196 水面に映る影より遠く
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[当たり前、なのです。>>21 この世に、私より素敵なひとなんて いるわけがありませんでした。 大和撫子ですし、バストもありますし、 天才的な頭脳を持っていますからね。 唯一、私が負けを認めざるをえないのが、 西の魔女だったのですが、 彼女は此処にはいませんから、 私より、素敵なひとがいたら、 たまったもんじゃありません。 樫木さん、よくわかっていますね。>>21
私は、在らざる眼鏡の位置を調整しようと、 フレームに触れようと指を目元に伸ばしました。 けれど、鼻の頭にゆびが当たるだけで、 見事にスカします。 ………樫木さんにばれていませんように。]
(81) ゆら 2016/08/24(Wed) 16時頃
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……不安、?
[散る花は確かに、私たちの記憶に残るのです。 儚い一瞬のことだからこそ尊いのです。 切り取ったその一瞬の私は、>>23 ちょっぴり照れくさそうに、 笑っていたことだと思います。
私だけに残されるその写真は、 私の宝箱の一部に綴じ込めましょう。 誰かが、気付いてくれたら。 いつか、科学の発展した未来で、 私がいたという事象に気づいてくれるなら、 なんて、傲慢知己な いと は思うのでした。]
(82) ゆら 2016/08/24(Wed) 16時頃
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[ちらり、周りの景色を仰ぎましょう。 あとで下さるという、想い出の数々。 私だけに残される宝物たちを、 これからの未来、何度もなんども 見返していくことになるのでしょう。
嬉しいのは、私の方なのに。 どうして、こうもただのひとは、 何気ないことでも喜んでしまうのでしょう。 本当に安いにんげんですね。]
(83) ゆら 2016/08/24(Wed) 16時頃
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[落ちた視線は、 遠くで描かれていたぺかちゅうには、 気付けなかったことでしょう。 最も、そのぺかちゅうは、まだ 下手の極みでしたから無理もありません。
芽生えかけている甘酸っぱい恋二組の気配には、 気づいていたので、それとなくぼやきます。]
…なぜでしょう、 樫木さんが、寂しそうだったから。 なんて、こじ付けにも程がありますか?
[俯いたときに、はらりと落ちる横髪。 夜と言えど、夏の夜なのですから、 汗で頬に張り付くのは少し鬱陶しいものです。 指で掬い上げ、耳にかけましょうか。]
(84) ゆら 2016/08/24(Wed) 16時半頃
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[そうして向けた笑顔。 立ち上がりざまに、浴衣の砂埃を払って、 軽く頭を下げてその場を離れようとしました。]
(85) ゆら 2016/08/24(Wed) 16時半頃
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[ 樫木さんの掌は、 私の掌を確かに掴み取りました。 ]
(86) ゆら 2016/08/24(Wed) 16時半頃
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[私は、双眸を丸くさせて、振り返りました。 何かを言いたげな様子に、ぱちくりと瞬きます。 何か、返答はあったでしょうか? 青い春は、寂しがりやさんを 沢山生み出すのかもしれませんね。]
一緒に花火、していましょうか。
[と、私は二人分の花火を確保でもして、 ぱちぱちと火花を散らせていたかもしれません。 その間は、来年の受験の話であったり、 ここ数日の補講であったり、 よく見かける白い毛並みの猫ちゃんのことだったり。 他愛もない話をしていたのかも、しれません。]
(87) ゆら 2016/08/24(Wed) 16時半頃
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[きっと、そのあとでしょう。 樫木さんと仲の良い、若菜さんが来たのは。 彼に名を呼ばれて、綻ぶその笑顔は、>>33 きっと、シャッターチャンス。
私は、お邪魔をしないように、 今度こそ。 そそくさとその場を離れたことでしょうね。*]
(88) ゆら 2016/08/24(Wed) 16時半頃
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[線香花火の火種は、 楽しいひと時の終わりを象徴することでしょう。 私は、アオイ[[who]]さんよりも長く花火を散らせていたと そう信じていますが、ほんの僅かな差ですから、 実際はどうだかわかりませんね。
名残惜しさを抱えながら、>>-251 私たちのは各々帰宅するのでしょう。 それぞれが抱える想いは、 決して寂しくて悲しいことだけではありませんでした。 深まる友情に、色恋沙汰。 そう、色恋沙汰。
大事なことなので二回言いました。]
(91) ゆら 2016/08/24(Wed) 17時頃
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[私だって、恋バナくらいしてみたかった。 今更ながらですが、そんな淡い想いを抱きます。 ああ、でもきっと、 久水さんと鈴宮さんのお話を聞いたら、 あの野獣どもを赦すことがあるかと言われたら、 それはそれで別なのですが。 あとは、東明さんに丹野さんたちにも、 魔の手が襲いかかっていることを知っていたならば、 暑い夏の魔法はどうやら恐ろしいらしいです。 ただ、もしも彼女たちが、 泣くようなことがあれば、この いと は、 地の果てまで追いかけ回そうと思います。
…………呪います。]
(92) ゆら 2016/08/24(Wed) 17時頃
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[さて、私も、この世界の自宅へと帰りましょう。 浴衣は、丁寧に手もみして洗ってから、 後日返すつもりですから、このまま。 後ろ髪引かれる思いですが、 この校舎から、去ることと思います。 …あ、明日からも私は図書室にいますよ。 だって、まだ読み終えてはないですからね。
だから、また明日。 校舎さん。]
(93) ゆら 2016/08/24(Wed) 17時頃
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[ 肩に乗る温もりを感じました。 ]
(94) ゆら 2016/08/24(Wed) 17時頃
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[ ──── ……!?!?!?
