人狼議事


263 ― 地球からの手紙 ―

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超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2019/04/20(Sat) 00時頃


メモを貼った。


[北へ向かう。
陸上のヒトビトは見たことがないであろう、水底を走るクルマ]

最近走っていなかったけど、調子は良さそうだね。

[運転手にそう、声をかけた。

遠出をすることが、無いわけではない。
一族の婚礼やら、水の民の代表が集まっての会議やら、そんな機会はたまにある。

でも、今回のような、いつ戻れるかわからない旅は初めてだ。
もめ事を早く解決してやれればいいが、と思う]


…………。

[晴れない気持ちで落とす視線が、小さなラッピングバッグをとらえて少し和んだ]

うん、そうだ、これがあった。

[クルマへ乗り込む直前に届いたそれには、手紙と、贈り物らしき包みが入っている]

……そうだね、自分で言ったんだ。
これも、きっと成長の機会だろう。

[まっすぐで可愛らしい便りに、そんな言葉が漏れる。
返事を出すのは、しばらく先になってしまいそうだけれど。

単純に楽しむ、とはいかない旅でも、大切な経験のひとつととらえよう。
誰かを助けられる大人であるために。*]


[風に飛ばされてきたゴミ、通り過ぎた大樹の根元
水たまりを飛び越え損ねた靴底や
ちいさな水辺に溺れた虫、水浴びをした小鳥や
辺りを転がる小石からも、泉が移動した道筋に沿って

きっと誰もが気付かない位に、
ほんの少しずつ色が抜き取られている。
犯人は遥か地面の下にいるけれど
そもそも犯行自体気付かれていないのだから
探されることもない。

ぜんぶたべてしまうことも、ほんとうはできるのです
けれど同じもののたべすぎはいけません
少しずつ、色んなものをつまむのがいいのです。
けんこうというやつになれるのです、すばらしいですね!

けんこうというやつは、いいものなのです。
もじがおしえてくれました。
ことば は、とてもすばらしいものです。
ついつい、たべすぎてしまいそうになります。]


[数十年前、ちいさなひとたちの暮らす地域で
ミニチュアみたいな図書館が
急に降り出した雨に一気に浸水したあと
水に濡れた本からそっくり文字が消えた
怪事件が起こったはなしは
今を生きる人々の記憶からは次第に薄れ
忘れ去られ始めているだろう。

あのときほどくいしんぼうだったことは
いまだかつてありません。
つつしみ、だいじですからね!
けれどあのときくいしんぼうだったおかげで
わたしはずいぶんと、かしこくなりました。
かしこくなったので、すてきなものとだいじなものが
いっぱい、いっぱいふえました。
だいじなものがいっぱいあるのは、すばらしい!]


[そう、つつしみはだいじなものなのです。

そのものの全ての色を奪い去って、喰いつくして
人の眼に映らなくしてしまうなんて
遥か昔には神隠しとか呼ばれた食べ方は
最近ではもうしていない。
図書館の時だって文字を奪っただけで
本自体は残しておいた。

だから、これも。
とってもすてきなこれも。
たべつくしてはいけないはずです。

だれかがきっと、こまってしまいます。
あのときみたいに。]


[あのときわたしが、くいしんぼうだったせいで
たくさんのひとがこまりました。
しんぶんというやつの、ことばがおしえてくれました。

かしこくなって、すてきなおもいをして
うれしかったのは、わたしだけなのです。
みんなこまりました。それはいけません。
くりかえすのは、いけません。

何かの偶然で、水たまりに落ちた手紙を
名残惜しんで少しだけ躊躇ってからそっと地上に返す。

微かに味わった鱗片からは知性を感じる文字の並びと
ほんの少しの、懐かしいなにかのかおり。]


[これはわたしのものではありません。
こまってしまうだれかのものです。
しっています、てがみというやつなのです。

とどけたはずなのにとどかない
こまってしまうだれかから
とどくはずなのにとどかない
こまってしまうだれかにおくられるもの

いいなぁ、いいなぁ。
わたしもほしい。
けれどこれは、わたしのものではないのです。]


[こまってしまうだれかのもとへ
ちゃんとかえさなければいけません。

だってこれはすてきなものです。
きっとなくなってしまっては、
だれかとだれかがかなしみます。
かなしいのは、いけません。

……けれど、かえしただけで、
ちゃんとだれかとだれかに、とどくでしょうか?

ぴこぴこ角を悩まし気に揺らして考えてみる。
このままではこの手紙は、きっと誰にも届かない。

どうしようか、どうしたら…


……そうだ。
わたしがとどけてしまえば、いいのです!]


