えて、
一つ思い出した、でも、いや、ない、と頭を振った。]
―――んー…あれは多分、刺されたのかな。
感覚は麻痺ってたけど、包丁、見えたし
なんか、ごすって響いたから…
[少し、困ったように苦笑を浮かべて。
淡々と、自分の死んだときについてを口にする。]
幾何ちゃんや沙音君は、俺達を助けてくれたじゃないか。
紀陸君だよ。
向坂先生の、相方の子。
[最期のあの時、麻痺していたので痛みはなにも感じなかった。
ただ、静かに命の炎が消えるのを自覚しただけ。
静かに、その刃と笑顔を眺めていた。]
「来る」ならもっと後の日だと思っていたから。
…油断、した。
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