鼓膜を震わせる音はまさしく、 ぺかちゅう そのものでした! よもや、この時代にぺかちゅうが本当に、 本当に実在するなど、世界中が大騒ぎです。 トキ(をかける猫)ニャンなんて、 目じゃありませんよ!
しかし、……しかし。 ぺかちゅうって、こんなに大きかったでしたっけ。 肩に乗る温もりに疑問符を浮かべつつ、 私はくるりと振り向きました。]
(95) ゆら 2016/08/24(Wed) 17時頃
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[ おまえだったのか !
其処にいたのは、千島さんでした。>>54 もしかして本物かと思ったので、 少ししょんぼりしつつ、 ちゃあに込められた意味を解読しようとします。]
………ちゃ、ちゃちゃあ?
[ぺかちゅうのコツを早く教えろという内容に 違いありません。そうに決まっています。 夏祭りの話はまだ聞いていませんでしたし、 ぺかちゅうのその鳴き声に込められているとも、 天才的な私でも解読不能でしたので、 いつにしましょうか?なんて、返答を。 もちろんぺかちゅう語です。 さて、伝わりましたでしょうか?]*
(96) ゆら 2016/08/24(Wed) 17時頃
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─お祭り当日のひるま─
[窓から吹き込む風が涼しく感じます。 陽射しを遮るカーテンは、大きく棚引いています。 昨夜とはまた異なり、いつもの私。 首回りに、髪が汗でぺったりとくっついています。
私が眼前に広げているのは、 真っ白な冊子でした。 私の宝箱、まだ何も詰め込まれていない。 大切な、大切な、宝箱でした。]
(132) ゆら 2016/08/24(Wed) 22時半頃
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[私は、お気に入りのぺかちゅうペンを片手に、 まだ鮮明に残る宝物を綴じ込めようと、 真白に向かいましょう。
夢中になって走らせるそのペン音だけが、 この静かな図書室に響くのでした。 時はあっという間に過ぎてゆく感覚を、 この身にはっきりと感じながら、 空が茜に染まるまで篭城していたことと思います。]
(133) ゆら 2016/08/24(Wed) 22時半頃
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[帰り間際の、ぺかちゅうトークは、 端から見れば滑稽なものだったことと思います。 描き方のコツを伝えるタイミングがいつなのか、 噛み合わない私たちの会話の結果は。 自宅に帰ってからの、お祭りのお誘いによって おそらく、たぶん、きっと判明したことと思います。
真白のノートの色が、 だんだんと色を変えてゆくことで、 私は漸く時間を認識しました。 家に帰っている暇はあるでしょうか? みんなは、浴衣でくるのでしょうか? ぱたり、と冊子を閉じて。 私は、図書室をcloseしたことでしょう。]
(134) ゆら 2016/08/24(Wed) 22時半頃
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[もちろん、今回も既読スルーでしたが。 私が来ることはわかっていたのではないでしょうか?