[それはきっと、とてもすてきなことなのです!
あたまがいいですね、わたしは!
これもきっと、ことばのおかげなのです。

そうときまれば、おでかけのじゅんびをしなくては
いつぶりでしょう、おそとにおでかけするのなんて。

うきうきしながら、すぅ、と息をするよう吸い込む。
最初に干上がったのは、地上の水溜まり程度の泉だった。
そのまま自分を取り囲む水を吸い込んでゆく。
地中を移動していた不思議な水球みたいな住処が
すこしずつ、次第に小さく萎んで行って…
居場所のなくなった身体が地面からもこりと押し出された。
それは大人の握り拳大のちいさなおかしないきものだった。

ぷは、と吸い込んだ分だけ吐き出した吐息は
もくもくと雲になって上空に浮かぶ。
浮かんだ雲はしとしとと
冷たさを感じさせないちいさな雨粒を降らせ始めた。]


[太陽を遮ってしまわない淡い色の雲と
あたたかな雨を引き連れて
ちいさなてあしをえっちらおっちら
泉と同じ、うごいているやらいないやら
よくわからない速度で歩き出す。

角の間に、件の手紙を引っかけて。

ばしょには、なまえがあるのです。
てがみには、ばしょのなまえが、ありました。
けれどこまりました。
ここのなまえは、いったいどこでしょう?

ああ、けれど、だいじょうぶ。
あるいていれば、いつかはもくてきちに、つくものです。
地球というやつはどうやら、まるいらしいので!
ぐるっといっしゅうしてしまえば、いいですね!]


【人】 超心理学会 ヒイラギ

[街には君の声があちらこちらから聴こえる
君であって君じゃない君が、何処にでもいる。

朝、帰路の途中車窓から覗いた景色にも
今は充電が無い端末の中にも、いつだって。
全て本物であり、偽物でもある。

君は個であり、幾万であり、無だ。]

(9) 2019/04/20(Sat) 21時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

 ……疲れた。

[玄関のドアを開いて早々の少年の言葉に母親は笑う
どこかぼんやりとした表情を見て肩を叩いて、二度寝を提案する。
それが許されるのが、休日二日目の朝であるからこそ
素直に従い荷物を持って階段を上がり、自室へと。

最初は期待に胸を躍らせ、次は恥に神経が昂ぶり
三度目、昨夜は慣れない環境と忙しさから
不眠と言う程ではないだけで、
十代の貴重な睡眠時間は確かに削れ続けている。
そして、漸く自分のベッドに潜り込める筈のこの時間も
彼は結局、それを選択することが出来ない。

パルック様にお願いした鍵付きの引き出しの中
ポプリと共に部屋の主の帰りを待っていたのは
入れた手紙ではなく、無くしてすっかり忘れていたあの絵で
思わず目を見開き、声が漏れるような
外に飛ばされたからでは説明がつかないような
多大な変化を持っていたのだ────]

(10) 2019/04/20(Sat) 21時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ


 ……文字、だよな。これ

[よれて汚れ、けれど確かに自分のものと判別出来る紙を広げて
少年は何度も何度も、まるで文字の如きシミに視線を這わせる。

幾度も頻発する単語、書いた者の名前らしき言葉
その唇で繰り返しても、全てを解するのは難しい。
伝わるように書かれているのに分からないことが多い
それこそ、別次元の存在からの手紙かのように。

まず、学校で飛ばされた紙が引き出しに入っているのがおかしい。
これも「不思議なポスト」や「パルック様」なのか?
あの「絡みついていたもの」のこともまだ分からないのに。
少年の寝不足の頭は一瞬軽い目眩を起こし、額に手を添えた。]

(11) 2019/04/20(Sat) 21時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[ただ、怪奇的に変質した自分の絵を少年は
破り捨てようだとか恐ろしいだとか、思うことは無かったのだ。

メモに返ってきたあの手紙と同じように心が籠もっていた。
その者の強い想いに共感が出来てしまった。
そして相手も、問い掛けに繋げた言葉で
この気持ちと同じものをこちらに示している。

だから、]

 ありがとう、ソランジュ。

[驚きが困惑に変わり、その中に浮かんだ疲労が一時消えた頃
少年の指は紙に伸び、インクがぼけている部分へ
優しく優しく、指の腹で撫であげた。
それも文字と同じく、ソランジュの痕跡と認識した。

まるで人間ではないような言葉選びの多いその者にも
そんな独り言が届くわけはないと、知っているけれど。]

(12) 2019/04/20(Sat) 21時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[一晩離ればなれだった端末と充電器に再会の時間を堪能させつつ
椅子、ではなく絨毯に座り込んだその手には不可思議なものが一つ
長くて長くて、手に取る機会は一般人には早々無いし、
知る限りでは何かを書く為には使わない代物で。]