昨夜、 転校 を打ち明けてしまってから、 私はそれなりに、分かりやすい女に、 なったことと思います。]*
(135) ゆら 2016/08/24(Wed) 22時半頃
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─ お祭り─
[勿忘草に桔梗の花が咲き乱れ、 深い紅の帯で締め上げました。 髪は、三つ編みに仕上げて、 眼鏡は、今夜も外してみましょう。
結局、家に帰っては着替えてきました。 紫がかる空に、私はふぅと息を吐き出します。 みんなで遊ぶのは、きっとこれで最後でしょう。 ぺかちゅうの約束も、今夜果たされるはずです。]
(156) ゆら 2016/08/24(Wed) 23時半頃
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[コンクリを鳴らす下駄の音が耳に届くのは、 割と心地よい気がしていました。 本来ならば、ヒーローは最後に登場するものですし、 芽生える甘酸っぱいものを見守るために、 外から眺めておくことも必要でしょう。
けれど、今回ばかりは 私の我儘を通してもいいですよね? 集合場所へとたどり着けば、 多くの人で賑わっていました。 この大勢の中から、誰かを見つけられるでしょうか? 手元の巾着袋を、きゅと握りしめ、 私は、あたりを見渡していました。]
(157) ゆら 2016/08/24(Wed) 23時半頃
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[まず、視界に入ってきたのは。 耳許でささやき合うほも、でした。 私の眼は、輝くことはありません。 何か見てはいけないものを見てしまった、 そんな心地で視線を逸らします。 近づくのは、やめておこうと思いました。
次に見つけたのは、 可愛らしい浴衣美少女、東明さんと、 ぺかちゅうの声真似の上手い千島さんでした。]
(158) ゆら 2016/08/24(Wed) 23時半頃
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[ すこしだけ、ほんのすこしだけ。 胸がちくりとしたのは秘密です。 ]
(159) ゆら 2016/08/24(Wed) 23時半頃
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[浴衣姿の二人が並ぶ様子を見れば、 ほんのちょこっとだけ 下を向いてしまったかもしれません。 本当に、ばかな女ですね。
今はそのままにしておきましょう。 みんながもう少し集まってから、 みんなの元に合流すればいい。 私は、すみっちょにある木の陰に 一人哀愁を漂わせる主人公のライバルのごとく、 そっと佇んでいたのでした。]*
(160) ゆら 2016/08/24(Wed) 23時半頃
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[ぽつん。 一人佇んでいれば、 目の前にひとかげが近づいてきました。 浴衣姿の男の子。 携帯を片手にこちらを見ています。]
大原さん? ……ふむり。 浴衣、似合って………こほん。
[似合っていると、思いましたが、 素直に言うのは少しばかり憚られます。 携帯から揺れるストラップを、 少し目で追いかけながら、 大原さんの向こう側を、ちらり。]
(176) ゆら 2016/08/25(Thu) 00時半頃
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彼処には、近づけませんねえ。
[なんて、笑ってみましょうか。]*
(177) ゆら 2016/08/25(Thu) 00時半頃
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[さらりと口にする褒め言葉に、 私はぽ、と頬を赤らめて下を向きます。 褒められ慣れてはいませんから、 どのように反応するのが正解なのか、 それが分からないのです。]
い、いわゆる日本人顔ですから、 あまり派手なものは似合わないのだと、 思われます………ええと。
[こほん、ひとつせきばらい。]
(186) ゆら 2016/08/25(Thu) 01時頃
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大原さんこそ、お似合いですね? て、 わ。 ………アイスクリーム、…アイスクリーム
[……ぴこん! アイスクリームのお礼は、どうなったのでしょうか! ゆらゆら揺れるアイスクリームストラップ。 私は、アイスクリームを食べたかったのですけれど、 これで許してあげてもいいんですよ? と、ちらちら。]
(187) ゆら 2016/08/25(Thu) 01時頃
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[東明さんに、千島さん。 二人と、そして離れたところにいる丹野さん。 彼らの姿を見納めれば、 私は彼らに手を振るのでした。]
こんばんは、みなさん集まってきましたね。
[東明さんに、小さく手をふりふり。 お返事しましょう。 木陰から、祭りの喧騒の傍までゆけば、 可愛らしい姿に胸がきゅるるんでした。]**
(188) ゆら 2016/08/25(Thu) 01時頃
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[私の向けた視線は気付かれてしまったようです。>>191 揺れていたアイスクリームは、私の手の内に。 これが、先日のお礼だと思えば、 私はつん、と二匹の動物を模したキャラクターを 指でつつきました。 …ぺかちゅうには負けますが、 可愛らしい見た目に、 ふふりと笑みが零れたことでしょう。
そして、私は、ぺこり。彼に頭を下げるのでした。]
(260) ゆら 2016/08/25(Thu) 21時半頃
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[近づく東明さんに、私は目を奪われました。 かわいいのは貴女のことです。>>193 と、隣の大原さんの言葉に、大きく頷き、 僅かに施された化粧に、女の子を垣間見た私は、 艶やかなその姿に、西の魔女のことを、 重ねて見ていたのかもしれませんね。
揺れる花も>>194、伏せられた睫毛も>>203、 染まる頬も、恋する乙女の横顔も、 私は直ぐそこで交わされる会話に、 眸を細め、同時に胸の奥に灯る灼熱感に、 襲われていたことと思います。]
(261) ゆら 2016/08/25(Thu) 21時半頃
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