 なんだか…………、これも

[本当に人間が書いたものなのだろうか?
先程の件もあり、常なら笑い飛ばすような思考が過る

目を凝らして首を左右に忙しなく傾けて
眺め続けれど、その者の正体を示すようなものは無い
強いて言えば、言葉を刻むのに使われた道具が気になる
少年の脳裏に浮かぶのは、立派な爪で獲物を狩る獣。
目の前に現れたのなら、簡単に彼を食べてしまえるような存在。]

(13) 2019/04/20(Sat) 21時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[それでも恐ろしくならなかったのは、
どこか切なく、手を伸ばしてあげたくなるような
切実な感情を確かに感じたからか。

暫く視線を固定しながら、思考の間を見せた後
彼は絵を描く為の紙と、ペンを取り出して────]

(14) 2019/04/20(Sat) 21時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[少年はこれに関しては、パルック様とやらを頼ることをしなかった。

全開にした窓から半ば身を乗り出して
捧げるように並べた両手に乗ったそれは

ふわり、風に乗り────消えてゆく

彼はその時、続く不可思議を受け入れられた気がした。
走り続ける誰かに届くといいと祈った。]

(15) 2019/04/20(Sat) 21時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ


 ああ、なんて返そうかなぁ
 もう俺のこと、忘れてるかなぁ

[普段より間延びした声で呟き、少年は笑う。

端末が活力を取り戻す時を待ち侘びながら、知らない誰かを想い
その文面を一つ一つ思い出しながら、
通知を見た時と変わらない気持ちで胸を躍らせる。

一通は返信ではなく、相手から
最初は冗談のように思い面白おかしく感じたけれど、
今となると──もしかしたら本当かも、なんて。
どちらであっても、興味がひかれる内容だった。

二通目はなんと、自分のメールに返してくれたもの
多分女性、こちらと似た部分があるようなのが、気になる。]

(21) 2019/04/20(Sat) 22時頃

【人】 超心理学会 ヒイラギ

[やがて、充電を終えたのなら
急ぎ──小さな部屋でそんな必要もないのに──手にとって、
画面に明かりを灯せば早速とあのアプリを起動する。

悩みながら、しかし相変わらずどこか嬉しそうに
少しづつ少しづつ電子の白紙は埋められていき、
やがて何処かへと二通が飛び立った。

一日がとても長かった小さな頃のように
眠ることすら惜しんでいた。]*

(22) 2019/04/20(Sat) 22時頃

超心理学会 ヒイラギは、メモを貼った。

2019/04/20(Sat) 22時頃


【人】 超心理学会 ヒイラギ

[────余談であるが
利用者がメールでやり取り出来るアプリケーションには、
その匿名性を保つ為に、送信者のアドレスを表示しない機能がある。

「どちらも」それに準じた状態で受信した為に
そこにも不可思議があることに少年が気づくことはないのだ。]**

(23) 2019/04/20(Sat) 22時頃

[道端にクッキーがおちている。]


[そのクッキーは湿り気を帯びてふくらんでしまっていた。
それをアリが少しずつ分解して運んでいく。長い長い列が形成された。
近ごろは確保できる食べ物が少なかった。久しぶりの大物だ。
小砂利の奥の巣穴では、今年うまれたばかりの、未来の女王がお腹を空かせて待っている。
よく育ち繁栄したいとアリたちは思っていた。]


[鳥が飛んできて、クッキーを咥えて飛び去った。
その勢いの拍子で、アリの巣穴の入り口が小砂利に埋まった。

鳥はさらに食べ物を探して飛び回り。
クッキーは消化され、孵ったばかりのヒナに与えるためのミルクとなる。]


[鳥の巣では、孵ったばかりのヒナが、他の卵を巣から落とす。
自分がより大きく育つために必要なことだ。

鳥は飛び回り、フンをして地に種をまき、巣に帰る。
卵がなくなったことには気づくけど、それより先に無事なヒナへミルクを与える。]


[ある種は運良くふかふかの土の上についた。
雨を待ち、発芽の準備をする。

ある種は運悪く水の中へ落ちてしまった。
魚がそれを飲み込んだ。]


[魚の大群が水の中を行く。
あたたかな流れには沢山のプランクトンがいて、魚はそれを取り込みぬくぬくと成長する。

繁殖に適した水温のある故郷へ向かう途中、空からやってきた鳥が、底からやってきた魚の王が、陸からやってきたヒトが、魚をたくさんたくさん捕まえた。
魚群は三分の一の大きさに変わってしまった。]


[死への道だと魚は始めから決意していた。
どのみち伴侶と出会いことを成した後は死ぬのだから。
だけどどうせなら、水の中とも違う、空にあるというきらきらの中を泳いでみたかった。
それを出来る存在に強く強く憧れた。

その魚はとてもよく育っていたので、市場で非常に高価に競り落とされた。]


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注目:ヒイラギ 解除する

処刑者 (4人)

ヒイラギ
16回 (5d) 注目

種別

通常
内緒
仲間
死者
舞台
背景

一括

全示
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